根本大臣会見概要

(H31.1.25(金)11:31 ~ 11:55 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私から、冒頭二点申し上げたいと思います。一つは、未来イノベーション・ワーキンググループの開催についてであります。本日夕刻、「第1回 未来イノベーション・ワーキンググループ」を、当省と経済産業省が共同で事務局となって開催します。団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年を見通すと、現役世代の減少が大きな課題です。厚生労働省としては、私をトップとする「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」を立ち上げ、その一環として、特に担い手不足が想定される医療・福祉サービス分野の革新に向けた検討を進めています。本ワーキンググループでは、2040年に向けたロボット・AI等の実用化推進に向け、将来、我々の日常の暮らしの中に、より先進的なICT、ロボット、AI等が当たり前に活用されている、「人と先端技術が共生する未来社会」を展望し、その中で医療・福祉サービスがどのように変容していくかを検討します。そこからバックキャストして、求められる新たな技術やサービスモデル、さらに、民間投資・イノベーションを活性化するための施策や政府の研究開発戦略についても議論をして参ります。本日は、医療、介護、先端技術等の幅広い分野から、著名な有識者の皆さまにお集まりいただく予定です。厚生労働省としても、分野の壁を超え、他省庁とも連携の上で、長期的な戦略を検討して参ります。私も出席させていただきます。次に、毎月勤労統計調査に関する特別監察委員会について申し上げます。特別監察委員会には、毎月勤労統計調査について長年にわたり不適切な取扱いが続いてきた今般の事案について、外部有識者による第三者の立場から集中的に検証を行い、事実関係と関係職員の動機、目的、認識等、さらに責任の所在を明らかにしていただきました。一方で、昨日の衆参厚生労働委員会における議論等を踏まえ、特別監察委員会による報告について、いささかも疑念が生じることがないよう、樋口委員長と相談し、特別監察委員会の委員によるヒアリング等の調査をさらに行っていただくこととなりました。このような取組みを通じて、統計への信頼回復や再発防止に向けた措置にしっかりとつなげてまいります。私の方からは以上です。

