閣議後記者会見概要
H17.05.31(火)09:06~09:26 省内会見場
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 閣議における大臣発言からご紹介を申し上げます。「平成十六年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況」及び「平成十七年度交通安全施策に関する計画」について官房長官から、労働力調査結果及び家計調査結果について総務大臣から発言がございました。引き続き私から2件、「平成十六年度母子家庭の母の就業支援施策の実施状況」及び「平成十七年度母子家庭の母の就業支援施策」について、有効求人倍率について発言を致しております。引き続きまして、平成十七年度「環境月間」及びチーム・マイナス6%の展開について環境大臣から発言がございました。それから閣僚懇になりまして、イラクにおける邦人行方不明事件について外務大臣から発言がございました。閣議・閣僚懇における発言は以上でございます。 なお、今朝私から、昨日JR西日本に対して大阪労働局長から指導を致しましたことに関しましてご報告を申し上げます。 この度のJR西日本福知山線における列車事故につきましては、107名という方々の尊い命が失われるという非常に痛ましい事故でございまして、私も現場を見に行きましたけれども胸のつまる思いが致したところでございます。改めて二度とこうした事故を起こしてはいけないという思いで私もおり、昨日の指導も致したところでございます。こうした事故が二度と起こらないように労働基準関係法令や指針等に照らして問題がなかったかどうか、かねて徹底的に調査をするように指示を致し、今般JR西日本京橋電車区、大阪支社等に対し厳正な調査を行いまして、現段階において改善すべき点が把握されましたので大阪労働局長よりJR西日本社長に対して文書で指導を行いました。JR西日本におきましては、この指導について真摯に受け止め、今一度全社的な見直しを行っていただく、労使協力し全社一丸となってより一層の労働者の安全と健康の確保に努めていただきたいと思います。 またJR西日本に限らず、建設現場あるいは製造工場において今回の事故を教訓として安全衛生管理について今一度見直していただきたいと思っております。このために本日開催されます中央労働災害防止協会の総会においても、改めて各企業、業種別団体のトップの皆さんにも安全管理の徹底について要請を致します。それとともに「全国安全週間のメッセージ」を6月1日から始まる準備期間ととらえ、全国の事業場の経営トップに対して広く伝えていきたいと考えております。私としては出来るだけの強いメッセージを発していきたいと考えておるところでございます。私からご報告致しますことは以上でございます。
質疑
- 記者:
- JR西日本の調査に関してなんですが、昨日も発表があったわけですけれども、ここで見つかった指摘されるべき事項というのはJR西日本特有のものであったという認識ですか。それとも、他の鉄道会社・運輸会社にもこれは共通するような問題があったというふうにお考えですか。
- 大臣:
- 昨日発表した通りでありまして、私が調査の結果報告として受けておることで申しますと、特にJR西日本特有とでも言いますか、「だけ」というものがあったとも思いません。ただ安全衛生委員会では労使双方がよく話し合ってという決まりになっています。そこの部分はJR西日本において不足しておったことは事実であります。これがJR西日本だけのものか、あるいは鉄道各社をはじめとする安全に留意しなくてはいけない各企業において、この安全衛生委員会がしっかり機能しているかどうかというのはよく点検してみる必要があると思っておりまして、そのことについては先ほどから申し上げておりますように、今後私どもなりの指摘・指導をしていきたいと思っております。
- 記者:
- 「母子家庭白書」が今日発表決定ということで、5年間の時限立法の2年目の現状を示したものなんですけれども、非常に雇用状況が厳しくなっています。収入も減っているということで、一方で国が5年間の措置として補助金を出して就労支援をしている3つの事業の自治体の実施率が2割から4割ぐらいしかない、全国で行われていないという状況があるんですけれども、今後3年間の母子家庭の就労支援をさらに強化していくためにどのような取組をなさっていくお考えか聞かせていただけますか。
- 大臣:
- 今日の閣議で私が発言を致しました。その中で、まず、母子家庭の母の就業を促進するためには、母子家庭特有の事情に配慮したきめ細かな就業相談、就職支援や職業能力の向上、雇用・就業機会の増大に向けた取組が重要ですので、これらに関する各種施策の実施状況等を記述しております、ということで。大事なことは、今のご質問の大きな趣旨もそうだと思うんですけれども、就業相談、就職支援、職業能力の向上、雇用・就業機会の増大に取り組まなきゃいかんと思っておりまして、細かな施策については改めてご説明申し上げたいと思います。
- 記者:
- 社会保険庁の有識者会議で今日結論が出ますし、自民党の方も今日が山場なんですが、社会保険庁改革の究極の目的というようなもの、大臣のお考えを改めてお伺いしたいんですが。
- 大臣:
