加藤大臣会見概要

H29.11.7(火)10:29 ~ 10:42 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私からは特にございません。

質疑

記者:
労基法の無期転換ルールの件ですが、大手自動車メーカーで期間工従業員を無期雇用に出来ないような雇用ルールの変更があったという報道がありますが、現状について厚生労働省は認識されているのか、または、そのような企業についてどのように捉えられているのかお願いします。
大臣:
報道の内容は承知しておりまして、都道府県労働局に実態把握をするのように既に指示をしているところであります。従いまして、本件についてはそこに止まるところでありますけれども、私どもとしては労働者の保護をしっかり図っていくということや、そして今回の無期転換ルールの趣旨を踏まえて適切に対応していくということが必要であるということであります。引き続き、必要な啓発、指導をやっていきたいと思います。
記者:
実態把握された上で、何か必要な対策等を講じていくというお考えがありますでしょうか。
大臣:
いずれにしても、まず実態把握をしてみなければ次のことを申し上げることは出来ないわけですから、無期転換ルールがこれから施行されていくわけでありますので、しっかりその趣旨を我々としても引き続き啓発していきたいと思っております。
記者:
昨日、トランプ大統領と拉致被害者ご家族の面会が行われて大臣も一連の流れに立ち会われたと思います。大統領のその後の会見でもワームビアさんの件に言及されるなど北朝鮮の人権問題の懸念を強く表明されたと思います。今回の面会、会見のメッセージを通じてどのように位置付けて拉致問題の解決に向けた政府の取組を進めて行くお考えですか。
大臣:
トランプ大統領は、先般も具体的なお名前は言われませんでしたが、国連総会で横田めぐみさんを想定した形で初めて言及されて、それに引き続いて今回拉致被害者の御家族の方々とお会いをし、何人かの方々から直接お話を聞いて頂き、また個々の方も握手しながら、写真を見ながらどのような関係ですかとお話をされておりました。その後の記者会見でも確か“sad”と言う言葉を使われたと思いますけど、本当に痛ましいことであるし、あってはならないことだという認識をさらに深められたと思います。また、今回直接お会い頂いたことで、大統領の認識も一層リアリティをもって深められたと思います。日米が緊密に連携してこの問題に取り組んで行くというそういった強い基盤ができたと思いますし、ご家族の方々から見てもこの拉致問題に対する関心がどうしても核・ミサイルの後ろに入って薄らいでいるのではないかと大変懸念をされている中で、こうした一連の大統領の発言あるいは今回の対応は大変な勇気付けを頂いたと思います。担当大臣としても深く感謝したいと思います。ただ会ったというだけで終わりではなくて、これを契機に1日も早いすべての拉致被害者の方々の帰国にどのように結び付けて行くのかと言うことが問われている訳でありますので、総理もおっしゃっておりましたけれども、我々も覚悟を新たに北朝鮮からそうした動きを導き出していけるように、あらゆる施策を駆使して対応して行きたいと思います。そういった流れの中で、今日北朝鮮に対する米国をはじめとする国際社会と緊密に連携しながら実施をしている措置を決定をしました。そうしたことも踏まえながらさらに私ども先ほど申し上げたゴールを目指して全力でやって行きたいと思います。
記者:
三点ほどお伺いいたします。一点目は、先般の大手自動車メーカーの件ですが、大手自動車メーカーは6ヶ月のクーリング期間を使った手法だと思います。一般的に5年の直前に雇止めとするような事例が、自動車メーカー以外でもかなり多くの会社で行われているというような印象を受けております。先ほど、実態調査というお話をされたと思いますが、そういった問題についても調査を進めていくのかということを確認させていただければと思います。もう一つは、この法案自体は民主党政権時代にできたものだと思いますけれども、できたときから抜け道が多いのではないかというような指摘はされていた法律だと思います。もともと、法律自体が施行後5年で見直すことを検討することが含まれている法律だと思いますが、今後、法改正の必要性について大臣はいかがお考えなのかお伺いいたします。最後に、一般論としてお伺いいたしますが、雇止めの法理が新しく19条で入った関係もあると思いますが、そもそも客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、雇止めは無効であるということが盛り込まれていると思います。今回、6ヶ月ルールをある面、抜け道として使うことについて、公序良俗に反するのではないかという指摘もあると思います。一般論として、6ヶ月ルールを安易に使うということが違法行為に当たる可能性があるのかどうかその点についてお伺いいたします。
大臣:
メーカーから具体的な話が出てくればその都度、実態把握をしていく必要があると思っておりますが、いずれにしても、来年の4月1日からの施行でありますから、それに向けてこれまでも無期転換ルールに対する啓発等図ってきたわけであります。いよいよ残り半年ということでありますから、そうした指導や啓発を更に行っていきたいと思っております。それから、見直しのお話について、これは施行してどのような状況かを見て通常は判断するということでありますから、施行された後の状況、もちろん施行されるまでの状況も含めてかもしれませんけれども、その状況を踏まえながらしっかり規定を踏まえて対応していく必要があると思っております。それから、三点目の御質問については、あくまでも19条は19条として書いてあるわけでありますから、これを踏まえて進めていくということであります。ただ、御承知のように労働契約法そのものは行政の規範ではなくて、最終的には司法の中で決定されるという観点になり、お話があった公序良俗という話も含めて最終的にはそれぞれ事案の中で、司法が判断するということに最終的になるのだろうと思いますけれども、ただ、私どもとしては先ほど申し上げた来年4月1日の施行に向けて、このルールというものがどのような趣旨であり、どのような形で導入されているものなのかなど、このようなことについてしっかり啓発、指導に引き続き努めていきたいと思っております。
記者:
先月27日に、東京高裁で判決があった建設アスベスト訴訟の控訴審についてお伺いします。判決では、遅くとも1981年までに防じんマスクの使用を罰則付きで義務づけるべきであり、国の対策に不備があったとの判断でしたが、一つはこの判決についての受け止めと、上告期限が今週末にあると思いますが、上告するかどうかも含めた今後の対応についてお願いいたします。
大臣:
アスベスト訴訟に関してはいくつか訴訟が行われております。昨日は、横浜建設アスベスト第2陣ということで、地裁判決が出たものについて既に控訴しております。それぞれ判決が出され、それぞれ異なる中身になっているということもあり、今申し上げた件についても高裁の判断を求めるべくして、法務省から控訴しているところであります。お尋ねの横浜建設アスベスト訴訟第1陣については、11月10日が上訴の期限となっております。現在は、判決内容を検討しているところでございまして、関係省庁とよく協議をした上で対応をしていきたいと思っております。
記者:
神奈川県の座間市で9人の遺体が見つかった事件で、被害にあった方たちはほとんどはツイッターで自殺願望をつぶやいていた若い世代だということが明らかになっていると思いますけれども、その中には高校生も複数おりまして、こういった若い世代の自殺対策、特にSNSやインターネットを使用した中で大綱の中でも強化するということで決まっていると思いますが、そのあたりについて改めて具体的に国としてどのようなことをやっていきたいかということと、この事件を受けて、例えば近々に各都道府県や自治体に対応を求めたり、何か考えていらっしゃることがあればお願いします。
大臣:
今お話がございました神奈川県の座間市のアパートで、複数の遺体が発見されて9人の方がお亡くなりになられました。そのお亡くなりになられた方にご冥福を心からお祈り申し上げ、また、御遺族の方々にはお悔やみを申し上げたいと思います。自殺対策については、本年の7月に自殺総合対策大綱が閣議決定されておりまして、その中で重点政策として、子どもや若者の自殺対策の更なる推進を位置づけ、政府を挙げて対策を推進しているところであります。インターネット等で今回もそれが一つのきっかけになっているのだろうと思いますけれども、ICTを活用した相談機関の情報提供などをこれまでも行ってきているところであります。9月が自殺予防週間、3月が自殺対策強化月間となっておりますけれども、そのようなことにあわせてパソコンやスマートフォンを使って自殺に関する要望を検索したユーザーを対象に、検索をするとバナー広告が出て、そこから様々な相談出来るサイトに繋げていく、これは検索をしている機関に御協力をいただいているわけでありますけれども、そういったことも進めてきているところでありまして、更にそうしたICTを活用した、特にインターネット上においてどのような対応が出来るのかということを我々として更に考えながら取組を進めていきたいと思っております。また、自殺を考える前の段階で予防で出来るよう居場所づくりということを大綱の中に盛り込まれておりますけれども、その居場所づくりを行う地方公共団体や民間団体などに対する支援を行うことも、現在の地域自殺対策強化交付金のメニューとして掲げていきたいということで、平成30年の概算要求では交付金全体が25億に対して29.9億、約2割増加して要求しているところであります。そういうわけで、自治体等の取組を支援していきたいと思っております。今回の事例は捜査中でありますから、また概要が見えてきたところで必要であればそうした対応も考えていきたいと思っております。

(了)