質疑

記者:
今おっしゃったさらにヒアリングを行うというのはどういうことなのか。例えば、どういう疑問を解消するために何を解明しようとしているのかを教えてください。
大臣:
昨日の国会審議等でいただいたご意見を踏まえ、委員による関係者へのさらなるヒアリングや、地方自治体への調査などを想定していますが、樋口委員長と委員の方々とでご相談いただくこととなります。
記者:
よくわからなかったのですが、現在出ている報告書ではやはり不備があるということで、例えば東京都に対して聴取していないというものを今後埋めていくという作業をしていくのでしょうか。
大臣:
特別監察委員会ではしっかり議論をしていただきました。そして、いささかも疑念が生じることがないようにするために、ヒアリングの調査等をさらに行うものであります。結論には予断を持たずに取り組んでまいりたいと思います。
記者:
もう一度それに関わることですが、昨日の閉会中審査では、職員に対して身内の職員がヒアリングするということで批判されていたと思うのですが、今後それに対する改善というか、今後のヒアリングはどうしていくのかというのを教えてください。
大臣:
委員による関係者のさらなるヒアリング、今のお話も含めて、さらなるヒアリングや地方自治体の調査を想定していますが、樋口委員長と委員の方々でそこはご相談いただきたいと思います。
記者:
今の点について確認なのですが、再びこれは再調査を行って、また報告書を提出もしくは報告書を書き直すという形になるのかどうかということを教えてください。あと、もう一点は、今回再調査ということであるならば、それのスケジュール感、これはいつまでにとかそういったものがあれば、現時点での想定を教えてください。
大臣:
特別監察委員会で、国会等での議論も踏まえて、さらなるヒアリングをやりましょうということですから、具体的な内容については特別監察委員会の委員の皆様でご議論いただく。監察委員会による報告についていささかの疑念が生じることのないようにするためにということであります。そして、スケジュールについては、特別監察委員会でやっていただくことですから、今、いつまでにということを私が言う立場にはないと思います。あくまでも特別監察委員会の判断でやっていただくと。
記者:
大臣から今回の再ヒアリングの件をお願いしたという形なのか、それとも相談して決めたということなのか、あと、前回の第1回の特別監察委員会はなるべく早くというようなことを大臣はおっしゃいました。今回はそういった注文もつけていないということなのか、確認でお願いします。
大臣:
もちろんこの問題については、できるだけ早くやっていただきたいと思っています。そして、特別監察委員会は、元々事実関係や関係者の動機、認識等について原因等も含めて報告をいただいている。そして、これは今の色々な統計に対する認識とか、統計の重要性、あるいは、統計をこれからどういう体制でやっていくのかという体制の問題、再発防止の問題もありますから、当然特別監察委員会ではやっていただく。そして、今回報告いただいた中身について必要なものについては、さらなる補強をしていったらということだと私は思います。
記者:
関連で、昨日の閉会中審査では大臣が今回の報告書については、事実確認ですとか職員の認識、責任の所在が明らかになったという見解を述べられていたと思いますが、それについて更に調査をするというのは何か考えの変化があったのでしょうか。
大臣:
既にそれは申し上げました。報告書で樋口委員長がおっしゃっていますが、もう一度事実を洗い出して、一番の問題は動機や目的・認識ですから、それもしっかりと調査していただいて、報告が出されたものであります。そして、今回はそれをある意味で、基本の報告は出ていますけれども、いろいろな議論もありましたから、それを踏まえて補強するということだと私は思いますが、それは樋口委員長と委員の皆様でご議論いただいて、どういうやり方でやるか、あるいは、これから当然再発防止策を今検討していますから、そこは今までの委員の皆様には迅速にやっていただきましたが、その視点については変わりありません。
記者:
昨日、閉会中審査が衆・参で行われて、与野党から厳しい声があったと思いますが、大臣としてそのような声をどのように受け止めていらっしゃるか教えてください。
大臣:
私は報告書に事実関係、そして、携わった人間の動機や目的や認識、それは樋口委員長もおっしゃっておられましたが、明らかになっていると思います。更なる補強をするため必要があれば今回のような、例えば、委員の皆様のヒアリング、あるいは自治体に対する聞き取り、そういうことを委員長のご判断で委員の皆様にも議論していただいて、それを補強していくということだと思います。
記者:
冒頭「いささかの疑念が生じることがないよう」とおっしゃっていましたが、昨日の審議を経て、払拭しなければいけない疑念というのは今何があるのか大臣のご見解をお聞かせください。
大臣:
昨日の議論でも出ましたが、監察委員会の皆様が局長あるいは課長級に直接聞き取っていただいた。そして、課長補佐以下については、それぞれの担当者がいろいろな幅のある仕事をやっておりますので、そこは事務方がヒアリングをして委員会の皆様がそれを含めて議論していただいたのですが、そういうご指摘もあったものですから、委員会の委員の皆様が改めて直接ヒアリングをさせていただこうと。そこが一つです。また、自治体からも改めて今のこの調査について自治体としてどういうご負担があるのかということも直接お聞きしていただくようなことを樋口委員長、監察委員会の皆様が考えておられるということであります。
記者:
第三者性への疑念というのがあったと思いますが、その点の疑念を払拭したいということでしょうか。
大臣:
