加藤大臣会見概要(新型コロナウイルス感染症対策の基本方針について)

(令和2年2月25日(火)15:30~16:11省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

冒頭発言

大臣:
本日政府対策本部が開催されました。昨日の専門家会合での議論を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針をとりまとめました。現在国内の複数の地域で感染経路が明らかでない患者が散発的に発生し、小規模な患者の集団が把握されています。まさに今が今後の国内での健康被害を最小限に抑える上で極めて重要な時期であります。一つの患者の集団が、次の集団を生み出すことを防止する。患者の増加のスピードを可能な限り抑制するとともに今後の患者の増大に備え、重傷化対策を中心とした医療提供体制などの整備を進めてまいります。この基本方針は、国や地方自治体、医療関係者、事業者、そして国民の皆様が一丸となってこの新型コロナウイルスに立ち向かっていくための基本方針であります。多くの事例では、感染者は周囲の人にほとんど感染させていないとされています。しかし、一部には、特定の人から多くの人に感染が拡大したと疑われる事例があります。また、閉鎖空間において、近距離で多くの人と会話をするなどの一定の環境の下では、咳やくしゃみなどがなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。国民の皆様にはこの新型の特徴を踏まえて、以下のお願いをしたいと思います。一つは、感染の不安から、適切な相談を行わずに医療機関を受診することがないようにしていただきたいということであります。もう一つは、先ほど申し上げたような、感染しやすい環境に行くことを避けていただきたいということであります。また、手洗い、咳エチケットなどを徹底し、風邪の症状があれば、外出を控えていただきたいと思います。やむを得ず外出をされる場合には、必ずマスクを着用していただくようお願いいたします。これには休暇の取得、時差出勤、テレワークなどについて企業や団体の協力も必要であります。これまで全国一律でのイベントの自粛要請を行うことはないと申し上げてまいりましたが、今後は患者の集団が確認された地域などでは、関係する施設やイベントなどの自粛を検討していただくこともお願いしてまいります。国は、患者の集団が発生している実態に最大限の支援を行ってまいります。本日、北海道知事からの要請を受け、感染症の専門家の対策チームを現地に派遣いたしました。関係省庁と連絡しながら地域の感染拡大の防止を支援してまいります。この基本方針では、今講じている施策、そして、今後の状況の進展を見据えて講じていくべき施策を総合的に整理をいたしました。感染症対策では、あらゆる事態を想定しながら、対策を講じていくことが、重要であります。引き続き、先手先手の対応を進めていきたいと考えております。最後に改めて申し上げたいと思います。まさに今が、今後の国内での健康被害を最小限に抑えるため、極めて重要な時期であります。どうか国民の皆様方の協力を重ねてお願いをしたいと思います。私の方からは以上であります。

質疑

記者:
まずは今ご説明された基本方針ですが、多岐に渡る項目が並んでいますが、策定にあたっては、どのようなところを重視されましたでしょうか。それからまた、国民により分かってほしいところは、どういったところでしょうか。
大臣:
まず、先ほど申し上げましたけれども、感染を早期に終息させられるかどうかは今まさにこの時期の感染防止対策の取組みにかかっております。その点は昨日の専門家会議の皆さん方もまさに意見が一致したところであります。感染防止の取り組みは、もちろん国や地方団体、医療関係者などそれぞれがご努力いただいているわけでありますけれども、それだけで十分な効果があるということではありません。基本方針で先ほど申し上げましたように、感染の不安から適切な相談をせずに医療機関を受診することや感染しやすい環境に行くことを避けていただくこと、また、風邪の症状があるときには外出を控えていただく、また、企業や団体も休暇の取得や時差出勤、テレワークなどを通じてこれを始点にしていただく。