塩崎大臣閣議後記者会見概要

H27.10.27(火)10:44 ~ 10:58 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方から冒頭2件、御報告をいたします。まず、厚生労働白書でございますが、今日の閣議で平成27年版の厚生労働白書を報告いたしました。今回の白書は、「人口減少社会を考える」というテーマで、人口減少社会の背景や国民意識の分析、諸外国との比較などを行っておりまして、その中で人口減少克服のための国、自治体や企業などの取組事例を紹介しているわけであります。この白書が、人口減少に関する問題意識を国民の皆様方と共有するきっかけとなることを期待申し上げるとともに、厚生労働省としても関係省庁と連携をしっかりとして、人口減少の克服と一億総活躍社会実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っております。二つ目は、医薬品に関する「先駆け審査指定制度」の指定についてでございます。本日、日本再興戦略改訂2014を踏まえて導入をいたしました「先駆け審査指定制度」によります指定品目として、初めて、まずは医薬品に関しまして6品目を指定することといたしました。この「先駆け審査指定制度」は、革新的な医薬品、あるいは医療機器、再生医療等製品を日本で早期に実用化を目指すというものでございまして、今回の治療薬の画期性、対象疾患の重篤性などの観点に照らして、開発の早期段階から指定するものであります。指定品目の承認審査の期間を通常の半分の6ヶ月に短縮するなど、早期の実用化を目的とする制度でございます。革新的な新薬等を世界に先駆けて創出することを目指すものであって、引き続き迅速な審査等に努めてまいりたいと思っております。詳細は、事務方にお聞きいただければと思います。私からは以上でございます。

