舛添大臣閣議後記者会見概要

H21.09.15(火)10:21~10:32 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等ついて

大臣:
閣議について特別御報告することはございません。

質疑

記者:
今日、麻生内閣としては最後の閣議だったと思いますが、今日の閣議、または閣僚懇の中で大臣から何か御発言はありましたでしょうか。
大臣:
いいえ、何もありません。
記者:
今日、最後だということで、今日の閣議、閣僚懇の雰囲気は大臣から見てどのような感じでしたでしょうか。
大臣:
粛々と署名すべきは署名して、事務的にさっと終わりました。それだけです。
記者:
特に変わったことは。
大臣:
無味乾燥です。
記者:
自民党の総裁選ですが、谷垣氏が立候補を表明されて、ようやく候補者が出てきたかなという感じになってきましたが、今の総裁選の状況を大臣としてどのように御覧になっているかということと、総裁選に対する大臣御自身のスタンスをもう一度お聞かせ下さい。
大臣:
今、色々な方が立候補に向けて動いておられることは報道を通じて聞いております。18日がスタートですから、その時にどういう方が手を挙げられるか、その方々がどういう政策で臨まれるのか、そういうものを良く見極めて、どの方を支持するのか決めたいと思っています。
記者:
一点確認させていただきたいのですが、年金記録問題拡大作業委員会がまとめた「年金記録の遡及訂正に関する作業についてのまとめ」についてですが、大臣は先週の会見で、「磯村委員長が御自由にまとめた」と「公表しようがしまいが委員長がお決めになれば良い」とおっしゃっていましたが、磯村委員長は本紙の取材に対して、「大臣に御提出したものであり公表するかしないかは大臣の御判断」とおっしゃっております。大臣と委員長どちらのおっしゃっていることが正しいのでしょうか。
大臣:
まずその前に、私は文書で説明しましたが、7月1日の会見について、あなたがおっしゃったことがあったので、確認して皆さんに文書でお渡しした通りであります。したがって、アンケート調査とか必要なものについては全部公表しております。したがって、公表すべきものは全部公表しておりますので、磯村さんの所感については磯村さんが自分でおまとめになり、拡大作業委員会の委員の間でお諮りになるので、私が指示したことではございません。したがって、大臣がどうするとか委員長がどうするとかいう話ではなくて、この件については、私から指示があって、「報告書を出して下さい」「肝炎についてはこう出して下さい」「原爆症についてはこうして下さい」というようなことを言ったのならば、指示に従って出すのは当たり前です。私が指示したのは、アンケート調査をやる、改ざん記録の調査をやる、その都度全部公表しております。したがって、最後のまとめは委員長の所感を述べているわけですから、後は委員長の御自由にということであります。この件もそうですが、私が磯村さんによく聞いてみます。あなたからの伝聞ではわかりません。あなたのフィルターを通しているわけですから。磯村さんがどう言ったって、目の前でここで言うのだったら反論できますので、それを良く聞いた上でないと出来ませんので、それは確認してみます。
記者:
改ざん問題に関して関連する質問ですが、年金記録の改ざん問題については、現場の社会保険事務所の問題を指摘する声と、一方で、中小零細企業から強制徴収するという形を取っているということで、社会保険倒産などを引き起こす制度設計を放置してきた厚生労働省の責任を問う声と両方あると思いますが、特に後者について大臣の御所見をお聞かせ下さい。
大臣:
ちょっと正確に質問の意図が良くわからないのですが、誰が制度設計をしたかということになると、最終的には国会議員です。国会で決まっています。年金制度のシステムを変えることは勝手に出来ませんから国会で最終的に決めなくてはいけません。したがって、当たり前のことですが、厚生年金というのは、どんな小さな事業主であっても、つまり従業員の数が少なくても、みんなが入るというのは当たり前です。ただ、かつては非常に人数が少ない時は例外的にその扱いをしないで、従業員の皆さんは国年に入っていただくということでも構わないようなやり方をしていた。しかし、ある段階で、「厚生年金ですからちゃんとやりましょう」という制度設計をした。それは決して間違ってはいないのです。ただ、実際に運用をしてみたら非常に業績が苦しくて、「とてもじゃないけど払えない」という問題を引き起こしたということであるので、そういう諸事情を勘案することは必要ですが、だから、それを変えたことが悪いのかというと、これはまた言い過ぎになると思いますから、そこのところは、制度設計の問題と現実の運用の問題、それは総合的にケースバイケースで判断するしかありません。