第三者性とは何か。まず一番のポイントは、監察チームというのが元々官房長以下の厚労省の職員と弁護士を含む有識者5人でチームを組んで監察をやっていました。これは、この事案が出た後ずっと精力的にどういう事実関係があったのかをともにやってきているわけですから、そこでの議論・分析を引き継ぐ形で、それと切り離して、事務方が委員に入らずに、統計の専門家である樋口先生に委員長になっていただいて、そして名古屋高等裁判所の荒井先生を委員長代理にしていただいて、有識者の委員会として厳正な調査と検証を行っていただいた。まさしく、今回の委員会の報告書は外部有識者が主体となって取りまとめたものであります。今回、国会等で第三者性についての懸念を示されたことから、これについていささかの疑念も生ずることがないように、樋口委員長および委員によるヒアリング等の調査をさらに行っていただくというふうになりました。
記者:
昨日の国会での答弁で、監察委員会のメンバーが直接ヒアリングをした人数については精査中とお答えされていましたが、それについては厚労省として事実関係の確認はできたのでしょうか。
大臣:
実際にヒアリングを行っていただいている委員の方にも確認を進めているところであって、できる限り早く公表にとりかかるように事務方に指示しました。
記者:
別件なのですが、昨夜、総務省で基幹統計の点検結果を発表して、厚労省の毎勤統計以外でも不備が見つかりましたが、これについての受け止めと、再発防止に向けて何を取り組むのかをお願いします。
大臣:
昨日公表された点検結果において、当省関係の統計については、毎勤統計に関し、計画上、産業、規模及び一人平均決まって支給する給与階級別事業所数を公表するとしていたところですが、割合のみを公表していたこと。それから、薬事工業生産動態統計、医療施設統計、患者統計に関しては、公表期日の遅延という事案がありましたが、統計の信頼性向上を図るために職員の意識向上やチェック体制の強化が必要だと認識しており、総務省とも連携しながら、再発防止、統計の品質向上を目指していきたいと思います。
記者:
ちょっとわかりづらかったのですが、このさらなる調査というのは大臣の方から樋口委員長へ頼まれたのか、どういう形で決まったのか、ということに関して教えていただけますでしょうか。
大臣:
それは国会等の議論を踏まえていますから、委員長と相談して委員長に決めていただきました。
記者:
大臣から委員長に相談して委員長が決めたという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
それは色々なレベルがありますけど、いずれにしても樋口委員長と相談して委員長に決めていただきました。
記者:
今回の特別監察委員会は厚生労働省が設置した会議体でした。その特別監察委員会の発表からわずか3日後に疑念を生じさせるというような報告書を22日に公表していたわけですけれども、この22日の公表は適切だったと大臣はお考えでしょうか。
大臣:
私は適切だったと思います。いささかも疑念を持たれないようにという観点から、特にヒアリングの対象について色々な議論があったので、だから樋口委員長としても改めて確認的にそこはやりたいということを言っておられると思います。公表は私は適切だったと思います。
記者:
もう一点22日の報告書では組織的隠ぺい、組織的関与はなかったということが結論付けられましたけれども、これから新たにする調査でもってこの結論が変わりうるというふうに大臣はお考えでしょうか。
大臣:
組織的隠ぺいがあったのではないかという指摘がなされている個別の事例があるとは承知しておりますが、特別監察委員会でやっていただいた結果では個々の事案について隠ぺいしようとするまでの意図は認められなかったとされております。そして樋口委員長もこのことは厚生労働省として組織的関与はなかった、むしろ組織的不関与が問題ではないか、要はまかせっきりになっているという不関与があるということが逆に組織として問題ではないかと述べられておって、私はそのとおりだと思います。
記者:
すみません。今の質問に答えてらっしゃらないと思うのですが、今後の調査でその結果が変わる可能性があるかどうかについて大臣のご認識を教えてください。
大臣:
予断を持たずに取り組んでいきたいと思います。
記者:
昨年の賃金の上昇率が上振れした件では、復元した経緯というのがあまりちょっと動機の説明がなされていなかった気がしたのですけれども、それについて再調査で改めてするというのはありますでしょうか。
大臣:
復元した経緯とはどういうことでしょうか。
記者:
復元処理を去年の1月から始めた経緯です。
大臣:
それは報告書できちんと述べられていると思います。それは報告書を読んでいただきたいと思います。
記者:
すると再調査ではそこはもうあまり触れるところではないと。
大臣:
事実はこれはっきりしている。報告書にも書いてありますが、あれは元々統計委員会との話の中で、他の工程もそうですが、毎勤統計をより精度を高めようということで統計委員会と協議した上でこういうやり方でやりましょうと。それが統計的専門的な見地からローテンションサンプリングでやりましょうということです。ローテーションサンプリングでやるとそれぞれ抽出率が毎年毎年出て変わってくるので当然統計的にはそこは復元するということだと、これは私は極めて明確だと思います。
記者:
特別監察委員会の外部の方が直接ヒアリングした人数について先ほど精査中で今も委員に直接ヒアリング確認するなどしているということなのですが、どの方に誰がそのヒアリングをしたかということは記録として残されているのでしょうか。残されているのであればそれはカウントすればすぐ出るのではないかと思うのですが。
大臣:
ヒアリングをしたのは特別監察委員会の委員の方々です。このため委員の方々に確認をとったりする必要がある、委員の方々に。手続き的には。だからそこの確認を進めているというわけです。できる限り早く公表したいとこういうことです。
記者:
ヒアリング結果というのは何かこういわゆる供述書のような形で文書に残されていないのでしょうか。
大臣:
事務方に聞いてください。
 
 

(了)