閣議後記者会見概要

H19.07.31(火)10:52~11:21 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。本日の閣議ですけれども、まずゴラン高原の国際平和協力の計画変更がございました。東ティモールに対しても同じく国際平和協力の要員の交替の話がありました。普通交付税の交付大綱が決定をされました。それから、労働市場、家計調査等についての報告がありました。もう既に皆さんご承知のとおりでございます。完全失業率、消費支出、CPI、有効求人倍率等でございます。それから、皇族の海外ご視察の予定の発表がありました。地方競馬全国協会の人事、それから尾身大臣、赤城大臣海外出張中の臨時代理のご指名がありまして、ここで閣議が終わりまして、閣僚懇に移りました。閣僚懇におきましては、今回の地震に関連した話と、最後に総理から、今回選挙の結果を受けて、昨日総理が方針を発表されておりますけれども、同じような趣旨のご発言がありまして、これに対して、閣僚一致して支えていこうという趣旨の発言もございました。以上でございます。

質疑

記者:
その一致して支えていこうと発言された閣僚はどなたですか。
大臣:
それは言わないことになっています。
記者:
それでは、参院選の関係で、歴史的与党の大敗ということですけれども、これの受け止めですね、それから後、赤城大臣あるいは年金問題、それから遡れば産む機械発言といろいろ閣僚への批判も強いわけですけど、それも含めた話を。それから安倍総理が、続投を表明されていますけど、これについて。以上、まずお願いします。
大臣:
今回の参議院の選挙におきまして、大変自民党が、また与党が、後退をいたしまして、私どもとしては、国民の審判を本当に厳粛に受け止めて、総理も言っていることですけれども、反省すべきは反省していかなければいけない、このように強く感じておるところでございます。そのよってきたるところということにつきまして、私どもの役所の年金の問題というものが、大きな要因として作用したということが、考えられるということでございますが、私どもとしては、対応をすでに公表をして、これの実現ということをきちっとやるということを考えております。それで、その趣旨に従って、候補者もまた政府の関係者も大いにそのことの説明に当たったわけですけれども、やはりその前提になった記録についての管理が、よく整理されていたものではなかったということに対する批判というものが強く作用したというふうに考えるほかないわけでありまして、この点については、私は、大変申し訳ないと考えているところでございます。今後、私どもとして、やるべきことは、既に決定された新しい対応策ということをしっかりやっていくということにつきるだろうとこのように考えております。
記者:
総理が続投されることについては、いかがでしょうか。
大臣:
総理のお考えは、既にご自身の口から国民に対して、はっきりと説明をされていらっしゃるわけであります。私どもといたしましても、先ほどの閣僚懇談会での発言をご紹介いたしましたけれども、総理のそうした趣旨をしっかりと体して、一致協力していかなければいけないと、このように考えております。
記者:
年金問題で、民主党は、記録問題に対する対応策とか、あるいは社保庁改革の方向、あるいは年金制度そのものについて、政府与党と大部異なる主張をされていました。今回、参院選では、その民主党が与党の議席を上回るという結果になったわけですけれども、それについての大臣の受け止めと、あと今後、民主党の主張を考慮して年金の分野の運営に当たるのかという点についての考えをお聞かせ下さい。
大臣:
これは、記録の問題につきましては、私ども、新しい対応策を既に公表し、それに着手をしているわけですけれども、これ自体もいろいろと国会論議を踏まえて各党の意見も採るべきは採るということで、いわばそうしたものを我々の考え方とつき混ぜて総合的に決定しているものでございます。従いまして、野党の皆さんとそこのところで非常に考え方を異にするということではなくて、やはり先ほども言ったように、そもそもそうしたことがなぜ事態として存在したかということに対する国民の皆さんのご批判があったんだろうと考えているわけでございます。従いまして、私どもとしては、決めた新しい対応というものについて、きちっとやって、早く記録問題について、国民の皆さんから批判を、あるいは不安を感じられるようなことがないような事にしていかなければならないと考えているわけでございます。制度論の方についても、若干意見があったことは、私もよく承知をいたしております。特に、基礎年金部分についてそうしたご発言があったことは、私もよく承知をいたしているわけでございますけれども、これについては、もう税方式にするか保険料方式にするかということでございますので、それについて何かこの国民の判断が、明確にあったというふうな感じは持っておりません。従って、この点については、今後とも国会の中で十分議論をしていくことによって、私どもとしては、私どもの考え方を更に明らかにして国民の理解を得ていきたいと考えております。
記者:
大臣の産む機械発言についての影響というのは、どうお考えになりますでしょうか。
大臣:
これは、やはり私もかねて申し上げているとおり、適切を欠く発言であったということで、お詫びを申し上げたところでございます。そういうことが今回、選挙に対しても影響をしているということは、全く考えられないということではないと、私も考えておりまして、引き続いて深く反省し、また、そうしたことを償うべく、自分が与えられた仕事を一所懸命やっていきたいと考えております。
記者:
参議院で、野党が過半数を占めたことになるわけですけど、秋の国会でですね、継続になった労働三法の審議があると思うんですが、そのあたり、民主党も対案を出したりしておりますけど、野党の案を取り入れていくというお考えはあるのでしょうか。
大臣:
労働三法につきましてもですね、いろんなご議論は既にあったわけでございまして、私どもとしては、その説明に最善を尽くさせていただいたという考え方を持っております。しかし、衆議院段階でございまして、参議院でもやや入口的な議論はあったわけですけれども、十分議題に挙げての審議というわけでは当然ないわけで、その参議院の構成が大きく変わったということでございますので、まず私どもとしては、衆議院の審議を終了して、しかる後に参議院に行った場合には、かなり顔ぶれも変わっていっらしゃると、そうも想定されますので、よく説明をしていきたいと思います。現在段階としては、そういうことで我々として、我々の案をよく説明することによって理解を求めたいということでございます。
記者:
年金の基礎年金部分の引き上げを21年までにするわけですけど、消費税の議論も選挙にありました。国庫負担の財源をどういうふうに求めるかについてお聞かせ下さい。
大臣:
安定的な財源ということが法律、附則ですけれども、謳われておるわけでございます。だから、安定的な財源ということの意味するところというのは、やはりまず、国債とかそういうものであってはならないということですし、更に言いますと、経済成長が潜在成長率を場合によって上回って成長するということもあるわけですが、時期によってですね、そうした、たまたまの税収でもって裏打ちするということも考えられていないんだろうと思います。従って、安定的な税収で、税外収入って考えられませんから税収で裏打ちされるということになるわけですが、なるが故に、消費税を含む抜本的な税制改革の中で考えていきたいと、こういう事になっているわけであります。だからそのための議論を秋口から始めていくということになる。こういうことを選挙期間中もずっとみんな与党の人間は言っていたと考えております。
記者:
安定的な税収というふうに考えたとき、やはり消費税となると思うんですが、消費税について財源を充てて欲しいということはありますでしょうか。
大臣:
安定的な財源のために税制改革というものが必要だという考え方がまずあると、その税制改革の中には、消費税を含むということが謳われているというのが、現段階、この論議を始めるそのスタートの考え方の枠組みということになっていますから、その枠組みの中身を更に議論していくということの中から結論を見いだしていくということになると思います。
記者:
アメリカの下院の本会議で、従軍慰安婦問題について、日本政府に公式謝罪を求める決議案が可決されたと、これについてはどう考えていらっしゃいますか。
大臣:
一つの国際的な世論というものをうかがい知る、何というか、要素というか、そういうものだろうと思います。我々としては、やはり、この問題について、実は、私も当時、どこにいたのかな、村山内閣の時にですけれども、アジアのそうした方々に対する気持ちを表そうというようなことで、基金を発足させたことがあると思いますが、それはもう解散になったのでしたかね、そういうことを通じて、そうした方々の気持ちというものをよく受け止めていくということは既にやったし、これからともに、考えていくべきことだと、このように思っております。
記者:
謝罪という法的なことはないと思うのですが、何らかの説明が、さらに、アメリカあるいは東南アジアとか、アジアに対して必要だということになりますか。そうでもないですか。
大臣:
その時もそうした考え方で、そうした該当の方々の女性に対しての気持ちをよく受け止めて、私どもとしてやれることをやろうということで基金を打ち立てたと思います。
記者:
今年度の最低賃金をめぐる目安の審議が、今、山場を迎えているのですが、今回の選挙で、一人区での自民党大きな敗北という結果を見ると、格差に対する地域の怒りというのは大きいと思うのですが、それを踏まえた上で、今、山場を迎えている最低賃金の目安の審議について大臣なりのお考えと、今、審議している最中ですので、具体的には言いづらいと思いますけれども、大臣として、いくらぐらい上がればよいかという希望がもしあればお聞かせください。
大臣:
我々としては、選挙結果の如何ということではなくて、選挙が始まる前から、とにかく引上げの方向ということで、私が言う言い方で言えば、最低賃金法の法改正はできなかったけれども、その法改正を企図した客観的な事情の認識というものは、我々変わりませんと、それから、おそらく、みんなも変わらないでしょうということで、したがって、そういう事情を踏まえて、たしかに、具体的な方策として生活保護の生計費との比較というようなこと、あるいは、調整というようなことまでは、審議会に申し上げられないのだけれども、しかし、前提になった事実というのは、我々も客観的な事実だし、その認識は変わりませんと、だから、その方向でお考えいただきたいということを強く申し上げているはずでございます、説明として。それは選挙の前からそうでした。それが選挙によってどうだということですけれども、選挙の結果においても我々の考えていることが間違っていないということだろうと思います。一所懸命とにかくやっていきます。
記者:
やはりいくらぐらいとは。
大臣:
それは目安の審議を今お願いしている最中ですから、差し控えたいと。
記者:
原爆症の認定訴訟ですけれども、昨日、熊本地裁で判決が出まして、原告21人中19人が勝訴、これで国が6連敗という結果になっているのですが、原告側は控訴の断念を国に求めています。訴訟への対応と、それから、認定基準の見直しについての大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
