閣議後記者会見概要
H20.02.01(金)09:30~09:42 参議院議員食堂
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 閣議の後の閣僚懇談会で中国産の冷凍ギョウザが原因と思われる食中毒事件について関係閣僚から報告を行い、今後、きちんとした対応をあらためて行うということになりました。私の方からいくつか報告いたしました。まず健康被害の事例の発生報告数ですが、いろいろ報道で数が300とか400とか区々ですが、全国の都道府県の保健所に報告、相談があった、つまり、自分もおなかが痛くなったといった形で来られた方の数が昨日の1月31日18時現在で165件です。既に千葉県の2つの案件、それから兵庫の3名ということで10名の患者さんが確定しておりますので10+165で総計175になります。しかしこの相談に来られた165名はまだ医療機関を受診しているかどうかのまだ確認ができていないと言うことで、ひょっとしたら165名の中でお腹が痛くて病院に行ってた方もおられるかもしれませんが、とにかく今の段階で165という数しかなくて、その詳細は分かりません。確実に病院に行ったというところまで調べがいっていないということを正確に申し上げておきます。それから昨日の関係閣僚会議を踏まえてとりました対応でございますけれども、電話相談のための電話回線を増設いたしました。それから都道府県などでの相談窓口の連絡先、簡単なQ&Aをホームページに掲載してあります。それから日本医師会に対しまして、食品による有機リン中毒の疑いのある患者を診断した場合に速やかに保健所に通報してくれるように協力依頼をしました。それから厚労省のホームページにカツ丼セット、ミニロールキャベツ、焼肉丼、牛丼、豚お好み焼き、豚丼、豚肉3色野菜巻き、酢豚セット、牛すじの製品の画像情報を追加しました。もう一つは12月28日に千葉で最初の件が起こり、次に1月6日、そして1月22日と3件起こってますが、12月28日の段階でこういう事態を把握していればその後の問題が生じなかったことが考えられますので、この一月の時間の経過を検証する必要があると思います。それで、先程申しましたように、日本医師会に対して患者を診断した場合には、すぐ知らせてくださいと、こういうお医者さんが保健所に届けること、それから、保健所は都道府県知事に届けること、都道府県知事は厚生労働大臣に届けること、こういう大きな枠組みが食品衛生法で決められておりますが、これが必ずしもきちんと遵守されていなかったという認識を私はしております。ただ、現場のお医者さんや保健所や都道府県知事のレベルで言えば、特に原因がよく分からないと、例えば、犯罪、誰かが意図的に調理鍋の中に毒を入れたというケースも考えられるので、警察にしても非常に慎重にそこを見てたということがあるのですけれども、食品衛生法の第58条は、最寄りの保健所長にお医者さんは届けるということになっておりまして、それから、ある一定の条件の時には、都道府県知事が厚生労働大臣に報告しなければならないとなっております。どういう時かというのを、この省令で決めているわけですけれども、その中の第73条第2項の2に、当該中毒は輸入された食品等に「禁止」または「禁止すると疑われる時」とあるわけです。そうすると、少なくとも1月6日の件については、この輸入食品に禁止することが疑われていたことが確かでありますから、この段階で厚生労働大臣に報告しなければならないのです。従って、これは端的に言うと、疑わしきは届けずではなくて、若干でもいい、少しでも疑義があれば直ちにお医者さんは保健所に、保健所は知事に、知事は厚生労働大臣に伝える。これをきちんと遵守すべきであると思いますので、少しでも疑義がある場合には食中毒に関しては報告を直ちにするようにと、疑わしきは報告せずではなくて、疑わしきは報告をせよという通知を直ちに出せというのを今指示したところであります。今日中には必ずその通知が各都道府県知事に行くと思います。その他今後ともできるだけの措置をとって参りたいと思います。
質疑
- 記者:
- 都道府県に確実に伝えるようにということで通知を出されますけれども、どういった場合に厚生労働省に伝えるかという基準自体の見直しのようなことは。
- 大臣:
- 例えば、どういう時かというのを、先程の食品衛生法施行規則を見ますと、まず、50人以上中毒患者が出た時。ただ、私の感覚だと、50人出るまで待たないといけないのかなと。例えば、これを10人も出たらというくらいに改めるというのも一つの方法です。それから、亡くなった方が、当該中毒の死亡者が発生した時は、これはやらないといけない。だけど、誰か亡くなるまでやらないのかということもありますから、例えば、重篤の患者でもやるとか、それから、患者の所在が複数の都道府県に渡たる時ということもやらないといけないけど、だけど、隣の県で起こっているとか遠くの県で起こっているというようなことは分かりませんから、東北の県の知事が九州で起こっていることは分からないと思うので、これもちょっと常識でいうと改めた方が良いのではないかなということを考えています。それから、例えば、中毒の発生の状況等から見て、中毒の原因の調査が困難である時というのがあるのです。だから、困難であればすぐ届けてもいいのです。というようなことで、これは省令ですから、きちんと有識者を含めて検討して、今の国民のニーズに合った形に変えるのは迅速にできると思いますけど、これはもう私は問題認識として持っております。
- 記者:
- 基準の見直しの関係なのですが、基準の見直しは、これは法律の施行規則そのものの内容の見直しも検討する。
- 大臣:
- 規則は省令ですから省令を変えればいいので、これは食の安全ということに対してはやはりかなり厳しい目でやるべきだと思いますので。先程申し上げたように、少しでも疑いがあれば厚生労働省に報告する。今回の件で反省するべき一つは、行政の対応が遅れた、いろいろFAXの4枚目がいかなかっとかいろんな単純ミスも重なっていますけれども、しかし、やはり被害の拡大を防止するというのが最大の眼目ですから、そういう反省の上に立って、改善すべきは改善すべきだと思います。
- 記者:
- 基準の改正というのは、時期的にはどれくらいの時期に。
- 大臣:
- まだそれは検討していません。要するに、そういう方向でいいのかどうかも含めて広く国民的に議論して国民の皆さんの納得いくような形にすると。やはり命に関わる問題ですから、国民の目線でしっかり対応するというのが厚生労働行政のあるべき姿だと思います。早急に検討は開始したいと思います。
- 記者:
- 現地に厚生労働省として状況の把握のために職員を派遣した方が良いのではないかという考え方もあろうかと思いますけれども、大臣の考えがあれば。
- 大臣:
- 今日外務大臣とも少し相談もしましたけれども、基本的には、中国の主権の範囲内なのです。こちらが例えば、この係官を派遣しても例えば、工場に立ち入ることを許すかどうかは、中国当局の全て権限にあるわけです。ですから、今輸入業者は行って調査をしているようですけれども、そのことも含めて検討しますけれども、実効性が上がるかどうかということもありますので、今は外交ルートを通じて中国側に対して中国当局が徹底的に原因究明を含めて調査をする。その上で再発防止策をきちんと取ってもらう。それは日本国政府として中国政府に申し渡す。それで対応をみたいと思っています。
(了)