まさに国民の皆様一人ひとりが一丸となって、この感染拡大防止に向かって取り組んでいただくことをお願いする内容となっております。また、感染の状況は地域によって大きく異なります。国は患者の集団が発生している自治体に専門家のチームを派遣し、自治体に最大限の支援を行ってまいります。地域の実情に応じた丁寧な対応こそが感染拡大防止の鍵だと考えております。さらに今後の患者の増加を想定しておかなければなりません。それに備える重症化対策を中心とした医療提供体制の整備、これをしっかり行っていくことも重要であります。これらを含めて、今講じている施策、今後の状況の進展を見据えて、講じていく施策を総合的に整理をさせていただきました。今後はこの基本方針に立って、個々の具体的な施策、それぞれの各省で検討していただいて、具体的な通知等を発出していただきたいと思います。
記者:
それからもう一点なんですけれども、今回決定された基本方針の中、感染拡大防止策、現行の取り組みということで患者クラスターが発生している恐れがある場合には、それに関係する施設の休業、イベントの自粛等の対応を要請するとありますが、今現時点でこういった要請をするような対象があるのでしょうか。どういったところが考えられるのでしょうか。
大臣:
現時点で患者クラスターが発生している恐れがある場合として、例えば、先ほど申し上げた知事から要請があった北海道などが該当するものと考えております。この基本方針に基づいて、先ほど申し上げましたが、知事の要請を受けて専門家チームを派遣しておりますから、その専門家チームが自治体と一緒になって、データ分析を行い、検討を対応していくこと、それをまず踏まえていきたいと思います。国としては、そうした患者の集団が発生をしている自治体と連携して、また、専門家チームがデータの収集分析と対応策の検討を行うことをはじめとして、さらに関係省庁と連携しながら、当該地域の感染拡大に向けて、最大限の支援をしていきたいと思います。
記者:
専門家チームの派遣についてなんですけど、北海道は今感染者30人で東京に次いで2番目に都道府県別に多いのですが、クラスターというご指摘ありましたけど、今北海道の現状をどのように見られているのでしょうかということと具体的に何人ぐらいを、北海道の色々な地域で発生していますけど、どこに派遣されるかを教えてください。
大臣:
まずは札幌の道庁の方に派遣をさせていただいて、道と連携を取りながら、先ほど申し上げた分析をし、今後対応すべき課題等について、逐次整理していくというふうに思います。そうした分析や問題点、我々も逐次聞かせていただいて、こちらにも厚労省のみならず、色んな関係省庁が、一緒になった、いわばユニット、対応できる体制を作っております。そこで適宜必要な支援につなげていきたいと思います。
記者:
北海道の現状についてはどのように見てらっしゃいますか。かなり都道府県別では突出して多いんですけれども。
大臣:
したがって、先ほど申し上げたその患者クラスターが発生している恐れがある、さらにこのまま行けば、1つの患者の集団が新たな患者の集団を作りかねない、そういうことも想定しながら対応していかなければいけないと思います。
記者:
先ほどクラスターの件についての対応お話がありましたけれども、今回の策定をしたうえで今後厚労省としてどう対応していかれるか、計画全体、基本方針全体を受けて主に対応をお願いします。
大臣:
これは本当に基本方針でありますから、それぞれ個々、具体の中身については、それぞれ担当部局で、さらに中身を詰めて、そして必要なものをこれは厚労省だけでできるものではありません。地方自治体あるいは医療の関係者のみなさま方、そういった方々と連携しながら対応していかなければなりませんから、そういった通知を発出するとか、あるいはさらに検討を深めるとか、そういった対応をする中で具体的な方策を作り上げて、それを実現して実行していきたいと思います。
記者:
関連してクラスターについてですけれども、大臣のほうでどのように定義されているのか、その人数であったり規模感、こういったものはどのように形になるのか、それと北海道以外ではどういう地域を念頭に置かれてお話をされてるのか、その点をお願いいたします。
大臣:
