田村大臣会見概要

(令和2年11月10日(火)  9:40 ~ 9:57 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。本日、私からご報告はありませんので、ご質問があればお願いします。

質疑

記者:
三次補正予算の関係で伺います。今日の閣議で総理から編成の指示が出たかと思いますが、厚労省としてどのような項目を盛り込む方針か、現時点での見通しをお願いします。また、一部報道では三次補正で不妊治療の助成拡充を図るという内容も出ていますが、その点も含め大臣の考えをお願いします。
大臣:
三次補正ですか。
記者:
はい。
大臣:
今はまだ検討中ですので、個別についてお答えをすることは難しいです。今いろいろと検討している最中です。
記者:
製薬大手ファイザーの関係で、開発が進められている新型コロナのワクチンについて、ファイザーが感染や発症を防ぐ有効性が90%以上に上ったとする臨床試験の結果を公表しました。こちらについての大臣の受け止めと日本としての今後の対応についてお願いします。
大臣:
私もファイザーの報道等で知りまして、今役所にも確認しました。報道で、9割が有効であるというか、そういう差が出てきているという話があります。中間解析の結果ですので、これらについてどうコメントしていいか分かりませんが、仮に承認申請が出てくれば、それは安全性、有効性等をしっかり確認の上、最終的に承認するという形になると思います。もちろん、承認するかどうかもあります。
記者:
昨日北海道で一日の感染者が200人になって、東京と大阪に次いで1日200人ということですが、いま国で北海道に対して行っている支援の現状と、Go Toイートも北海道では今日から発売開始されます。Go To トラベルも含めて経済活動との両立という意味で、この事業をまだ続けていって良いのか大臣のお考えをお願いします。
大臣:
5日連続して100人超えで、200人という数字が出てきたということで、非常に我々も心配しております。歓楽街ということが一つのクラスターの原因であることは確かですが、それだけではない状況があるわけです。要するに感染経路が不明な方々もおられるわけで、これは一定程度感染者が増えてきたときによくあるパターンです。
 北海道でこういうことが起こっているということが、季節的な影響があるのかどうなのかということは、専門家の方々もウイルス自体が季節性によって感染力が増えるか増えないのかということはまだよく分からないわけですが、よく言われますとおり、どうしても寒いと換気をしづらくなるという要因があるのかどうかも含めて、北海道は今いろいろと調査されていると思いますので、その調査結果等を踏まえて、我々も、もし寒さということであれば、これは北海道だけでなくこれから日本中そういう季節に入ってきますから、いろいろな教訓として学ばなければならないことがあると思います。
 同時に、分かってくればそれは北海道自体のいろいろな感染拡大を防止するためにも重要な一つの方策になってくると思います。昨日西村大臣が会見で、換気をしているかどうか測る機械をご紹介されたようです。例えば、換気扇があればそれを回して一定程度空気が入ってくるところを開けておく、これは外だけではないのかも分かりませんが、開けておけば空気の流れは起こるわけで、我々としては、もちろんいろいろな状況によって空気の流れ方は違いますから、一定程度研究した上とはなりますが、そういうことが有効であるかどうかも含めて調査した上で、そういうものをやっていただくだとか、いろいろなことをこれからはお願いしていかなければなりません。
 ガイドラインを今まで示しておりますから、そういうものもしっかり守っていただく、よく言われます自粛疲れというものがあるとすれば、それは段々緩みになってくると、これからまた人が、どちらかというと部屋の中といいますか室内で過ごす時間が多くなってくるという季節になってきますし、北海道はもうそういう季節に入っていますから、そういう部分も含めて国民の皆さまには注意喚起をしていかなければならないと思います。
 国からは11月3日からクラスター対策班の専門家を派遣しており、現在3名派遣しております。併せて、これは疫学調査のような形で専門家1名と厚生労働省から3名派遣、計4名を札幌市に派遣しておりまして、更には全国知事会からの協力によりまして、10県から保健師を24名、そして学会等から専門家を4名確保したところです。
 これからも応援派遣も含めて、いろいろな形で支援という体制を整えていかなければならないと思っています。
記者:
Go Toについてはいかがでしょうか。
大臣:
現状Go Toについて、北海道のステージ3と国のステージ3が全然違いますので、国のステージ3をもし北海道が宣言をされるとすれば、分科会からそのような場合にはGo Toトラベルの対象から外すべきという話は出ておりますが、まだこれも正式決定したわけでもありませんし、北海道は今独自のステージ3なので、これは国が言っている数字とは違います。
 今のところGo Toトラベル、キャンペーン全体は、経済という部分も非常に重要ですし経済が停滞するとそのまま雇用に大きな影響が出てまいりますから、そういう意味では現状我々としてはGo Toのいろいろなキャンペーンを北海道で止めるという考えはありません。
 そこは北海道とも密接に連携しながら、これからもこのGo Toについてはいろいろなあり方について検討していきたいと思います。
記者:
インフルエンザワクチンについて2点お伺いします。インフルエンザワクチンが現場では不足しているという声が多く聞かれまして、この現状について大臣どうお考えでしょうか。
 それについて、専門家に伺うとこれは在庫を抱えている医療機関が偏っているということが原因であるとして、これは民間とかではなく、国の方で在庫の偏りを管理した方が良いという声もありますが、政府がワクチンを買い取るなど在庫管理に関与する可能性はないのでしょうか。そのことについてもお願いします。
大臣:
以前も申し上げたと思いますが、全体量からすると成人で6,600万人分のワクチンが供給される予定で、順次供給されています。そういう意味では、去年と比べれば18%増産という形なので、去年と比べれば決して少ない数が供給されているわけではなく、一定の数が供給されております。
