根本大臣会見概要
(令和元年5月31日(金)9:23 ~ 9:43 省内会見室)
【広報室】
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私の方からご報告します。まずは有効求人倍率についてであります。平成31年4月の有効求人倍率は1.63倍と、前月と同水準となりました。また、正社員の有効求人倍率は1.16倍と、こちらも前月と同水準になりました。現在の雇用情勢は、着実に改善が進む中、求人が求職を大幅に上回って推移していると判断しています。次に世界禁煙デー、禁煙週間の実施についてであります。本日5月31日は、WHOが定めた「世界禁煙デー」です。厚生労働省では、5月31日から始まる一週間を「禁煙週間」と定め、「2020年、受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達をまもろう~」をテーマに全国各地で普及啓発活動を行っていきます。本日のお昼には、丸ビルホールにて「世界禁煙デー記念イベント」を開催します。私も出席する予定です。望まない受動喫煙をなくすため、本年7月より、改正健康増進法が一部施行され、学校や病院などの施設が敷地内禁煙になります。望まない受動喫煙のない社会を目指して取組を進めますので、国民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。私からは以上です。
質疑
- 記者:
- 韓国産のヒラメの検査強化についてなのですが、かねてから日韓関係の悪化が懸念されていて、さらにWTOの判断で水産物に焦点が集まるこのタイミングで韓国産の水産物を中心にした規制強化をやったことの是非についてどうお考えでしょうか。
- 大臣:
- 今回の措置は、近年、対象の輸入水産物を原因とした食中毒が発生しており、食中毒が増加する夏場を控え、国民の健康を守る観点から行うものです。
- 記者:
- 今回の指定されたものがほぼ韓国産のものだけで、韓国から輸入しているもの、ヒラメはほぼ100%韓国ですし、韓国への事実上の対抗措置ととらえられるようなリスクは考えなかったのでしょうか。
- 大臣:
- 今回は韓国への対抗措置として行うものではありません。今回の検査強化を6月1日から実施しますが、対象は韓国産活ヒラメ、そして生食用冷蔵むき身介類、アカガイ、タイラギガイ、トリガイ、ウニ、これを対象に検査を強化するということですから、これを対象にやるということであって特定の国ということではなく、あくまでこれを対象に食中毒の時期も控えて検査を強化するということであります。
- 記者:
- 特定の国ではないということでしたが、事実上今回の指定しているものが韓国に集中しているということについて特別な意味合いはないのでしょうか。
- 大臣:
- これは私が今申し上げたように韓国産活ヒラメ、それから生食用冷蔵むき身介類で、例えば生食用ウニは韓国のほか中国、米国、カナダ、チリから輸入実績があり、併せて、これらの国からの輸入用ウニの検査も強化することですから、これはこの対象の水産物に着目して検査を強化するということであります。
- 記者:
- 日韓関係の悪化につながる懸念はないと確信されておりますか。
- 大臣:
- これは毎回無差別でやりますから、そこはそのようには考えておりません。これはあくまでも食品安全の行政の見地から粛々とやるものであります。
- 記者:
- 旧優生保護法の仙台地裁判決についてお伺いします。除斥期間の規定などで請求棄却となったことをどう受け止めるかと、違憲という判断を受けて厚労省として認否を明らかにするなど何らかの対応をするお考えはあるのかという2点について知りたいです。
- 大臣:
- 先日5月28日に、仙台地方裁判所において旧優生保護法訴訟の判決が言い渡され、国の国家賠償法上の責任は認められなかった一方、旧優生保護法の優生手術等に関する規定は違憲との判断が示されました。旧優生保護法については、本件含め全国7か所の地方裁判所で国家賠償請求訴訟が提起されているところであり、今回の違憲との判断について、政府として見解を申し上げることは差し控えたいと思います。いずれにしても、厚生労働省としては、今後とも、すべての国民が疾病や障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、最大限の努力を尽くしてまいります。なお、4月24日に、旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた方に対し、一時金を支払うことなどを内容とする旧優生保護法一時金支給法が成立し、施行されたところであります。5月24日には、法施行後初めて、5名の方に一時金の支給認定を行いました。さらに5月30日付で新たに4名の方に支給認定を行ったところであり、引き続き、着実な一時金の支給に向けて全力で取り組んでまいります。
- 記者:
- 関連してなのですけれども、大臣ご自身は旧優生保護法を違憲と考えてらっしゃるかどうかというのをお聞かせください。
- 大臣:
- 違憲の判断については私としてはコメントをすることは差し控えたいと思います。
- 記者:
- 訴訟は継続中のためということでよろしいでしょうか。
- 大臣:
- 要は違憲かどうかということについては厚生労働大臣としてコメントを差し控えたいということであります。
- 記者:
- 障害者雇用の関連で伺います。昨日の国会で大臣が厚労省内での職場改善チームを昨日発足したという答弁をされていましたが、このチーム設置のねらいと今後どういうスケジュールで議論をしていくのかについて教えてください。また併せて同じく国会の中で今年の6月1日の中央省庁の障害者雇用状況の調査で併せて在職している障害のある職員の方にアンケートを実施するという答弁もありました。このアンケートでは、どのようなことを聞いて今後どのように活かされていくのか教えてください。