大臣:
これまでにもいろいろな判決をいただいておりますし、なおまだ予定されているものもあると、こういう段階でございます。したがって、我々としては、これまでと同じように、私どもの判定の基準というのは、専門の審議会の先生方で、今日まで、私どもが獲得している科学的な知見というものに基づいて行わせていただいているということでございます。そういうことについて私どもは理解を求めたいということが基本ですけれども、いずれにしても、具体の判決についてはまだこれから関係省庁とも打ち合わせをしまして、対応をしていくということになろうと思います。
記者:
社会保険庁の監視委員会についてですけれども、先週、総務大臣から勧告が出ましたが、社会保険庁内部からは、精査に着手していないというのは誤解ではないかという声も出ているようですけれども、それについての受け止めをお願いします。
大臣:
この前の会見でも皆さんに申し上げましたと思いますけれども、私自身も監視委員会というものがあった方がよいということで、私自身が提案をさせていただいた、ただ、こういう仕組みでというところまでは、私自身は別段言及したことではありませんけれども、いずれにしても、最終的にこういう形になったということでありますから、私どもとしてはしっかり監視をしてもらって、それで、高い評価をいただくように努めていかなければいけないと、こういうことを言って、部内に対して私自身が指示をしているところです。今回のことは、ちょっといきさつを聞いている限りでは、言葉が足りないというか、要するに、きちんと説明をしていないという感じがいたしました、私の感じはですね。ですから、何らかの機会に、この監視等委員会に対する対応というものについて注意をしておきたいと、このように考えています。
記者:
今日一部報道で、厚生労働省の労働基準局が、職員の深夜帰宅用のタクシーチケットに特に使用規定とかを設けずに、チェックもずさんに行っていて、職員が私用に、プライベートにタクシーチケットを使っているという疑惑があるというような報道が出ているのですが、それについて把握されているのでしょうか。
大臣:
把握というか、報告は受けています。現在、事実の調査中ですが、もし事実であれば、もう遺憾千万ということです。
記者:
関連なのですが、特別会計のタクシー券については使用規定がなかったということですが、これについては適切なものだと思われますか。
大臣:
全然適切ではないよ。
記者:
局によっては、使用規定がある所もあれば、ない所もあるということですので・・・
大臣:
もちろんあるべきだと思うのですが、あるからないからという問題ではないでしょ、今回のことが事実としたら。
記者:
つまり、タクシー券の半券を使用済みと・・・
大臣:
つまり、何のためにそういうものの便宜を図っているかと。交通機関がなくなってしまってから帰宅できないわけですよね。そういうことなのであって、何か起点が違う所からだなんてのは、全くこれはもう言語道断です。
記者:
そうしますと、実は、私ちょっと取材してみたのですが、社会保険庁にも特別会計があるのですが、そちらが先週の木曜日から、その件で取材を依頼しているのですが、全く返答がないのですが、この点についてちょっときちんと・・・
大臣:
それはどうぞご取材をいただきたいと。私が取材を受けろという命令を出すわけにもいかないので、はい。
記者:
これに限らず、労働基準局長も取材をしたいと言っても全然応じませんし、今回問題になっているチケットを振り出している当該課があるのですが、そちらの課長も取材に全く応じないということなので、非常に不誠実な対応だと思っていまして、ここはきちんとそういうふうに国民に対して明らかにするようにというような大臣の・・・
大臣:
基本的には、私、今ここで申し上げたとおりであります。ただ、取材について、取材に応じろとかと、そういうことはちょっと私の立場でですね。できるだけ常にオープンであるべきだということですけれども。
記者:
大臣が把握していらっしゃる事実というのはどういったことを、今、報告を受けていらっしゃるのですか。
大臣:
いや、こういうことがありましたということです。
記者:
こういうことというのは。
大臣:
つまり、タクシーのチケットについて、私用ではないかというように疑い得るケースということで、報告を受けたわけです。ただ、事実は調査中と。
記者:
タクシーのチケットの控えを廃棄しているということなのですが、これはいわゆる文書保存規定みたいなものに抵触するとお考えになりませんでしょうか。その日のうち、その週のうちに捨てるということについてはどうでしょうか。
大臣:
タクシーはあれでしょ、こういうもともとチケットで乗れるような冊子があらかじめ配られていて、それで、チケットを切るとその半分というか、残りかすみたいなところが残って、そこに控えをしておくと、こういうことだろうと思います。これは、経済的な行為ということですけれども、やはり、職員の正規の使い方ということを事後的にチェックしなければならないということであれば、一定期間やはり保存をしておくということでしょうね。
記者:
調査させているということは、もう調査は始まっていると考えてよろしいのでしょうか。
大臣:
だと思いますよ、はい。
記者:
調査結果は公表されるのでしょうか、事実であれば。
大臣:
事実であればそうなると思いますね。
記者:
公表されなければ、事実ではなかったということでしょうか。
大臣:
それはそうですね。

(了)