根本大臣会見概要
(H31.4.16(火)9:48 ~ 10:08 省内会見室)
【広報室】
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- まず、「年金ポータル」サイトの開設について紹介します。本日より、厚生労働省ホームページの中で「年金ポータル」サイトを開設しました。年金ポータルは公的年金と私的年金の制度や手続きについて、関係機関のウェブサイトに掲載された情報を、誰でも容易に探せるようにするためのサイトです。ご覧のとおり、本日はモニターを用意していますので、実際に画面をご覧いただきながら、年金ポータルを紹介します。こちらの画面をご覧ください。年金ポータルの画面では、画面中央の「水先案内人」が適切なホームページに案内します。年金ポータルは「わたしの年金」「みんなの年金」の2つの章から構成されています。「わたしの年金」をクリックしてください。「わたしの年金」では、年金制度の説明や手続きの仕方をライフイベントごとに8つに分けて検索できるようにしています。例えば、上の段の一番左にある「わたしの年金どうなっているの?」を見てみます。ここでは、年金の加入記録の確認や見込額の試算の仕方について紹介しています。例えば、上から3つ目の「ねんきんネットで加入記録と年金見込額を確認しよう!」を見てみます。こちらでは、関連した内容について簡単なQ&Aと、さらに詳しい情報にアクセスできるリンクがあります。それでは、リンク先を見てみましょう。外部へのリンクなので数秒ほどかかります。ご覧のとおり、日本年金機構の「ねんきんネット」ページにアクセスできます。年金ポータルは公的年金だけでなく、私的年金についても調べることができます。ここでは、上から3つ目の「iDeCo(イデコ)って何?」について見てみます。これも外部へのリンクなので、少し時間がかかります。このように、年金ポータルから関係機関のホームページに接続し、より詳しい状況を調べることができます。年金ポータルの開設に当たっては、有識者のご意見を聞き、国民の皆様にできる限り分かりやすく作るよう努めたところです。また、ポータル開設後も、国民の皆様からのご意見をお聞きし、よりよいものとなるよう努めてまいります。ぜひとも、多くの皆様に年金ポータルを知っていただき、年金ポータルを通じて公的年金・私的年金の制度や手続きについての理解を深めていきたいと考えています。さらに、今年度は、学生等を対象として、年金や老後の資産形成について関心を持つきっかけとなるよう、年金広報に関するアイディアを募集するコンテストを行う予定です。なお、年金ポータルの詳細に関しては、この後、事務方からブリーフィングすることとしています。私からは以上です。
質疑
- 記者:
- 子どもの貧困対策推進法なのですが、見直しを検討している超党派議員連盟の議論が大詰めを迎えております。この中で、子どもの貧困率などを改善する数値目標を大綱に定めるという規定について賛否が割れ、昨日の総会でも結論を持ち越しました。大臣ご自身はこの改善目標の設定についてはどのようにお考えでしょうか。
- 大臣:
- 子どもの貧困対策の推進に関する法律は内閣府が主管でありますが、この見直しについては、昨日の超党派議連で議論され、様々な意見があったと聞いています。子どもの未来がその生育環境によって左右されることのないようにしていく、これは重要であります。引き続き、まず精力的な議論を期待したいと思います。そして、厚生労働省としても、子どもの貧困対策を推進すべく、様々な施策を講じています。また、政府としては、施策を更に進めていくため、「子供の貧困対策に関する大綱」について、内閣府を中心に、関係省庁とともに、今年度内を目途に新たな大綱を作成することを目指して検討を進めています。引き続き、関係府省と連携して取り組んでいきたいと考えています。指標に改善目標を設けることについてですが、昨日の議連においても、様々な意見があったと承知しております。引き続き、精力的な議論を期待したいと思っています。
- 記者:
- 職業安定局の中間サーバが80億円をかけて整備されましたけれども、利用率が0.8%程と低迷している状態が続いております。大臣としてどのように考え、今後対応として考えていらっしゃることはありますでしょうか。
- 大臣:
- ハローワークと他の行政機関等でマイナンバー制度に基づく情報連携を行うためにサーバ等を整備しており整備費は3年間で約80億円、年間維持費約10億円で、平成31年1月の情報連携件数は3266件で、設計上の月最大は約300万件と想定しております。想定よりも大幅に少ないですが、今後年金機構との情報連携によって増加の見込みであります。年金機構との情報連携が4月15日からようやくスタートいたしました。それから、雇用保険を結ぶデータの照会等がこれから本格的に動くとなると件数も増加してくるものと思います。これらの状況をしっかり踏まえながら、この制度自体は非常に良い仕組みだと思いますので、この辺の事実関係をしっかり整理しながらより利用されるように、この制度自体は本当に私も良い制度だと思っていますから、利用率を高める対応をしっかりやっていきたいと思います。
- 記者:
- 今月末に10連休が予定されていますが、医療機関の対応について先日官房長官が各都道府県に対して今月中には対応をまとめてリストを公表するようにという指示を出していました。厚労省として、こうした対応が間に合うかどうかというところの様子を見るですとか、とりまとめをするなどの対応を予定しているのかを教えてください。
- 大臣:
- 厚生労働省としては、10連休についてこれまでもきちんと都道府県と連携を取りながら医療についての支障が生じない対応に努めていますので、この徹底に努めていきたいと思います。
- 記者:
- 昨日、第3回目になる政策対話が行われたと思うのですが、これまでおっしゃっていた農業と住宅、金融と3回行われたわけですが、今後の展開を教えてください。
