塩崎大臣閣議後記者会見概要

H27.2.27(金)9:49 ~ 10:04 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私から2件ございまして、一つは雇用でありますが、1月の完全失業率は前月に比べまして0.2ポイント悪化いたしまして、3.6パーセント。それから有効求人倍率は前月と同水準の1.14倍となりました。現在の雇用情勢は一部に厳しさが見られるものの、着実に改善が進んでいるということは変わりないわけでありまして、ただし、消費者マインドの弱さとか、あるいは海外の経済の変動の影響、雇用への影響については注視していかなければならないというふうに思っております。雇用情勢の地域差などの課題に対応いたしました雇用対策の推進というのは極めて重要であり、また、正社員実現加速プロジェクトによります正社員就職促進など、現在の雇用対策に加えて、平成27年度の予算で必要な施策をさらに計上しておりまして、雇用情勢の一層の改善が進むように取り組んでまいりたいと思っております。それから、厚生労働省では、本年3月を「保育士就職促進対策集中取組月間」といたしまして、潜在保育士、保育士の資格を持って、今、保育士ではない方々の掘り起こしの強化や、就職あっせんの強化に集中的にこの3月取り組むことにいたしましたので御報告いたしたいと思います。現在、待機児童解消に向けて、保育の受け皿確保を進めておりまして、平成26年度は約12万人分の受け皿拡大が見込まれております。これに伴って、保育士の確保が必要になりますけれども、平成26年12月の有効求人倍率は2倍、東京にいたっては5倍というタイトな状態になっておりまして、その確保が急務になっています。また、厚生労働省の制度や事業を国民目線で調査、分析して、改善に結びつけることを目的として設置をされました、3人の民間出身者と厚生労働省職員で構成されております「アフターサービス推進室」がございまして、今般、保育士の就労支援などの取組について、全国でヒアリング調査を行った調査結果を報告書として取りまとめました。この報告書では、保育士不足の現状に対する地方の自治体の取組事例の紹介とか、現場でのヒアリング等を踏まえた保育士確保の有効策に関する提案をまとめたところでございます。これらを踏まえて、保育士の有効求人倍率が特に高い地域において、お手元にお配りしております緑色のリーフレットを活用した、潜在保育士への呼びかけ等の掘り起こしの強化とか、ハローワークの保育士マッチング強化プロジェクトによる集中的な支援に取り組むこととしております。厚生労働省としては、積極的に情報発信を行うほか、地方自治体や関係団体とも連携して保育を支える重要な担い手であります保育士の確保に向けて、全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。以上2点、私の方から、まず、冒頭御報告を申し上げました。

