塩崎大臣閣議後記者会見概要
H27.6.30(火)9:08 ~ 9:24 省内会見室
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 今日の閣議で、行政機関職員定員令の一部を改正する政令が決定をされました。年度途中の例外的な措置として、CIQ(税関・出入国管理・検疫)関係で緊急増員が認められました。これは、6月5日に開催されました観光立国推進閣僚会議において決定をされました「アクション・プログラム2015」に基づく措置でございます。外国人旅行者の急増に対応するために、検疫所関係では28人の緊急増員が行われることになります。中身はですね、緊急増員28名のうちの新規増員が21名、再任用などで7名、合計28名ということでございまして、主に深夜便が増加をしております関空、それから羽田、そして中部、この空港、それから地方の空港の中でも到着便が非常に増えているのが静岡、それからクルーズ船というのが最近増えていまして、これについても博多(港)とか長崎(港)などについて増員をするということになっています。そういうことでCIQ関係で、厚労省にとっては検疫の方が増えるということで、外国からのお客様をしっかりとお迎えをしようと、こういうことでございます。
質疑
- 記者:
- 今のCIQに関連してなんですけれども、検疫所と言われますと、いわゆる感染症の問題が思い浮かぶんですけれども、韓国で発生しているMERS(中東呼吸器症候群)や、その前にはエボラの問題もありました。これについての、エボラ、MERSについての現状認識とこの検疫所の増員がどういった感染症対策に資するか、お考えを教えてください。
- 大臣:
- 今ですね、世界の人々はいろいろな動きをされるので、どこか1箇所だけを見ていると検疫というのは上手くいかないので、我々水際としては、どんなことがあろうともちゃんと見抜くということを心がけているわけでありまして、ただ、今お話ございましたように、MERSの関係で韓国を含めて私どもとしては、外国人(旅行者)の急増に対応するということが大事で、MERSの水際対策にも今回の増員は、当然のことながらつながるものだというふうに思っております。何度も言いますけれども、MERSは韓国で始まったものではなく中東が元々の感染源でございますので、そこのところを忘れずに対応をしていこうというふうに思っています。
- 記者:
- 昨年、厚労省が調査を始めた、いわゆる所在不明児童の関連なのですが、今月の24日に相模原市内で女性の遺体が見つかった事件で、その被害者の長男もこの所在不明児童だったということが、新宿区の方で明らかにされたところですが、まず、去年そういう実態調査に乗り出して、新宿区の通報が事件の発覚につながった可能性があることについて、それに対する受止めをどういうふうにお感じになっているかが1点と、同様に去年捜し始めてから、1年以上所在が分かっていない人が30人余りいることが関係自治体に聞いたところ分かったのですが、大臣としてはこれをゼロにする必要があるというふうにお考えかどうか、また、そのために何か新たな策として必要なことがあるとお感じになっているか、その点をお聞かせください。
- 大臣:
- 昨年、副大臣レベルでこの児童虐待防止対策というか、行方不明の子どもさん達の問題についての申合せが行われたわけでありまして、調査をした結果を受けての話でありました。いわゆる所在不明児童の安全確認をしっかりと取り組むということで、所在を捜索するということは非常に重要な問題で、各自治体が警察などと連携をして調査をしているわけでありまして、残念ながらまだ所在不明のままの子どもさんがおられるということがあることを我々もしっかりと認識をしなければならないというふうに思っております。お尋ねの7歳の、亡くなられた方の御長男、この方についても現在警察で捜査中ということでありまして、1日も早く所在や安全の確認ができるように願っているところであります。去年の世耕副長官を中心とした副大臣レベルでのこの問題について申合せが行われて、今年3月に同一市町村内や警察、学校等の関係機関との情報共有の徹底、つまり、お互い知ってはいても他の所で知らないというようなことがあって、連携が不十分ということなので、連携をしっかりやろうと、それから住民基本台帳等の情報を活用した市町村間での情報共有を行うということも新たな取組として実施をしようということでありまして、これの申合せについては周知徹底を全国でいたしております。厚労省としては、やはりこの問題は極めて大事な問題であって、昨年度から継続して今年度も所在不明児童に関する実態調査を実施しております。地方自治体、それから関係省庁と連携して対策にしっかりと努めなければならないと思っておりまして、今年の5月22日付けで各自治体に通知を出しており、6月1日現在の、その日を基準日として昨年の10月20日時点で把握に至らなかった子ども達が141名おられました。この方々を含めて、改めて所在不明の子ども達の実態調査をしっかりとやってほしいということを通知をしたところでございまして、おそらくこれは秋に取りまとめが行われると思いますけれども、昨年も最初は2,908名だったのが結果として昨年の10月20日時点で141名になったわけですから、絞り込みをすると海外に出ていたとか、いろいろな形であります。それともう一つは、虐待から逃れるために、移っていくという方々がおられて、お元気だけれども所在を知られたくないという方々もおられるわけです。したがって、今ゼロにするべきではないかどうかということについてのお尋ねがございましたが、そういった点は、所在されている所から元の所に連絡がいくとそこから虐待の元に情報が伝わって、また虐待を受けるということもあり得るので、そこのところはケースバイケースで慎重に、その子ども、あるいは、虐待を受けている方の実情に応じて、やっていかなければならないというふうに思っております。
