塩崎大臣会見概要

H28.6.14(火)9:19 ~ 9:34 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方から2点ございます。まず、厚生労働省の組織令の一部を改正する政令についてでございます。本日、厚生労働省の組織令の一部を改正する政令が閣議決定されました。政令の内容は配付資料のとおりでございます。この政令は、平成27年5月に日本年金機構への不正アクセスによる情報流出事案が発生したという苦い経験がございますが、これを受けてサイバーセキュリティ対策の強化という観点が一つと、政策統括官組織の強化をはじめとする厚生労働行政の推進体制の強化を行うということで、今回の政令改正をさせていただきました。詳細は事務方にお聞きください。もう一つは、幹部職員の人事異動ですが、今日の閣議で局長級以上の幹部職員の人事異動につきまして、内閣の承認が得られたところでございます。その内容につきましては、お配りしている資料のとおりでございます。人事は6月21日付けで発令してまいりたいと考えております。この内、女性の登用につきましては、内閣官房内閣審議官でございます、内閣人事局におられた定塚由美子さんを石井淳子社会・援護局長の後任に充てるというのが一つ。それから、安藤よし子政策統括官には留任していただいて、組織再編に合わせて担当を労働担当から統計・情報政策担当とさせていただきます。女性2名を局長級ポストに登用しております。組織と人事については以上でございます。もう1点でございますが、いわゆる「専門医制度」というのが検討されつつありますが、新たな専門医の仕組みにつきましては、日本医師会及び四病院団体協議会、いわゆる「四病協」の会長から7日付けで、日本専門医機構及び各学会が一度立ち止まって、幅広い関係者の参加する新たな検討の場で医師偏在の深刻化が起こらないかどうか集中的な精査を早急に行って、その結果を踏まえて対応方針の判断を行うべきとの要望が出されました。それに対して、私も同日、この要望書の趣旨を十分理解する旨の談話を出したところでございます。しかしながら、この度、日本専門医機構の理事長から11日付けで、各基本診療領域の学会の理事長に対してコメントが出されました。それを見ますと、日本医師会と四病協の要望書や、私がその際に発表させていただいた談話の趣旨が全く踏まえられておらず、大変遺憾に思っております。各学会におきましては、日本医師会と四病協の要望書や私の談話の趣旨を踏まえていただいて、一度立ち止まって、新たな検討の場における精査を踏まえて対応方針を判断するように求めたいと思います。また、厚生労働省としては、良質な医療を提供する体制に責任を有する立場から、患者、国民の視点を十分に踏まえた新しい検討の場において、集中的な精査が早急に開始されるように重大な関心を持って注視してまいりたいと考えております。参議院の選挙の応援もあって、私も各地にうかがっておりますが、そういったところでお会いする医療関係者は、地域医療に対する、どちらかというと好ましくない影響について大変懸念している向きが各所で見られるということを全国を回っていく中で感じますし、地元でも同様のことを多くの医師の先生方が、地方における地域医療の問題について大変懸念されております。そういうこともあって、今申し上げたように、一度立ち止まって、患者、国民の視点を踏まえた検討の場で議論していただきたいということを申し上げ、それ無しに突っ走るということはいかがなものかと思うところでございます。以上でございます。

