閣議後記者会見概要

H20.09.12(金)10:36~10:50 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
まず閣議ですが、私の方から9月15日老人の日の関連で、百歳の高齢者に対する祝状及び記念品の贈呈についてということで、今年も祝状と記念品を百歳以上の方に総理大臣から差し上げると報告しました。具体的には9月1日現在で1万9千7百68名、男性が3千56名、女性が1万6千7百12名、海外におられる方が39名、本年9月1日現在で国内の百歳以上の高齢者の総数が3万6千2百76名、最高齢が男性112歳、女性113歳となっております。以上が閣議関連で後は特別にこちらから申し上げることはございません。

質疑

記者:
標準報酬月額の改竄問題について、弁護士も入れて調査するということなのですが、大臣として具体的にどういう体制で取り組むお考えかということと、あと、自民党の総裁選が告示されましたが大臣のお考えがあれば。
大臣:
最初の問題ですが、今ヤミ専従の問題を弁護士、検察官という方を入れたチームで行っております。具体的にどういうチームにするかは今から検討いたしますが、弁護士や法曹関係者という専門家も入れて、そして、外の目を入れた上でこの標準報酬月額の改竄問題についてきちんと調査を行うということです。すでに動いているヤミ専従の調査も参考にしながら、今どういうチーム立てをするか検討中です。
記者:
厚生労働省に委員会か何かを作られるのですか。
大臣:
それも含めて具体的にはすでにいろいろやっておりますが、とりあえずは今私の下に年金記録問題の作業委員会があります。ここで今具体的にどういう内容にするかということを練っていただいております。日本国は当たり前のことですが、日本国憲法体制の下において民主主義国家です。法と証拠に基づいてすべて司法が動くわけですから、そういう意味で法と証拠ということであると、証拠の物件をどうやって見つけて行くか、本人の自白のみでは駄目なわけです。そういうことで非常に困難を伴いますが、今作業委員会を中心に、例えば、副次的な資料から肉薄できないか、他にこういう資料を見るとそこがわかるのではないだろうかと、それを今大至急検討中ですので、そういうことを踏まえ、人選を含めて考えたいと思います。
総裁選については、今のところまだ決めておりません。
記者:
標準報酬月額ですが、「証拠が」というとこをおっしゃられましたが、こういうことが実態として、現実問題蔓延していったかどうかについて大臣の心証は今のところどういう感触でしょうか。
大臣:
これこそまさに心証や感想で述べられないのは、今、一番大事なのは毎回繰り返し申しあげますが、標準報酬月額の改竄によって被害を受けた人達の被害を救済する、回復するということが一番なのです。ですから、そのために現実にどういうことがあったのか、これは本当に広く国民の皆様方のご協力をいただいて、例えば、中小企業の経営主が非常に経営が困った時に、そういうことをやりましたと、何年何月から何日まで私の会社でやりましたということを正確に覚えておられて、しかも、給与台帳とか会社の経理の文書、これは民間企業の文書保存期間の義務が7年間なのです。しかし、それにも関わらず残っておられてということで行っていけば、そこは一つ一件落着する可能性があるわけです。ですから場合によっては、会社の経営が苦しいのでこういうことでやるけどいいなと言われた従業員の方がおられれば、その方はわかっておられるかもしれない。もちろん社会保険庁の中にそういうデータが残っているかどうか、そして、今ヒヤリングもやっておりますから正直に言ってくださいよと。ただ、どこまで正直に白状するのか、それは処分の対象になりますからそれを言うのか。それから役所の文書というのは5年間の保存期間ですから、5年過ぎたら捨ててしまいます。だから、今から遡って5年以内なら文書からデータを取れると思いますが、5年以上先、7年以上先になると非常に難しいので、これはいろいろな方々がわかっておられれば言っていただく。元々会社も潰れてなくなってしまっていたり、企業の経営主も死んでしまっているというというケースについてどうするのか。これは何件あるのかについてもデータも不明瞭のまま、感想でどれくらいというべきことではないと思いますので、そこをしっかり固める必要があると思っております。
記者:
総裁選ですが、今、各候補で議論が交わされておりますが、社会保障分野での議論が活発化している印象を受けるのですが、大臣はどのようにお考えですか。
大臣:
私も半分ハラハラ、冷や冷やしながら各候補のおっしゃることを聞いておりますが、基本的なファクツとか、今の状況について正確でない発言があるのが一番困ります。ですから、私は現場を預かる者として私なりに一生懸命年金記録の問題であれ、医師不足の問題であれ、財源の問題であれやっておりますが、その前提となるのは今こういう状況ですからこうですよということであるのですが、「ちょっとそれはファクツが違うのではないの」とか、「それは現実的に政策としては実行不可能じゃないでしょうか」みたいなことを感じる発言も散見されます。それは皆さんそれぞれの専門分野がありますから、私に厚生労働関係を聞かれれば、曲がりなりにも一年間やってきましたから答えられますが、仮に、私のそもそもの専門である外交とか防衛についても今聞かれた時に、厚生労働大臣として集中していますのでどうしてもこの一年間ブランクがあります。そうすると外交や安全保障の分野で完璧に正確に答えられるかと言えば、私自身も自信がありません。そこまで各候補にそんな高い水準を求めるのも良くないかもしれません。ただ、基本的なファクツをしっかり踏まえた上でご発言なさった方がよろしいのではないかという感じを持つ発言も散見されますので、個々の候補にお会いする機会があったりすれば、これはこういうことですから誤解の無いようにということは気がつけば、今日でも申しあげておきたいと思っております。
