塩崎大臣閣議後記者会見概要
H27.12.11(金)9:54 ~ 10:07 省内会見室
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- おはようございます。特に私からはございません。
質疑
- 記者:
- 軽減税率についてうかがいます。自民党と公明党は、対象となる品目を食品全般とすることで一致し、必要となる財源は1兆円を超える見通しです。2020年度のプライマリー・バランス黒字化達成に向けて、社会保障分野でも歳出削減圧力が強まるとの見方もありますが、大臣の受け止めをお願いいたします。
- 大臣:
- 今、自公の幹事長同士で最終的な詰めを行っているということなので、どういうことになるのか私は直接聞いておりません。社会保障と税の一体改革で、消費税収の使途を社会保障4経費に限定して、全額を社会保障の充実と安定化に充てるということで合意がなされたわけですので、それに基づいて様々な手を打ってきたわけです。厚労省としては、一体改革の趣旨を踏まえて、子ども・子育て支援の充実、医療・介護提供体制の改革、難病対策の充実、年金制度の改革など、社会保障の充実と安定化に必要な財源の確保をしっかりやることが重要だということでやってまいりました。したがって、私どもはその考え方に則って社会保障の充実と安定化を図るということが使命でありますので、どういう協議が行われるかは結果を待ちたいと思います。
- 記者:
- 補正予算についてうかがいます。低所得の年金受給者に対して3万円の臨時給付金が計上される予定となっておりますが、臨時給付金については与党内からも選挙対策のばらまきではないかという声も一部で挙がっています。大臣は、臨時給付金が消費を支える効果などについてどのようにお考えでしょうか。また、それに関連して、臨時給付金については3万円を送るための事務経費だけで200億円以上が計上されるそうですが、これだけかかるのはなぜなのかお願いいたします。
- 大臣:
- まず、効果についてのお話でありましたが、先般の一億総活躍社会の実現に向けての緊急対策が発表され、その中でアベノミクスの成果の均てんを図るという、そういう観点から賃金の引上げの恩恵が及びにくい低年金受給者に支援を行うということが書かれているわけであります。賃上げは働いている人たちの生活水準の向上につながり得るわけでありますけれども、必ずしも働いていらっしゃらない年金をすでに受け取っている方々にアベノミクスの成果をお届けするというために、何らかの支援を行うということが書かれていたわけでありまして、11月27日に補正予算編成に関する総理指示を踏まえて、低所得の高齢者世帯を支援する臨時給付金の実施に向けて、今後政府として具体的な検討が進んでいくと思っております。事務費に関しては、これは簡素な給付でもそうですけれども、現場の市町村に支給についてお願いするわけでありまして、そういった事務費がかかっているということでありまして、これについては政府の関係部署とよく相談していきたいと思います。
- 記者:
- ばらまきではないかという批判に関してはいかがでしょうか。
- 大臣:
- 今申し上げたように、働いていらっしゃる方は賃上げの恩恵が、企業、経済の再生によって回ってくるわけでありますけれども、年金が必ずしもそれに準じて上がるということではないので、そこに手当をするということでありますので、ばらまきという考え方ではないと思います。
- 記者:
- 診療報酬の改定についてうかがいたいのですが、これまでの報道で本体部分の引上げと出ていますけれども、政府内の調整、財務省との調整、これまでいかがでしょうか。大臣の診療報酬の改定に当たってのお考えを改めてお願いします。
- 大臣:
- まだ予算編成過程の途上でありますから、これから様々な議論が行われると思っております。診療報酬につきましては、私どもの考え方はすでに(経済財政)諮問会議で申し上げたとおりでありまして、医療機関の経営状況、世の中全般の賃金の動向、国民皆保険を維持する、堅持するという観点から、国民に安心していただける医療を提供して、今全力でやっている地域包括ケアシステムの実現に向けてさらに進めると、こういった観点からやっているわけであります。私としてはこの考え方に基づいて、今回特にメリハリのきいた診療報酬改定をしなければいけないのではないかということを考えているわけで、例えば、救急では二次救急はやっぱり十分ではないところがまだまだあります。小児の在宅医療や、認知症への配慮といったことも、これからさらに必要になってくるわけです。一方で7対1の問題の中でもやはりその重症度、急性度が十分な評価に頼るものになっていないというケースもあるわけで、そういうところでメリハリをつけていこうということでありますので、財政厳しき中にあっても、よりよい医療をどのようにつくっていくか、こういう観点が私どもにとって大事なことではないかと思います。
- 記者:
- 2点ございまして、1点目は児童虐待対策で、当初は昨日ございました「新たな子ども家庭福祉のあり方専門委員会」で結論をまとめられて、年明けの通常国会に改正法案を提出される予定になっておりましたけれども、議論がまとまらず今後も続けられることになりました。法案提出に向けた今後のスケジュール感と、大臣としては何を柱にしたいとお考えになっていらっしゃるのかということを教えてください。もう1点は化血研(一般財団法人化学及血清療法研究所)の問題につきまして、第三者委員会の報告書でも刑事罰について言及もあったところなのですが、刑事告発について厚労省としてはどのようにお考えになっていらっしゃるのかを教えてください。
- 大臣:
- まず、児童福祉法の改正につきましては、昨日の委員会では、私が福岡の児相(児童相談所)に行った時に児相の弁護士の方からいただいた御提案について「しっかりと議論します」とお約束してきたわけでございまして、それを受けてさらに議論を深めようということになっているわけでございます。我々としては、通常国会に法案を提出するということは何ら変わっておりませんので、予定どおり子どもの福祉のためにしっかりとやっていきたいと思っております。全ての子どもが健全な養育を受け、健全に生きていけることの保障をしていくということを基本的な考え方として明確にした上で、その考え方から今の制度、児童相談所、市町村と都道府県、それに加えて国の役割を再整理して強化していくということをしっかりとやっていきたいと考えております。化血研については、第三者委員会からの報告書が出ているわけです。それをしっかりと精査して、我々が分かったことは、長期にわたって組織的に厚生労働省の薬務行政を裏切るような行為をして、隠蔽をするという言語道断の態度をとっていたわけでありますので、それを自浄作用として食い止めるだけのガバナンスの力も無かったし、コンプライアンスの意識も低かったという観点で、私どもは第三者委員会の報告書を読み、薬に責任を持つ者、国民の命に責任を持つ者としてどういうことをすべきかを考えているところでございます。
- 記者:
- 今の大臣の発言で関連でおうかがいしたいんですけれども、国として、どういうことを化血研の関係でしていくかを考えていくということなんですけれども、3年前の厚労省の検討会で血液製剤の供給のあり方について、事業者の統合も含めて進めていくという提言がありますが、その提言について現在、国としてどのように受け止めているかをおうかがいしたいと思います。
- 大臣:
- (平成)24年の3月の報告書について御指摘になっておられると思うのですが、いわゆる「血漿(けっしょう)分画製剤の供給のあり方に関する検討会の最終報告書」というのがございました。ここでは、将来にわたって安全な血漿分画製剤を安定的に供給できる体制を構築するために、今お話があったように国内事業者の事業規模の拡大、つまり集約でしょうかね、などによる事業基盤の強化が不可欠だと提案されていました。その時はその時として、そういう結論をいただいたわけであり、こういった報告書も踏まえて、24年10月に日本血液製剤機構がつくられたわけでありますが、今お話を申し上げたように、組織的に薬務行政を迂回する、意図的に、その事実も隠蔽するようなことがあったということと、この24年の時の考え方とどう整理するのかということも含めて考えているということでありまして、刑事告訴の話がありましたが、これはいろいろ検討した上で判断することだと思います。
(了)