閣議後記者会見概要

H19.10.05(金)09:24~09:34 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議の中で大事なのは、今日の閣僚懇談会で総理から政府をあげて地方再生のための総合的な戦略を取りまとめるために地方再生担当の増田大臣を中心として十一月中を目途に地方の声にも耳を傾けながら作業を進めるよう指示がありまして、私の方から、厚生労働省としても積極的に取り組んでいきたい旨を申し上げました。具体的には、地方の意欲や創意工夫を活かした雇用対策や、更なる地域医療提供体制の整備強化などに早急に取り組む必要があるものと考えております。地方の若者やお年寄りが希望や安心を持って生活できるようするため、こうした課題についての具体的な対応策について精力的に検討するよう事務方に指示したところでございます。今日、各大臣からこの地方再生のための総合的な戦略についてご発言があったことが中心的な懇談会の議事でありました。私の方からは以上です。

質疑

記者:
中小企業の退職金共済の未払いの話なのですが、大臣はなんらかの指示を出すとおっしゃっていたのですが具体的に何か。
大臣:
一つは、これはそれぞれの会社の責任で、従業員にも知らせていないということもありますので、できるだけ名前が分かっている人に関しては、皆さんにこういう制度が実は皆さん入っていますよと、ご活用下さいということをできるだけ多くの人に呼びかけるということをやりたいと思っています。それで、今5年以内ですと、いわゆる時効がないですから、この人達には直接連絡するということを既にやり始めております。それから、相談窓口、フリーダイヤルも設置して、これもすぐ対応できるようにしてあります。今後どうするかなのですけれども、事業主、つまり会社の経営者ですね、この人に対して注意喚起を行うということ。いろんなホームページを使ったりとか情報誌を使う。それから、つまり先ほど申し上げたように、会社員に徹底していないので、これを徹底してくれということを事業主に要請すると。それから、今検討中のものを、5年時効ということがあるのですが、これは結局事業者との関係ですから、5年過ぎたからといってすぐ時効になるものではなくて、これはきちんと事業主を通じて連絡が取れればきちんとお支払いするということですから、いわゆる年金の5年の時効の問題とは違います。そこはご安心下さいということで、今後精力的にやっていきたいと思っています。
記者:
年金の横領問題で大崎市以外で4市町村で告発しない方針を読売新聞の取材でそういうふうに答えられたのですけれども、その他について大臣どのようにご対応されるのでしょうか。
大臣:
日野市は、刑事告発に踏み切りました。ですから、基本的な方針は、市町村がやらなければ国の方でやるということに変わりはありません。そこから先は、すべて司法の判断ですから、行政としては、きちんと襟を正していきたいと思います。
記者:
昨日、社会保険庁の再生会議の方が、日本年金機構の採用の基本方針の中間報告をまとめまして、処分歴を一応重要な考慮要素にするということなのですが、この内容についてどうお感じですか。
大臣:
それは当然で、能力評価と、今言った不祥事の評価が二重にあって、不祥事を起こしたけれども、非常にこの人は能力があるというのは、それは客観的に評価すればそうかもしれないけれども、しかし、そういう過去に不祥事を起こした人を、安易に再雇用していいのですかということですから、これは十分、新しい機構に移る時の再雇用の条件として、極めて重く配慮をすると、その方針です。
記者:
今日、地方の雇用対策についてお話があったということですけれども、これ具体的にはどういう。
大臣:
これは、地方の再生というのを福田内閣で掲げていて、厚生労働省だけではなくて、それは総務省含めて、あらゆる省庁で取り組もうということですから、例えば、農林水産省はやはり農村、漁村、こういうところの雇用の話を考えないといけない。それから、やはり雇用については、フリーターの対策とか、一連の厚生労働省がやっていることをさらに進めていく。その中に、地方という視点を常に入れていくということが大事だと思います。むしろ、緊急なのはやはり医療体制の方だと思いますね。全部が絡まっているので、「田舎で生活してたんじゃ、もう病院がないから、やはり都会に出て行こう。」というような話がある。「職がないから都会に出て行こう。」という話がある。だから、一体となってやらないといけないので、一厚生労働省の能力を、限界を超える感じがしますから、やはり全内閣を挙げて、それから総理の指示で、できるだけ地方に閣僚も行ってくれということなので、いろいろな機会を見て、今、総務大臣は地方の人と車座でやるというのを、週末必ずやるということをやっていますので、我々も機会があれば地方で直接声を聞いて、政策に反映したいと、そういうように思っています。
記者:
これは、概算要求でいろいろな形で、地方に配慮した予算も要求していましたけれども、それに加えて新たに何か検討して、新しいことをやっていくということですか。
大臣:
予算ベースでどうやるかということは、これからまた議論でしょうし、それこそ、補正が組めるような状況であれば、そういうことも使えると思いますけれども、小泉改革のマイナスの側面である、地方の切り捨てとか、地方格差、これに光を当てようというのが、この内閣の大きな政策の目玉ですから、当然、予算措置についてもしかるべき手は打つことは十分、内閣として考えているというふうに言っていいと思います。
記者:
新たな医師不足対策みたいなものも盛り込まれる可能性があるということですか。
大臣:
いろいろな意味で、例えば、ドクターヘリにしても、今、3機ぐらいしか予算で入っていないけれども、そうすると、今、10県しか持っていないのですね。47都道府県全部あった方がいいんじゃないかということになると、せいぜい1機1億か2億ですから、50機やったって50億でしょ。こういうものは、昨日以来の代表質問でも各党から要求が出ているわけですから、例えば、そういうことを含めて、それから、地方の人たちの本当に困っているという声は、やはり医師不足が非常に大きいんですね。代表質問でもそういう声が聞かれていますから、それは政府としても当然配慮をする。そして、与党と検討しながら、できれば予算措置をさらに積み増していきたいなと思っています。
記者:
薬害エイズ訴訟で、投薬から20年と4日経った患者が、通常だと民法の除斥期間が成立するところ、和解が成立したという報道がありましたけれども、詳細をお聞きになっていたら教えていただけますか。
大臣:
これはまた、詳細、後で紙にでも書いたのを、必要だったら差し上げるような形にしたいと思いますけれども、基本的に、救える人は救おうということで、わずかな時間の差で、そんなに差があっていいのですかということですから、それはまた細かいデータはまた省の方に用意させますけれども、基本は救える人たちは救っていこうということで和解をやったということで、患者さんたちの視点に立って、厚生労働行政をやっていきたいという方針の一つだというふうにお考えください。細かいデータはまた後で、事務局から出せるようにします。
記者:
昨日の新聞で、60歳の独身の女性が、アメリカに行って受精卵の提供を受けて妊娠したという話があったのですが、そのことについての感想と、海外で不妊治療を受けることの規制のあり方とかどうお考えでしょうか。
大臣:
いわゆる代理出産とか、不妊治療の問題というのは、これは個人的にはいろいろ私も感想はありますけれども、やはり生命倫理に関わることなので、いろいろな諮問会議とか専門家の先生方が議論しているし、これは、例えば、国会で何か決めるにしても、党議拘束をかけない話になるんだと思うんです。生命倫理に関わる。だから、これは皆さんでもっと広く国民的な議論を巻き起こす一つのよすがとしたいというぐらいにお答えはとどめておきたいと思います。

(了)