これも、お手元のほうにお配りをさせて、これ配っているんですかね、プレスリリースは。まだ配っていない。ではこの後お配りをすると思うんですけれども、この厚労省の中にもクラスター対策班を作らせていただいて、逐次まずこちらでも分析をしながら、そして現地にも専門家を派遣して、また現地でも分析をしていく、こういう対応になっているところであります。現在分析をしているところでもありますから、今の段階でこうだと断定的なことは言えませんけれども、先ほど申し上げたそうした恐れがあるような地域に対してこうしたチームを出させていただいている。現在派遣しているのは具体的には北海道ということであります。ただ、これ以外についても先ほど申し上げた対策班において逐次分析をする中で、必要があれば当該自治体と連携を取りながら、対応を考えていきたいと思います。
記者:
加えてその何人規模ぐらいをクラスターととらえるのかという点はいかがでしょうか。
大臣:
規模ももちろんありますが、一定の、こうなんていうんですかね、感染の経路、つながりがあって、そして1つの集団としてとらえていくというのが患者の集団とかクラスター、そしてそれがまた次に新しいものにつながって、またそこから1つの集団が形成されていく、それを1つの集団から次の集団が発生されていく、こういう形で拡大をしていくということを、私たちは、あるいは専門家の皆さん方も大変危惧をしているところであります。それをどう遮断をしていくのか、防いでいくのか、ということが今問われているというところであります。規模が何人かという、必ずしも具体的に何人ならこうだというものは持っておりませんけれども、そうした動きがどう展開していくのか、この辺をしっかり分析することが必要だと思います。また必要であれば後ほど専門家会議の副座長をしております尾身先生からお話をいただければと思います。
記者:
クラスターについてお伺いしたいんですけれども。ここで徹底した対策を講じるとありますけれども、既に自治体としては積極的な疫学調査はやっているはずでして、その徹底した調査、支援もするということですけれども、具体的にどういうことを想定しているのか教えてください。
大臣:
まず具体的、疫学調査それぞれお願いしておりますけれども、それはやはり人員的な限界もあります。それから発症している数との関係もあります。そういった意味ではそういった積極的疫学調査を支援していくことも必要だと思いますし、いずれにしても、現地の中で物を分析して対応を考える上において何が足りないのか、そしてそこに専門家が行って足りないところがでてくれば、今度はまた、我々は色々なところから人員であり、あるいは場合によっては資源、予算であり、そういったものを集中することによって感染の拡大を防いでいきたい、そういう1つのシステムをですね、今回北海道においてはじめて動かしていこうというところであります。
記者:
既にクラスターが疑われるような地域でですね、自治体の取り組みで良い事例というかですね、なんか参考になるような事例でご紹介いただけるものがあれば。
大臣:
いやまさにそれを、ここから一つ作り上げていこうということで、今取り組んでいる、まさにそういった事例を作ることによってほかの地域でも、対応していく、あるいはほかの地域もそうやって自分のところでもそういうことでやっていきたいという話があれば我々積極的に対応していきたいと思います。
記者:
支援をされるということでしたけれども、積極的疫学調査ですと保健所でもマンパワーの限界とかもあると思うんですけれども、そういった点の支援を考えているのでしょうか。
大臣:
もちろん保健所のマンパワーが足りなければ、またどういう方を送って、あるいは疫学調査のやり方というのもあります。どこをポイントにするか、より重点化してやるとかですね、そういったノウハウもあると思いますから、そういったものも伝えさせていただいて、地域における対応が万全であるようにしていきたいと思います。
記者:
想定されるまあ具体的な対策としてですね、濃厚接触者等にですね、みんなPCRをかけるとかですね、そういったことも有りうるものなんでしょうか。
大臣:
