塩崎大臣会見概要

H29.7.28(金)10:49 ~ 10:59 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私のほうからは有効求人倍率について申し上げたいと思います。平成29年6月の有効求人倍率は、前月より0.02ポイント上昇いたしまして1.51倍となりました。この水準は、43年4か月ぶりの高水準となります。正社員の有効求人倍率を平成16年から集計をしておりますが、これが集計開始以来はじめて1倍を超えて1.01倍となりました。これは総務省発表でありますが、完全失業率は0.3ポイント低下して2.8パーセントとなりまして、雇用情勢は着実に改善が進んでいると判断をしております。以上、私のほうから冒頭の発言でした。

質疑

記者:
昨日、連合が「高度プロフェッショナル制度」に関する政労使合意を見送る方針を決めました。連合は残業時間の上限規制と裁量労働制の拡大、高プロとを一本化することに反対の姿勢を示しています。秋の臨時国会での労基法改正案は、あくまでも一本化して出すのでしょうか。それとも残業時間の上限規制だけ、まずは出すのでしょうか。
大臣:
今回、政労使合意が見送られるということは、連合の事情でなったと理解しております。今後、連合としてどのような方針で対応されるのかは現時点ではよく分かりません。いずれにしても、継続審議中の労働基準法改正案というのは、繰り返し申し上げてまいりましたが、働く方の健康を確保しながら、多様で柔軟な働き方を実現するための重要な法案であるということです。これは変わらないわけで、引き続き理解を得るための努力をしっかりと重ねていかなければならないと思っています。時間外労働の上限規制については、「働き方改革実行計画」で合意を得たものでございますけれども、この計画を踏まえて、私どもは早期に法案を国会に提出して、成立を図る必要があることは当然のことであります。しかし、いずれも労働基準法という同じ法律であります。したがって、一つの法案の形として国会での審議をお願いしたいと考えておりまして、目下、法案作成作業を進めているところでございます。
記者:
連合の会長が総理宛に修正要請を出していますが、この政労使合意が結ばれなかったということで、政府としてはこの修正要請をどのように扱われるか教えて下さい。
大臣:
色々な議論がありうるわけですが、与党の中でも政府の中でも十分まだ議論が尽くされたというわけではないので、与党の皆さん方のご意見もしっかりと受け止めながら、今後どのような扱いをしていくのか考えていきたいと思っています。実際、連合として正式に総理にお考えを示したという事実は、事実としてしっかりと残っているわけですから、これを踏まえたうえで、私たちがどうするかを考えていきたいと思います。私どもとしては、連合から総理に提案をされたという事実は変わらないし、大事な論点を提供いただいていると思っていますので、正面から受け止めて、今後どのように法案にいかしていくかを考えていきたいと思います。
記者:
稲田防衛大臣が辞任の意向を固めたことについて、同じ閣僚としての受け止めとご所感をお願いいたします。
大臣:
これは稲田大臣ご自身が、自らのこれまでの経緯を踏まえたうえでお考えになることでございますので、私からコメントする立場にはないと思っています。
記者:
一昨日、健康・医療戦略推進本部が健康・医療戦略の今後の進め方の方針を決めました。そのなかで、医薬品について新興国に展開をはかるためのプラットフォームを構築する検討を始めることが盛り込まれましたが、現状、新興国への医薬品の展開はどうなっているのかということと、厚労省としてこの検討にどのように対応していくべきか教えて下さい。
大臣:
製薬企業の新興国への展開は、民間企業が当然に各社で考えておられることですし、どの国どの地域かという優先順位などについても各社が考えていると思います。まさに民間の企業がどう戦略展開をしていくのかということですので、我々としては、日本での様々な健康、医療の経験や知識をもって、アジアなどの地域での健康・医療戦略に貢献をすることは大変重要なことでありますので、そのこと自体は大事なことだと思っています。支援をしてそういった貢献をしやすくするというのは、例えば薬事規制の国際的な調和、ハーモナイゼーションというものを進めて、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)などを中心にやってもらっていますし、我々もそのサポートはしっかりやってきています。プラットフォームという言葉は、中身はそれぞれ色々なお考えを持ってらっしゃると思いますので、よく産業界の要望を踏まえて今後議論していくべきだと思っています。
記者:
昨日、電通が労働時間の2割減などを盛り込んだ労働環境対策の基本計画を発表しましたが、これについての大臣の意見をお聞かせ下さい。
大臣:
電通が労働時間の削減などを柱とする「労働環境改革基本計画」を発表されたことは勿論、承知しているところでございます。今回のもともとの事案というのは、過労で自殺したという事案であり、こうしたあってはならないことが起きている事態を踏まえて、電通が過労死を二度と発生させないような企業文化にしっかり変えるということを願っています。強い決意を持って、会社の文化、風土を変えることをやってもらいたいですし、電通が今後、どういう取組みをしていくかをしっかりと見ていきたいと思っています。
記者:
ヒアリについてお伺いします。日本人が刺されたという報道がありました。水際作戦で頑張って食い止めようとしている中で、厚生労働省としての受け止めと、今後の大臣のお考えを教えて下さい。
大臣:
関係閣僚会議も開かれまして、厚生労働省としても、人に対して健康被害があるような場合には、しっかりと医療的にも対応をしていくと申し上げました。従って、医療機関などには、そういう考え方は伝えてありますが、対応に漏れのないようにしっかり強化していきたいと思います。

(了)