- 大臣:
- そもそも政策対話というのは、厚労行政に色々と関連する省庁の施策と連携しながらやっていく必要があるので、今までも農福連携、農業と福祉の連携、障害者のみなさんが持っている力を発揮してもらうように農業分野でもやっていただく、そして、農林水産省も我らと同じ問題意識でやっていますから、農福連携、さらに、例えば地域包括ケアを考えれば、当然住宅施策との連携が必要になってきますので、これは住宅施策と厚労省の政策と連携しようと、要は、厚労省も色々な政策手段を持っていますけれど、もっとウィングを広げてトータルに動くような仕組みが必要だということでやってきています。そして、昨日も社会保障と金融の連携について政策対話の第3弾目を行いました。金融は、例えば、年金は公的年金と私的年金がありますから、私的年金はiDeCo(イデコ)があるけれど、NISAという新しい積み立てNISAも出てきているので、それを若い方の資産形成と併せて将来の年金にどう私的年金が公的年金を補完するものとしていくか、こういう問題意識も昨日、それを問題としてやりました。その他、健康寿命を延ばすということで言うと、今、民間の保険会社でも健康増進型保険というのも出てきておりますし、あるいは、認知症あんしんプランという新たな保険も出てきている、こういうやはり民の仕組み・制度も活用して高齢化に伴う課題に対応するという視点も必要です。また、高齢者が安心できる仕組み、昨日は私的年金の一部終身年金化ができないかとか、認知症で認知能力・判断能力が低下してきますから、その場合の財産管理や資産運用をどう対応するか、あるいは、任意後見制度と信託はその意味では昨日も非常に多角的な視点から議論をさせていただきました。事務的に記者レクしていると思いますが、昨日の話の中では、老後に向けた資産形成について確定拠出年金の加入可能年齢の引き上げや中小企業への確定拠出年金の普及拡大、普及に向けてオンライン申請等手続きの簡素化等のご提言をいただきました。こういったものの実現に向けて検討を加速して、次の年金の改革と併せて実現を図っていきたいと思います。また、高齢期における判断能力の低下への対応として、あらかじめ日常的な財産管理の方法などを決めておくことや、任意後見制度、信託制度の活用など、今、私が紹介しましたが、そういう提案をいただきました。こういうことを受けて、任意後見などの成年後見制度の利用の促進を図るとともに、今、申し上げたように金融や福祉等の各種サービスの連携を進めていきたいと思います。そして、来週は、社会保障と健康、食をテーマに、やりたいと思います。色々と健康に良い農産物、良い食品も出てきておりますので、これらを我々そういうところも視野に入れながら、健康寿命を延ばすということもやっていきます。できるだけ幅広い視野の中で多角的な政策の視点で検討して、これからの社会保障制度改革を厚みを加えて前に進めていきたいと思っています。
- 記者:
- 厚生年金の加入対象について、70歳以上に拡大して保険料の納付義務を検討すると報道がありましたけれども、事実関係と現在の検討状況をお願いします。
- 大臣:
- 厚生労働省がご指摘のような検討に入ったという事実はありません。加入年齢が70歳以上のということについては、様々な検討すべき課題がありますので、少なくとも私がまだこの話を受けていませんから、その意味ではご指摘のような検討に入ったとの事実はありません。
- 記者:
- 同じ厚生年金の70歳以上の報道なのですけれども、こういったことの考え方として一定の年齢以上で一定の収入がある方の70歳以上も支払い続けることの方向性については大臣どういうふうにお考えでしょうか。
- 大臣:
- これは様々な課題があると思います。予断をもって言うつもりはありませんが、受給年齢の選択肢は拡大したほうがいいと思いますが、繰り下げ支給、厚生年金については今、70歳までは加入できますけれども、課題は分かると思いますけれど、労使折半で保険料を払うわけですから、その辺の課題は出てくるのではないかと、課題の一つはそういうところにあるのではないかと思いますが、検討に入ったという事実はありません。
- 記者:
- 先週末ですが特定技能の試験が初めて行われまして、介護分野がフィリピンで行われました。これについてのご所見と一方で申し込みが1日で定員に達するなどの事態を受けまして初回を終えて課題や問題点なども含めてお願いいたします。
- 大臣:
- 4月の改正入管法の施行後、国内外を通じて最初の試験、これが介護分野で行われました。4月13日、14日に、フィリピンで、事前に申込みをされた125名のうち、113名の方が受験をいたしました。受付初日で申込が上限に達するほど、介護分野で数多くの受験希望者がいるということは、世界の数ある国の中から日本の介護現場で働くことを選んでいただいたということですから、非常に有難く感じています。このような方々が、日本の介護現場で安心して働けるように、国内介護事業者に対する説明会等を通じて、制度の趣旨、運用上の留意点の周知を進めるとともに、今年度予算において、わが国の介護現場で働く外国人に対し、介護業務の悩み等に関する相談支援窓口の整備を行うなど、国内受入環境の整備を進めていきたいと思います。それから後段の話ですが、受験会場の規模等の課題もあり、定員の上限に達する申込みが受付初日にあった点に関しては、応募締め切り後、次の試験はいつ行われるのか、早く実施して欲しいという要望を多数いただいたことを踏まえて、当初、第2回の試験を6月に予定していたところですが、第2回を5月下旬に、第3回と第4回を、6月第3週と第4週に実施することとしました。以降についても、順次、応募状況を踏まえながら、追加の試験を実施する検討を進めています。日本の介護現場で働くことを希望される方が、1人でも多く受験できるように、しっかり準備を進めていきたいと思います。そして、その辺の制度がスムーズに運用できるようにここはしっかりと対応していきたいと思います。
(了)