根本大臣会見概要
(H30.10.5(金)11:30 ~ 11:43 会見室)
【広報室】
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- それでは、私の方から、三点申し上げたいと思います。一つは、働き方改革を担当する副大臣・大臣政務官の任命についてであります。本日の閣議で、髙階恵美子厚生労働副大臣及び上野宏史厚生労働大臣政務官に、働き方改革を担当する大臣としての私を補佐をするよう、指示をした旨を報告しました。髙階副大臣、上野大臣政務官とともに、働き方改革の実現に向けた取組をしっかり進めてまいります。次に、第21回復興推進会議の開催についてであります。本日、閣議に引き続き、復興推進会議が開催されました。私からは、避難生活の長期化や恒久住宅への移転に伴う被災者の心のケア、地域医療再生基金を活用した医療提供体制整備支援、被災地における福祉・介護人材確保事業等の医療・介護提供体制の整備、被災者に対する就労支援の推進等の雇用対策などに、被災者に寄り添いつつ、引き続き、しっかりと取り組んでいきたい旨申し上げました。総理からは、被災者の心に寄り添いながら、一日も早い被災地の復興に向けて全力を尽くすよう、ご指示があったところです。私はかねてから被災地の復興に取り組んでまいりました。引き続き、厚生労働大臣としても、安倍内閣は全員が復興大臣であるという指示が下りておりますので、「復興大臣の一人である」との意識で、全力を尽くしてまいりたいと思います。次に、WHO西太平洋地域委員会への出席についてであります。10月7日から10日までの日程で、第69回WHO西太平洋地域委員会年次総会に参加するため、フィリピンのマニラに出張をいたします。本会議は、西太平洋地域に所属するWHO加盟国の年次総会で、地域内の保健課題等について議論するものです。今年は、例年の議題に加えて、WHO西太平洋地域事務局長選挙が行われる予定です。本選挙に、我が国は、葛西健氏を擁立しています。葛西氏は、西太平洋地域の保健分野に関する豊かな知見と経験を有しており、事務局長にふさわしい人物であると考えています。WHO西太平洋地域事務局長に日本人が就任することは、我が国が国際保健分野でリーダーシップを発揮するために極めて重要です。このため、今回の出張では、保健医療施策に係る我が国の考えや取組を広くアピールするとともに、各加盟国・地域の代表者に直接支持要請を行うことにより、葛西氏の当選を実現したいと考えています。私からは以上です。
質疑
- 記者:
- 今日、未来投資会議が総理大臣の下で開かれて、全世代型の社会保障改革に向けた議論が本格的にスタートすると思いますが、厚生労働大臣としてその改革にどのように向き合っていかれるのか、法案の改正等も伴ってくるかと思いますが、その辺りのスケジュール感もありましたら改めてお願いいたします。
- 大臣:
- 本日の未来投資会議は、これから行いますが、この未来投資会議では成長戦略の方向性の案が示され、検討の柱の一つとして、雇用制度改革をはじめとする「全世代型の社会保障への改革」、これが提示されるものだと承知しております。総理からは、閣僚就任にあたって、人生100年時代を見据えて、お年寄りも若者も、全ての世代が安心できる社会保障制度への改革を進めるよう、ご指示をいただいており、関係大臣と協力しながら検討を進めていきたいと思います。
- 記者:
- 先日、目黒の女児虐待の児相の対応に関する検証報告書が公表されました。この中で、特に香川の児相では、本来の手引きから逸脱した対応等、リスク評価に問題があったと指摘されていますが、こうした評価への受け止めや今後の児相の対応等について、どのようにしていきたいかお考えをお聞かせください。
- 大臣:
- 本年3月に5歳の女児が死亡し、養父及び実母が逮捕された事案について、このような形でお亡くなりになったことは誠に残念でありますし、心よりご冥福をお祈り申し上げます。本事案については、社会保障審議会のもとに設置された「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」において検証を進めて参りましたが、検証結果を出す前に先立って、7月20日に関係閣僚会議で「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」を決定したところであります。今月3日に取りまとめられた専門委員会の検証結果では、今お話があったようなことも含めて、検証をした上で、検証結果が出されています。これらに先駆けて政府で取りまとめた緊急総合対策の中に具体的なこうあるべきだという、例えば状況に応じたアセスメントの実施や安全確認等に関するルールの明確化等、総合対策をまとめています。この調査結果を受けて、緊急総合対策について、あらゆる機会を通じて更なる徹底を図り、このような痛ましい虐待事件が繰り返されないよう、万全を尽くしていきたいと思います。この報告で指摘されていたものについては、総合対策で示していますから、しっかりと周知・徹底を図っていきたいと思います。
- 記者:
- 建設アスベスト訴訟に関してなのですが、この訴訟について国の責任を認める判決が続いておりまして、先月の京都訴訟と大阪訴訟の控訴審で国の責任を認める判決がありました。国はそれぞれ上告をしている状況ではありますが、原告の患者や遺族については早期解決を求める声が出ております。先日も原告、患者らが厚労省を訪れて直接担当部局に申し入れをしておりますが、大臣として今後の方針についてお伺いできますでしょうか。
- 大臣:
- 建設アスベスト訴訟については、国はその時々の知見に応じ、適時・適切に措置を講じてまいりました。そして今回の訴訟の関係で違法とされている争点や国の違法期間について、裁判所の判断が分かれておりますので、最高裁による統一的な判断を得る必要があると思っておりますから、訴訟を継続しています。また、アスベストの被災者については、これまでの労災保険による補償制度や、労災保険の対象外の方に対する石綿健康被害救済制度により、救済を行ってきたところであります。厚生労働省としては、まずは現行の制度に基づいて、必要な補償をしっかりと行っていきたいと思います。
- 記者:
- 今日の午後に「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」が開かれます。これは医師の働き方改革に関連した懇談会だと思いますが、適正な医療、過剰な受診等を控えてもらう狙いがあると思います。一方で、受診抑制につながらないかという懸念もあるかと思います。このような点も踏まえて、どのようにメッセージを広げていくお考えかをお聞かせください。
- 大臣:
- 国民の皆様が安心して必要な医療を受け続けるためには、やはり上手に医療を受けていただく「上手な医療のかかり方」を国全体で考えていくことが重要だと思います。そのために、本日の午後、懇談会を開催します。この懇談会の趣旨は、必要な受診までも抑制するものではありません。受診の判断に迷った際の相談窓口、あるいはどこに適切な医療機関があるかといった、国民が必要とする情報を届け、適切な医療機関に適切なタイミングで受診いただくといったことを推進するものであります。これは実際に医療機関を受診しようとする患者、あるいは利用者の皆様に寄り添った対応を考えていきたいという趣旨で、例えば小さな子どもを持った母親が子どもが病気になるとどこに相談したらいいか、色々そこにおいて大変な負担になってしまうので、かつて私も小児医療の問題に取り組んだ時にやはり母親、父親もそうですが、子どもが病気になった時の対応が本当に大事だなと思いました。ですので、今医療機関にかかる前の相談ダイヤルというのがありますが、実はこういうものが私は大事だと思います。相談ダイヤルでは#8000ですけど、電話による子どもの医療相談や受診の必要性があるかどうか、あるいはどのぐらい緊急度があるか、家庭でできる処置、こういうものについて相談を受けますから、例えば、こういうことは一つの例としては非常に大事だと思います。要は上手に医療にかかっていただくと。あくまでも利用者、患者側の視点に寄り添った対応をぜひこの懇談会で議論して、良い提言を出していただければと期待をしております。
(了)