塩崎大臣会見概要

H29.6.30(金)11:42 ~ 11:56 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私のほうからは2点ございます。まずは有効求人倍率でありますけれども、既に公表されておりますとおり平成29年5月の有効求人倍率は前月に比べまして0.01ポイント今月も上昇いたしました。1.49倍となりまして、43年3か月ぶりの高水準という極めて高い水準になっています。完全失業率は前月より0.3ポイント上昇いたししまして3.1%となりました。これは高市総務大臣からもご説明がありましたが、今の有効求人倍率と合わせてみても、現在の雇用情勢は着実に改善が進んでいるという判断をしております。2点目は、厚生労働省のテレワークの活用状況について結果が出ましたのでご報告いたします。テレワークの活用につきましては、このワークライフバランスの観点からも働き方改革の旗振り役の厚生労働省としても、まず隗より始めよということで、私の指示の下で鋭意テレワークに力を入れるようにということで、昨年度から積極的に取り組んでもらってきておりました。この結果、本日公表されますけれども、厚生労働省のテレワークの実績は5854人日(にんにち)で、霞が関の府省の中で第1位となりました。2位は総務省で4882人日であります。来週からワークライフバランス推進強化月間が始まりますけれども、今後とも業務の効率化を含め、厚生労働省が働き方改革の模範となるように引き続き取り組んでまいりたいと思っております。以上、私のほうから2点ご報告でございました。

質疑

記者:
無届けで民間クリニックがさい帯血を投与していた問題について2点お尋ねします。厚生労働省は既に11のクリニックに対して、先月から緊急停止命令を出されていますが、まずこういった問題に対する大臣の受け止めについてが1点目です。また、今後、流通ルートを含めた調査というかたちで、どう進めていこうと考えていらっしゃるのか、この2点についてお尋ねします。
大臣:
いまご指摘のありましたように11の医療機関で既にこの無届けでさい帯血の再生医療の提供が行われていたということが分かったわけでありまして、極めて遺憾なことだと思っています。これらの医療機関に対しましては、いまお話のあったように緊急停止命令を行っているわけでありますけれども、患者の健康被害の有無等についても報告命令を行ってきています。これについては引き続き報告を受けることを求めてまいりたいと思います。再生医療の適切な実施にあたりましては、再生医療安全性確保法という法律がありまして、これに基づいて再生医療の実施計画を届け出て、厚生労働省の審議会による事前の審査を受ける必要が法律上定められているわけであります。今後、再生医療の安全性の確保という観点から医療機関への指導、周知を徹底しなければならないと思っています。いま流通の問題についてお話がありましたが、今回の問題は公的な仕組みできっちりと法律の下で律しられている非血縁者間の移植に用いるための枠組みではないところでのさい帯血の流れが起きているというのが発覚をしたわけであります。造血幹細胞移植法というのが、非血縁者間の造血幹細胞移植に用いるさい帯血の提供を対象としています。厚生労働大臣の許可を受けた公的バンクのみが、これをできるという法律上の定めになっているわけでありますが、一方で本人の委託を受けて、本人や親族のためにさい帯血を採取、保存をして将来の再生医療や移植が必要になった場合に当該さい帯血を提供することは、現時点では法規制の対象になっていないことになっています。いわゆるプライベートバンクといわれているものでありますが、こういう事業を行っている限りにおいては、法律上問題にはならないわけでありますけれども、非血縁者間における造血幹細胞移植に用いるためにさい帯血を提供すれば、これは法違反となるわけであります。今回の事案につきましては、現在警察で捜査を続けておりまして、コメントは個別の問題については差し控えますが、厚労省としては今回の事案を受けて現在も営業が確認できている、いわゆるプライベートバンクと称するところが2つあります。これらに対して許可無く、非血縁者間の移植のためにさい帯血を提供することは違反であるということを明確に、速やかに注意喚起を行うようにしているところであります。現在プライベートバンクの業務の実態調査を実施しています。この結果を踏まえて、今後の対応について私どもとして何をすべきなのかよく検討してまいりたいと考えています。
記者:
政府与党内で先般の都議選の応援演説中に稲田防衛大臣のほうから、ご本人は撤回されましたけれども、失言がありました。また昨日の段階で、自民党幹事長代行の下村衆議院議員が献金に関して不正があったのではないかという報道を受けて会見されています。政府与党内でこうした不祥事とも捉えられかねない事態が続いていることに関して、閣僚の一人としてどうお考えでしょうか。
大臣:
政府与党として絶えず謙虚に丁寧に政策立案、そして執行にあたっていかなければならないと思っています。
記者:
さい帯血の関係でお伺いいたします。プライベートバンクには許可や届出の義務がないわけでありますが、せめて届出ぐらいはするべきであるという御指摘もあるわけであります。それについては大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
これは先ほど申し上げましたとおり、まずどのような実態になっているのかという実態調査をしてみたいということで今やりつつあるわけでありまして、例えばこの本人の委託ということですが、それがどのように使われているのかということも良く把握した方が良いと今回のことを考えて思いました。海外の方もおられ、そしてそれが健康被害があったのかなかったのかはご帰国をされてしまってよく分からないというような問題もありまして、ここは健康に大きな影響を与えうるようなことでありますので、私どもとしては実態をしっかりと調べた上で、法規制をすべきなのかどうかということも含めて考えていかなければならないのだろうと思っております。ご心配の意見はそのとおりだと思います。
記者:
関連で再生医療の件ですが、第一種、二種、三種があり、今回は停止命令を受けた11クリニックの中には、第三種の再生医療の届出を出していて、それをホームページでうたっておりまして、患者からしますとここは再生医療が出来るクリニックだと思ってしまい、実は今回だと第一種なのでその届出はしておりませんが、非常に分かりづらいシステムとなっております。再生医療の法律についても改善点があると思いますがいかがでしょうか。
大臣:
いずれにしましても、第一種であればこの再生医療安全性確保法に基づいて、実施計画を事前に届け出、審議会で厚労省においてこれは審査を受けるということになります。それが標ぼうしているものと違うことがされていて、それを信用してしまうということでありますので、それを騙してしまうという悪意を持っているとも考えられないことはないわけでありますから、これはしっかりと対応していかなければいけませんし、前に医療法で広告方法の問題について問題提起をしましたが、その哲学とも照らし合わせてみて、厳しく対処していかなければならないと思っております。
記者:
自治体が行うがん検診についてお尋ねします。青森県が独自に調査をしたところ、一部のがん検診につきまして約4割の見落としの可能性があるという分析結果が出ております。これに対する大臣の受け止めと何か対応を考えていらっしゃるようでしたらお聞かせ下さい。
大臣:
報道ベースで私も見ましたが、がん検診は当然皆さんが信頼して、その結果に従って必要であれば精密検査を受けるということも行われながら、がんで亡くなったりすることを避けるということが目的であります。今回見落としということであるわけでありますので、許容範囲を超えている件数が見つかったという青森県の結果についてはしっかりと内容を見まして、今後どのような検診で行くべきなのか、今回の胃がんの検診などについても、バリウムの在り方についてなどいろいろありました。そのようなことを考えてみると、今回がん基本計画も作り直す時でもあり、その問題をよく調べた上で何を直すべきなのか、そして強化すべきなのかよく考えていきたいと思います。例えば、今回の小林麻央さんのことでも34歳という若さで亡くなってしまいましたが、実際にがん検診を受ける年齢はもっと上になっているということも含めて考え直していかなればいけないと思います。

(了)