記者:
具体的には。
大臣:
具体的に言えばどなたが発言したかが分かるので差し控えたいと思います。皆様方も厚生労働省で記者をやっておられるので良くお分かりかと思います。
記者:
食用にできない米なのですが、流通していて、病院や給食などで使われているなど広がりを見せているのですが、厚生労働省の対応とかいったものについては大臣としてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
まず、本当にこういうことがあってはいけないと、本当に腹立たしいという思いでありますし、国民の命を守ることを仕事とする厚生労働省としては厳しく対応したいと思います。これは、食品衛生法第54条に基づいてこの事業者を管轄する福岡県に対して回収措置を講ぜよということをすでに通知しております。そういうことを行い、今、販売、流通状況について調査を行い、三笠フーズに対しては我々の通知を受けて福岡県が事故米回収を命令するということを行っております。今後とも我々も調査をし、これは国民と情報を共有することが一番大事だと私はずっと申しあげてきたので、新しい情報があればすぐ国民の皆さんにお知らせする。老健等の施設で、今日お誕生日でお祝いですよと赤飯炊いて食べたのに、その米がこうだったというのは話にならないですね。ですから、第一義的に検査がずさんであったという農林水産省の検査のやり方を含めて根本的に見直さなければならないです。WTOの米の輸入の「クォータ」があるものですから、こういう形で一定量の輸入米を入れないといけないということがあって、工業米として入っていることがあると思いますが、これを機会に検査方法、それから事故米の取り扱い、それから業者に対する徹底的指導、監督、抜き打ち検査という体制を見直さないと。それはお酒を造っている方々、焼酎を造っている方々も大変な被害ですし、これは看過できないと思いますので、厚生労働省として徹底的に食品衛生法に基づいて指導し、改善していきたいと思います。
記者:
高齢者の医療制度についてなのですが、特定入院基本料で、脳卒中ですとか認知症の患者さんは入院90日以降は診療報酬が下がってしまうということで、先月運用で事実上の凍結となっているとは思うのですが、そもそも規定自体を見直すということは考えているのでしょうか。
(大臣)
これはそういうことを含めて、審議会を含めて検討するところがあります。とりあえず今やるべきことは、日にちが過ぎて急に病院側の取り分がないからあなた出て行ってくださいということがないようにとりあえず運用でやろうということなので、そういうことも含めて大きな骨格は、例えば、リハビリをやるんだって、今のような疾病にしてもそうですが、できれば早く治った方がいいのです。だから、早く良い治療をして急性期に早く治って、今度はその後もゆっくりケアして行くということはエンドレスでできるわけです。急性期の面倒の見方と、慢性期といいますかその後は違います。そこの線引きは医学的にも介護の専門家から見ても難しい問題がありますので、これは今言ったことも含めて検討はしたいと思います。ただ、目の前で困っている人をとにかく運用で救おうということで申しあげましたので、そういうことを含めて今すぐの課題ではないですが、やはり、いつか言ったことがあると思うのですが、私は医療保険と介護保険というものの境目をなくして行くような方向に、将来的には大きく保険制度を見直すべき時が来ているのではないかと。直接今の問題には関係がないのですが。ただ、今申しあげたような急性期の医療とかいうものと、その後のケアということを考えて、国民の側から見たら今おっしゃるように一番良いケアを受けたいわけです。その時に保険制度が二つあってその間でとか、今言った90日の問題とか、昔は180日というリハビリの問題もありました。一人一人の患者さんは一人一人症状が違うわけです。どうすれば一番適応的なことができるか。そうすると非常に緩やかな形での枠組みがあって、後は運用でやれるような仕組みを法律的にもしたほうがいいのではないか。ただ、その時にモラルハザードが出てきて制度の濫用という問題があります。だから、そこの歯止めをこれは必要ですが、しかし、やはり国民を信用して国民にとって一番良い医療であり、介護を受けられるということを行いたいと思います。今、「安心と希望の介護ビジョン」の検討会も進んでおります。「安心と希望の医療確保ビジョン具体化に関する検討会」の方は一応結論がでましたので、医療と介護が一体となって長期的な日本の国民の医療の介護を考えるということを行いたいと思います。そういう将来的な大きな枠組みを置いた上で、今おっしゃった法的なことについても考えたいと思います。

(了)