閣議後記者会見概要
H18.01.17(火)10:55~11:12 省内会見場
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 今日は、平成18年度税制改正の要綱について財務大臣からご発言がございました。それから、併せて財務大臣から、米国出張について、内閣府特命担当大臣、中馬規制改革担当大臣ですが、スペイン・ポルトガル及び英国訪問について、中川農林水産大臣の米国及びメキシコ訪問について、環境大臣からオーストラリア及びインドネシアの出張について、それぞれご報告がございました。国際穀物理事会(IGC)次期事務局長選の結果ということで、北原さんが承認され2月1日から就任することになったという報告がございました。同様の趣旨の報告が外務大臣からもございました。外務大臣臨時代理安倍さんから総理のトルコ訪問についてご報告がございました。
- 閣議後の懇談会で降雪被害の問題について、特に長野県が厳しい状況にございますので、小坂大臣からご発言があり、降雪の被害それだけではなくて、残雪、それから融雪、この被害が続くことになる。降雪のみならず、その後の対応、たぶん農業にも影響してくるだろうということで、ご発言がございました。もう報道されておりますとおり、昨日保育所においても事故があり、園児一人の尊い命が失われました。誠に残念であり遺憾でございます。小学校の児童が通学時に被害に遭った時にも、保育所においては、たぶんバスなり父兄の見送りが多いだろうけれども、かつてのように保育園に不審な人が入ってくる可能性がないとも言えない、園児の安全を守るために各地域、各保育園全力を尽くしてほしいというお願いをしたばかりでございました。重ねて各自治体を通じながら、園児の安全というものについて、もちろん今までも出来るだけのことをしていただいているとは思っておりますけれども、一層努力をしてもらいたいということを警鐘を鳴らしていきたいと思っております。以上です。
質疑
- 記者:
- 昨日、年金の一元化について政府・与党での協議会がスタートしましたけれども、今後どのように進めていきたいと大臣はお考えでしょうか。
- 大臣:
- 連休前までに、1つの結論を出すようにというのが今回の方針であろうと思います。ご承知のとおり、2年前の年金法案の処理の段階で、与野党で社会保障問題をしっかり考えていこうということで、当時安倍幹事長、冬柴幹事長、それから岡田幹事長でサインをしてもらってスタートしました。その後、選挙を経ていろんな経過がございましたけれども、衆参の与野党の協議会が出来上がって、そこで議論に入っていった。その中で、与党としては、被用者年金の一元化が最優先の課題である。野党は、国民年金まで含めた一元化が課題である。認識の違いがございました。その議論の中で、それでは政府・与党として、特にその時は与野党の話し合いですけれども、与党として、被用者年金の一元化案を示せと野党から強く要求されたということも事実でこざいます。常々申し上げておりますとおり、年金問題については、2年前の議論から始まりまして、今私どもが最優先にすべきことは、国民の年金に対する信頼の回復、これが大事であろうと思っています。そういった意味では、社会保険庁改革というのが第1の課題。第2の課題として、年金がサラリーマン、民間の皆さん方との差異がある。これはもうご承知のとおり、国会議員の問題が一番最初に取り上げられた。多分、国会が始まりましたら、議運で議論されて、3月31日までに結論が得られるものと思っております。それは、法案通過・成立となっていくだろう。社会保険庁改革も法案を提出するということになりますと、1つだけ2年前から議論してきたものが残されてしまうということになりますので、厚生年金を所管いたします我が省としても全力を挙げてこの問題に取り組みたい。前から申し上げておりますとおり、最大の課題はやはり掛金率、厚生年金と共済年金、特に、地方公務員共済、国家公務員共済と民間の厚生年金との掛金率が違う、掛金率が違うのにかえって共済年金の方が高い年金を支給されているのではないか、要するに低い負担、多くの給付ではないか。民間の負担と給付とのバランスから考えると、少し公務員の共済年金はある意味では恵まれ過ぎているのではないだろうか。その大きな要因として追加費用というものがあるという議論の中で、これから詰めていかなければならないと。私どものスタンスとしましては、先ほど言いましたように、負担と給付というものが、民間と同様な形で一本化をされていくべきではないだろうか。まず、財政的に一致しながら、一方で共済年金の数も多いので、これをどういう段階を経ながら、1つにしていくかというのが大きな目標であろうと思います。例えば、今国民年金の徴収、社会保険改革で一番大事な話をやっているんですけれども、厚生年金を会社を都合で辞めた、次の新しい会社に勤めない限りは国民年金に入ってもらうというのは当然でありますけれども、一方で共済年金という我々がなかなか情報を得られないシステムがあるものですから、必ずしもつながっていない。厚生年金を辞めたなら、国民年金という形できちんとフォローアップしていくんですよというものに(共済を辞めた場合には)2ヶ月実はタイムラグを置いております。そういったものを含めて、少なくとも1つの場所ですべてのものが分かるようになってほしいなと思っております。一方で、今日これから社会保険事務所に視察に行くんですけれども、視察前に少し聞かせてもらいました時に、必ずしも人通りの多い所で利用者数が多いとは言えない。社会保険庁の事務所ですね。まだまだ国民の意識の中で、自分の年金経過、そして将来的にどのくらいのものをもらえるかといった、こういうことにみんな興味があるのですが、自分の所属する地域に帰らないとその情報が得られないのではなかろうかという、場合によっては誤解なのかもしれませんし、私どものPRが足りないのかもしれませんけれども、あるように思います。したがって、人口の多い地域の利用者数はかなり多いけれども、例えば東京の都心ですね。都心で人口の流動性が高いと、そこでは余り問い合わせが来ていないのが実態です。社会保険事務所について、もう少しこれから愛称を求めますけれども、そこでいつでも皆さん方の照会に応じられますということを国民にしっかりPRしていかなければならないと、そこがしっかり機能を果たしていくためにも出来るだけ私どもは年金の一元化をした方がいいだろうと、こんな思いを国民サービスという面でも思っております。