質疑

記者:
大臣から発表がありました、人事と組織改編なのですが、二川事務次官と岡崎厚生労働審議官が留任ということで、新しい局長の配置は今配られたのですが、この人事異動の狙いと、組織改編の方ですが、年金の不正アクセス事案は1年前の事案ですが、今回のタイミングになった狙いをお願いいたします。
大臣:
社会保障改革を国民、患者の視点から、あるいは生活者の視点から行うということは、財政制約のある中で、また、人口減少等の人口問題への挑戦をする中で大変難しい問題が山積しております。それに最も強力な体制を組むということが最大の今回のポイントでありまして、そのような観点から今回の人事を執り行わさせていただいたということであります。サイバーセキュリティ等、日本年金機構の問題から1年経っているではないかということでありますが、できることは既にやっているわけでありますが、政令改正を伴って正式に人事の季節に組織も改編するということを持って、名実共にサイバーセキュリティ体制を強化するということに資するということが今回の変更の目的でございます。
記者:
今日の午後に中央最低賃金審議会が開かれます。安倍政権では年3パーセント、最低賃金1,000円という目標を掲げられていますけれども、大臣として審議会に対する期待をお願いします。
大臣:
民主党政権の約1.4倍の引き上げをしてきました最低賃金、つまり国民の生活の最賃に近いところで働いていらっしゃる方々の生活水準をあげるということで、引き上げてまいったわけでありますけれども、今回、「ニッポン一億総活躍プラン」、あるいは「骨太の方針」ということで、少子高齢化や人口問題に正面から立ち向かっていくという「新三本の矢」の実現を図っていこうということを明確にいたしました。その中で最賃につきましては、年率3パーセント程度上げていく、そして全国の加重平均では1,000円とするということを明確にして、新たな方針として掲げたわけであります。最賃が影響するのはやはり中小企業、あるいは小規模事業所などでありますけれども、この最賃引上げには当然のことながら生産性の向上がなければついていけないということになりますので、経済全体の底上げと暮らし全体の底上げを同時に達成するために、中小企業支援なども同時にやってきているわけでありますので、こういうことも今後、最賃と併せてやっていかなければいけないことだと思います。一億とか、あるいは骨太で決めた新たな方針後、初めての最低賃金の審議を行うわけでございますので、そういった新しい政策をよく踏まえた上で、成長と分配の好循環の実現に向けて議論を深めていただきたいと思います。
記者:
幹部人事などで教えていただきたいのですが、政策統括官(総合政策担当)という今まで二つに分かれていたものを一つにするという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
基本的な考え方は、いつまでも厚生と労働でバラバラに人事をやっているわけでは、政策を作るということでは、今日の問題に対処するには不十分ということは言うまでもないわけであって、それが元々の省を統合した意味合いだったと思います。特に安倍内閣として、今年の施政方針演説でも、経済再生のど真ん中の政策の一つとして働き方改革、同一労働同一賃金を含めて申し上げているわけでありまして、こういった厚生関係、労働関係を単純にすぱっと分けるような問題では全くなく、むしろ総合的に対応していくことが大事なことでありますので、そういう意味でもこの組織をさらに一本化していくことが大事ではないかと思っております。
記者:
新たな専門医制度についておうかがいしますが、先ほどのコメントで一度立ち止まってということで、先日の談話でも同様の表現があったと思います。日医(日本医師会)の方は来年4月からの延期ということですけれども、基本的な大臣のコメントの趣旨としては、関係者間でよく対話をしてということだと思いますが、現状では来年4月1日からのスタートについて延期すべきかどうかというところですが、大臣の御所感はいかがでしょうか。
大臣:
これは元々日本専門医機構で、専門医療制の制度を作るということで、専門性の高いところの議論でございますので、それはそれとしてやってきていただいています。しかし、そのことが地域医療を提供するという問題に大きな影響を与えるようではないかという懸念が全国に広がっているわけであります。したがって、それぞれお考えがありましょうから、これをまず早急に国民、あるいは患者目線を踏まえた、新しい検討の場を設けて、徹底的に早急な議論をしていただく、そのことによって18プラス総合診療医という19の分野がありまして、それぞれ検証してもらうことが大事だと申し上げているのです。私どもは折々に全部止めろや全部延期しろとか、そういうことを申し上げる立場ではないわけです。我々にとって一番の関心は良質な医療を全国津々浦々均てんすることができるかどうかという、私どもが責任をもつ部分にどういう影響があるのかという関心があるわけです。既に先般、兵庫県の知事もこの件でおいでいただきましたが、それぞれの地方で地域医療に責任がある立場の方々、これは医師だけでは全くなくて、行政の方々も含めて、そして何よりも患者さん、国民の皆さん、こういった方々の懸念をまず払拭することが大事ではないかと言っているので、7月1日から何があってもやるぞみたいな話ではなく、議論をよくやっていただきたいと思っているところでございます。
記者:
都議会のことで申し訳ないのですが、舛添さんがあのような形で辞任を表明しないことで参議院選への影響が懸念されていますが、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
大臣:
参議院選への影響というよりは、都民にとっては都知事の問題であります。したがって、これまで、昨日の一問一答のやりとりを通じてもいろいろなことが明らかになってきたわけでありますから、ここは舛添知事が政治決断もしなければならない、そういうタイミングではないかと私は思います。

(了)