それは必要に応じてだと思いますけれども、そういったことも含めてまず疫学調査できる能力、体制、それからさらにPCRとか、いろいろなことができる体制、それが現地で足りなければ地域の能力を活用していただいて、そちらも含めて体制を組んでいくと、いろんな対応があると思います。いずれにしてもある地域だけで全部やるといってもなかなか難しい場合もあると思いますから、それは私どもも入りながら、場合によっては地域のそれ以外の周辺のですね、自治体の協力をいただきながら対応をしていくということなんだと思います。
記者:
北海道に入る専門家というのは何人ぐらいで、どういう立場の方が。
大臣:
今すでに感染研から3名の方が現地に入っていると承知しています。入っています。クラスターって何なのかということを医学的な立場からお話していただきたいと思いますが、まずその前に何かご質問があれば。
記者:
ちょっとクラスターから離れるんですが、先ほど大臣、国民に対してですね、感染しやすい環境に行くことを避けてもらいたいというお話がありました。その点に関して、昨日ですね、今日ご同席されてます尾身先生が手の届く範囲での飲食する立食パーティーや飲み会などはなるべく避けてもらいたいというご指摘をいただきまして、よほど重要な飲み会でなければ、やらないほうがいいというのが率直な意見だというご紹介をいただきました。これに対して厚労省として、今国民にこういった立食パーティーでしたか、飲み会の自粛等の呼びかけにについてお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
大臣:
もちろん前から申し上げている、一律的にですね、自粛してほしいということではありませんけれども、今言われたような環境というのは感染しやすい状況であります。したがってそういったところはできるだけ避けていただく。特に高齢者とか、基礎疾患のある方はなおさらのことだと思います。
記者:
長野県でも今日初の感染者が出て、甲信越にも新たに確認されたということになりますが、現時点での国内の感染の広がりについてのご認識をお伺いしたいのですが。
大臣:
先ほど冒頭にも申し上げましたけれども、現在感染経路が明らかではない状況が散発的に発生をしている、要するにどこから感染がスタートしたのかということが明らかではない事例がかなり見えてきた、特に最近の事例ではかなりの割合でそういったものが多い、そして加えて小規模な患者の集団、塊というものがいくつか指摘をされている、まだ大規模な集団が発生している地域があるという状況ではありませんけれども、まさに今申し上げたような状況になってきている。したがってそれが一つの集団が違う集団を作ってまさに大規模な状況を作ることを防げるかどうか、これが今大事な局面だという認識です。
記者:
あともう一つ、北海道で専門家チームを派遣したということですけれども、これは自治体への専門家チームの派遣の基準みたいなものはあるのでしょうか。
大臣:
基本的に今回の場合は知事からご要請がありましたので、そうした要請に応えるということで派遣をさせていただきました。もちろんこれから私ども対策班を作ります。そこでも色々分析をいたします。そしてこの分析結果としてちょっとこうだなと思えば逆にそれを当該自治体にも連絡をさせていただいて、最終的には知事の判断、あるいは首長さんの判断だと思いますけれども、そういう待っているだけではなくて、場合によっては情報を提供させていただいて、ご判断をお願いする、そういう形でこれから進めていきたいと思います。
記者:
今回の基本方針では現状の対策と共に今後の対策が示されているのですけれども、その際表現として継続的に患者が増えているとかいう状況になっているのですが、大臣として現段階でどのような段階に行ったときに次の今後の対策に移るのか、今の認識で結構なので教えて下さい。
大臣:
確か医療提供体制の所だったと思うのですけれども、いずれにしても厚労省が一つの考え方をお示しをしながら、それぞれの地域で対応していただくということが必要だと、10ページ目ですね、地域ごとの各対策の切り替えのタイミングについてはまずは厚生労働省がその考え方を示した上で地方自治体団体が厚労省と相談しつつ判断するもの、まさに地域の実情においては最適な対策を講ずる、また対策の指針に当たっては地方自治体等の関係者の意見を伺いながら進めていくということでありますから、まずは私どもが一つタイミングの切り替え、例えば医療についていえば今の状況から軽症者は自宅にいていただいて、重症者に特化していく、例えばそういう切り替えをするという時には、一つのメルクマールはこういうものだということを、ちょっと専門家の皆さんのご議論を踏まえてお示しをさせていただきながら、最終的には各地方自治体がご判断をいただくと、またその際に我々はいろいろと相談にあずかると、そういう形で次の段階、しかも日本全体がいっぺんに行くというわけでは必ずしもなくて、地域によってかなりばらつきも出てくると思いますから、そういった地域地域の状況を踏まえながら対応させていただきたいと思います。
