閣議後記者会見概要
H18.09.01(金)9:55~10:08 省内会見場
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 今日は、7月の完全失業率は、季節調整値で4.1%となり、前月と比べ0.1ポイントの改善、就業者数は6,421万人と11万人増加、完全失業者数は268万人と21万人減少という総務省の労働力調査を受けて、「有効求人倍率は、季節調整値で1.09倍、前月を0.01ポイント上回った。有効求人は前月に比べ1.2%の増加、有効求職者は0.3%の増加」という報告をいたしました。「来年度の概算要求に必要な事項を盛り込み、雇用情勢の改善に努めてまいりたい。」一方で、再度申し上げましたのは、「雇用情勢の地域差や若年者の雇用問題及び正社員就職の促進などの課題の解決には、産業、教育政策や地域経済の活性化に向けた取組みが必要であり、各閣僚のご協力をお願いしたい」ということで発言をさせていただきました。それから、あわせて、日曜、月曜と中華人民共和国に行ってまいりましたので、その報告をいたしました。衛生部長、医療の責任者です。それから、労働社会保障部長、労働問題と社会保険全体を担当している役所でございます。それから、労働安全衛生を担当する国家安全生産監督管理総局長の3人と医療問題、社会保障問題、雇用問題等について意見を交わしました。実は、衛生部長と厚生労働大臣の会談は、19年ぶりということになります。なぜ行われなかったのか私もよくわかりませんけれども、特に、感染症問題、鳥インフルエンザ問題が、現実的な大きな課題となる中でございますので、日中間は、例えば今、WHOの事務局長選挙に両者が候補者を出して、ある意味では競争することになりますけれども、しかし、アジアの中の日本、中国として協力していかなければならないことが保健衛生部門はかなり多い、労働安全衛生部門というと、逆に日本の勉強をしたいというのが、向こうのスタンスでしょうけれども、保健衛生部門というと、かなり連携をしていかなければならないということでございますので、そうした交流をさせていただきました。特に、労働関係ということになりますと、昨年の1月に向こうが来られて、尾辻さんと会って、今回私が行って、また来年向こうから来てもらうというようなことで、大体相互訪問が軌道に乗るのではなかろうかと思っております。それから、二階大臣から平成18年度中小企業者等に対する特定補助金等の交付の方針について、米国及びマレーシア出張について、IT担当大臣から、マレーシア及び韓国訪問について、それから、外務大臣から、総理のカザフスタン及びウズベキスタン訪問について、国土交通大臣から、スロバキア、スロベニア訪問についてご報告がございました。
アスベストの全面禁止措置に係る改正労働安全衛生法施行令の施行について
- 大臣:
- それから、本日、改正労働安全衛生法施行令が施行され、アスベストの製造等が全面禁止されたところでございます。これは、昨年のアスベスト問題に関する関係閣僚による会合において、「全面禁止を前倒しして、関係法令の整備を行い、平成18年度中に措置する。」こととされていたものでございます。さらに、一日も早くアスベストの全面禁止措置を講じるとの立場から、できる限り急いで手続きを進めるよう事務方に指示してまいりましたけれども、9月1日、今日からということで、施行になります。今日から、アスベスト全面禁止、やむを得ざるものだけが使うことができるということになります。これは、例えば、原子力発電所等、極めて高温な、そういうものの設備に、まだ使わざるを得ないものということです。以上です。
質疑
- 記者:
- 先日、肝炎の訴訟で、また福岡地裁で、一部国が敗訴という判決が出ましたが、これの受け止めと今後の対応についてご説明ください。
- 大臣:
- 厳しい判決だと思います。国側の主張が受け入れられなかったという、半分そういう判決になった。一方で、55年、62年裁判官の見解も分かれているし、また、私どもから見て、医薬品行政の根幹に触れる問題をそれぞれの立場で裁判官が判決を下されたなということでありますので、基本的にこの判決をそのまま受け入れるというのはなかなか難しいと考えております。法務省等と十分協議しながらですが、もう既に前の大阪の問題について控訴いたしておりますので、そういう方向になるだろうと思っております。
- 記者:
- 昨日、新しい医師の確保対策が決まりました。改めてですが、医師が足りないというような声がかなり地方から出ていたわけですけれども、この問題というのが解消に向かうというふうに考えてよろしいのでしょうか。
- 大臣:
- 基本的には、短期と中長期的な考え方があるのだろうと思います。したがって、国会でずっと問われたときも、入学定数を増やしたからといって、かなり年数のかかる話になりますよ。そういう意味では、今回の施策の中でも、できれば、これは大学当局が判断することですけれど、途中から既に大学に通っている人の編入を認めるとか、そういうものも含めてできるだけそれを短縮するというのも1つの方策としてあるだろうと思います。一方で、私の県を例に取りますと、やはり、大学を卒業して地域に残ってくれる率というのは、やはり地域出身者でないと。その地域に残って、特に過疎医療まで担当してくれるということになると、やはり地域の人材というものをしっかり作り上げていかないと難しい。この間、茨城に行って同じような話を聞きました。茨城で話していましたら、北東地域がなかなか医師不足だと、しかし一方で、高校を卒業する人たちが、その地域の人たちで医師を目指そうとする人がいるのかと調べてみると、極めて少ない。そうなると、この地域に帰ってきてくれて、将来医師として活躍してくれる人材、今なかなか見あたらないですよ。それではそこへ、東京の人、大阪の人に来てもらってやるというのは、なかなか難しいだろう。そうなりますと、やはり知事さんが中心になりながら、やはりしっかりとした計画を組みながら、それは、時間がかかる話だけれども人材育成という問題も考えてもらわなければならない。また、医師の偏在というものをできるだけ解消するように、集約化を図ったり、様々な問題をやっていかなければならない。また、県の中でも、極めて遠い所は、場合によってはヘリコプターを使う、高速道路を整備するというようなことも必要だろう。要するに、総合対策の中で、この偏在問題というのは解決していかなければならないだろうというのが一つあります。もう一つは、産婦人科医が足りない。小児科医は順調に増えている、皆さん方はご承知だと思います。では、産婦人科医が足りない。いや、産婦人科医をやっていたのだけれども、分娩というものについては取り扱わないという人たちが出てきている。そこは、昨年来いろいろな議論をされてまいりました異状死の問題、それから無過失責任の問題、そういう問題をきちんと整理をしながら、医療に携わる人が自信と誇りを持ちながら、その仕事をやっていくという体制だけは、何とか。これは、富山県の射水病院の尊厳死の問題。それから、福島県の異状死の問題、それから、最近医師会等から出ております、無過失保障という問題、こういう問題をやはり整備しながら、現実に医療に携わる人たちがしっかり仕事をしてもらう体制を作らなければならない。今申し上げたような、これは国全体の話です。それから、地域医療という面から考えると、やはり知事さんとしっかりやりながらやっていかなければならない。したがって、今回の入学定員を10名を増やさせてもらうという方向付けも、これは文部科学省と随分やりながらやってきました。しかし、最終的には、地域医療を担う人材を育てるというところに、県とそれぞれの大学が合意してもらわないと進まないですね、はっきり申し上げて。もう、成績順で全部採りますという話になると、なかなか地域医療に貢献してくる人材というのは育ちにくい。そこは、大学と県当局というものがしっかり話し合いをやっていく。そこで、県と大学の信頼関係が生まれてきますと、より医療政策全体にも、これは波及することになるだろうと。そういう意味では、入学定員を増やしますという話は、まさに大学当局と各知事さんが真っ正面から向かい合いながら、この地域医療をお互いに考えていくということの実はきっかけになってもらったらいいなと。これだけで、言われるとおり、解決できるとは思っていません。私の三重県一つを見ましても。そういう意味では、そういうものを通じながらやっていくものであろうと。これで全部足りるかと言ったら、まだ足りない面もあると思うので、しっかり見ながら、今回はこういう政策を打ち出させていただいた。その後の議論の中で、加えるべきものがあればどんどん加えていく。修正すべきものは修正していくということについては、基本的にそうしたスタンスで臨んでもらいたいと思っています。
(了)