塩崎大臣閣議後記者会見概要

H26.11.11(火)9:42 ~ 9:51 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方から、エボラ出血熱について冒頭一言申し上げたいと思います。先週金曜日に、東京都内と、それから関西国際空港においてエボラ出血熱の流行国の滞在歴のあった方が発熱の症状を呈している旨の報告がありました。いずれの場合も、エボラ出血熱の検査の結果、陰性が確認されましたけれども、お二人ともすでに退院をされています。本件への対応を検証する中で明らかになった課題に対応するため、以下の三つの改善を図ることといたしました。第1に、今般の事案では、患者の方において流行国への渡航歴があるにもかかわらず、発熱後、検疫所への連絡の前に一般の医療機関を直接受診されたという問題が起きました。これに対応するため、これまで流行国の渡航歴がある方が発熱した場合、まず検疫所に連絡していただくということを指示するとともに、地域の医療機関を受診することを避けるように、すでにホームページ等でお願いをしてまいったところでありますし、私も記者会見で何度かそのことを申し上げましたが、今後、これらに加えて、検疫所からお渡しする指示書というのが空港などでありますが、そこに、「絶対に直接医療機関には行かないでください」と明記することといたしました。第2に、今般の事案では、患者の方が発熱で医療機関を受診した旨のメールを送ったのち、自宅でふせていたために、家族の帰宅まで一時期的に連絡がつかないことがございました。今後は、本人からの健康状態の報告が電子メールで来た場合であっても、必ず本人と電話で直接会話をするということを原則とするほか、本人の同意の下で、本人だけではなくて、家族などの連絡先を検疫所で最初に把握するなど、連絡体制の確保を徹底いたしたいというふうに思います。また、万一発症した場合の行政対応に万全を期すため、あらかじめ検疫所からその方のお住まいになる、あるいはずっと滞在する保健所にも、健康監視の対象者が、その保健所管内にいるということを事前に連絡しておくということにしたいと思います。第3といたしまして、今般の事案においては、患者の方が医療機関に対して、流行国への渡航歴を告げず、また医師も渡航歴も確認せずに診察をしていたということがわかりました。今後、厚生労働省において、医療機関の受付、それから待合室で使用できる医療機関用の渡航歴の確認シート、ちょうどパスポートコントロールの入管でやっていただいているようなパウチに入ったものを作成しまして、医療機関に提供したいと思います。医療機関の受付において、これを入管と同じように見せて、それでこれを提示することによって、発熱患者の渡航歴を確実に把握するように依頼をしたいということで、本件につきましては、日本医師会の今村副会長、今、横倉会長は海外出張中でございましたので、(今村副会長)に対して電話で医師会内での徹底を私から先ほどお願いを直接いたしました。最後に、今般の事案の検証とは関係ありませんが、8つの県において、特定感染症指定医療機関、または第一種感染症指定医療機関がいずれも存在していないというところがあります。これについて早急な整備を図るべく、厚生労働省として、これらの県に対する働きかけを強めていきたいというふうに思っています。以上、今回の事案を踏まえた改善点を述べましたけれども、実際に起こる事例はシミュレーションどおりに起こるとは限りませんので、そういった場合にも冷静かつ臨機応変に対応していく必要があります。今後とも、個々の案件への対応を不断に検証し、明らかとなった課題について対策を強化することを通じて、エボラ出血熱への対策に万全を期していきたいというふうに思います。大事なことは、繰り返し何度も申し上げますけれども、検疫所などの国の対応の強化、それから医師、医療機関との連携強化、そして国民の御理解と御協力の三位一体の取組というものが大事だということでございますので、それぞれよろしくお願いをいたしたいというふうに思います。後ほどまた詳細は事務方の方から説明をさせますので、私から以上を申し上げるところでございます。

質疑

記者:
金曜日の、地元の医療機関を受診された患者さんに対してですけれども、今までもやはり指定医療機関を受診するようにということも周知されていたと思いますけれども、地元の医療機関を受けてしまったその理由、例えば周知が足りなかったとかという部分があるのかという点とですね、あと今後のエボラの対策について一番重要なことということをもう一度お聞かせ願えますでしょうか。
大臣:
やはり国民の皆様方に対して、あるいは海外から来られる方もそうですけれども、医療機関には直接行かずに検疫所にまず連絡をする、場合によっては指示によって保健所に連絡をするというのが基本なんですけれども、どうしても、大勢の方々に対して発信をする際に、必ずしもそういった方々が教科書どおりに動いていただくとは限らないので、重ねてお願いをし続けるということが、こういう公衆衛生の場合には必要だということだと思うので、今申し上げたように、さらに対応を強化しながら、繰り返しお願いをしていくということだと思います。対策については今申し上げたように、三位一体で、国を中心とする行政、そして医療機関、そしてまた国民の御理解や御協力、この三位一体があって初めて機能をするので、繰り返し、それぞれの皆様方に御協力と、それから我々も更なる徹底をいたしたいというふうに思います。
記者:
今後の政権運営に関することでうかがいます。安倍総理大臣は消費税の引上げを巡って、衆議院を解散して国民の信を問うことも排除せずに総合的に検討することを考えています。これについてまず受け止めをお願いします。
大臣:
御本人から私たちは聞いたわけでもございませんので、報道だということなので、何とも言いがたいところでありまして、我々は今、国会開催中でありますから、法案審議を丁寧に真摯に取り組むということがまず一番大事でもありますし、そして今申し上げたようなエボラ対策など、本来のこの厚生労働行政を適正に的確に進めていくということで国民の暮らしを守っていくということに専念をしたいというふうに思います。
記者:
消費税の引上げを先送りするという考えについてはどのように受け止められますか。
大臣:
これは今、いろんな有識者から御意見を総理もお聞きになっておりまして、総理が最終的には的確に御判断をされるというふうに思っております。

(了)