閣議後記者会見概要

H18.01.13(金)10:23~10:35 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は、厚生労働省に関係する案件は基本的にはございませんでした。小坂文部科学大臣からイギリスに行かれたご報告がございました。それから、閣僚懇で、北側国土交通大臣から道府県管理道路の除雪費補助の緊急配分ということで、事業費169億円の緊急配分を行うことになった。今、新潟と長野に災害救助法が出ておりますけれども、その中で特に孤立した地域については自衛隊の活動というものが強く要請され、現実に動いているというご報告もございました。国としてこういう事が出来るのですけれども、市町村道の問題などもあって、基本的に総務省へ交付税問題だということで知事さん方のご相談が多いようでございます。以上です。

質疑

記者:
自民党総裁選挙の関係なのですけれども、小泉総理が内政懇で選挙に勝てる総裁、靖国は争点ではないという発言をされていますが、この2点について大臣はどう思われていますでしょうか。
大臣:
この間、いろいろ話があって、正直言って1月20日からの国会にこれから臨むわけで、まさに小泉内閣総仕上げの予算ということで臨むので、私のグループは谷垣さんを担いでいるのですが、4月以降でなければこの発言はしないということで括りを致しましたので、そういうご理解を賜りたい。ちょっと早いのでね。
記者:
週明けに、被用者年金の一元化に向けた政府・与党の協議会が始まるかと思うんですが、それに当たって大臣はどんなふうに臨まれるのかというのと、どういう点で、どういうことが問題になるというご認識なのか。
大臣:
昨年、加藤さん、また中川政調会長から問題点を提起されて、それを今日の予算に反映することは難しかろうと。その時にも、私も申し上げたのですが、予算で追加費用問題を話すことは難しいと思うけれども、その真意はこの官民の年金格差というのがもしあるとすれば、これを早期に是正すべきだということではないだろうかと思う。厚生労働大臣という立場からすれば、公務員の方々と民間のサラリーマンの方々の掛金ともらう年金の金額に差があるということについては良くない。少なくとも、1~2階、1階、2階については、同一のものを目指して行くべきではないだろうか。歴史的経過はいろいろあるけれども、最終調整をするというところに結論を得ていかなければならない。それに向けて今、昨年から内閣府が中心になりながらうちの局長も入りながら議論を煮詰めているところで、特に総務省、財務省の両省にものの考え方をきちんと出してやっていってほしいと、基本的には厚生労働大臣の立場としては、一元化が望ましいと考えておりました。
記者:
今の追加費用の話ですけれども、大臣は去年の会見でも追加費用を廃止する代わりにそこを積立金で埋めて、それから厚生年金と一緒になられたのでは厚生年金側がマイナスであるということで、そこについては懸念を表明されているわけですけれども、一方、予算編成大綱の中には、将来的な廃止も含むと言われているわけですが、それはどのように調整されるお考えなのですか。
大臣:
厚生年金の人達が積み立ててきたところに影響するような話だったら、我々はとても受け入れられる話ではありません。かつて、JRの話、それからNTT、NTTは正直言ってかなりの持参金をお持ちになって入ってきているわけで、そうした国鉄の話、それから、NTTの話等を踏まえながら、それぞれ整合性を持ちながらやってきているわけだから、そこら辺に対して、今度は、公務員の皆さん方の追加費用を出さないからそれは厚生年金の財源で将来的に面倒見ろと言われたら、それはとんでもない話だと言わざるを得ない。それは当たり前の話ではないですか。基本的には、先ほど言ったように、格差というものがあって、それを是正をしていくという方向になったら、追加費用自体が今ほど要らないのではないだろうか。低い掛け率で、場合によっては少し上乗せをした年金を支給されているとしたら、少なくとも民間と同様の掛金にまずして下さいと、それから、将来的にもらえるものはイコールにしていくと、そうすると両方がカットされるので、言われるとおり将来的にはなくなっていく方向になるのではないかというのが当然計算上成り立つ話です。
記者:
17年に人口減になることがはっきりした以降、今日初めての少子化対策会議があるかと思うんですけれども、これに臨まれるに当たって、厚生労働省として何らかの提案をされる予定はあるのでしょうか。
大臣:
何回もお話申し上げているように、過去の慣例に従えば、1月1日の発表でした。しかしながら、やはり国民的な議論を巻き起こす必要が私はあるんだろうという判断の下で1週間早めさせていただいた。ご承知のとおり、私の時代は4.3でした。それから約10年間国民意識の改革の中で、少し大きすぎるなということで2.0。私の時代が260~270万人生まれていたのが、昭和30年には150万人程度に1つの是正がされた。それは国民意識の中で様々な改革がされてきて、そこへ落ち着いてきた。団塊の世代と言われる我々も大体それに合って、昭和40年代に子どもを作ってきた。そこまでは大体おおよそ結婚した家庭は、2人の子どもを作るという数字でずっときている。しかし、団塊ジュニアの時代になってきて、急に結婚自体も減り、そして最近では結婚した家庭でも2.0いかないのではないのだろうかというようなことが出てきていますね。ということで、対応策は2つに分かれるだろうと思います。1つは、結婚した家庭で2.0の子どもが生まれるようなきちんとした対応をしていかなくてはならないだろうと。それは小泉内閣として、例えば待機児童ゼロ作戦とかいろいろな改正をしてきました。また、児童手当についても小学校6年生まで拡大ということで、今日国会でご審議をいただくというようないろんな対策を打ってきました。もう1つは、結婚をされないという現実の社会。例えば私ども同世代の女性が30歳までにどうであったかと言えば、たぶん80%くらいの人が結婚をしていた。今は54%、すなわち45~46%の人しか結婚をしていないという現実が社会の中にある。これは高学歴社会という1つの流れもあるでしょうけれども、一方で、なかなか結婚というものについて、うまく自分の目指す人達がお互いに見つからないという状況もあるのでしょう。それから社会全体の考え方もあるのでしょう。そういった要因も直していかなければならないだろう。要は、子育てという側面と結婚という側面、この両面をどう捉えながらやっていくのかということが1番私は大事だろうと思っております。前も何が1番大事ですかと言われたら、要因としては結婚が1番多いものだから、何が1番大事ですかというご質問があった時には、結婚の要因が1番多いという意識の中で、結婚という表現を使ったけれども、それは結婚と子育て、また、女性の働く環境というものをどうしていくかと、男がもう少し理解を示す時代に変えていかなければならないということだと思っております。ただ、今混同しているんですけれども、我々は少なくとも30万を35万に上げて、6年生まで増やしていろいろな対策を打って今国会に臨んでいるわけです。しかし、将来的な課題としてどういうものを詰めなければならないかと、財政的な問題も当然ありますよねという議論をこれから始めようということであって、今国会でご議論いただく問題は昨年の暮れに決定したものをご議論いただくということで、あまり混同されるといけないなという感じはします。いかにも今の予算に直接関係してそうな議論まで出てしまっているものですから、そこは明確に切り分けていかなければならないと思っております。前にこの問題も、消費税問題をあまり話したくないんだけれども、少子化問題というものを捉えた時に、老人対策としては随分社会保障費は出ているけれども、子育てという面ではまだ財政的に少ないのではないかという議論がありますよといった話も、この場でさせていただいたと思います。当然そこの側面はこれからの議論の中で詰めていかなくてはならないと思っております。
記者:
今の話と関連するのですが、一部の報道で出産に関連する費用を、その話だと思うんですけれども。
大臣:
35万円にこれから国会でご議論をいただこうとしている時に、あのような打ち出しを我が省がするわけがない。昔から議論としてはあるんです。もっと言えば30万円が35万円にするというのでいいのか、50万円にするのかという話だし、1人1人の出産費用というのは違いますから。議論としてある話だけれども、それをこれから国会で35万円をご審議いただく時に、報道も少しお気をつけいただければありがたいなと思っております。
記者:
将来的な課題としては、現在検討しているということでよろしいのでしょうか。
大臣:
ずっとある議論です。私も選挙中に話をしました、自分の衆議院選挙の時に。やはりこの問題も基本的に考えなければならない話としてあるだろうと。しかし、暮れの予算編成の中で、そういった議論も踏まえて財政的な問題も整理して35万円にさせていただくということで、1つの結論を見たことは事実です。

(了)