閣議後記者会見概要

H20.11.07(金)09:50~10:00 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議については特別にご報告することはございません。

質疑

記者:
政管健保の肩代わり法案について、今国会では成立が見送られるとのことですが、今後の対応については大臣どのようにお考えでしょうか。
大臣:
今のところこういう国会状況なので、具体的なことはまだ決まっておりません。今後どういう形でこの法案を取り扱うか、そして、それと同じことですが財源の手当をどうするか、政府と与党と協議をしながら進めていかないといけないと思っております。いずれにしても何らかの解決は考えないといけないですが、今の段階ではまだ決まってないということしか申し上げられません。
記者:
今日11時半目途で会計検査院の報告書が総理に提出されるのですが、報償費の執行に関して著しく会計処理が不適正だということが報告されるのですが、これについては今後どのように対応されるのでしょうか。
大臣:
まだ、正式に会計検査院から報告を受けておりませんので、それを受けた上できちんと対応したいと思いますが、不正な使用、その他問題があれば厳正に対処していきたいと思います。
記者:
政管健保の関係でお伺いしたいのですが、今回の1千億の肩代わりは、2,200億円の社会保障費の抑制の一部として見込んでいたわけですが、法案が通らなかった場合にその2,200億円の今年度に対する抑制をどうのように達成すべきとお考えでしょうか。
大臣:
それはなんらかの手だてでやらないといけませんので、どういう形で補正予算を組むかとかいろいろな手があります。いずれにしてもそろそろ税調の議論が始まりますから、税制改正の議論の成り行きを見ながら、いろいろな手だてを考えるとしか言いようがありません。政府・与党で協力して必要な財源を取ってこないといけないと思いますが、いずれにしても国会の状況がこういう状況で、それへの対応を本当にあらゆる方策を使って考えないといけないと思いますので、とりあえずは税調の動きを注視しながら年末にかけて決めないといけないと思っております。
記者:
今から他の項目で1千億円を削減するのは難しいというご認識でしょうか。
大臣:
それは基本的に難しいと思います。可能性としては論理的にそういうことだってないということはないと思いますが、ただ、これは年末にかけてもっと詰めをやらないといけない。なんといっても国会の動き、それから党、税調の動き、その他の要因を見ながらということで、どうしても今の段階でこうだと言うことは言えない状況です。
記者:
杏林大学の妊婦さんの診療拒否問題なのですけれども、厚生労働省として墨東病院のように直接聞き取り調査に全部行かれるのかということと、大臣としては先だって出た報道の域だというような調査の紙が懇談会で出ておりましたけれどもどこまで把握されているのかということを。
大臣:
これは国と東京都と協力して、例えば、拒否をした病院に対して全て聞き取り調査をやるということです。ただ、ヒアリングをやった時にどこまで正しく出るか。前回の墨東病院も今回も双方のお医者さんの間で言った言わないというコミュニケーションギャップの問題になっております。これはこれで一つ大きな問題なので、そういうことが起こらないようにするためにはどうすれば良いのか。恐らく送り出したい方も受け取る側も暇ではないですから、手術やっていたりとか緊急な時なので、言った言わないということになると非常に曖昧になると思いますので、むしろその問題もあるかもしれませんけれども、ずっと指摘しているような構造的な問題があります。ですから、先般のこの問題の救急医と産科医の方々が集まっていただいた検討会でも申し述べましたけれども、やはり周産期センター、総合の母子センターも地域にある周産期センターもこの在り方を含めてきちんと検討するということが、とりあえずやらないといけないことだろうと思います。それから情報伝達システムで人間が入ると先程のような曖昧なことになりますから、それをクリアにするにはどういう手が打てるか。懇談会でも申し上げましたけれども、今朝も二階経済産業大臣とも少し相談をして、これは先端技術の開発の問題でもありますから、経済産業省と私たちが協力をして情報伝達システム、最先端のもの、そしてなるべく伝達ミスやディスコミュニケーション、コミュニケーションギャップが起こらないようなシステムを開発しようということで、先程ちょっと閣議の前に二人で話をして、月曜日にも両者で会談をもってそういう詰めをやりたいと思っております。これは、一厚生労働省とか一地方自治体の問題ではなくて、国全体が関わる問題ですから、これでコミュニケーションギャップをどうするかというのを考えたいと思います。それから、NICUの問題も先般申し上げましたけれども、これはやはり看護師、医者というところの人の手当も考えないといけません。特に女性の医師ないし女性の看護師、つまり医療提供者の方で、出産、育児でご自分がしばらく職を離れておられる方にもう一回復職していただく。看護師さんの方で資格を持っておられるのですけれども、恐らく10万、20万、30万くらいのオーダーで仕事をしておられない方がおられる。こういう看護師さんたちにも協力を得て、なぜその方々が資格を持っているのに仕事をしていないのか、出産、育児とかいろいろあると思いますけれども、その状態をまず明らかにした上で、彼女らが職場に復帰できるための再研修をやるとか、既にそういう予算もつけておりますので、人材の確保に努めていきたい。これが非常に大きいと思います。それで、後は、様々な問題点が指摘されると思いますので、これは国も補助金を出していますから、補助金を出している以上は、羊頭狗肉であってはいけないということを私は冒頭から申し上げているので、総合的に二度とこういうことが起こらないよう施策を早急に手を打っていきたいと思っております。
記者:
人間がやると曖昧なことになるのでシステムが必要だとおっしゃるのですけれども刻一刻と変わる現場の状況を端末に反映させるのは難しいという意見もありますけれども、そういう意味では、忙しい医者同士がやりとりしていることが問題で、もっとちゃんと窓口になる人の手当が大事なのではないかという見方もあるのですが。
大臣:
それはおっしゃるとおりで、先程来2件続いてのコミュニケーションギャップということがあって、言った言わないの言い争いをしてもそれは人間のやることですからどちらが正しいかということになります。そういう意味でヒューマンエラーをできるだけ少なくするために技術を使うということが一つ。しかし今ご指摘いただいたように、まさにその通りなので、きめの細かい対応をどうするかというときに全く逆の側面から言うと、フェース・トゥ・フェースコミュニケーションが非常に活きている。だから、あの懇談会であったように、「なぜ大阪で問題が起こらないのですか、なぜある地域で問題が起こらないのですか。」と言ったら、その地域のお医者さん同士がフェース・トゥ・フェースで知っている、「ああもう先生すぐ受け入れますよ。」という信頼関係があるのです。今おっしゃったようにメディカルクラークを含めてこれはコーディネートをする人をどういう形で手配をし、配置をするかが非常に重要なので、今のご指摘は全くその通りだと思います。いろんな面からアプローチするしかないなと思っております。それはご指摘の通りだと思っておりますし、今のようなコーディネーター、ある意味でトリアージのようなことがどういうふうにできるかということを早急に検討し実施に移したいと思っております。
記者:
月曜日の会談というのは両大臣でお話をされると。
大臣:
実は月曜日に介護ロボットのデモンストレーションを両大臣でやってみる。両方で開発しました。その機会に介護ロボットだけではなくて、医療の分野で協力できるのではないかと。だからその機会にこの問題についても議論をしようということで、一つの省でやることではありませんので、あらゆる政府全体の持っている資源を使ってやりたいということです。

(了)