質疑

記者:
今の「先駆け審査指定制度」ですけれども、今後、医療機器や再生医療等製品についてはどういった予定があるのでしょうか。
大臣:
今回は、まず医薬品ということでございますが、先ほど申し上げたとおり、この制度自体は革新的な医薬品、あるいは医療機器、さらには再生医療等製品の審査をスピードアップするというものなので、追って医療機器などについても指定をしてまいりたいと思っております。
記者:
重度の肥満の方用の治療薬であるマジンドールを不正に販売していたということで、医師が逮捕されたという事案がございました。この薬は、中枢神経に影響を与えるという可能性もある中で、痩せる薬として一般にも、重度以外の方にも非常に注目されているということですが、改めて注意するべき点があればお願いいたします。
大臣:
今回の事案は、関東信越厚生局麻薬取締部が捜査継続中の案件でございますので、基本的にコメントは差し控えたいと思います。今回の事案でも、向精神薬の不正流通の防止が大事であるということを再認識するわけでありますが、麻薬取締部におけます医療機関に対する向精神薬に特化した監視体制を一層強化しようというふうに考えております。それから、医薬品卸関係団体への注意喚起というものをしっかりとしていくということによって、早期発見、未然にこれを防止するということに努めてまいりたいと考えているところでございます。いずれにしても、向精神薬の不正流通を阻止していくということにおいて変わりはございません。
記者:
医薬品卸への注意喚起というのは、文書か何かをお出しになるということですか。
大臣:
文書でやります。いずれにしても常識的に考えてどうみてもおかしいということがあるような場合には、ただちに私どもの方に伝えてもらうということも含めて注意喚起をして、そういう目でしっかりと見ていくように伝えてまいりたいと思います。
記者:
今日の厚生労働白書の中で、人口減少の社会や子育てについてもいくつか記載があるのですけれども、調査の中で保育園の子どもの声を騒音と位置づける住民の立場について同感、ある程度同感とした人が3割以上という結果についての受け止めと、保育行政についてのコメントがあればお願いします。
大臣:
厚労省の委託調査で、今御指摘のあったように、保育園児の声を騒音のように意識するということで、保育所立地に反対するという方々がおられるわけでありまして、どのように思うかをこの調査で聞いたところ、ある程度同感できる、あるいはとても同感できるという答え方をされた方が35.1パーセントおられたと、こういうことで今の御質問になっているわけでございますが、政府としてはやはり子どもが心身共に健やかに育つように、家庭、あるいは地域などの社会のあらゆる分野で国民の皆様方に御協力をいただくということが重要であると思っておりまして、調査結果にあるような保育園児の声に関する点についても、これも含めて地域住民の方々にしっかり御理解を賜って、社会全体で子どもを育てていくということの理解が促進されるように私どもとしてもさらに努力をしていきたいというふうに考えております。
記者:
熊本に本社がある化血研(化学及血清療法研究所)という血液製剤メーカーのインフルエンザワクチンの問題で、一部国の承認書と食い違いがあったのですけれども、流行期に入るということで先週なんですが、ワクチンの出荷が認められるということになりました。このことについての大臣の御所感と、公衆衛生上の理由があるということで出荷が認められるのであれば、ペナルティの実効性がないんじゃないかというような専門家の批判もあるようですけれども、そのことについて大臣のお考えがあれば、お聞かせください。
大臣:
具体的な細かな点は私の手元にございませんので、経緯などは改めて事務方に聞いていただきたいと思いますが、公衆衛生上の必要性と個別企業のあるべき姿の問題については、一定程度やはりこれはお互いに影響が出ないように別に考えていくということが大事だと思います。御指摘の問題が仮にあるとすれば、それと公衆衛生の問題とはまた別に考えるというのが普通であろうと思いますが、なお具体的なことについて今ただちには分かりませんので、その点についてはまた事務方に聞いてください。
記者:
年金機構の関係で、会計検査院の方の調べで、厚生年金保険の加入逃れの疑いがある事業所に立入検査をすると予告しながら、そのうち6割は3か月以内に実施しなかったということが分かったと一部報道であったのですけれども、このことの事実関係と、大臣としての御所感をお願いします。
大臣:
厚生年金の加入逃れの問題ということでありますけれども、今般、会計検査院から、日本年金機構が行う健康保険及び厚生年金保険の適用促進業務に関して、事務処理がより的確かつ効率的に実施されるべきとの改善の処置が示されたわけでありますけれども、これは平成22年の日本年金機構発足以来、適用促進業務は改善傾向にはありますけれども、今お話がありました会計検査院からの今般の指摘は、やはり真摯に受け止めなければならないと思っておりまして、厚生労働省として更なる適用促進に向けて日本年金機構の事務処理方法などが改善されるように指導、監督を行ってまいりたいと思っております。今まで国税との協力とか、いろんな形でやってきておりますけれども、なおこれについては努力し、きちっと企業は厚生年金に入ってもらうということによって働く人たちの老後の生活ができるようにするということは基本中の基本でありますから、しっかりとやっていかないといけないと思います。
記者:
先ほどの保育園児の件ですけれども、子どもが健やかに育つように協力いただくというのは、今後やることとしては基本的に広報活動で周辺住民の考えを少しずつ変えていくということをやるのでしょうか。例えば、保育園側としては声が漏れないようにする工夫として、窓ガラスを二重化したりとか、そういう対応をしてもお金がかかっていると思うのですけれども、そういう保育園側の努力とか出費に対して、何か今後手助けしていくという考えはありますでしょうか。
大臣:
基本は住民としっかり話合いをしていただくということが大事だと思いますけれども、話合いの中身はいろいろだと思います。今のように保育園自身がやはり努力して、できるだけ声があまり強く聞こえたりしないようにする努力をするということは、当然あり得ると思いますけれども、私の家もすぐ隣が中学校で、武道館というのが真横にあって、ずいぶん聞こえますけれども、子どもたちが元気に頑張っているなあということで、そういうことについては理解を私はしていますけれども、中には御病気の方とか、子どもをお育てになってらっしゃる方とか、いろいろありますから、そこのところはしっかりと話合いをすることが国民の理解を深めることにもなるので、ただちに二重窓の負担をどうするというところまでは、それは全体としてどういうことが出てくるのかにもよるわけでありますから、基本的にはまず大事なのはしっかりと話合いをして、子どもさんを育てることの意味ということについても理解を深めるということが、社会全体で子どもを育てることの大前提ではないかと思いますので、まずはそこをしっかりと努力したいと思っております。

(了)