加藤大臣会見概要

(H30.9.25(火)10:54 ~ 11:05 会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭、二点あります。まず、今年で72回目を迎える「赤い羽根共同募金」運動が10月1日から全国でスタートいたします。今日の閣議において、各大臣に当募金へのご協力をお願いいたしました。この運動は、我が国の地域福祉の推進に大きく寄与するだけではなく、災害時のボランティア活動の支援にも大きな役割を果たしております。今年も、国民の皆様のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。もう一件、私の海外出張でありますが、本日から9月30日までの日程で、2つの国連ハイレベル会合及び日米グローバルヘルス協力対話に参加するため、米国のニューヨーク及びワシントンDCに出張いたします。結核に関する国連ハイレベル会合については、我が国の国連代表部の大使が共同ファシリテーターを務めるなど、我が国が主導的な役割を果たしております。結核は、今なお世界で年間160万人もの命を奪っており、国際的に協調して対策を講じる必要性を訴えてまいります。また、非感染性疾患、いわゆるNCDsに関する国連ハイレベル会合には、生活習慣の変化や高齢化が進む国際社会から注目が集まっています。結核と非感染性疾患への対策について、日本として、国際機関と連携しながら、国際社会におけるモメンタムの強化や対策の推進をリードしていきたいと考えております。また、日米グローバルヘルス協力対話では、日米の保健分野の政府関係者、専門家等が参加し、健康危機管理や保健システム強化等について、議論が行われる予定です。保健分野における日米両国の一層の関係強化を図ることによって、日米が連携して国際社会でイニシアチブを発揮していきたいと考えております。なお、ワシントンDCにおいては、拉致問題の早期解決に向けて、関係者、特に議会関係者への働きかけを行いたいと考えております。この他、この時間を活用いたしまして、ニューヨークのコロンビア大学において、日本のこれからの社会保障と働き方改革について講演を行うこととしておりまして、我が国における様々な課題、そして、それに対する取組について発信していきたいと考えております。