 そんな中でばらつき、ミスマッチが生まれているということは、我々もいろいろな地域で本来子どもにインフルエンザワクチンを打ちたいんだけれども、いつも打っている医療機関に行っても在庫がない、もしくは予約が入らない、こういうようなお話を聞いております。ミスマッチが生まれているということがあると我々も思っています。
 ここは卸の皆さま方に医療機関の状況等を、一番よく分かっていただいているのは卸の方々だと思いますので、卸の事業者の方々に把握いただいて、ミスマッチが起こらないような配布の仕方というものを改めてお願いしているところです。
記者:
国が直接偏りの是正に介入するということはやはり難しいのでしょうか。
大臣:
購入をされているとすれば、それを強制的に買い取るということは何らかの立法措置等を考えないとなかなか難しいと思います。まだこれから購入に向かって動いているものに関しては、今も申し上げたとおり適切に、今まで大体どこにどれくらい入っていると卸は分かっていると思いますので、そういうところについては上手く配分できるように調整をお願いさせていただくということです。
記者:
新型コロナの関連で伺います。昨日政府の分科会がこれまでよりも踏み込んだクラスター対策の強化を行うなどの提言を取りまとめておりますが、現状の全国的な感染状況について、大臣どのように見ていらっしゃるかということと、分科会の提言を受けた取組に、政府としてどのように取り組んでいかれるかお願いします。
大臣:
1,000人を全国的に超える日が結構あるということなので、これは間違いなく、1ヶ月くらい前、400人から600人くらいで推移していたころから比べると、増えていることは間違いないと思います。これが先ほど申し上げた季節的なものがあるのかどうか、また季節の変化によって生活様式が変わっているということが原因であるかどうかということはこれから分析をしっかりしなければならないと思います。
 一方で、昨日現状を見据えて分科会から提言が出てまいりました。そういう意味では、この中にあります例えばコミュニティーにおける隠れたクラスターという問題が一つ大きな視点だと思います。
 外国人の皆さま方のコミュニティーに上手く情報が伝わらないという話もありました。こういうこともしっかり情報を伝えながら、積極的に体調が悪ければ医療機関等も受けていただかなければなりませんし、一方で、外国人の方々のコミュニティーに広がったからといってそれがすぐに日本人全体に広がっているわけではないので、その他にも例えば歓楽街の問題があり、また、最近学校、特に大学が今までのオンラインから大学に集うようになりつつあるし、それもまた文科省からもお願いしてきましたので、それによる若い方々の接触の機会の増加で、しかも大学というのは比較的濃厚にコミュニケーションを取る、若いということもありますから、そういう傾向にあるので、そういうところに対してやはりマスクのしっかりした使用ですとか、また飲み会など飲食、特にアルコールが入る場合には特に気をつけていただくことであるとか、そういうことも踏まえて我々としてもしっかりそこは周知していかなければならないと思っています。
 これは今までやってきたこと、このコロナ対策をやってきたことにおいて、いろいろなことを我々も学んできていますので、それに対して分科会が、また今回一つの注意点、留意点というものをお話しいただいたということでして、これに則って感染防止対策をしっかり進めてまいりたいと思います。     
記者:
ひとり親世帯に向けた臨時特別給付金についてお尋ねします。大臣ご承知のとおり与野党内もしくは支援団体から、再支給を求める声や支給対象の拡大を求める声が出ております。現時点で、大臣その点についてどのようなお考えなのか。今後の対処についてお尋ねします。
大臣:
これに関してはひとり親家庭の中において困っておられる方々が、特にこういった非正規雇用が非常に厳しいので、ひとり親家庭の方々、比較的非正規雇用で働いている方々が多くございますので、影響があるということで臨時に給付金を出したわけであります。それを大体、まだ完全に配り終えてはいませんが、多くの方々にご利用いただいたという事実があります。いろいろなお声をお聞きする中において、年末に向かってまだ状況が改善していないという声もお聞きします。
 一方で8月の調査ですけれども、ひとり親とひとり親じゃない家庭と比べた場合、どれぐらい収入等に影響があるかという調査では、これはJILPTの調査なんですけれども、それほど差がないという調査もあります。そういう下で、とは言いながら私自身はやはり昨年度との前年対比の雇用情勢を見ても、正規は一定程度増えているんですよね。
 具には分析していないからはっきりしたことは言えないかも分かりませんが、雇用調整助成金がそれなりに効いて、企業も大変厳しい中、雇用を守っていただいているというところがあるんだと思います。ただし、非正規雇用の方々はやはり減っている、これは100万人以上減っています。前年同月比9月の数字で。
 となると、やはり先ほど申し上げたひとり親家庭の方々というのは、非正規で働いておられる方々が多いというのは間違いないわけでありまして、やはり何らかの影響が出ているのではないかと思います。そういうことも踏まえて与野党からいろいろなご要請をいただいております。
 厚生労働省の中においても、しっかりとここのところ、ひとり親家庭の皆様方の状況を分析しながら、どういう支援があるべきなのか検討している最中であるということであります。
記者:
プール方式について伺います。
大臣:
何方式ですか。
記者:
プール方式です。世田谷区が検討しているプール方式について、厚労省としてどのように考えているか。また、科学的知見が確立された場合、世田谷区だけでなく、国内での導入も考えられるのかお願いします。
大臣:
世田谷区から、東大先端研と連携してプール方式の検査をやっていただいているという話はいただいておりまして、いろいろやった結果ですね、実施結果・研究結果を我々もいただいておりまして、今妥当性の評価をさせていただいております。
 評価結果を待って一定の成果といいますか、要はプール検査自体が有効であるということが分かった場合にどうするんだというお話しだったと思いますが、それは検証した上で、有効であれば一つ参考とさせていただきながら、どういう検査方法に反映できるかということは検討してまいりたいと思います。

(了)