塩崎大臣会見概要

H29.7.14(金)10:47 ~ 10:54 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず私のほうからは、このポスターがありますが、お手元にリーフレットもお届けをしておりますが、特別養子縁組制度について周知をして、国民の皆さん方により多く使って頂こうということで、これにつきましては委員会の中でもご質問を受けたり、私自身もその思いを委員会でも述べてまいったところでございます。この児童福祉法改正により、すべての子どもが家庭的環境で育つように家庭養育優先の原則ということを法律に書き込んだわけであります。今までは、実は特別養子縁組というのは、「社会的養護の課題と将来像」にも入っていなかったように、里親はありましたけれども法律にも書いてなかった。それに対して私どもとしては明らかな順番として特別養子縁組、それから里親という順番ではないかということで、特別養子縁組の活用を推し進めていこうということで、児相の正式な事務にもなったというところでございます。そういう社会を実現していくためには、例えば思いがけない妊娠で悩んでいらっしゃる方々、あるいは特別養子縁組によって育ての親になりたいという方々について、もっとこの制度を知っていただいて、選択肢に入れていただくために、これを作ったわけであります。ですから、一つはこの思いがけない妊娠に悩んでいらっしゃる方がおそらく行くであろう産婦人科の待合室であったり、そういう医療機関で見ていただこうと思います。そこで、はっと気がついていただければ、児童虐待死の多くは0歳児、それも0月0日が結構多いわけですから、そういう不幸な結果がないように、早めに妊娠中からもこういう選択肢をやむない場合に考えていただくためにお示しをするところでございます。自治体などの窓口でも、それから日本産婦人科医会にもご協力いただいて、全国のお子さんや医療機関あるいは地方自治体でも掲示をしていただこうと思っております。私どもの厚労省でも司法関与と特別養子縁組についての議論を一区切りついたわけであります。昨日の新聞でも一部報道されておりましたが、この案は法律としては民法でありますので、法務省のほうで検討会を立ち上げられるという報道がございました。私どもとしては、法務省のほうには、この6歳までという年齢制限についての再検討、児童相談所長が申し立てることができるようにならないか、もうひとつは実親が同意を撤回することをいつでもできるようになっており、そうなるとせっかく子どもさんを試行的に預かっている途中で撤回されるという不幸なことにもならないような仕組みをできないかと法務省にも検討していただくようお願いをしております。そういうことでありますから、すべての子どもがあたたかい家庭で育つというのは、立派な人間に育つ条件であると思いますので、あらゆる機会を捉えて周知広報してまいりたいと思っております。報道機関の皆さん方にも是非ご協力をいただければありがたいなと思います。詳細は、また事務方のほうから聞いていただければと思います。私のほうからは以上でございます。

質疑

記者:
電通の違法残業事件についてですが、東京簡裁が略式起訴は不相当として、正式な裁判を開くべきだという判断をしました。厚生労働省としては、電通を捜査、書類送検され、また秋には働き方改革という関連法案を提出される予定だと思います。今回の東京簡裁の法廷を開くべきだという判断に対して大臣の所感のほうをお聞かせ下さい。
大臣:
東京地検が略式起訴した電通につきまして、特に法人としての電通についてですが、東京簡易裁判所が略式不相当という判断をしたことについて、東京労働局が東京地検から連絡を受けたという経緯でございました。厚生労働省としてまず大事なことは、電通が違法な長時間労働をしていたということを認められたことから、司法の判断を求めようということで送検したわけであります。そのようなことが我々にとってはまず大事なことでありまして、今後、今回のこともあって公判を通じて実態や中身が明らかになって、司法判断がされるということになるわけでありますので、これを良く見ていきたいと思っております。
記者:
関連しますが、公判を通じて中身が明らかにされていくことを見ていきたいということでしたが、中身が裁判ということになりますと、社会的な関心が非常に高い中で、電通に限らずこのような違法な残業や労働に対する社会全体に公判がどのような形で影響が広がっていくということをもう少しお聞かせ下さい。
大臣:
公判で審理がされれば、中身がどのようなことで長時間労働が違法に行われていたのかということについての認定がされることになるので、私どもとしては地検に送検して、それを地検として受け止めて今回の判断になっているわけで、それに対して、裁判所が略式不相当だということであります。今度は中身を法廷で明らかにしていくわけですから、一般の方々にも見れるようになるということで、私どもとしてはどのような長時間労働が違法なのか明らかになることは、一般の働く方々の参考になると思いますので、しっかり裁判所において審理していただきたいと思います。

(了)