記者:
切り替えのタイミングは最終的には都道府県での判断という理解でよろしいですか。
大臣:
基本的には都道府県知事と相談すると思いますけれども、ただそれは広域な都道府県と割りとそうではないところがあればそれぞれ別で、例えば二次医療圏という切り方もあるのかもしれません。それは状況状況だと思います。
記者:
今回の基本方針の中で、PCR検査の重要性に触れられておりますけれども、先ほど午前の予算委員の分科会で、加藤大臣は日ごとの2月18日以降のPCR検査の全国の数をお答えになられております。2月18日86件、19日71件ですが、この数が非常に少ないのではないかという指摘が出ているという点と、同時期の2月13日から2月23日の和歌山県のPCR検査の数を聞きましたが、670件となります。日平均で67件になりますので、厚生労働省がPCR検査の実態をきちんととられているのかというと疑問を持っております。
大臣:
それは認識が違います、あそこで申し上げたのは疑似症サーベランスという仕組みの中でやっている数がそうだと申し上げまして、東京都の例を挙げましたけれども、今回発症した陽性の方の周辺に、濃厚接触者がおられて、その皆さんにかけられたPCR検査は別であります。入っていないことをそこでも説明させていただきました。従って、今の和歌山県の話について申し上げれば、当該患者になられた方のPCR検査はこれは入っております。しかし、周辺で調べられた部分については入っておりません。こういう数字であります。
記者:
関連して、PCR検査について保険適用についても言及されましたが、今後の見通しについてお願いします。
大臣:
これは、今は全額公費負担でやらせていただいております。そして、今後保険適用となると当然自己負担も必要となってまいります。問題は、大事なことは必要な検査をしっかりやれる体制をつくっていく、そして今、例えばインフルエンザのように簡易なキットがあってどこでもやれるということであれば、完全に診療報酬の中にやらせていただいておりますが、いずれにしても限界がある、そのPCRの能力をどこにかけていくのかということをその判断の中で決めていくことなのだろう思います。今のまま続けることがよいとは私も必ずしも考えておりませんけれども、切り替えるのであればそれ相当の能力がなければならない、そのためにも今、大学の附属病院や民間の医療機関等で自分のところでPCR検査が出来るという所については、試薬キットをお送りしておりますので、そして今検査出来る状況まで立ち上げる支援をさせていただいております。それから、民間の検査機関でも10を超える所が自分の所という声もありまから、そこにも試薬を送らさせていただいて、少し訓練しなければ検査のレベルが上がりませんから、今はその時期でありますが、逐次それが出来たところからどんどん引き受けていただいて、そういった状況が出来ればご指摘のような診療報酬というなかでの対応していただくことも十分考えて良いのだろうと思います。
記者:
いつまでにという時期はございますでしょうか。
大臣:
現段階では、手を挙げていただいたところに具体的に準備をしていただいておりますから、そうした準備が整ったところの様子を見ながら、判断していく必要があると思います。
記者:
確認ですが、クラスターが疑われる地域というのは現段階では北海道のみということでよろしいでしょうか。
大臣:
今は、北海道が該当するということを申し上げておりまして、それ以外については、今回対策チームを作っておりますから、そこでも早急に議論していきたいと思っております。
記者:
早急に議論ということは、現段階では北海道のみということでよろしいでしょうか。
大臣:
今明らかに該当するということで、知事から来ているということです。これはお互いが議論でしていかなければ、一方的に決めつけられるものではないと思っております。
