舛添大臣閣議後記者会見概要

H21.09.04(金)10:18~10:35 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等ついて

大臣:
閣議について特別御報告することはございません。

質疑

記者:
新型インフルエンザのワクチンですが、輸入の方についてはどれくらい確保できる見通しになりましたでしょうか。
大臣:
まだ外国のメーカーと交渉中で、色々な細かい条件の詰めには入っております。そういう条件が全部クリア出来れば、6千万人分位は確保できるようにと思ってやっておりますので、6千万ちょっと超えるくらいまで確保出来ればと思っています。ただ、相手のある話ですから、条件を整えさせる為に努力しているということです。
記者:
必要な条件というのはどういう条件をクリアしないといけないのでしょか。
大臣:
一つは、免責条項的なことを持っているメーカーがあります。私自身が感染症法や予防接種法を根本的に変えたいと申し上げているのは、そういう免責条項的なものに対してどのように対応するか、国内で国産メーカーが開発したところで、副作用が起こる確率は一定程度ありますから、その時に誰が責任を取るのか。作ったメーカーさんなのか、国なのか、予防接種をした先生方なのか、こういうことに対して、メーカーさんにしても、お医者さんにしても、「責任を問われるなら嫌だよ」という声が出てくるのはある意味で当然なのです。したがって、そういうことが予防接種の推進ということに逆行することになれば、これもまた困りますから、そういう条件を整えなければなりません。しかし、これは国会がきちんと始まれば、提案をして、今度野党になりますから、議員としてもそういう提案を、厚生労働大臣時代の経験を元にやることは十分に可能なので、抜本的な感染症法、予防接種法の見直しをやりたい。特に、補償の問題についてどうするか、ということはやりますが、ただ、今、目の前にある危機に対して、出来るだけ早く解決するためには何らかの緊急措置を取らないといけない。新たな立法であるとか、非常に複雑なことをやらないで、メーカーさんとの交渉でそれを解決すれば済むわけなので、そこをやっているわけです。ただ、交渉が行き詰まって必要な量が確保できないということにならないように、必要な量を確保することが最大の目標で、そのために何をやらないければならないか、そういう努力をしている。実現するために全力を挙げていきたいと思いますし、それから、民主党の皆さん方とも良くお話をして、これは選挙期間中に岡田幹事長とも良くお話をしておりますので、きちんと国民に迷惑がかからないように、政権移行に伴う事務の引き継ぎ、色々なアドバイス、これはやりますということで、既に私の指示で、民主党の皆さん方には役所からの説明を行っているという状況です。
記者:
確認ですが、メーカーは複数ということでよろしいですか。
大臣:
はい。複数のメーカーです。
記者:
どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
大臣:
これも、今、どのような積算でやるかということで、メーカーによっても価格が違ったり、中々申し上げにくいのは、売る方は高く売りたいですから、こちらが「これだけの予算があって潤沢ですよ」と言えば、それは高く売ってくるでしょう。少ない額を、例えば公の場で言えば、「じゃあもう売らないよ、もっと高く買ってくれるところに売っちゃいますよ」ということで、そのことは外交交渉上のことなので、敢えて申し上げないことをお許し下さい。
記者:
8月29日付で内閣審議官だった厚生労働省出身の方が、国民健康保険中央会へ天下りされまして、前回の会見で、理事長の任期切れのためと大臣は御説明していたのですが、前任者の方には3月まで任期があったのですが、これは駆け込み天下りと思われても仕方がないのではという指摘が出ていますが、もう一度見解をお願いします。
大臣:
データを私が誤解しているといけないですが、マッチングしたケースだったら問題はないと思います。つまり、こちらが斡旋してやったのなら問題はありますが、退職者がいますよと。したがって、それは官民の交流のマッチングセンターがありますね。そこに上げて、そこで判断を下して、どういうポストが良いと、そういう形でやったと理解しておりますので、問題なかろうかと思います。ただ、今細かいデータが手元にございません。もし間違っていれば、後で細かい経過を役所の方に説明させます。ですから、強引に押しつけたということよりも、マッチングセンターでやったと理解しています。確認させたいと思います。
記者:
他党の件で申し訳ないのですが、民主党の幹事長に小沢さんが就任しましたが、御所見はありますでしょうか。
大臣:
他党のことについては一切コメントは差し控えたいと思います。
記者:
他党のことではありますが、自民党を再生していくにあたって、来年の参議院選挙が一つの勝負になると思いますが、それをにらんだ場合の小沢幹事長というのはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
どなたが幹事長であれ、どなたが政府の閣僚であれ、私達は党を改革して、再生させていって、野党としてきちんと責任を果たしていく。そういう中で、今から一年間、精一杯努力をする。国会の審議の場でも精一杯やる。そして良い政策を提案する。向こうの政策が間違っていればそれを直していく。そういう過程において、国民の皆さんの評価が得られるように全力を挙げるということに尽きると思います。その結果が参議院選挙の結果に出るので、相手がどういう人であれ、野球に例えると、「あのピッチャーだったら俺は打てないよ」とか、そういう話をしていたらしょうがないので、どんなピッチャーであったって打ち崩すだけの戦力を持たないと勝てないでしょう。どんなバッターが来ようと必ず三振に打ち取るとか、凡打にするとか、そういうことをやらないといけないので、敵の戦力の話をするような場合ではない。自分がやっぱり練習をして、うまくやらないといけないと思っています。
記者:
その一方で、自民党は次の総裁候補が見つからないという状況になっておりますが、大臣は先の会見で批判されておりましたが「麻生さんという名前を書きたくない、白票で行く」という意見があるのですが、これについてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
早く執行部がコントロールをして、いつ、どういう形で総裁選をやるかということを決めないといけません。これは手続き上のことですから。何度も申し上げますが、これだけ大負けに負けたのでいろいろな気持ちや感情があるのは分かりますが、一番大事なことは自民党を再生させ、そして、きちんとした二大政党制を定着させるためには、つまり政権交代を定着させるためには今度はこっちが政権交代を行う番ですから、それは国民の期待でもあります。どの世論調査を見ても「自民党が再生することを期待する」というのは圧倒的多数なわけです。そのことを行うためには何がいいかということを考えないといけません。それで、先ほどの野球の例ではありませんが、個人プレーでやる話ではないのです、チームプレーで皆が協力して努力をしないといけない。それぞれが得意の分野で協力をすると。小異を捨てて大同について、やはり、長期的な大きな目標でやらないといけません。ですから、衆議院の任期は4年ありますから解散がなければ4年間は民主党が天下をとっているわけで、そうすると、4年後には少なくとも自民党が再び天下を取るにはどうすればいいかそういう、最低4年のスパンでの戦略を念頭に置いて一歩一歩確実に歩を進めて行く第1歩が参議院選挙であるわけです。戦は終わりましたから個人の感情はどうでもいいと思います。国民のために野党として何が出来るかということを片一方できちんとやらないといけません。私は常に言っているのですが、政権交替を円滑にさせてあげないと駄目です。きちんと事務的な手続をする、慣れていない方々であればいろいろアドバイスもしてあげるということをきちんとやることを政権移行期間にやる。そして、その上での戦いですのでそこのルールと言いますか、フェアネスというのはどうも日本人は足りないような気がします。私は若い頃にずっとヨーロッパにいましたからそういうことを身にしみて教えてもらったので、あちらでは政権交代をしょっちゅうやっていましたから。ですから、政権交代をする時のルール、民主党も今になってあたふた慌て、自民党も「何だ、いやだ」と感情的になる。そうではなくて、衆議院議員の任期は大体決まりますから、その半年前くらいからひょっとして相手が勝った時どうするのかという政権移行のルールは作っておくべきで、そこはジェントルマンというかフェアに、負けたら負けたできちんと勝った人を讃えて、その方々に必要な引き継ぎとアドバイスを行う。その上で捲土重来を期して自分も努力して行くということが、一番の議会制民主主義の基本と思っておりますから、そういうことに恥ずかしくないことを行うということは長期的に国民の支持を得ることに繋がると確信しております。ですから、出来るだけ早く党内がゴタゴタしているという状況を自民党も終息させて、新しいスタートの第一歩になるような状況を作ることに努力をすべきです。それは自民党のためというより日本の民主主義のためだと思っております。
記者:
フェアネスが足りないとおっしゃられたのですが、具体的に今回の政権移行に関して大臣が目に付く点とはどのようなことでしょうか。
大臣:
私が申し上げるよりも皆さんがよく観察すれば自ずと分かることだと思っております。
記者:
ワクチンについてですが、6千万人分のワクチンの確保が年度内ということでいいのかということと、季節性インフルエンザのワクチンと新型インフルエンザのワクチンを2回接種すると一人6千円から7千円のお金が掛かるのですが、一家族で何人もお子さんが接種しないといけない、公費の負担については検討されているのでしょうか。
大臣:
ワクチンの供給ですが、国内産についても輸入物にしても一気にパッと入ってくるというよりも、3千万人分確保して、一気に3千万人分輸入されてくるというより、断続的に入って来ます。それから国内産メーカーも作ったものからやって行くという形になるだろうと思います。増殖性の問題が何かあると思いますので、最初からぴったり決まるということではないと思いますが、来年の春くらいまでにそういう量を確保して行く。ただ、何度も申し上げておりますようにピークになる時と、ピークアウトする時とワクチンの供給がうまくマッチングするかというのは非常に問題ですので、なるべくそう出来るように皆でピークの時期を後にもって来る、ワクチンの供給をなるべく早めさせるという努力を今行っております。それから、ワクチンの接種費用についてですが、まず、ワクチンを購入するお金は公費で出す方針でおります。その上で、接種の費用はお医者さんにいきますので、それが掛かります。それがいくらになるのか、基本的には一つの形は全部無料にするという方法があります。ただ、その時に他の感染症なんかのワクチンとの違いをどう法的に説明するのか、それは予防接種法上の問題、PMDAの問題がありますのでこの新型インフルエンザだけ特別扱いするのであれば特別立法が必要になります。そうではない形で今までの予防接種法、感染症法という現行法の体系でやって行くとすれば低所得者に対する配慮は出来ると思います。ですから、それを地方税の非課税家庭にするのかどうするのか、生活保護の方々は特別扱いを最初からしてありますが、それを決めないといけません。そこのところを現行法制上でやるとすると一番妥当な形は所得制限を設ける、所得によって軽減策をとるということしかないと思っております。こういうことについては民主党の諸君にも引き継ぎを行っておりますので、新しい政権になっても大きな考え方の違いはないと思っております。
記者:
ワクチンが輸入されるのはいつ頃なのでしょうか、年度末前くらいまでに。
大臣:
10月の下旬くらいから国内産メーカーの接種が可能になります。まさに出来るだけ早くということで交渉を進めております。この細かい交渉がいつまとまれば、いつ入ってくるというスケジュールは今手元にありませんので、専門の事務方の方に、既にスケジュールが立ててあれば、指示をいたしますので聞いてください。

(了)