- 記者:
- 最低賃金についておうかがいします。明日から今年度の見直しに向けた審議会が、協議が始まると思うのですが、昨年も全国平均で16円増ということになりました。今年度の見直しに向けての大臣の御期待をお聞かせください。
- 大臣:
- 今御指摘のように、明日から中央最低賃金審議会が正式に御議論を始めていただくことになっております。最賃の審議に当たっては、いつもこの春の賃金の上昇であるとか、物価、中小企業の収益、それから生産性、そういったものを踏まえて審議会で御議論をいただいて決めるということになっておりますから、私どもの内閣としては、この日本再興戦略でも、これは既に与党プロセスを経て今日正式に決まりますけれども、引上げに努めるということで、内閣としても賃上げの流れを作っていくということは大変重要な課題だと思っております。これは生活水準の向上という意味においても極めて大事であって、しかし、これには私どもとしては審議会の審議のためにも中小企業の生産性、つまり賃上げを吸収できるだけの生産性の上昇を確保できる環境作りを私どもとしては中小企業政策としてやるなどの努力をしてきているわけでありまして、こういったことについては引き続いてやっていくということで、いずれにしても賃金を上げていくということについては、大きな方向としては、我々としてはそのようなことを実現していきたいと考えております。
- 記者:
- 昨年並の賃上げを目指していると御期待されているという理解でよろしいでしょうか。
- 大臣:
- これは物価と賃金の上昇としては、去年の最賃の引上げとその後の物価の上昇幅などを勘案して、当然実質的に生活水準が向上するようにするための最賃の引上げはどうするべきかということについて審議会で御議論いただけるだろうと思っていますので、これについては審議会でしっかりと議論した上で私どもとしては、やはり生活水準を上げていく、実質的に上げていくことを実現していくことを目標としたいと思っております。
- 記者:
- 骨太の方針が本日閣議決定されると思いますけれども、これについて社会保障費の伸びの目安については、「目安」という言葉が与党プロセスの中に盛り込まれたと思います。あと個々の改革策についても「検討」という言葉が多くついていますし、「予断を持たずに検討」というような言葉も入ったというふうに聞いております。財政健全化の本丸である社会保障改革が本当にできるのかなという疑問も当然あると思うんですけれども、所管大臣としてどのように進めていくかというのを改めてお聞かせいただけますでしょうか。
- 大臣:
- まず第一に、この社会保障改革をやっていくということは、税・社会保障一体改革の大きな方針であり、今回(経済財政)諮問会議でも、私も何度かプレゼンテーションしましたけれども、この改革に向かっての意欲というものは何ら変わっているわけではない、むしろこれはしっかりとやっていくということが大事であります。それは質の向上と負担の抑制というか、その両方を実現していくぞと、こういうことでありまして、今回の骨太(の方針)でいろいろな議論がありましたけれども、基本的には経済、物価動向等を踏まえて、なおかつ今の御指摘があった目安というものがありましたが、いずれにしても社会保障のこの関係費の伸びについても目標を定めて目指すということを書いているわけでありまして、我々としてはいずれにしてもさっき申し上げた改革を断行しながら、実質的にこの医療などの言ってみれば水準は確保しながらしっかり改革を同時に進め、財政再建についてももちろん、これは両方達成していくということが大事でありますので、そういうことで私どもとしては引き続き年末に向けていろいろ決めていかなければいけないこともありますから、それに邁進していかなきゃいけないというふうに思っております。
- 記者:
- 日本年金機構の個人情報流出問題から明日でひと月がたつと思うんですけれども、この間、年金局でも(日本年金)機構の方でも、あと第三者委員会でも再発防止や原因究明の検証を進めていると思うんですけれども、現在の進捗状況についてお聞かせください。
- 大臣:
- 進捗状況を数字で表すようなことはなかなか難しいわけでありますが、だんだんと何が不足していたか、個人情報をしっかり守るためにということはだんだんと浮き彫りになってきておりまして、(日本年金)機構の備えなどについても、やはり今回のような標的型攻撃メールといったものに対する対処の構えというよりは、いわゆる単発の迷惑メールみたいなものの対策というようなことに終始をしていたのと、更にセキュリティに対する意識が(日本年金)機構、そしてまた厚労省年金局においても不十分であったということが明らかになってきているんだろうと思います。ただ、中身については更に検証を自らするとともに、この今回の不正アクセス事案検証委員会、第三者委員会が今徹底的な調査を資料徴求しながらやっていただいておりますから、これらをしっかり踏まえて我々としては二度とこういうことが起きない体制を作る努力をしていきたいというふうに思っています。
(了)