閣議後記者会見概要

H19.09.28(金)09:45~09:58 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。閣議のご報告を申し上げます。一般案件は、障害者の権利に関する条約の署名、それから、平成19年度一般会計予備費使用、これはPKO、ゴラン高原絡みであります。それから、政令、少年法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令、総合法律支援法施行令の一部を改正する政令、種苗法施行令及び国立大学法人法施行令の一部を改正する政令を決定いたしました。後は、高村外務大臣の国連総会政府代表を命ずること等の人事案件がございました。それから、労働力調査報告、消費者物価指数、家計調査報告の調査資料の配付がありました。閣議については、以上でございます。

質疑

記者:
年金の新しいシステムの入札の関係で、可能性として1社に独占されるおそれがあるという指摘が厚生労働省内から出ていたことが分かったんですけれども、こういったことで何か報告を受けていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
それについて、ご説明を申し上げます。まず、この異例の見直しを求めていることが27日分かったということですが、これは厚生労働省のホームページに既に8月6日に発表されていますので、今分かった話ではございません。厚生労働省のホームページを今開いてもらえば、8月6日に出ているのが確認できると思います。この新しいシステムの基本設計については、皆さんご承知のように、既に競争入札で落札業者も決まっております。5つのソフト設計、基礎的な基盤の整備が一番大きいのですけれども、その他4つありますが、基盤ソフトウェア及び全体開発管理については、アクセンチュアという会社が落札しています。それから、適用業務ソフトウェアは、NTTデータ。徴収業務ソフトウェアもNTTデータ。それから、給付の業務ソフトウェアは、日立製作所。支援系システムの業務ソフトウェアは、沖電気工業ということで、既に基本設計については、今申し上げたように、1社の独占ではなくて、4社が落札をしたという状況がございます。そういう中で、次は、詳細の設計を今からやらないといけないわけですけども、その詳細の設計をやる時に、ではどのような点に注意してやればよろしいですかということを外部から来ているコンピューターの専門家らに意見を求める。その意見が、今申し上げた、今分かったわけではなくて、既に8月6日に公表されているCIO補佐官の意見書というのがございまして、その中に、ちょっと読みますと、これは後でホームページで確認して下さい。「すでに基本設計業務にて、「要件の精査」、「基本的事項の整理」相当の工程が終了していることは了解するが、本件を含む、詳細設計以降の工程に関して、独占の弊害について排除できないため、意見招請の結果等をふまえ、応札条件について検討を行い、必要に応じて調達仕様書等に反映させること」ということで、独占の弊害について排除できないため、今申し上げたような応札条件について、仕様書に反映させることという指摘がありました。従って、こういうことを念頭に置いて、今詳細設計の、この入札の条件をどうするかということを検討中で、まさにこのCIO補佐官の意見を受けて、そこまでは政府調達の規則はないのですけれども、なるほどな、そういうこともあり得るな、理論的にはですよ、そこで、実は基盤開発社、これが他の4つの個別機能開発の入札に参加できないようなしばりをかけます。従って、少なくとも今基本設計は、基盤整備はアクセンチュアというところがやっている、あとNTTデータと日立製作所と沖電気工業が個別の機能開発の基本設計については入札しております。この詳細段階で、基盤の設計をやった会社は(個別機能には)入れないということにしていますから、独占の可能性は100%ありません。要するに、全く常識で考えれば、私も多少コンピューターやりますし、いろいろ外注に出していろいろソフトを組ませることが個人的な仕事でありますけども、基本設計をやった会社が普通は相当程度の確率で詳細設計をやるのが一番効率良いし、一番安い値段が普通は出てくるでしょうから、今の状況で1社独占というのは、100%あり得ないということは断言して良いと思います。それから、まさになんで8月6日にこの意見を出したかというと、調達方法について、こういう案がありますから皆さんどうですかと世間に問うためにホームページに出したということであります。それから、もう一つは、独占で急がなければ2010年の運用開始に間に合わないという指摘がありますけども、これは全くございません。間に合わせるようにやるということですから、一応精査した上で、今のようなお答えができると思います。
記者:
確認ですけど、そうしますと、基本設計の段階での業者と詳細設計は、確かに普通は一緒になる可能性があると思いますけど、理論的には100%独占されることはあっても、実際としては、ないということですか。
大臣:
5つの分野について応札を掛けます。基盤の設計というのが1つ。今お金を集める方、払う方、4つの機能が基盤の上に立っている。基盤をやった会社は、個別の4つは、一切やってはいけないというしばりをかけます。これは、かける必要はないのです。政府調達でいえば。しかし、それをかけたということは、理論的にいったら、個別の4つを誰か1社が独占しても、最低2社ですから独占ではない。
