閣議後記者会見概要
H17.04.12(火)09:33~09:50 参議院議員食堂
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 今朝の閣議における大臣発言でございますが、天皇皇后両陛下のノルウェー国ご訪問のご日程について内閣官房長官から発言がございました。第四十六回米州開発銀行年次総会・第二十回米州投資公社年次総会等について財務大臣から発言がございました。町村外務大臣のアフガニスタン訪問及びアジア協力対話第四回外相会合出席等について外務大臣から発言がございました。
- 閣僚懇になりまして、若者対策の効果的推進、雇用に関することについて私から発言を致しました。そのあと、同じ趣旨について文部科学大臣・経済産業大臣・内閣官房長官から発言がございました。さらに、地方公共団体向け補助金等の執行過程における適正化等について官房長官から、閣僚の給与の一部返納について同じく官房長官から発言がございました。
- 先ほど申し上げましたように、若者の雇用、特に雇用情勢について発言を致しましたので改めてご報告申し上げたいと存じます。日頃申し上げておりますけれども、雇用情勢については、改善は見られますけれどもまだ厳しい状況にございます。問題は二点ございます。一つは若者の問題。ミスマッチと言われることが一つございます。それから、北海道・九州のような地域によっては大変改善の遅れがあるという地域格差がございます。こうした問題がございますので、今朝改めて関係府省の連携を強めて一体となって対策を講じていくことが重要であると申し上げたところでございます。昨日、総理にご説明を申し上げましたところ、総理からも改めてしっかりと取り組むようにというご指示でございました。
- そこで、本日の閣僚懇談会においては、関係府省が一体となった効果的な取り組みを推進するために関係大臣で構成される若者自立・挑戦戦略会議を開催し、今年度の施策の具体的な進め方や連携の強化について協議することを提案したところでございます。さらに、厚生労働省と致しましては、まずフリーターの皆さんの対策として、これはまだ仮称でございますが「フリーター二十万人常用雇用化総合プラン」を定めること、「若者の人間力を高めるための国民会議」を、これもまだ仮の名前でございますが、開催する。こうしたことに取り組むことと致しております。今日の閣僚懇におきまして、総理や関係閣僚からもご賛同いただきましたので、今お話を申し上げたようなことを積極的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
質疑
- 記者:
- フリーター対策に関して、こういう対策を新たに打ち出されたということなんですけれども、自発的そうでないにかかわらずフリーターという層を将来的になくそうというふうに国として考えてらっしゃる。そういうふうに考えてよろしいでしょうか。
- 大臣:
- 常用雇用を望む方が常用雇用にならないということは、やはり問題があると思っておりますから、私どもは常用雇用を望む方のための施策だと考えております。もちろんこれだけ多様化してまいりますと、雇う側にも働く側にも多様化した中での「それぞれの望む形」というものがございますから、すべてフリーターがなくなるとか、またそうしたものを必ずしも私どもとして否定するものでもありません。けれども、冒頭申し上げましたように、常用雇用を望む方はやはり望んでおられるように常用雇用化されることがいいと思っておりますので、今回の施策を取るところであります。
- 記者:
- 非自発的にフリーターという働き方を強いられている若者に対して、国として施策を行うという理解でよろしいでしょうか。
- 大臣:
- はい、そういうことであります。
- 記者:
- 言葉が抽象的なので確認させていただきたいのですけれども、「若者の人間力」という言葉が出てくるのですが、これをもう少し具体的に何を高めるということを意味していらっしゃるのかについてお願いします。
- 大臣:
- 具体的に言いますと、「若者の働こうとする意欲」といったものも人間力の一つでありますし、「働くための色々な技術・能力を身につけてもらうこと」も人間力でございます。そうしたものを身につけていただこう、大きくしてもらおうというのが私どもが「人間力」という言葉で表現をしておることだとご理解をいただければと思います。具体的にどうするかというのは、例えてでありますけれども、若者自立塾というようなことで、そうしたものを若い皆さんが身につけていただくことを考えておるところであります。
- 記者:
- 昨日原爆症認定の訴訟の件で上告を断念されましたけれども、改めて理由と今後の対応についてお聞かせ願えればと思いますが。
- 大臣:
- 今回の判決を見まして事実認定の問題でございますので、事実認定の問題でさらに最高裁で争うことは大変難しいと判断をしたところであります。従いまして、これ以上の上告はしないと決めたものでございます。
- 記者:
- 今の件に関係してなのですが、認定基準の見直しということもありうるのかどうかということころなのですが。
