閣議後記者会見概要
H17.11.29(火)11:03~11:17 省内会見場
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 今日の閣議は、総務省から労働力調査及び家計調査の結果のご報告がございました。11月の完全失業率は、季節調整値で4.5%、前月に比べ0.3ポイントの上昇。1年前に比べると完全失業者数は304万人で7万人の減少。就業者数は6,409万人、57万人の増加というご報告がございました。私の方から、有効求人倍率、平成17年10月の有効求人倍率は季節調整値で0.98倍と前月の0.97倍を0.01ポイント上回りました。そういう意味では、労働力調査と多少違う数字が出ました。有効求人倍率は、前月に比べて0.2%の増加となり、有効求職者は0.7%減少となりました。求人・求職の動向や総務大臣の報告がありました労働力調査結果を見ると、現下の雇用失業情勢は厳しさは残るものの改善が進んでいるところであります。ミスマッチの解消、若者や地域の雇用対策等の諸政策により、雇用失業情勢の改善が進むよう、引き続き取り組んでまいりたいという発言をいたしました。お分かりだと思うんですけれども、完全失業率が4.2%から4.5%に上がった。悪くなった。数字的には。それは、景気回復の段階の途中経過として、より良い仕事を求める、そういう方向性が出てきた。そういう意味では、上がったからといって悪く評価をしておりませんというのが総務省の考え方です。より条件の良い仕事を探す人や、新たに仕事を探し始める人が一時的に増加したということであります。我々の調査の方は、改善をいたしておるわけですけれども、いずれにせよ景気全体の1つの指標として、有効求人倍率はスピードも早うございますし、よく分析しながら、いかなければならないだろうと。その中で大臣から発言がございまして、「かなり良くなったという話を聞かせてもらったけれども、我々の地域との格差はかなりあると、皮膚感覚というか。それはどうなっているのだ。」というご発言がございましたので、私の方から「地域間格差というのは正直申し上げましてかなりあります。この10月でも、青森が0.40、沖縄が0.43,高知が0.47、大臣がおられました北海道では、0.57。また、この中で地域別の数字もございます。」と申し上げました。地域間格差というのをどう取り組んでいくのか、日本全体としては温かみは感じられるようになりました、仕事の数も増えてきた、また、新しい仕事に就きたいという人も増えてきた、そういった流れの中で、遅れている地域について、どう取り組むのかというのがそろそろ政治の課題です。これが閣議の中での皆さん方の発言を聞いていても、また私自身もそんなふうに思っております。そういう意味では、厚生労働行政の中で、特に悪い地域の実態というのをもう少し深掘りして把握をしてやっていく必要があるのかなと、また経済産業省や他の省庁とも連携を取りながら、その遅れている地域の雇用改善というのをどうやったらいいのかというのを、やはりそろそろ詰めなければいけない段階になってきたと受け止めております。
アスベスト問題に関する関係閣僚会合について
- 大臣:
- その後、アスベスト問題に関する関係閣僚会合がございました。基本的には、我が省としては、法案の大綱ができましたので、その中において、次期通常国会に法案を提出するという基本の中で、労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族に対する遺族特別給付金の給付内容、この詰めをこれから第1にしていかなければならない。第2番目に、これも既に公表いたしましたけれども、病院、社会福祉施設等のアスベスト使用実態調査、これを公表いたしましたので、この対応を急がなければならない。今まで予算の中で逐次やってまいりましたけれども、この予算の中で消化できるものではない。したがって、予算要求という形で、約600施設になると思いますけれども、この対応策を予算上できちんとしていかなければならない。財務省との調整をしなければならないと思っています。それから、16日に、環境省と合同で、健康被害にかかわる医学的判断に関する検討会も始めました。中皮腫などアスベスト関連疾患にかかわる労災補償や救済法による給付の認定基準を早急に改正・策定をしていかなければならない。いずれにせよ、国民の安心・安全に対する期待、アスベストに対する不安というものに対して、正面から説明をしながらやっていかなければならないと思っております。いずれにせよ、来国会ということでございますので、しっかり詰めていきたいと思っております。以上です。
質疑
- 記者:
- 先程アスベストの労災の時効の方、遺族特別給付金というお話がありましたけれども、療養の間にかかったお金についても補償してほしいという声があるということで。
- 大臣:
- 療養中の人。
- 記者:
- いいえ。労災が過ぎてしまって、既に亡くなられた方でも。
- 大臣:
- 正直申し上げて、過去のものを全部遡って1つ1つ分析をしながらやっていくというのはなかなか難しいだろうという中で、過去のいろんなものも含みながら年金という形で処理をしていきたいというのが、現時点での我が省の基本的な考え方です。労災の方々、働いていた方々と、それから環境省が今取り組まれている、これらの範ちゅうに入らない、まさに地域におられた方々の被害の問題。この問題については、今環境省で一生懸命詰めているところですから、その問題との整合性もしっかり合わせていかなければならないなという状況です。私どもの範ちゅうは年金全体のという形でやりたいと考えております。
- 記者:
- 閣議の前なんですが、安倍さんとお会いになって話をされたということですが、これは三位一体についてでしょうか。
- 大臣:
- そうですね、昨日4大臣・与党から初めて私ども呼ばれまして、私どもと言うのは小坂大臣と私ですけれども、呼ばれて状況報告しながら、そろそろ結論を出していかなければならないという段階を迎えている。昨日も申し上げましたように、15年の暮れ、16年の暮れ、政府・与党合意の中で、生活保護問題というのを今日まで詰めてきた。そして9回にわたり議論をしてきた中において、やはり生活保護について適正化の方向を何かしなければならないが、その手法について地方と我々の意見が分かれたことは事実だろうと思います。しかし15年・16年の政府・与党合意というものをやっぱり私ども政権内で働いているわけですから、それを大事にしていきたいという中で昨日申し上げたのは、8,000億円の枠組みの中で、生活扶助と言われる部分については「高齢者が多いじゃないか。就労支援だけで片付けるのか」という議論が随分されましたので、私どもは今回はこの問題は取り下げました。住宅扶助と医療扶助、この2点を合わせて地方のご理解を得たい。また、一方で5,040億円という4大臣から出された数字というものも見ながら調整をさせていただいた結果を私の方から出させていただいたわけでございます。特に医療改革の話が随分進んできている中で、県の役割というものは段々増大していくというのはマスコミの皆さん方ご承知のとおりでございます。そういった意味では、医療扶助というものについて4分の3は国、実施自治体が4分の1というスキームから、国が3分の2、そして4分の1を出していた実施自治体を6分の1に下げて、そして県の方も6分の1のご負担をいただいて、もちろん税源移譲をしていくわけですけれども、その中で、この生活保護の方々の医療というものをもう1度正面から捉えながら適正化をしていきたいという1つの投げかけをいたしました。住宅についてはもう一歩踏み込んで、一般財源化をしてやっていこうというところまで踏み込んだわけですから、どうぞご理解を賜りたいということで、今日も安倍さんに申し上げたところでございます。
- 記者:
- 今日は大臣の方から行かれたという形ですか。
- 大臣:
- この間は私から行って、今日は調整ですから呼ばれました。
- 記者:
- 安倍さんについては何らかの指示・方法・方向性というのは示されたんですか。
- 大臣:
- この生活保護の問題ということについては、多分2年前のときの幹事長でいらっしゃったんじゃないかな。そういう意味では良くご理解をいただいていると私どもは思っています。地方の声があることも幹事長もよく分かっておられると思いますけれども。一方で、この問題の議論というのをずっとしてきた経過というものは、幹事長をされた方ですから、官房長官はよく理解をいただいておると思っております。
- 記者:
- もう1点、別の話なんですけれども、先ほどの雇用の関係で地域の悪いところの評価という話なんですが、これは何らかの特別予算ですとか、何らかの特別なチームとか作られる考えですか。
- 大臣:
- 立ち話で経産大臣と少し話したんですけれども、やっぱり本当にこれだけ地域間格差がついてきた中で、どうやっていくのかというのは、分権論議がどんどん進む一方で、これだけ地域間格差が進んできてしまったので、やっぱり中央としても考えなければならない段階になってきているんじゃないのかと。ましてや全体の数値としてはこれだけ上がってきているわけです、安定し上がってきたわけですから。その中において何らかの方策を考えなくてはならない。副大臣等にもお願いして地域の実情調査も目で見てもらおうと、できれば私も見たいなと思っております。というのは私の県も全体としては1.46か1.44くらいで、三重県は全国で3番目くらいに良いんです。良いんですけれども、地域間格差が激しくて愛知県寄りは1.7くらいある、もう愛知県同様。愛知県以上と言ってもいいかもしれない。また中間の津市という県庁所在地も1.7くらいの数値が出てきて、かなり良くなっているんですけれども、南の端というと0.6とかそのくらいの数値になる。同じ県の中でもこれだけ格差がついています。これは知事さんも正面から取り組んでもらっている課題ですけれども、国としても、特に青森・高知・沖縄、それぞれ先端部分ですよね。ここがこれだけの数値になっているというのは、やっぱり考えていかなければならない課題じゃないかと私は思います。ただそこの分析をしっかりしなければならないなと、政治家としても、こんな感じがします。
(了)