根本大臣会見概要

(H30.10.26(金)10:43 ~ 11:03 会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方からは、ありません。

質疑

記者:
まず、旧優生保護法について聞かせてください。与党で、手術を受けた人たちの救済策を検討し、来年の通常国会で法案提出を目指す動きが進んでいます。厚労省も実態把握の調査を行っていると思いますが、記録が少ないのが現状だと思います。広く救済を求める声がある中で、この動きをめぐってどのような対応が必要か、大臣のお考えを聞かせてください。
大臣:
今、お話もありましたが、旧優生保護法については、現在与党ワーキングチームや超党派の議員連盟で精力的に議論されていると承知しています。厚生労働省としては、引き続き、与党ワーキングチーム等での議論を注視しつつ、要請等があれば適切に対応していきたいと思います。
記者:
山口県の周防大島町で大規模な断水が続いていますが、現在把握されている被害状況と今後の支援の見通しについて教えてください。
大臣:
10月22日に山口県周防大島と本州を結ぶ大島大橋に貨物船が衝突した事故によって、周防大島町に水道水を送水していた水道管が破損し、現在、島のほぼ全域にわたる約9千戸、約1万5千人が断水しています。このため、現在、山口県内の12市町や自衛隊等から給水車や給水船等が現地に派遣され、応急給水が行われております。厚生労働省としては、水道担当の職員を現地に派遣し、被害状況の情報収集と連絡調整に当たっており、適切な応急給水が行われるように支援しています。復旧に向けた取組ですが、水道管で島に送水している柳井地域広域水道企業団が11月上旬を目途として小口径の管による送水、これを再開する予定であります。ただ、送水可能な量は必要な量の1割程度であり、十分な量ではありません。更なる復旧については、大島大橋の状況を踏まえながら、柳井地域広域水道企業団や山口県の日本水道協会とよく調整の上で、支援していきたいと思います。一日も早い断水解消に向けて取り組んでいきたいと思います。
記者:
障害者の雇用水増し問題について、2点お伺いしたいと思います。財務省、国税庁等多くの省庁で問題発覚後の職員求人で自力通勤、介護者なしでも業務遂行可能ということを資格としていました。財務省等一部が削除をしましたが、大臣の受け止めを伺えますでしょうか。もう一点は、23日の幹部職員への訓示で推進本部を設置するということを大臣がおっしゃっていましたが、こちらのスケジュール感を伺えますでしょうか。
大臣:
最初の条件を付けたということについて、障害者雇用促進法においては、募集採用における差別を禁止しており、応募資格において自力により通勤ができること等の条件を付けることは一部の障害者の方の応募を制限するものとして、当該規定の趣旨に反するものと考えています。国家公務員における差別禁止については、国家公務員法によって対応が図られるものでありますが、私から事務方に対して国家公務員法を所管する人事院に協力し、各省に障害者雇用促進法の趣旨に沿った対応を徹底するように指示をいたしました。次の推進本部の件ですが、先日、厚生労働省を、障害者がより活き活きと働くことができる職場としていくため、私の下で、局長級をメンバーとして、省内の障害者雇用の推進本部を新たに設置するよう、事務方に指示いたしました。推進本部では、障害者のそれぞれの状態像に応じ、幅のある職務・雇用形態を設け、活躍の場を広げることを基本的な考え方とし、常勤職員としての新たな選考採用の実施に向けた業務の切り出し、採用する職場の検討、障害者がより活躍できる職場にしていくための環境整備、障害者を受け入れる職場として、すべての職員の理解を深めるための研修の充実等について検討・推進していきたいと考えております。近日中の設置を目指していきたいと思います。
記者:
先程の障害者の求人に関してですが、これから公務員4,000人採用していかなければいけないということで、今回の条件を付けたというところは、とても採用の難しさであったり、採用段階から各省への周知・徹底というのをしていかなければならないということが明らかになったと思うのですが、周知・徹底、人事院を通じてということで、厚労省として具体的にお考えはありますでしょうか。
大臣:
先程私が申し上げましたが、推進本部を作ります。そして、障害者のそれぞれの状態像に応じて、幅のある職務、雇用形態を設け、活躍の場を広げる、やはり活躍の場を広げるということが私は大事だと思います。先程申し上げましたように、厚労省としては常勤職員としての新たな選考採用の実施に向けた業務の切り出し、採用する職場の検討、障害者がより活躍できる職場にしていくための環境整備、障害者を受け入れる職場として、すべての職員の理解を深めるための研修の充実、こういう障害者の皆さまの活躍の場を広げるということを基本にして、対応して考えていきたいと思います。
記者:
各省への周知・徹底等直接厚労省から何か呼びかけをしたりですとか、求人の段階から何か通知を出したりですとか、そういうことをされる予定はないのでしょうかという質問でした。失礼いたしました。
大臣:
厚生労働省として各省庁への対応は、障害者雇用に精通したアドバイザーを選任して、各府省が専門的な助言を受けることができる体制の整備、あるいは、ハローワークにおける積極的な職業紹介等によって各省の取組を最大限支援していきたいと思います。
記者:
厚生労働省の労災疾病臨床研究事業の補助金で行われている事業の研究で、精神疾患で労災を認められた人のうち2割が4年経っても職場復帰ができず、10年以上に渡って職場復帰ができない人も152人いると。専門家の方からも精神疾患で労災認定された方の療養、それから職場復帰が長期化しているのではないかという指摘がありますが、こうしたことについてのご認識とどのように今後対応をとっていくかというところをお聞かせください。
大臣:
今お話がありましたように近年、業務によって精神障害を発症して労災認定を受ける方が増加するとともに、症状が改善しないため、長期にわたり療養を継続している方も増加しております。長期にわたって職場復帰できない要因、この要因としては、症状が改善しないことのほか、仕事への不安や生活への不安など様々な要因があると承知しております。いずれにしても、精神障害で休職された方の職場復帰に向けてのマニュアル、これは「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」というマニュアル、これの事業主への周知啓発やあるいは事業主に対するリワーク支援、これはハローワークで助成しておりますけれども、こういう支援に取り組んでいきたいと思います。
記者:
外国人受け入れの新制度について伺います。法務省が今、示している案では受け入れの規模の全体像があまり示されておらず、党内からも批判が出ている状況ですけれども、さらに既存の技能実習制度などでも問題が出ている状況もあります。その中で臨時国会での成立を目指すという今の進め方の是非について大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
今、現在自民党の法務部会でも精力的に議論が行われている段階だと思います。ここは、この問題についてはしっかりと議論していただきたいと思います。
記者:
是非については、現状で正しい進め方だとお考えということでよろしいでしょうか。
大臣:
今、議論しているわけですよね。これは、新しい制度だから。だからそこはどんどんそこで制度についての色々な課題などを精力的に議論して、そして、その中で方向性、きちんとした対応がどういう制度でいくのかというのは大いに議論してもらったらいいと思いますよ。党の中で。そして、その中で最適な解が出されていくと思います。
記者:
関連してお伺いします。自民党内の中でも移民政策につながるのではないかという懸念の声がありますが、これに対して大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
今、世界的な人材獲得競争が進展しております。今回の、要は外国人材について特定の技能、そして力・能力のある人材を受け入れようということで、そこはきちんとした受け入れのスキームに従ってやっていきます。ただ、今回の受け入れのポイントは生産性向上や国内人材確保のための取組みを行ってもなお、当該業種の存続・発展のために外国人材が必要と認められる分野において行うというきちんとした前提条件をつけた上で、そして、受け入れ対象分野については、国内の労働市場に悪影響を及ぼさないようにする観点から、人手不足が深刻な業種を対象に、各業種における分野の特性などを勘案しながら、できる限り客観的な指標によって人手不足の状況を確認して、業を所管する省庁と法務省などの制度所管省庁の共有によって徹底する、こういう仕掛けにしていますから、きちんとしたしっかりとした議論の中で対応、結論を出していくということだと思います。
 

(了)