質疑

記者:
先週の障害者雇用の会議の中で、省庁で障害者が活躍できる業務の選定のため、アドバイザーの活用というのを打ち出されていると思います。障害者枠が設けられても、仕事がないと対応が進まないと思いますが、どのような体制でどのような支援を具体的にとっていく予定なのかをお願いします。
大臣:
障害者雇用をしっかりと進めていくためには、障害者が活躍していただける業務をどう選定していくのか、よく「業務を切り出す」という言葉を使っておりますが、それが非常に大事であります。民間企業や就労支援機関での豊富な支援経験を有し、障害者の働きやすい職場環境づくりや障害特性に応じた雇用管理にも精通した方に今それぞれお願いをさせていただいておりまして、そうした方々から各省庁がアドバイスを受ける、そういう体制を早急に構築していきたいと考えております。これによって各省で障害者がその障害の内容・程度に応じて能力を十二分に発揮できるよう、職場環境の整備が行われるよう支援していきたいと考えております。
記者:
各省庁に人材を派遣してコンサルティングを行うのか、それとも相談受付のようなイメージでしょうか。
大臣:
具体的なやり方はこれから色々考えていかなくてはならないと思いますが、一つは、各省庁から相談があればそれに対応していくということに加えて、役所全体においてどういう切り出しの仕方があるのか。それから、先般の議論でもありましたが、障害者の方にしていただくことによってより高いパフォーマンスが生まれてくる仕事も中にはあるのだろうと思います。そういったことも含めてトータルの議論と個別の議論をそれぞれやっていっていただければと思いますが、具体的なやり方については試行錯誤しながらやらせていただくのが良いんだろうと思います。
記者:
健康保険組合について伺います。派遣社員やその家族が加入する人材派遣健康保険組合が今年度いっぱいでの解散を決めて、協会けんぽに移行することになりました。50万人の移行は最大となりますが、その影響をどうみていらっしゃるのか。また、解散の背景に高齢者の医療費をまかなうための拠出金が負担となってきているという声がありますが、厚生労働省としてそうした声にどのように対応していくお考えでしょうか。
大臣:
健保組合で先般、日生協健保組合が解散を決定し、さらに、今回、健保組合では3番目という規模と承知をしておりますが、人材派遣健保組合が解散することを議決したということについて、私どもとしても大変重く受け止めていかなければいけないと思います。一方で、先般それぞれの健保組合の決算状況が発表されました。個々において色々な動きはありますが、健保組合全体として見れば財政状況は黒字であり、黒字幅は全体としては減少しているものの、堅調に推移しているというところであります。もちろん、赤字の組合が少し増えているという数字もございます。そうしたことも踏まえて、健保組合がいかに安定的に運営をしていただくかということは、健保組合が公的医療制度の重要な担い手の一つでありますから、非常に大事だと思います。このため、これまでも様々な支援措置がありますが、それに加えて健保連とも連携して財政が悪化する前の段階から健保組合の相談に応じ、運営に関する助言を行う体制を構築していくということ。また、保険者機能の強化に取り組む健保組合に対する財政支援を行うこと等について今、検討し、概算要求においても、必要な予算要求を行っているところであります。そういったことをしっかりこれからも進めていきたいと思います。高齢者医療制度に対する負担が大変重たいというご指摘がありました。確かに、かなりの割合を負担していただいているわけでありますが、高齢者医療については国民全体でそれぞれ支えていくということで作ってきた制度でありますし、また、その状況が逆に見えるということのために切り出しているというところもありますので、それはそれとして、しっかりそれぞれの方にご理解をいただきながらご負担をお願いしていきたいと思います。
記者:
障害者雇用の件で第三者委員会が本日午後から開かれることになっております。各省庁への個票の調査の締め切りが先週ありまして、回収状況ですとか、調査が順調に進んだのかということと、今日の会議に期待することについてよろしくお願いいたします。
大臣:
今日、検証委員会が開催されるということでございます。これまでの調査等を含めてそれぞれご説明をさせていただいて、また個々に各省ごとのヒアリングは別途していくこととしております。ただ、ヒアリングにおいても必ず検証委員会のメンバーの方にも参加していただいて、むしろその先生方が主導しながら、各省庁からまず聞いていただく。そして、必要があれば、さらに個別について調査というかさらに確認をしていく、そういう段階に入っていくということであります。ただ、いずれにしても10月中に全体のとりまとめということでありますから、それを念頭にスピード感をもってやっていただけるものと思います。
記者:
先ほどの健保組合の話なのですけれども、50万人が協会けんぽに移行することによって協会けんぽの方に国が補助金、助成金という形でお金を出していると思うのですが、最終的に移行することによって国の負担が増える形になると思うのですけれども、そうしたことについてはどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
大臣:
協会けんぽの場合には給付費に16.4%の国庫負担、今、協会けんぽに確か積立金があるので減額をしていると思いますが、基本的にそういうことでありますから、単純に計算すれば今回協会けんぽに移行する日生協の健保組合、人材派遣の健保組合の給付費に対してその分だけ国庫負担が機械的に計算すれば増加するということになるのだろうと思います。
記者:
増加することに対しては、これからまさに赤字の組合が4割ぐらいあって、これで相次ぐようになるとますます国の負担が増えてくることになると思いますが、そういったことについてどのように対応してきたいとお考えでしょうか。
大臣:
国の負担が増えるからどうのこうのというよりは、健保組合がそれぞれ担ってきた役割というのがあるわけで、歴史的にも色々な役割、そこに企業ないし業界別のものもありますが、より身近な存在としてその従業員に対して健康管理を始めとした様々な施策を展開しているその役割を考えれば、健保組合は健保組合としてその機能が発揮できるように我々も支援をしていきたいと思いますので、国の負担が多いからこうしてくれという以前の問題として、まずそういった視点、スタンスで私たちは対応していきたいと思います。
 
 

(了)