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平成29年4月28日

【照会先】

労働基準局安全衛生部

化学物質対策課長 奥村 伸人

中央労働衛生専門官 小林 弦太

(代表電話)03(5253)1111 (内線5515)

(直通電話)03(3502)6756

労働衛生課長 武田 康久

産業保健支援室長 安達 栄

中央労働衛生専門官 大塚 崇史

(代表電話)03(5253)1111 (内線5491)

(直通電話)03(3502)6755

報道関係者各位


有機粉じんによる肺疾患の防止について関係労働局に指示しました


 厚生労働省は、有機粉じんの一種である「架橋型アクリル酸系水溶性高分子化合物を主成分とする吸入性粉じん」の製造事業場に対し、肺疾患などの予防的観点から、粉じんばく露防止を指導するよう関係労働局に指示しました。さらに、本日、当該製品および類似製品のメーカー等計4社に対し、流通先企業における、(1)粉じん吸入防止の徹底、(2)健康診断で肺に所見があった場合の精密検査の実施などを要請しました(別添2のとおり)。
 併せて、化学物質の種類を問わず、高濃度の粉じんなどを吸入することは肺疾患などの健康障害を生じるおそれがあることから、中央労働災害防止協会など計3団体に対して、吸入性粉じんのばく露防止について注意喚起しました(別添3のとおり)。


※ 「架橋型アクリル酸系水溶性高分子化合物は、医薬品や化粧品の製造などにおいて、国際的にも広く使われていますが、これまでに肺に対する有害性は確認されていません 。この化合物の特性などは、参考資料をご覧ください。

  また、吸入性粉じんとは、肺胞まで到達する小さな粒子で、約10マイクロメートル以下の小さな粒子をいいます(1µm1mmの千分の1)。

 

 

 

 

【経緯】

樹脂(高分子化合物)等を製造する国内の化学工場の同じ作業場で働いていた6名に、肺の繊維化や間質性肺炎など様々な肺疾患が生じていると、平成28年5月、所轄の労働基準監督署に報告がありました。6名のうち5名は業務歴が2年前後と短期間であったこともあり、同署では直ちに立入調査を実施し、局所排気装置の改善など粉じんの発生抑制措置等を指導しました(別添1のとおり)。さらに類似製品のメーカーに対し、同様の指導を行うよう関係労働局に指示しています。

この肺疾患について、所轄の労働基準監督署の調査では原因を特定できなかったため、厚生労働省では、独立行政法人労働者健康安全機構の労働安全衛生総合研究所に災害調査を依頼しました。本年3月に災害調査の報告(速報)があり、この作業場では「架橋型アクリル酸系水溶性高分子化合物を主成分とする吸入性粉じん」が高濃度で発生していたと推測されています。

現時点では、この吸入性粉じんによる肺疾患の発生機序等は必ずしも明らかになってはいませんが、同種の健康被害の発生防止を図るという予防的観点から、このたび要請等を行うことにしました。

【今後の対応】

 厚生労働省では、独立行政法人労働者健康安全機構の協力も得つつ、引き続き、発生原因の究明を行っていきます。また、関係メーカーの協力を得ながら、国内で同種事案がないか確認を行うとともに、同種事案があれば調査を行っていきます。

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