閣議後記者会見概要
H17.12.27(火)10:58~11:15 省内会見場
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 今日の閣議におきましては、災害弔慰金の支給等に関する法律施行令の一部を改正する政令、労働安全衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令が、私どもの役所の関係としてございました。それから、まず、男女共同参画基本計画の変更についてということで特命大臣からご報告がございました。それから、三位一体の改革についてということで官房長官から、「平成18年度までの三位一体の改革に関わる政府・与党協議会の合意を踏まえ、平成18年度までに確実に実施していけるようご協力をお願いしたい」というご発言がございました。それから、官房長官の方から、内閣府の特命担当大臣というのが発令されたので、新しい任務を既に決定をいただいたけれども、加えて「バリアフリーに関する関係閣僚会議」の構成員にも加えてもらったというお話がありました。
- それから、総務大臣から、労働力調査結果、消費者物価指数、家計調査結果及び平成17年国勢調査の速報結果についてご報告がございました。その中で、本年10月現在、国の人口は1億2,776万人で前回の平成12年国勢調査に比べ83万人増加しました。この5年間の人口増加率は0.7%で、戦後最低だった前回の1.1%を更に下回っております。なお、今回の国勢調査結果を1年前の推計人口と比べると2万人の減少となっており、我が国の人口は減少局面に入りつつあると考えられます。したがいまして、今日国勢調査の結果が報告されて、先日私の方から人口減社会に入るであろう、こういう予測結果を発表いたしましたけれども、総務省の国勢調査と一致したということになります。それから、有効求人倍率につきまして私の方から発言をいたしました。平成17年11月の有効求人倍率は季節調整値で0.99倍と前月の0.98倍を0.01ポイント上回りました。有効求人は、2.1%の増加、有効求職者は0.7%の増加、総務大臣からもご発言ございました。併せて、「現下の雇用・失業情勢は、厳しさが残るものの改善が進んでいる」というふうに理解をいたしております。これは、労働力調査におきましては、前月に比べて失業率が0.1%上昇となっているんですけれども、うちの数字は今申し上げたとおりです。その食い違いは何ですかということでありますけれども、景気の回復に伴ってより条件の良い仕事を探す人が増加している。先月と同じ認識でございます。そういう意味では、流れは10月、11月と同じような状況になってきているのかなという状況です。この中で、私自身が思っていますのは、正規職員、この数がやはり地域によってかなりアンバランスがあります。また、必ずしも私どもが期待しているように正規職員を求めるというのが増えているとは認識いたしておりません。例えば、私の地域の三重で申し上げますと、愛知県に近いところが1.6とか1.7という数字が出ています。私の住んでいる地域は大阪に近いものだから、1.2くらいの数字なんですけれども、よく数字を見ますと、愛知県に近いところの数字は正規職員でも1.0近く増えているんです。私のところは1.2になっていると申し上げたけれども、正規職員はやはり0.6しか出ていない。要するに、半分しか出ていない。したがって、そういう意味では、正規職員を求める数、例えば、青森や沖縄という県になりますと。やはり正規職員を求める率というのはまた格段と厳しい数字になっています。そういう意味では、地域間格差というものに、やはりしっかり対策を打たなければならないなというのが今正直言って感想でございます。とりあえず6県、今回順番が少しひっくり返りまして、青森がずっと一番下位でございましたけれども、今回沖縄が一番下位になりました。いずれにせよ秋田、青森、高知、北海道、長崎、鹿児島の6県を副大臣、政務官で回ってもらって出来れば知事とも会談してもらいながら善後策を何か考えていかなければならないとこういう状況にございます。
アスベスト問題に関する関係閣僚会合について
- 大臣:
- それから最後にアスベスト問題に関する関係閣僚会議が行われました。1つは、アスベスト問題に対する総合対策というのが今日打ち出された。その中で、1つは法律を作ってやっていこう。来年の通常国会の冒頭に法律を提出して、健康被害を救済する制度というものをやっていこうということに今日決まりました。したがって、関係省庁と連携を取りながら、法律を出していくことになります。詰めの作業を年内から正月にかけてやっていかなければならないというのが第1であります。それから、第2番目に、この各省庁に共通します関連の建物。アスベストばく露防止措置ということで、補正予算に我が省ですと399億円組むことになりました。福祉関係・医療関係そういったところで4,000カ所を超えるでしょうか、そこへの対策を打っていかなければならないというのが第1にございます。第2に、アスベスト製品の製造等の全面禁止、これが16年度に95%ぐらいの禁止、建材を中心として行いましたけれども、あと5%程度残されております。それを18年度中に全面禁止にもって行くという問題。それから、健康相談ということで、保健所、労災病院、産業保健推進センターなどで健康相談にのって、国民の不安というものを解消していく。それが、今回決められたことの大きな趣旨だろうと思っております。以上です。
質疑
- 記者:
- 今回一応アスベストに関しては会合が終わったわけですけれども、終わっての所感とかいただけますでしょうか。
- 大臣:
- 環境省と厚生労働省が中心になりながら、隙間なくということの中で進めてきました。まだ、国の負担、基金を積んで負担すべきところ、地方がすべきところ、それから多くの産業界の協力を得るところ、また特に関係の深いところ、その数字がまだ出てきていませんので、正直どう積み上がったのかなという感じはいたします。それはまさに法案で、先ほど言いました年末から正月にかけて詰めていかなくてはならないと思います。我が省の労災に関するところについては、基本的に大体制度設計が出来上がったのだろうと考えております。今日の閣僚会議でも各大臣が発言されたのは、スピーディにならなければいけないと。したがって来年1月に法案を提出するわけですけれども、最優先課題として国会で取り組まなくてはならない課題だろうと。そして出来るだけ早く、隙間なくやることによって国民の安心を回復するということが一番大事だと思います。そういう意味では、まとまったからどうですかという感想ですけれども、「これからだな」という感じを受けております。
- 記者:
- 国勢調査で、改めて総人口の減少というのが前年比で数字として出てきまして、改めまして、この要因分析と今後の政府の対策と、あとは年金制度を始めとして社会保障制度に対する人口減少の影響みたいなところをお伺いできますか。
- 大臣:
- この間全部申し上げたことをもう一度話してほしいというようなご質問ですけれども、基本的に少子化対策として、今年の予算におきましても小学校3年生から6年生まで児童手当を拡大してもらった。もちろん医療におきましても、就学時までの拡大というようなことも今回お認めいただいた。予算が厳しい中におきまして、科学技術とこの問題だけはプラス予算ということで組ませていただいた。そういう意味では、いろんな形で理解は進みつつあるんだろうけれども、十分かと言われれば、まだまだこれからやらなければならないことが、役所としてもあると思います。しかし、前から申し上げておりますとおり、これは厚生労働省だけでできるような話とは違います。国民全体の理解、社会の理解、また特に女性が働くということについての理解、これが一番大事だという感じをいたしています。それから先日ご質問いただいた時に何が一番の要因ですかというと、結婚という問題になりますでしょうとお答えしました。数字までの要因分析はしておりませんけれども、私ども団塊の世代と言われる戦後のベビーブームで生まれた者たちは、ある程度子どもを育ててきた世代だろうと思います。団塊の世代の第2世代、この人達が正直言って、必ずしも、結婚し、また家庭を作り、子供を作っていたかということになると、数字的にはそうではなくなってきていますね。そうすると団塊の世代の第1世代と団塊の世代の第2世代の考え方がどう変わったのか、社会はどう変化したのかということを的確につかみながらやっていかなくてはならないと思います。先日総理のご発言もあったのですけれども、例えば男女共同参画という問題、それから所得という問題については、ドイツという国の方が、日本より、より進んだ配慮をされた国でありますけれども、同じように少子化で悩んでいる。したがって所得格差があるとか、それだけによって我が国の少子化というものが、述べられるものではないだろうと、数多くの要因があると思います。それを1つ1つ分析をしながら、先ほど言いましたように、国民全体として協力してやっていくという体制を作りあげていかなければいけないんだろうと私は思っております。年金問題については、正直言って今年に限って言えば、亡くなる方がインフルエンザで多かった、生まれる方も少なかったという状況ですので、もう少し数字を見させていただかないと、直接的な影響は言いにくいという感じをいたしております。
(了)