質疑

記者:
医療事故調査制度についてうかがいます。2月25日の検討会では医療側と遺族側の意見が対立して、予定していた取りまとめが行われませんでした。遺族は、再発防止策をしっかり書き込んでほしいというふうに求めています。再発防止策も含めて、大臣御自身は新たに10月から始まる事故調査制度にどのようなことを期待されますか。
大臣:
この医療事故調査制度の施行に係る検討会というのが2月25日には第6回目でありますけれども、検討会を開催いたしましたが、今、御指摘のように、医療事故調査の御遺族への説明の方法などについて、構成員の中での意見の相違というのがあって、最終的な取りまとめには到らなかったというふうに聞いております。今後、事務局であります医政局と座長が中心となって修正案を作っていただきまして、各構成員に提案して、取りまとめをはかる、必要に応じて再度検討会を開催するということになったというふうに理解をしております。ですから、修正案を知恵出しをして、しっかりと御提示を申し上げて、話合いが上手くいけば検討会を再度開くことはしなくてもいいかもわからないけれども、いずれにいたしましても、これは話合いをしっかりとやっていただくということが大事であります。この制度自体は、すでに法律が通っておるわけでありまして、その目的は医療の安全を確保する、そして、医療事故の再発の防止を図るということが目的でありまして、これについては集まっていただいておりますこの検討会の構成員の共通の認識となっているというふうに私は理解しております。したがって、構成員の取りまとめに向けた前向きな御検討を精力的に行っていただいて、この制度が10月からスタートがしっかりできて、国民からも信頼される制度として始まるようにお願いを申し上げたいというふうに思います。
記者:
遺族は再発防止策を具体的に明記したいということを望んでいますが、その点については大臣はどのようにお考えですか。
大臣:
今、申し上げたように、医療の安全を確保するということが目的であり、また、再発防止を図るということが目的として共有するということで、私もそのとおりだというふうに思いますので、今の点も含めて、この観点から是非精力的にしっかり汗をかいていただいて、御議論をたまわって、何とか合意点を見つけていただきたいというふうに思っております。
記者:
一番の争点が遺族に対して調査報告書、文書の方を手渡すかどうかというのが一番争点、この前の検討会で意見が分かれたと思うんですけれども、日本病院改革などの医療機関のアンケートでも、多くのところが手渡すべきだというふうに医療機関も考えているということが示されたんですけれども、この辺のところ、大臣のお考えとしても、やはり国民の納得のいくところというのは、どのように考えたらいいのかというふうに思うんですけれども。
大臣:
医療におけるインフォームドコンセントでも、考え方が示されているわけであって、やっぱり双方が納得するような形で行われるということが大事なので、その合意点は精力的に探っていただいて、双方が納得するようにまとめていただくということが大事かなというふうに思っておりますし、大事な制度でありますので、是非、早めに合意がなされるように期待いたしたいと思います。
記者:
医療事故調査の関係で、第5回までの議論に出なかった文言が、取りまとめ案に盛り込まれたということでちょっと混乱してしまったというような感じに見えたのですが、事務局の議論の進め方とか、取りまとめ案の出し方とかに問題はなかったという御認識でしょうか。
大臣:
第6回目には、第5回までの議論を踏まえて、何とか合意ができるお互いの気持ちを汲んだ上で、さっき申し上げた共通の目標、目的に合致する形でのありうべき案として事務局がたぶん示したということだろうと思うので、今までの議論を踏まえた上での文言調整をしようということでありますから、問題があるということではない。むしろ、新しく何とかこれでというのを一生懸命考えてお出しをしたということで、少し前進したと私は認識しておりますし、報道はなかなか合意をしなかったというというところだけを書いていただいていますが、前進したというところも一緒に書いていただいた方がありがたいなというぐらい、事務局も大変苦労してアイディアを出したんじゃないかというふうに思います。
記者:
川崎市で中学校1年生の少年が殺害された事件に関連して、まだ犯人の検挙には至っていないということですけれども、事実関係がはっきりしない中ではあるんですけれども、この事件は大きな反響を呼んでおりまして、塩崎大臣のこの事件に対する受け止めと、事実関係がはっきりしない中ではありますけれども、厚生労働省としてどういった対策、再発防止をするために、関係省庁が連携するために、厚生労働省としてどういった対策が考えられるか、お考えがあればお聞かせください。
大臣:
まず、今回、上村遼太君があのような悲惨な犠牲となったということについて、本当に残念であり、心からお悔やみを申し上げたいと思いますし、御遺族へのお見舞いを心から申し上げたいというふうに思いますし、また、こういうことが2度と起こらないようにするために、我々も何が問題であって、何ができていたかもわからないことなのかということをしっかり検証していくことが大事だというふうに思います。今回の事案については、警察において捜査中でありますから、個別案件についてのコメントというのは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしても、今の制度で、児童相談所などの制度の下で、どういうことがさらに改善できたらこういうことが起こらないで済んだのかということをよく考えていきたいと思いますし、今日、先ほど山本有二代議士から、総理をはじめ、我々にも質問がありました。イギリスの制度についての引用もありましたし、そういったところでのアウトリーチをすべきだというようなこともありました。しかし、それは個別事案として本当にどういうことが問題で、どこの時点で何ができたのかということを、私は細かく見て考えていきたいというふうに思います。
記者:
関係省庁とも連携していきたいということなんでしょうか。
大臣:
当然、これは、今の制度でももちろん、警察をはじめ、いろんなところとの連携はしているわけでありますけれども、今日、山本有二代議士からも、もっとしっかり連携をし、早めにアウトリーチをした上で対応すべきだということも御指摘をいただいておりますから、そういうことを踏まえて、関係省庁としっかり連携をしてまいりたいと思いますし、すでにそういう提案は副大臣レベルで行われてきた、検討会でも、昨年12月ですか、取りまとめが行われて、提言もなされているところでございますので、そういう方向でしっかりやっていきたいというふうに思います。
記者:
年金の改革についておうかがいしたいんですけれども、先日、マクロ経済スライドについて、自民党のPTに厚労省から、デフレ時には、若しくは物価が低いときには実施しないけれども、その分の翌年以降に加算して実施するというような案が出されましたけれども、この案については、例えばデフレが続いたときとか、物価の上昇が低いことが続いた場合にずっと実施ができないんじゃないかという批判があります。これはなぜ、デフレ時に物価の上昇が低いときに完全実施するというような案にならなかったんでしょうか。
大臣:
これは完全実施ではなくて、今、お話があったように、調整しきれない部分を翌年以降に、言ってみれば譲るということで、調整自体をやらないということでは決してないわけであります。問題は、今、お話があったように、デフレが続くということがあった場合に、なかなか調整ができないじゃないかということでありまして、元々、このマクロ経済スライドは将来世代のことを十分考慮に入れた上での調整メカニズムでありますので、今回、この調整を、新聞報道では断念というようなことも書いてありますけれども、断念したわけでは決してなくて、時間をかけて、調整を少し時間をかけてやっていこうじゃないかということなので、考え方自体は変わっていないということだと理解をしていただきたいというふうに思っています。
記者:
西川大臣が辞任されて以降ですね、昨日の下村大臣、そして今日の望月大臣の報道等がありますけれども、一連のその献金問題について、大臣の御所見をお願いします。
大臣:
報道ベースでありますので、報道ベースに対するコメントは差し控えたいというふうに思います。

(了)