記者:
おそらく和歌山県や東京都、神奈川県もありますけれども、その他の地域でもそういうことが今後疑われるということでよろしいでしょうか。
大臣:
一定規模の固まったかたちで発生しているものは、そのおそれが十分あると思いますし、やはり防ぎたいのはそこから違う集団が発生していくということでありますから、その辺を我々もしっかり分析しながら、その分析情報を当該地方公共団体と共有してどう対応するかということを進めていきたいと思います。
記者:
改めて、千葉県や神奈川県、東京都、愛知県、和歌山県と比べて北海道はどういう点が違うからクラスターが疑われるとおっしゃっておりますか。
大臣:
疑われると言いますか、北海道知事から要請があったということで、我々も行ってそういう恐れがあるということで派遣させていただいたということです。
記者:
今の北海道に関連してですが、先ほど大臣がイベント自粛の対象に北海道などが該当しうるとお話がございましたけれども、実際にイベントの自粛要請をされているのか、あるいは近くする予定があるのか、その際には範囲、会場の規模等どのような形になるのかという点と、また、東京都は感染者の数が多い上に、人が集まってイベントの開催も非常に多い地域ですけれども、東京都に対してはそういった措置をとられる予定があるのか教えてください。
大臣:
今、北海道のイベントの自粛というところまで申し上げているわけではなくて、まずはそういう恐れがあるということで専門家を派遣してどういう対応が必要なのかという段階でございます。先ほど、基本方針のなかで当該の段階において、具体的なクラスターが拡がっていきそうであれば、その関連する施設等、あるいはイベント等の自粛要請を検討するという基本的なスタンスですので、今の北海道の状況と一緒にするのは避けた方が良いのだろうと思っております。
記者:
東京都に関してはいかがでしょうか。該当しうる地域になるのかという点について。
大臣:
東京都でも人口も多いということもありますから、発生数も大変他の地域に比べても多いわけでありますけれども、集団的なものとしてどうとらえていくのか、一つや二つ見えるものも私はあると思います。それも含めて早急に議論し、東京都とともに状況の認識を共有化しなければいけないと思いますので、その上で必要な対策を一つひとつとっていきたいと思っております。
記者:
現時点で東京都知事から専門家の派遣要請等は来ておりませんでしょうか。
大臣:
現時点ではございません。特に今回は先に北海道知事があってたまたま私たちがそういう体制を組んでいたことですから、今回こういう体制を組んでおりますから、それぞれの知事の皆さんにも申し上げますのでそれを踏まえて各知事がご判断をされたり、重ねてになりますけれども、私どもの対策班で分析をしてきた中で、これはということは先方にお伝えしながら実態の認識の共有化を図っていきたいと思います。
記者:
先ほどのご質問でお答えになっていたことについて改めて確認なのですけれども、厚労省のページで国内の情報についてというところで、PCR検査の実施人数を出されていますが、これは周辺者の人数含められていないということですがその認識でよろしいでしょうか。
大臣:
ちょっとその数値が、確認します。
記者:
このPCR検査の実施人数の推移を見ていきますと数十人規模でしか毎日増えていないのですけれども、18日に予算委員会で大臣がお答えになった時には、3,800件ぐらいの検査対応可能となるとおっしゃっておりました。それとだいぶ現実が乖離されているのはどういうことなのでしょうか。
大臣:
可能な能力と実際現場で検査の依頼があって対応している、それから先ほどの方の質問とかぶるのですが、いくつかのパターンがありまして、この疑似症サーベイランスということがあって、何が疑似症かということで定義を拡大したのですけれども、これに当たる場合でやっているもの、それから濃厚接触者も陽性かどうかを判定するためにそれぞれの地域で実施されているものと、それ以外に今回のクルーズ船とかあるいはチャーター便の方に対して実施をしたもの、大きく分けるとそういうカテゴリーがあると思います。