- 記者:
- 今回は一元化の協議会ということになるんですけれども、2年前の年金改革のときの宿題としては、例えばパート労働者の年金をどうするのかとか、女性の年金をどうするのかという宿題があったと思うんですけれども、この議論は今回一緒にやっていくのでしょうか。
- 大臣:
- パート労働者といっても事実上ほとんど厚生年金に入るんですよね、現実は。金額的に言えば入らなくてはならない。要は自営業という人達の問題等はあります。しかし、そこは正直申し上げて、雇用側の負担がない中できちんとした整合性を合わせるということについては、なかなか難しいねと。もう少し議論は次の段階として詰めなくてはならない話であろうという話を既に整理して申し上げているところであります。例えば国民年金基金とか、2階建て部分は正直言って用意されていることも事実であります。そこの充実をもう少し図ればいいという議論になるかもしれないなという感じは受けております。そういう意味では、そこは与野党の議論の差がある。
- 記者:
- 大臣は、パート労働者のほとんどが今厚生年金入っていると。
- 大臣:
- 入らなくてはいけない人で、入っていない人達がかなり多いということ。もう少し厚生年金に入っていただくように進めていかなくてはならない部分があるんじゃないですか、正直言って。労働時間の面でですね。
- 記者:
- 確認なんですけれども、大臣としては財政的な一元化だけではなくて、共済・厚生両年金の制度の一元化を目指すということでしょうか。
- 大臣:
- 最終的には、1、2階建てについては制度の一元化を目指すべきであろうと思います。もちろん共済年金の数が多いものですから、時間と手間がかなりかかりますという議論が出ていることは承知しております。しかし、最終的な方向付けというのは、一元化の方向で行くべきだろうと私は思います。
- 記者:
- それは積立金も含めて、組織も含めた一元化ということでよろしいのでしょうか。
- 大臣:
- 将来的には。
- 記者:
- これは、いつ頃、どのくらいのタイムスパンを予想されているのでしょうか。
- 大臣:
- 今議論されているので、私が発言をしていいのかどうかという問題はありますけれども、最終的には厚生年金・共済年金、こういう壁が全部なくなって、1つの管理で、先ほど申し上げたように、国民から見てもサービス向上が図られたという方向で整理していった方がいいのではなかろうかと思います。官民格差という話だけではなくて。
- 記者:
- 制度の一元化は、4月までにまとめるという基本方針ですね。
- 大臣:
- 案ですね。要するに、今やろうとしているのは、法律を出しますという話はしていないんですよ。4月に、基本的な考え方を決めましょうと。例えば今回の行革もそうですね、基本的な考え方を法律に盛り込んで出して、しかし、その後のステップを決めながら金融の改革とかいろいろ進むわけです。今回は法律でもない。基本的な政府の方針として方向付けを決めましょうというところがあるわけですから、その中において、例えば経過期間をおかなくてはならないものはいろいろあります。お分かりのとおり、共済年金の中においても国家公務員共済と地方公務員共済の統合問題というのを、ある程度の年数をかけてやろうということになっているわけですから、現実問題として。それを乗り越えてしまって、先に行ってしまうというわけにはいかないでしょう。しかし、考え方の整理はもう終えましょうということではないでしょうか、今回の議論は。
- 記者:
- その考え方の整理を基本方針の中に盛り込むことになるのでしょうか。
- 大臣:
- そうでしょうね、考え方の整理が基本方針でしょう。
- 記者:
- 制度一元化を目指すということですか。
- 大臣:
- それは私の考え方を申し上げた。議論が煮詰まらないで、この問題はもう少し時間をかけましょうと、結論を得られるかどうかわかりませんよ、それはこれからの話ですから。
- 記者:
- 大臣の直接の所管ではないんですけれども、ライブドアにですね、家宅捜索が昨日の段階で入ったということがありまして、それについてのご感想をお聞かせ下さい。
- 大臣:
- みんなびっくりしているのでしょう。みんなびっくりしているんじゃないかなと思いますと同時に、やはりまさに法の下で厳正に調べが続いて、もしかけられた疑惑なら晴らす責任があるだろうし、また逆に検察の方は、今ああいう決断をされたわけですから、それは国民の前にはっきりこういうことで問題があったということはされるべきだろうと思います。それによって日本の証券市場、国民からもう少し分かりやすいものに変えていかなくてはならないのでないかと思います。少し分かりにくいというのは、昨年来のテレビ会社との様々な中で、一般国民として何となく分かりにくいという感情。私自身、松下電器という会社を辞めて以来、株を買ったことはないものですから、会社の時代も、毎月の掛金で買っていた社員持ち株制度というのがあったからやっていましたが、自分で選択して買ったことはないものですから、よく分からないですけれども、分かりにくいなという意識を持っていることは事実だと思います。
(了)