塩崎大臣会見概要

H28.10.7(金)9:55 ~ 10:04 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方からは、過労死等防止対策白書について申し上げます。今日の閣議で、過労死等防止対策白書が了承されました。本白書は平成26年に過労死等防止対策推進法が成立してから初めて策定される白書になります。本白書には、「過労死等の現状」、「過労死等防止対策推進法の制定の経緯及び概要」、「平成27年度の過労死等防止対策の実施状況」などについて報告しております。過労死をゼロにして、健康で充実して働き続けることのできる社会を実現するという使命感を持って、過労死等の防止のための対策に全力を挙げて取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。私からは以上でございます。

質疑

記者:
化血研(一般財団法人化学及血清療法研究所)の問題についておうかがいします。今月の4日に、日本脳炎ワクチンの承認書と製造実態に食い違いがあるということで、行政処分が行われました。処分の詳細な理由と大臣の御所感をお聞かせください。
大臣:
これまで行った行政指導は今年の始めからでありますが、その中でガバナンス体制及びコンプライアンス体制の抜本的な見直しを求めてまいりました。にも関わらず、再び法律違反を繰り返して、報告命令等を行うに至ったことは大変遺憾なことでございます。前回もそうでありましたが、承認書と異なる製造方法を取っていたという問題であります。これまで何度も申し上げてきたことでありますが、化血研は40年の長きにわたって薬事制度の根幹を揺るがす極めて悪質な行為を続けてきた企業でございます。今回の報告命令に対する化血研からの回答、あるいは弁明書の内容、そして今後の改善命令への対応等を厳しく見極めて、更なる処分も検討し、化血研には厳正に対処していく覚悟でございます。加えて、同社はホームページ上で、厚生労働省の事実認識が誤っているかのごときコメントを出しております。しかし、これは厚生労働省の認識とは大きくかけ離れたものでありまして、大変遺憾なことだと思っております。いずれにしても、人の命を与る医薬品の一つでもあるワクチンでありますので、きちっと決められた方法で製造するというのが基本中の基本で、その基本を外す行為は許されるものでは決してないということだと私達は深く認識しています。
記者:
厚労省での介護保険制度の見直しのうち、要介護1、2の方向けの生活援助サービスの見直しを見送る方向で検討に入ったとの情報があります。軽度者向けの介護保険サービスについては、生活援助サービスのほかに福祉用具レンタル費の補助をどうするかや、住宅改修費の補助をどうするかということも論点になっているかと思いますが、生活援助や福祉用具レンタル、住宅改修費の補助について、現状、厚労省でどのような対応方針になっているかをお願いいたします。
大臣:
現状については、御存知のとおりの制度でありまして、福祉用具についても1割の負担でできるということになっていまして、レンタルの費用はそれで決まってくるわけであります。昨日も委員会で議論がありましたが、私達にとって大事なことは、介護保険制度は高齢者の自立と介護が必要な状態の重症化を止める、あるいは改善する、これが一番御本人にとって良いわけであります。それと同時に、私達が考えなければいけないことは、制度の持続可能性、つまり長持ちをしてもらわないと困るということでございます。今申し上げたような基本的な理念と必要なサービスはしっかりと必要な方にお届けをすることが大事であります。しかし、同時に制度は持続可能なものにならなければいけないということであります。昨日申し上げたように、レンタルの中で非常に価格に幅があって標準的なものよりもはるかに高いものについての1割負担ということは、残りは他の人の保険料と税金で負担をしているわけでありますから、標準よりはるかに高いものの負担を税金等を通じて背負うことが長持ちするかどうかということも含めて議論することであります。昨日議論もありましたが、あたかも全部カットするかのようなことをおっしゃるような向きがありますがそういうことではなく、先ほど申し上げた理念の下で見直すということで全てこれからの議論にかかっていることであります。何ら既にもう決まったかのようなことは何もないということを明確にしておきたいと思います。
記者:
少し前の話ですが、大阪で不妊治療を専門にやっている医療機関で、女性の卵子を若返らせて妊娠しやすくしようという試みで、卵子にミトコンドリアを移植するという新しい処方の医療が行われましたが、遺伝子を改変する恐れなどがあるのではないかと思われますが、これについて倫理的な問題でありますとか、あるいは今の厚生労働省の研究指針上で何らかの問題があるのかお願いします。
大臣:
この臨床研究は、厚生労働省と文部科学省が定めた、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づいて、施設内に設置をされた倫理審査委員会の意見を聞いた上で実施されていると聞いております。また、この施設は事前に日本産婦人科学会倫理委員会の慎重な検討を経て、通常の医療ではなく臨床研究として実施していると聞いているところであります。私ども厚生労働省としては、専門家の判断を尊重しつつ、引き続き注視してまいりたいと考えております。
記者:
研究指針については、もう一つ厚生労働省が作っている遺伝治療の臨床研究の指針もあって、そこには生殖細胞、つまり卵子の遺伝改変の恐れがあるような研究は行ってはいけないという記述があるのですが、これには特に抵触するようなものではないということでしょうか。
大臣:
詳細は私もつぶさにはまだ聞いておりませんけれども、いずれにしても今お話申し上げたような論点に照らしてみて、よく注視してまいりたいと考えております。

(了)