そういった全体量ではかなりの数をやっていると言えると思いますし、また3,800はまさに最大の今の能力、しかも各地区で一斉に同じようにやればそれだけ可能だということであります。ただ、国会でもご指摘いただいているように中には医療機関からPCR検査をと言われてもなかなか保健所の方から色々な能力の問題等もあって、断られているという事例が報道でも出されているところでありますので、私どもとしては再度、保健所等に対しては医療機関の判断を尊重してそうしたPCR検査を受けて欲しいと、まあ今回のここにもそういった意味において医師が必要と認めるPCR検査を実施するということを基本方針にも改めて書かせていただき、また保健所にも再度通知をして、あるいはどこに課題があるのか、これを我々も色々ヒアリングをしながら課題が具体的に見つかればそれを解決していく対応を取っていきたいと思ってます。
記者:
保健所だけでなく、医療機関の方でも数日、十日以上とか発熱が続いていても、検査を相談しても断られるケースも訴えている方も多くあるのですけれども、医療機関の対応について再度周知・徹底するということは考えていらっしゃらないでしょうか。
大臣:
これは医療機関の場合はまさに医師が総合的に判断されますので、我々としてはその判断は尊重していきたいと思います。
記者:
判断材料についてもう少し国の方から新たな見解を示されたりそういったことはないでしょうか。
大臣:
基本的に熱とか呼吸症状とか、あるいは肺の状況、それから他の疾患、他えばインフルエンザに罹っているか、罹っていないか、そういったことを総合的に判断して医師に判断をいただくと、ただ前回の通知の中でもインフルエンザのようなすぐに答えが出るようなものではなくて、中には数日間かかるようなものもあります、分析結果が出るまで。そうしたらそこまで待たずに、PCR検査を進めてくださいということは既に保健所等に通知をして申し上げているところであります。先ほどのご質問は、たぶんこういう表だろうと思いますけれども、上の段が疑似症サーベイランスでどれだけやったのかという数字を、下の方はチャーター便とか、さらに下はクルーズ船、ですからこれ以外に各都道府県が濃厚接触者について調査をするために実施をしているPCR検査が別途行われているということであります。
記者:
PCR検査の全体数というのは開示はされないのでしょうか。
大臣:
これはそれぞれ地衛研でやってるので、正直私ども地衛研であったり、特に企業がどれだけやっているかというところが全部一義的に情報収集する仕組みには残念ながらなっていない、したがって少なくとも、地衛研とか検疫所等では上げてくださいということはお願いをしておりますけれども、まあなかなか手間もあって十分上げてこれないところもあるようだと思います。
記者:
少なくともこれまでに上がってきた情報に関してはこの数字に含められているということですか。
大臣:
もちろんそうです。
記者:
先ほど東京や愛知や神奈川と北海道どう違うのかという質問について、クラスターと北海道は少なくともクラスターに当たるということの判断についてなのですけれども、その違う点は知事の要請があったということはわかりましたが、例えば科学的にというか、発生状況がこう違うのでというような何かもし解説があれば教えていただきたいです。
大臣:
ですから、このスキームはまさにスタートしようとしているところでありますから、そこに北海道の知事から要請があって、専門家の皆さんもそれは恐れがあるとうことで派遣をしたということで、他の地域について、まだこれを全部見ているわけではありませんから、そういったことで、もう一回そこは早急にチームの中でも分析をしていただいて、それから当該自治体とも状況の認識を図っていきたいと思っております。
記者:
もう一点なのですけれども、基本方針の今後の進め方についてなのですけれども、今後の施策の方に移る判断なのですけれども、今後専門家と相談してということでしたけれども、今までの専門家会議では今後に移るためのタイミング、例えばこういうのがあればという具体的な基準みたいなものは今までの専門家会議では具体的には決めることはできなかったということですか。
大臣:
いや、まだ、まずこれを作るとか、その前の目安とか色々やらせていただきましたけれども、当面の対応をすることをまず先に議論させていただいて、そして今現下において何をすべきなのかというのは今回出させていただきました。それから当然次のステージは想定しながらこういうことです。したがってどのタイミングで切り替えていくべきなのかということはこれからまた専門家会議でご議論いただきたいと思います。
記者:
熊本と北海道でコロナに感染した20代の若い女性がそれぞれ重症化していると伺っていますが、重症化して死にまで至るような方というのは基礎疾患のある高齢者の方という説をこれまで伺っていたわけですが、こういう若い健康な人は重症化しないというふうに言われてきたのに対して認識を改める必要があると考えたのですが、その点に関していかがでしょうか。
大臣:
いや、別にそういう世代であろうが重症化しないということではなくて、むしろ高齢者や基礎疾患がある方は重症化しやすいということをずっと申し上げてきたので、よりしやすい方には、より注意をしっかりと払っていく必要があるということで、目安では一般と高齢者や基礎疾患のある方を分けて書かせていただいたということです。
記者:
別の話で、ダイヤモンド・プリンセスのことなのですが、船内に入った検疫官の方が二人感染者が出ていると伺いまして、厚労省では検疫官と医療に従事されている方については、この後も下船する時に検査を行わないと伺っているのですが、同じ生身の人間なのになぜ乗船した医療従事者や検疫官の方について検査を行わないのか、疑問に感じまして、この点についてお尋ねしたいのですが。
大臣:
最初に申し上げた時には、それぞれそうした訓練を受けている方々ということで必要ないという判断をさせていただきました。ただ、今回二件検疫官の方については続けているわけでありますから、今回の方がどういうことで感染したのか、その辺を分析しながら、判断を考えていきたいと思います。
記者:
今のところは、改めて検疫をするかしないかは決まっていないということでしょうか。
大臣:
少なくとも前の方針は出させていただいております。その中で今回の事態を踏まえて、よくその辺を考えていく、こういうことです。
記者:
今のところはまだ予定にはなっていないのですか。
大臣:
具体的に、まだ分析をすることをまず取り組みたいと思います。
記者:
クルーズ船で下船された方の状況について伺いたいのですが、28名の方が発熱等の症状があるという答弁がありましたが、今、振り返ってみて、この状況を受けて改めて下船してから二週間隔離をお願いするというふうにしておけば良かったという気持ちはありますでしょうか。また、国内の今広がっている状況との関連性についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
下船については、度々重ねて申し上げているのですが、やはり高齢者の方、特に70代以上の方が5割を占める中で、こうした状況で続けることが精神的にも身体的にも大変厳しいというお話を聞かせていただき、また、そうしたことに対する様々なご指摘もありました。他方で国内の感染拡大を防止していくというのは、私たちの使命であります。そこで、これまでのチャーター便における分析結果、知見、それから今回の感染防止に効いているかどうかについて、専門家に分析をしていただいて、感染防止が有効であったという判断、これらを踏まえて、感染拡大防止をしてから二週間の間で、PCRを実施して陰性でかつその間に他に体調の変化がないという方を下船の対象とさせていただいた、ただし、フォローアップはしっかりとしていく必要があるということで、フォローアップ措置も入れさせていただきました。そういう中で、お一人の方が陽性だったということは、しっかりと重く受け止めていかなければならないということで、これまで定期的だったものを毎日フォローアップさせていただくということ等々の対応をとらせていただいているところであります。先ほど28人とおっしゃいましたが、これは全てがそういうことではなくて、中には検査もされて陰性の方もすでにおられます。それから、まだ医師や保健所と相談をされる段階で、今ただちに受診をされる必要はないのではないかという判断もあるわけであります。当面すぐ判断が必要だといった人、確か国会で7人と申し上げた方については、具体的な中身の説明を、今、手元に数字がないので恐縮ですが、状況は国会において説明をさせていただいた、こういうことであります。
 

(了)