塩崎大臣会見概要

H28.12.19(月)14:52 ~ 15:02 省内会見室

広報室

会見の詳細

平成29年度予算編成大臣折衝について

大臣:
先ほど、麻生財務大臣と平成29年度の予算編成に関しまして、社会保障関係費などについて折衝を行ってまいりました。持続可能な社会保障制度を構築する観点から、経済・財政再生計画改革工程表、あるいは関係審議会などにおける検討結果を踏まえて、医療・介護制度改革を着実に進めていくことを確認いたしました。これによりまして、平成29年度の社会保障関係費の伸びにつきましては、概算要求時点の自然増6,400億円から1,400億円程度を削減いたしまして、5,000億円程度に収めることになりました。社会保障の充実につきましては、消費税増収分と重点化、効率化によって生み出される財政効果を活用いたしまして、全体で1.84兆円を確保することといたしました。国民健康保険への財政支援につきましては、国保改革を着実に実施するために、財政安定化基金につきましては、平成29年度にこれまでの積立分と合わせまして1,700億円程度の規模を確保いたしまして、平成32年度末までに2,000億円規模を確保するとともに、平成30年度及び31年度に保険者努力支援制度などに必要な1,700億円を確保することといたしました。保育士などの処遇改善でございますが、2パーセントの処遇改善に加えて、経験年数がおおむね7年以上の職員の皆様方に月額プラス4万円、経験年数がおおむね3年以上の職員に対して月額プラス5,000円の処遇改善を行うこととなりました。介護の人材、障害福祉サービスの人材についての処遇改善につきましては、経験や資格に応じて昇給する仕組みを設けることを要件にしまして、月額平均1万円相当の改善を行うことといたしました。雇用保険制度についてでありますが、未来への投資を実現する経済対策を踏まえて、平成29年度から31年度の3年間に限って、雇用保険料は0.2パーセントの引き下げ、国庫負担は本則の55パーセントから本則の10パーセントへの引き下げを行い、また、育児休業給付の延長、教育訓練給付の拡充などを行うこととなりました。以上が、麻生財務大臣との予算編成についての折衝の結果でございますので、よろしくお願いいたします。

質疑

記者:
先ほど、大臣折衝を終えられて、来年度予算の全体の大枠が固まったかと思いますが、特に、大臣が力を入れられた点についておうかがいしたいのと、社会保障費の自然増について1,400億円の圧縮という目標を達成されたということで、そのことの受け止めについてもお願いいたします。
大臣:
社会保障制度の改革につきましては、持続可能性ということを見据えるとともに、それは次世代にきっちりと引き継いでいくということでありますが、一方で、負担増になられる方々についても影響度合いを十分に配慮するということが、一番私どもとして心を配ったところでございました。そういう中で、社会保障関係費の伸びの目安が達成できるということになりましたが、持続可能とするためには様々なことを考慮し、負担能力に応じた負担、あるいは世代間、そしてまた世代内の公平ということにもきっちりと目配りをしながら、今回の様々な改革案について決めさせていただいたということでございます。
記者:
一昨日の国保基盤強化協議会で、国保の300億円の積み増しをいつ終えるのかという宿題については、先ほど、大臣がおっしゃった平成32年度末までが御回答という認識でよろしいでしょうか。
大臣:
17日に国保基盤強化協議会において御意見を頂戴しましたが、今、お話のように、300億円の宿題が残っていました。これにつきましては、今回の折衝で平成32年度末までに300億円を積み増すということで決まったということでございますので、お約束は何とか果たせたと思っているところでございます。
記者:
今回の予算で保育士の処遇改善と介護士の処遇改善について一定のめどが立ったと思います。今後ですが、財源の確保についてどう考えていくのかということと、これ以上の処遇改善についてはどう考えていくのかをお願いします。
大臣:
今回のことにつきましては、合意するということは、それなりに財源を確保した上で、行っていくということでございますので、さらにきちっとした予算を組み立てていきたいと思います。今後どうするのかということでありますけれども、当然、他の職種との並びを絶えず目配りをしながら、そしてまた人手不足などが深刻な、こういった保育士、あるいは介護関係の職員の皆様方の職場の環境整備を同時に進めながら、また多くの議論をしっかりと受け止めながら、今後やっていこうと考えているところでございます。いずれにしても、少子化や子育て支援、介護の支援にしても、介護離職ゼロ、介護全体について働き方を含めて、きちっと対応がそれぞれできるようにしていこうということでありますので、宿題は引き続き、絶えず考え続けていくことだろうと思います。
記者:
国保の財政支援のところですが、この中で平成32年度に消費税収が満年度化することも踏まえとありますが、消費税収の満年度化が条件ということなのか、万が一消費税10パーセントへの引き上げが再延期されるようなことがあった場合には、その時はまた別途考えるということになっているのでしょうか。
大臣:
これは消費税を引き上げるということが前提となっている法改正も行っているわけでございますので、それを前提に組み立てていくということであります。
記者:
協会けんぽの特例減額は320億円ということでしょうか。
大臣:
協会けんぽにつきましては、国庫補助の特例減額を321億円ということで了解させていただいているところでございまして、それによって1,400億円が組み立てられています。

(了)