- 大臣:
- 障害のある職員が生き生きと働くことができる職場づくりのためには、当事者の意見をよく聴いて進めていくことが大変重要だと考えています。このような観点から、5月7日の第2回障害者雇用推進本部において、私から、障害のある職員自身が参加した職場改善チームを5月中に新たに立ち上げ、より良い職場づくりをしっかり議論するよう、指示したところであります。この職場改善チーム、これを昨日5月30日に立ち上げて、第1回の会合を実施したと聞いております。職場改善チームには、障害者が職場定着し活躍できる職場環境づくりに向けて、今後、月1回程度、職場に関する率直な意見交換をしてもらい、秋頃を目処に、より良い職場づくりに向けた具体的な改善方策をまとめてもらうことを期待しています。なお、職場としての「厚生労働省」において、何が職場定着等の課題であるのか、それ自体を、当事者自身の目線と、生の声から、虚心坦懐に議論することが大切であって、まあ特定の方ということではなく大事なのはチームで自由に議論をしてもらうことだと思っています。それと次の事案ですが、各府省に対して今現在の国の行政機関でどの段階で整理をしていくかあるいは定着状況の把握をしたところであります。6月1日時点の雇用状況報告を求めますが、その6月時点の障害者任免状況通報に併せて特別調査を実施したいと思っています。なおこの特別調査は各府省における採用・定着状況や離職理由を把握するとともに在職障害者に対するアンケート調査を実施するものであります。その意味では採用・離職状況等特別調査こういうものを実施することとしており、離職者の離職理由の把握や障害者本人へのアンケートを実施し、さらに職場定着に向けた課題も把握するものであります。
- 記者:
- その関連で、去年の10月から今、随時障害のある方の採用が進んでいると思うのですが、すでに16の中央省庁の機関で131人離職をしているという説明が昨日の委員会内であったのですが、これについてどのように現状課題を感じているかと、この人数が多いとか少ないといった受け止めをどう考えているか教えてください。
- 大臣:
- 各府省における2018年10月23日から2019年4月1日までに採用した2,518人のうち、5月23日時点における離職者は131人であり、約95%の方々が定着していることが判明しております。参考までに申し上げれば、障害者求人によって民間企業に就職した方の職場定着率というのは、1か月後で93.9%、2か月後で91.0%ということになって、民間企業に就職した方の職場定着率は、そういう状況があるということであります。一方で、出先機関を含め多数の障害者を採用した機関において相当数の離職者が生じている状況や、離職者数自体は少ないものの、離職割合が1割を超える機関もみられました。このような結果を踏まえ、厚生労働省としては、次のような取組みをしたいと思います。一つは、各府省に対するヒアリングの実施。これは、相当数の離職者が生じた機関や離職割合が高かった機関に対しては離職理由等を具体的に把握し、採用・定着に係る課題を明確化した上で、個別の課題に応じた支援策を検討、提案していきたいと思いますし、好事例についても把握して各府省に共有したいと考えています。もう一つが、出先機関に対する労働局・ハローワークによる訪問指導等を実施したいと思います。さらに、先ほども申し上げましたが6月1日時点の雇用状況報告に併せて特別調査も実施したいと思います。そして、特別調査については先ほど私が申し上げました通りであります。
- 記者:
- 厚労行政と直接関係がない気がしますが、政府内でローマ字表記の氏名の表記で姓を先にするか名前を先にするかで各大臣の対応が割れているかと思うのですが、大臣は姓を先にするか名前を先にするかどちらが適当だとお考えかをお聞きしたいのと、それから、現在お名刺や海外出張された際の英語表記でどのようにされているか、今後その順番を変えようとされるお考えがあるかをお聞かせ下さい。
- 大臣:
- 今、私の持っている名刺では、名前、姓の順で「Takumi NEMOTO」としています。これは、厚生労働省の英語ホームページや名刺、サイン等ではこれまでの慣行により「Takumi NEMOTO」と表示しています。今の姓、名の順に変えるのかどうかということですが、官房長官が会見で答えられているように、これまでの慣行があって、考慮すべき要素が多くあるため、まずは関係省庁で何ができるかを検討していくことになるのだと承知していますと官房長官も答えられているので、私もそう思います。
- 記者:
- 閣議後会見で日の丸を後ろに掲げるのは今回初めてと伺ったのですが、なぜ掲げることにされたのかということを教えてください。
- 大臣:
- 国旗というのは、国旗国歌法に定められたものであって、私は以前から、我が国の行政の責任者たる大臣として臨む会見において、国旗を掲揚することは自然なことと考えております。私も安倍内閣で初代復興大臣をやらせていただきましたが、国旗は会見室に掲揚されておりました。ですから、自然なことだと考えています。この度、新たに令和の時代を迎えたことを契機に、厚生労働大臣としてその責任の重さに思いを新たにしたこともあって、会見室において会見する際には、国旗を掲揚したいと考えたところであります。
- 記者:
- 大臣のご指示でということになるのでしょうか。
- 大臣:
- これは、非常に国旗の掲揚というのは私は自然なことだと思っております。
(了)