記者:
その入札制限をかけることは決められているわけですか。
大臣:
ですから、CIO補佐官の指摘を受けて、生来やる必要はないのだけれども、厚生労働大臣としてそれをかけるということですから、これは詳細設計についての応札条件は、何月何日にいつ発表しますよというのは、まだいろんな他の条件を見ながらですけれども、その条件を厚生労働省としてかけるということですから、理論的にいったら一番少ない数で2社です。ですから1社ではありません。常識的に言うと、それ以上になるだろうというのは、そんな感じです。
記者:
今日、総務省の方から失業率の発表がありまして、前月より0.1ポイント上昇、つまり悪化ということなのですが、こちら発言要旨を見ますと、改善が着実に進んでいると。この失業率悪化と、この状況判断ですね、どういうような感じですか。
大臣:
これは、若干細かく見てみますと、新しく入ってくる人たち、若くて、例えば、新規採用の、二十歳なら二十歳で、この人たちの職が若干見つかりにくくなっていることが足を引っ張って数字が下がっているのです。他の年齢層を見ますと、改善しているのですね。ですから、全体的にそういう感じだというふうに理解をしています。だから、じゃあきめの細かい政策をどうするかというと、新規に、ですから、労働市場に参加する若者たちを、どうして彼らの職を与えるかというので、これはちょっと細かく調査をしてみたいと思いますけれども、そこが本当にガーッと足を引っ張っていて、そうでないところは着実に伸びていますので、おそらく職種にもよりけりだし、それから、今度職を求める方の若者にしても、何でもいいよという感じではなくて、結構景気が良くなってくると、「いや、私はこういうところに行きたいんだ。」という好みが若干厳しいというか、出てきたんじゃないかなと。これは私の勘ですけれどもね、調査してみないとわからない。だから、例えば、介護の職なんかに是非若い方々に就いていただきたいなといって、非常に不況の時は、たくさん就いていただいたのだけれども、今、景気が良くなると、やはりもっと待遇のいいところというようなところに走っていくものですから、そんな感じかなと。したがって、全体的に悪化していることの証拠ではなくて、今申し上げた、新規参入者の面で、これはサプライ側も、ディマンド側も、両方見てみないとわからないと思いますけれども、これが足を引っ張っている、そういう理解です。
記者:
タミフルについてちょっと伺いたいのですが、2004年に岐阜の男子高校生が、タミフル服用後に、トラックの前に飛び出して死亡する事故が起きたということに関して、副作用であることを認める民事裁判が岐阜の高山地裁で10月4日に開かれるんですね。その前に大臣に三つ伺いたいのですが、厚生労働省は、当初、異常行動との因果関係というのに否定的という見解をとっていたのですが、ずっと。そのことについて、大臣のタミフルに対する現時点の見解というのを一つ伺いたいのと、あと、今、厚生労働省がタミフルと副作用に関する1万人規模での全国調査などを行っていると思います。その関係の見直しに関する結果というのはいつまでに出すのか、インフルエンザシーズン前に出てくるのかどうか。その結果次第で見解というのは、厚生労働省としての、出している見解というのは変わりうるのかどうかということと、来月4日に開かれます全国初の裁判に関して、大臣の見解をお聞かせください。
大臣:
これはまた来週の定例の記者会見で、もっと細かい、今、データが手元にありませんから、細かいデータについては申し上げたいと思いますけれども、最初に、因果関係については、これはもういくつか異常行動を起こしたというのは報道されているとおりなのですが、本当に薬学的に、医学的に見て、因果関係があるのかどうなのかということは、もっともっと解明する必要があると思いますね。じゃあ、なぜ若い人たちだけなのかということもあります。先般、私も個人的に興味ありますから、お医者の先生、医学会の方で、そういう議論をしたことがございますけれども、非常にやはり、脳神経医学の専門家の先生方とお話ししても、非常にわかりにくい。それで、おそらく脳の一部に幻覚症状、幻覚ですね、そこが何らかの形で刺激されるようなメカニズムがあるのではないかなというような仮説をたてられている専門家もおられて、私も非常に興味ありますから、私は専門家ではないのでわかりませんので、そういう方々の研究結果を待ちたいというふうに思います。副作用の調査も、これもまた、どういう形で集計して、いつお話しできるかというのも、次回までにはご報告、何らかの機会でやりたいというように思っていますし、やはりインフルエンザということを考えた時に、タミフルというのは非常に効果的であることは確かなのですね。だから、薬というのは、効果的だけど副作用をどうするか、これでいつも悩む。だから、新薬の承認の場合も、早くこれを使いたいというのはありながら、しかし、かつてのサリドマイドのような副作用があったらどうするのだと。だから、非常にそこは科学的な研究の水準をどう上げるかということなので、これはしかし、国民の関心事ですから、是非インフルエンザがはやる前に、何らかの結果が出ればなあという私の希望も申し添えた上で、いずれまた、詳細にご報告いたします。

(了)