- 一部報道もされておりますし、かねて私が申し上げてきたことでもあるんですけれども、今日有識者会議の答えが出ます。それから党もいずれ与党側の答えということになりますけれどもお出しになると思います。そうした答えが出そろいますとそれを受けて私どもは具体的な作業に入っていかなきゃいけないという手順になります。そのためにはもう一度やはり何らかの形の審議会的なもの、ただ今日までの審議会とはできるだけ違う形にしたいとは思っておりますけれども、審議会的なものを作ってご論議いただいて、そして私どもの具体的な答えというものを詰めていきたいと思っております。そのときに私が皆さんにお願いしたいと思っておりますのは、私はこれまでの国会答弁等を通じて、約束を大きくは2つしていると思っています。1つは、有識者会議の答えは尊重しますということ、これは約束であります。もう1つ社保庁を抜本的・解体的に改革をしますという約束もいたしております。私はこの両方の約束を満足させる具体的答えを作らなきゃいかんと今考えておるところであります。それを国民的な視点でやらなきゃいけない。その答えを探すために、ぜひ国民的な視点でご議論をいただくための審議会的と言いましたけれども、そうしたものを作りたいと思っております。そうした皆さんのご議論をいただきながら答えを作っていきたいと思っておるところであります。
- 記者:
- 大臣はよく徴収率が下がっているということ、何とか徴収率を上げるような組織にしたいですとか、あるいは非常に社保庁に対する不信感、国民に強いですね、その不信感を拭うようなことをできるような組織にしたいというようなことをおっしゃっているようですけれども、具体的な手順ですとか組織の在り方という具体的な内容は審議会で決めるとしても、その心と言うんですか、社保庁を解体していったいどういう組織にしたいのかというイメージみたいなものはどういうふうにお考えでいらっしゃるんでしょうか。
- 大臣:
- そういうことで言いますと、今からいろいろご議論をいただこうと思っているときにあまり私が具体的なことを言わない方がいいだろうと思っておりまして、ご議論を十分にしていただきたいと思っています。お尋ねのようなことで言いますと、1つは徴収率を上げる。これはもう一番やらなきゃいかんことだと思っています。したがって徴収率を上げる組織にするということが1つだと思います。それからコア業務と言われている部分。これをどこまでスリム化できるかが大きなポイントの1つだと思っております。その続きで言うとあと民間にどのくらい任せられるとかいうことと一体の話になるんですが、コア業務をどこまでスリム化できるかが大きなポイントの1つだと思っています。今のお尋ねでまず私がお答えするとすればその辺がポイントだと思っています。
- 記者:
- ミンダナオ島の旧日本兵の情報なんですが、金曜日の会見でお話しした後週末もずっと面会できず、今に至って職員を現地から撤収させるような状況になっているんですが、この経緯に対するご感想とこの問題に対する今後の対応をどのようになさるかお聞かせいただけますか。
- 大臣:
- 私は、遺骨収集でフィリピンの山の中を長いときには1か月程それこそ何回も歩いていますから、現地の事情はよく知っている一人だと思っています。そういう立場で言いますと、まず日本兵が生きておられるという情報は私だけでも何十回も聞いている情報であります。その都度、もちろんそれは生きておられればこんなに良いことはないわけでありまして、是非日本に帰っていただきたいと思いますから、それはもう情報が何回あろうと何十回あろうと我々はその都度一生懸命その情報の確認に努めてきました。ですから今回もそういう中の1つだと思っておりまして、「おられればいいけどな」と思って情報確認作業を見守っているところであります。 ただ横井さんとか小野田さんのときも、これは正確にはそのときのことを調べてみないとわかりませんけれども私の感覚で言って、最初の情報から実際に出てこられた、日本に帰っていただくまでは2、3年かかっています。これは私の記憶なので正確ではないかもしれませんが、とにかく最初の情報からちゃんと帰っていただくまでというのは随分時間がかかるものでありまして、今回もそういう意味でお年をとっておられるから急がなきゃいかんと言われればそれまでなんですが、やっぱり山の中におられる方を探し出してお会いしてという作業は、結構時間がかかるものだと言わざるを得ない。過去の例でもそうでしたということは言わざるを得ないというところもあります。それからまた、現地社会に溶け込んで生きておられる方も結構おられるわけであります。現地の方を奥さんにして、もう子供がいて、孫がいてという方は結構おられます。私もそういう方で存じ上げている方もありますし、けっこうおられるということもあります。そうしたいろんな話の中での話ですから、よくまた調査をしながら丹念に今後確認をしていかなきゃいかんだろうなと思っているところです。それから現地に取材の方々も行かれたのでよくご理解いただいているかと思いますが、大変危険な場所だというのも是非よく知っておいていただければなと思います。私自身が率直に言いまして何回も危険な目にあっていますから、どのくらい危険な場所かというのはよく知っております。そういう危険な場所での確認作業ですから、日本で我々が思うように「おいちょっと調べてこいよ」と言って調べに行けるという状況にないこともまた理解していただいて、最終的に判断するには時間がかかると思いながら私自身はみています。
- 記者:
- 先ほどの社保庁の話で、具体的なことを詰めていく審議会について国民的な視点にならなきゃいけないというふうにおっしゃったと思うんですが、これはどのような方で国民的な視点というものを導入されていくというふうに考えてらっしゃいますか。
- 大臣:
- 審議会的なものを作りたいというのは、まさにその皆さんに国民的な視点で議論をしていただければありがたいというのが、まず基本のことであります。
- 記者:
- 運営の仕方、それから人選といろいろとあると思うんですが、その辺は。
- 大臣:
- それは今からよく考えていきます。まだ有識者会議の答えも出ていない前に勝
- 手に私が動くというのは失礼な話であります。まずは今日有識者会議の答えを出していただいて、それをお受けして私が、先ほど申し上げたように「尊重します」とお約束しているわけですから、尊重して作業を進めていく中での手順ですから、今日答えが出てから改めて考えたいと思います。皆さんにはその答えが出たらご報告をいたします。
(了)