- 大臣:
- 今度の判決で言われておりますことも、平成12年に最高裁が示した「高度の蓋然性が必要だ」という考え方を否定しておるものではない。それに基づいての判決でございますので、今私どもがそのことについて直ちに何か見直しを考えておるというものではもちろんございません。ただいずれにいたしましても、こうしたものというのは認定審査会でご論議いただきたいと考えております。
- 記者:
- 雇用のところに戻るんですが、閣僚懇で総理、官房長官もしくは他の閣僚から関連の発言はどういったものがありましたでしょうか。
- 大臣:
- 次々に各大臣からご発言ございまして「政府一体となってこの問題に取り組もう」と極めて意欲的なご発言でございました。総理からは改めてですが、若い人たちに農業にもどんどん従事してもらおう、農業というものはいいなというようなご発言もございまして、農林水産大臣からも、また一緒になって若者にも大いに農業をやってもらおう、そういうことも考えようというご発言がございました。
- 記者:
- 正規雇用が増えない理由として社会保険料の事業主負担が重いと。それを事業主が嫌って正規雇用が増えないという指摘が国会でもあるということなんですけれども、正規雇用を増やす場合に社会保険の面からのアプローチというのは何か大臣お考えでしょうか。
- 大臣:
- これはいつも言っておりますけれども、社会保険制度は雇用について中立的な制度でなければいけないと基本的に考えております。今お話のように、社会保険制度によって雇用の形が変わるというようなことはまずいことでありますから、そうならないように制度を作っておかなくてはならない。これは私どもの基本的な考え方でございます。そうした中で社会保険料はどのくらいが適正であるのか、企業に負担していただく・雇い主側に負担していただくのはどれくらいが適正な水準なのかというご議論はいろいろあるところであり、社会保障を一体的に見直すご議論の中でまさに1つの大きな議論でもありますので、そうしたものを私どももお聞きしながら今後の検討をさせていただきたいと思っております。
- 記者:
- 中国の問題なんですけれども、閣議もしくは閣僚懇でその話は出ませんでしたでしょうか。
- 大臣:
- 町村外務大臣からご発言がございました。中身は、微妙なことである、そして中国にしても韓国にしても大変今閣僚発言等についての反応も大変敏感に反応する状況にあるので、各大臣発言は慎重にしてほしい旨の発言がございました。
- 記者:
- そういった発言があった後こう聞くのも何ですが、大臣としてはこの問題にどういうふうに政府が対応するべきと考えていますか。
- 大臣:
- 今そういう発言もあってでありますから、そしてまた申し上げたように微妙な時期でありますから、政府即ち外務大臣が発言しておられる以上に私が付け加えて申し上げることはございません。一言いうと、慎重に私どもも日本としては極めて冷静に対応すべきであろうと考えます。また同時に、中国における邦人の保護は中国側によくお願いしなきゃいけないし、日本の大使館においても万全を期してもらいたいと考えます。
- 記者:
- 原爆症認定の話なんですけれども、肝機能障害でいうとあと二十数件同様の原爆症認定にからむ訴訟がありますけれども、今回の上告断念されたことがどのくらい影響するかということなんですけれども。
- 大臣:
- 同じようにC型肝炎等の方、それが被爆とどういう関係にあるかということがまさに争点となっているような裁判がございます。これはそれぞれ1人1人の個別の疾病についての判断でありますから、私がどういう影響があるとか、個別の判断に対して何か申し上げるということはありません、申し上げるわけにはいきませんというお答えになります。したがって、今後の裁判の成り行きを見守るということになります。
- 記者:
- 今の話に関連してですけれども、昨日弁護団はC型肝炎を巡る訴訟については訴訟をやめて直ちに国の方が認定するようにというふうに言われましたけれども、今の大臣の発言であるとそういうことは考えてらっしゃらないということですか。
- 大臣:
- 今直ちに今度の判決が出たからといってその他の裁判を私どもが取り下げる、どういった表現がいいんでしょうか、そういうことは考えておりません。
- 記者:
- 献血緊急アピール等街頭のこともありまして回復しているようなんですけれど
- も、予定通り英国1日以上の滞在者の禁止については5月にもやられるということなんでしょうか。
- 大臣:
- それは申し上げたとおりに進めるつもりであります。
- この機会に改めてお願いと御礼申し上げたいと思います。私どもの緊急アピールに対してマスコミの皆さん方が国民の皆さんに一緒に呼びかけていただいた。それからそれに応えて国民の皆様方が早速協力していただいた、善意をお寄せいただいた。大変びっくりするぐらいの効果が報告されております。皆さんに御礼を申し上げたいと思いますし、またどうぞ引き続きのご協力をよろしくお願い申し上げます。
(了)