閣議後記者会見概要

H17.08.26(金)10:54~11:10 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議における大臣発言からご紹介を致します。平成十七年度中小企業者等に対する特定補助金等の交付の方針について経済産業大臣から発言がございました。続いて、公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的に推進するための基本的な方針について国土交通大臣から発言がございました。続いて、消費者物価指数について総務大臣から発言がございました。さらに同じく総務大臣から麻生総務大臣のインド訪問について発言がございました。また、平成十七年度総合防災訓練について防災特命担当大臣から発言がございました。最後に、岩永農林水産大臣の豪州出張について農林水産大臣から発言がございました。発言は以上でございます。

アスベスト問題に関する関係閣僚会議等について

大臣:
本日は、ただいまアスベスト問題に関する関係閣僚による会合が開かれまして、「アスベスト問題への当面の対応」の改訂と「アスベスト問題に関する政府の過去の対応の検証について」が取りまとめられたところでございます。アスベスト対策につきましては、7月29日の関係閣僚会合以降におきまして、例えば、アスベストばく露者の健康管理の在り方に関して専門家による会議を開催致しましたり、アスベスト製品の全面禁止に向けた代替化検討会を開始致しましたり、アスベスト対策の実施内容を解体と現場の見やすい場所に掲示するよう指導するなど、考え得る対策を迅速に進めてきたところでございまして、そうした取組が「当面の対応」の改訂にも盛り込まれております。今後とも、先日も兵庫を視察してまいりましたけれども、その際にお聞きしたことなども参考にしながら適切な対策の実施に努めてまいりたいと考えております。なお、解体現場等での掲示等につきましては、一目で分かるような絵表示を考えるように指示致しましたが、今ご覧頂いておりますような、案が出来てまいっておりますので、こうした絵の表示もそれぞれの現場で進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。また、検証についてでございますけれども、厚生労働省としての調査結果を報告書として取りまとめました。その結果、労災認定がされていない事例も相当数存在していると考えられ、また、他省庁との連携が必ずしも十分でなかったといった問題点もありますことから、今回の検証結果を踏まえて改善をしてまいりたいと考えております。さらに、クロシドライト及びアモサイトの使用等禁止に関する我が国の取組につきましては、諸外国の動向と比較してなお精査する必要があり、現在も作業を進めておりますけれども、その作業を引き続き進めて参りたいと考えております。労災補償を受けずに死亡した労働者等への対応については、新たな法的措置を講じますことを念頭に救済されるべき方々の被害に対応できるよう適切な結論を得ていく必要があり、厚生労働省としても引き続き十分に検討するよう、改めて事務方に指示したいと考えております。アスベスト問題に関する関係閣僚会議が終わりましたので、以上ご報告を申し上げます。なお、この時間政府全体の取組、それから検証につきましては官房長官が記者会見しておられると思いますし、また事務的にも報告を公表をさせていただいておると思います。さらに厚生労働省としての取りまとめにつきましては、この後、事務方から発表させていただきますのでよろしくお願いを致します。今朝私がご報告申し上げることは以上でございます。

質疑

記者:
先ほど大臣の方から、法的な措置というお話がございましたけれども、どのような体系で考えていくべきであるかというご見解があればお聞かせ願いたいと思います
大臣:
さらに詰める必要がありますので今後の検討をということにもなりますけれども、今考えておりますのは、法的なものについては、まず時期としては、詰めなければならない問題が相当あるものですから次期通常国会になろうかというふうに思います。それから、その内容でございますけれども、今考えておりますのはアスベスト問題に対する一本の法律として取りまとめたいと考えております。それは例えば、我が省に関することであれば、労災認定、確かに潜伏期間が長いものですから、そのことを十分認識して認定してきたかというと私どもも問題があるというふうに考えております。そうした方々をどう救済するか、言い替えますと時効の問題等もございますから、こうしたことをどうするかということを新しい法律で盛り込みたい、というふうに思っております。こういうものが1つあります。それから今度は大きく言いますと、働いておられた人の家族の方々を含めて、周辺にお住まいの皆さんのことをどうするかということがございます。こうした大きく2つありますという、そういったものを全部取りまとめた法律にしたい、と考えておるところであります。
記者:
大臣が今述べられたお考えというのは、今日の会議の中でも確認されているんでしょうか。
大臣:
本日確認されております。
記者:
政府の方針としてですか。
大臣:
政府の方針として確認されたとお考えいただいて結構であります。
記者:
先ほど過去の検証の中で他の省庁との連携が十分でなかったとおっしゃったんですが、厚生労働省としても長い歴史があると思うんですけれども、どの段階でのことでしょうか。例えば51年の通達なんかにもイギリスでの事例が載っていたと思うんですけれども、そういったことを各省庁に十分伝えてなかったということなんでしょうか。
大臣:
51年の例をお話になりましたけれども、そのことで言いますと環境省がそもそも依頼した調査であります。私どもが50年の特定化学物質等障害予防規則を改正する時に、こういうこともありますからといって環境省が依頼して調査をしたものを一緒につけた、「その根拠はこういうものがあります」と言ってつけたものがあの通知なのです。ですからそもそもお互いにそういうやりとりをしていて十分お互いに理解しているはずなのに、後になってみるとその辺の連携が十分であったのかなというようなことがどうしても改めて検証してみなければならないという、またそういう意味で反省しなければならないところもありますねということを言っておるわけであります。ですから過去に遡るとどうしても省の縦割りの中で隙間を作ったのではないかと思われることがあるものですから、特にそうしたものを「今度の新しい法律の中で決して隙間を作らないようにしよう」と言っておるのもそういうことであります。ですから周りの住民の皆さんの問題というのは、うまくやりませんとまた隙間にしてしまいますから、今までのそうしたことを十分反省して決して今度は隙間を作らないような法律にしたいと考えておるんだとご理解いただければと思います。
記者:
検証に当たっては大分聞き取り調査もされたということなんですが、今日の時点でというのはどのような位置づけの報告だというふうにお考えですか。
大臣:
それぞれの分野について「この分野についてはこういうことでした」という検証結果をそれぞれに出しております。ただ今度の報告の中で書いているのですが、検証については今後精査しなければならないこともまだ残っております。特に外国との比較ということについては、今も作業をしております。それからまた近くこの問題では外国にも職員を派遣して、改めて外国がどういうやり方をやっていたのか、そしてそれと我が国に遅れがあったのかなかったのかということも十分に検証しながら検証結果を出したいと思っております。そうしたことでもう少し検証する時間が必要だということを述べているのが1点であります。
それから大きく言いますと、さらに10年後20年後の検証が必要であると考えております。このアスベスト問題というのは、ILO・WHOで石綿のがん原性が認められた昭和47年、1972年が大きな転換期であるというふうに考えております。ここでがん原性が認められておりますので、そのがん原性が認めてられていないそれ以前と以降というのは大きく対応も変わっております。一方、今最近またアスベスト問題が大きな問題になってきて、改めていろいろな研究もなされていおるわけでございますけれども、潜伏期間が今なされている研究では大体平均して38年だとか40年だと言われております。そうしますと1972年に今申し上げた潜伏期間の38年を足しますと2010年になります。実はその時期以降できっちりした検証をもう1回しないと、基本的には1972年にがん原性が認められて、それから行政として対応してきておりますので、その対応がどうであったかという検証は実は2010年あたりのところでもう1回きっちりやらないと出てこないというところもございます。今度の報告でももう1度10年後20年後の検証が必要であるということを述べておるところでございます。報告にそういう書き方をしておりますのは、今申し上げたようなことだということをご説明申し上げたところであります。

(了)