それから法と証拠に基づかないと駄目ですから、どういう証拠がちゃんとあるか、どういう法律に基づいて何が間違っていたのかということをやるしかないと思います。例えば、情にほだされてというか、それは人間ですから、中小企業の経営がやっていけない、従業員も路頭に迷う、「何とかちょっと延ばしてくれませんか」とかいうような話があったのでしょう。そうすると、やっぱり人間ですから、「ああそうですね」というようなことで、そういうケースもあったと思います。ただ、細かいこと、全部証拠が残っているわけではありません。だけど、これを法の適用ということから見ると、そういうことをやってはいけないことになっているのです。証拠があるかどうかということで、法と証拠に基づかないと立件出来ませんから、そういうことを良く考える必要があると思います。今後の制度設計の時に、そういうことをどこまで勘案するか。人間が作る制度ですから、100%完璧とはいかないと思います。弊害が出てくる。弊害をどういう形で是正していくのかということなので、そこは100ケースあれば全部100ケース違うと思いますので、また良くみんなで検討していく必要があると思っています。
記者:
弊害については、かなり早い段階から指摘もあったと思うのですが、弊害の是正に乗り出すことが政府・与党として遅れていたのではないかということについてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
私はそうは思いません。少なくとも経営者たる者、一人でも人を雇おうという者は当然社会的責任があります。ですから、経営をしっかりして公租公課をしっかり払う。同じことを税金についてやったらどうですか、国税庁は黙っていますでしょうか。ですから、社会保険料ならば払わなくてよくて、税金だったら払わないといけないというのはある意味おかしな話ですし、法律に基づいてというのはそういうことを申し上げているわけで、そこは明確にしておいた方がいいと思います。
記者:
リーマンショックから1年経ちましたが、現在の日本の雇用情勢について大臣はどのように御覧になっておりますでしょうか。
大臣:
引き続き厳しいと思っております。遅行指数ですから景気の側面について言えば、設備投資、それから輸出について明るい兆しも見えておりますから、当然雇用については遅れてよくなりますし、悪くなる時も遅れて悪くなります。そのタイムラグがどれくらいあるかというと、これくらいの大きなショックの時には1年から1年半くらいはあるのではないかと思いますので、引き続き厳しいと思います。やはり、何度も申し上げておりますが、セーフティネットを拡充することについて私は反対ではありませんし、相当やって来たつもりです。しかし、セーフティネットを拡充するためにはコストが掛かります。そのコストをどう産み出すかですが、経済成長をしっかりやり、輸出をしっかりやって外貨を稼いで行くしかありません。お金は天から降っては来ませんから。そういう戦略をともにやりながら、それを原資としたセーフティネットの拡充をやっていかなければなりません。経済がよくならなければ職も生まれませんから、例えば、iPS細胞というすばらしい物がありますので、こういう物をいろいろ活用することによって、バイオケミストリー、医学を含め、いろいろな輸出産業が育つと思いますから、その戦略が今一番必要だと思っております。
記者:
日本年金機構についてですが、民主党は歳入庁構想を浮かべる手前、日本年金機構を凍結するということも視野に検討をしていると思いますが、実際に動かしている側から見て凍結した場合の弊害をどのようにお考えでしょうか。
大臣:
新しい政権が、自分の政策に基づいて政策を実行するのは間違っていないと思います。ただ、いろいろな意味での継続性と、逆の断絶性にはそれぞれ問題があると思いますが、採用内定されている方々の身分をどうするかという問題に関わってくると思います。それから、例えば、ひと月で新しい歳入庁構想が出来るわけではないと思いますし、法律も変えないといけません。そういうことを考えると、経過措置の間をどういう形でもって行くかということは、大きな問題があると思います。経過措置については新しく政権を取る方も、今まで政権を担っていた方もよく相談をして、いい形での協力があって然るべきだと思っておりますので、今から歳入庁になったらこういう問題がある、ならなかったらこういう問題があるということよりも、まずは政権を無事に発足させた上で、国民のために皆で協力するという立場でまずは相談することが必要だと思います。とりあえず、目の前の問題は採用内定の取り消し等の問題をどうするかということだと思います。

(了)