閣議後記者会見概要

H17.02.22(火)09:02 ~09:22  省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
閣議でございますが、循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第1回点検結果について環境大臣から発言がございました。次いで瑶子女王殿下(寛仁親王第二女子)のドイツ国及びフランス国御旅行について内閣官房長官から発言がございました。続きまして2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会について私から発言をいたしました。続いて日米安全保障協議委員会等について防衛庁長官から、さらに町村外務大臣の米国訪問について外務大臣から発言がございました。

閣僚懇談会について

大臣:
ディーゼル自動車の平成17年以降の排出ガス規制について環境大臣から発言がございました。以上です。

質疑

記者:
昨日の衆議院の予算委員会の集中審議で、省内の社会保障の一体的な改革を検討する部局横断的なチームを立ち上げるとおっしゃっていましたけれども、すでにいつも局の縦割りを廃するということは繰り返し言われていることで、今回はどのようにしてこれが機能するように担保するのか、ご説明をいただければと思います。
大臣:
今特に社会保障の一体的見直しというのはいろんなところでご議論をいただいております。したがいまして、それに対して厚生労働省としても言うならば事務的な受け皿をきっちり作っておく必要があると考えております。今のお話にもありましたように縦割り行政に対するご批判というのは強いところがございますし、特に私ども厚生労働省についてはそれぞれ、まさに年金局は年金だけを考えているんじゃないかといったようなご指摘もございますので、社会保障の一体的な見直しが行われるこの時期にきっちりそうしたご指摘に応えるような組織を作ろうと指示をいたしたところでございます。具体的には今から作業をいたしますので、その形が出来上がりましたらまたご報告させていただきたいと思います。
記者:
いつ頃をメドに。
大臣:
そんなに時間をかけるつもりはありません。
記者:
今政策統括官がいらっしゃるわけですけれども、これとは違ったものなのか。
また部局のようなものにするのか。大臣の今描いてらっしゃるイメージとしてはどのようなお考えなのでしょうか。
大臣:
私の抱いているイメージでいいますと、言うならばプロジェクトチームのようなものを作るということであります。これは厚労審のところで作るかどうかということは今から検討してみます。
記者:
それは大臣直属とかという形ではなく、また何とか局というものと並列の関係でもなく、いわば寄せ集め的なプロジェクトチームになっていくんでしょうか。
大臣:
大臣の下にきっちり置くかあるいは副大臣くらいの下に置くくらいのことはしないと縦割りといわれるご指摘に対して応えられないだろうと思っていますから、大臣、副大臣その辺の直属といいますか指揮の下の組織にしたい、チームにしたいと考えております。
記者:
話は変わりますけれども、昨日予算委員会で15年度末の国民年金の未納者が四百四十数万人いると。これを後で省内に聞きましたら、業務統計のようなものがあって業務に使っていたもので、3年に1度行っている国民年金の被保険者の実態調査とは別だけれどもほぼ重なっているというか、ある程度未納者がどのくらいいるということを把握する上では相当有用なデータだったと思うんですが、こうしたものが今まで毎年きちっと開示されてこなかったわけですが、今後大臣としてはこういうデータを毎年きめ細かく開示していくおつもりはございますでしょうか。
大臣:
私はこうした数字、情報は必ず出すべきだと考えておりますので、できるだけといいますよりも私どもが持っている数字は全部出すべきであるし、出すつもりであります。
記者:
大臣ご自身440万という数字をどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
決して少ない数字ではないと思います。
記者:
これは今まで何でこの数字が公開されてこなかったのかということについては、何か理由はあったんでしょうか。その最初の数字は確か13年度末だったんですけれども、その政策決定においてこういう数字が出てこないということが非常に問題ではないかと思うのですが。
大臣:
よく聞いてみないとわかりませんが、私が理解しておるところでは隠したわけではないと思います。会計検査院の求めに応じてきっちり出していた数字であります。ただ会計検査院が整理をして出された数字が公表されたということでありまして、申し上げたようにあえて隠したわけでもないと思います。社会保険庁の立場でいいますと、できるだけわかりやすいという表現がいいんでしょうかどうでしょうか、実態を正確に表す数字を出したいと考えたんだと思います。実態を出来るだけ正確に理解していただくための数字として出していたのが社会保険庁が出していた数字でありまして、一方こういう数え方をするとこういう数字もありますというのが会計検査院が整理した数字だと私は理解をいたしております。ただいかにも隠したように理解されるというのはかえってまずいことでありますから、もっと積極的に公表すべきであろうと思います。決して隠していたものではないと理解をいたしております。
記者:
大臣にこういうふうなことを申し上げてもしょうがないと思うんですが、今まで取材で未納者の数は何人ですかとか直近の数字がありますかと聞いたら必ずその実態調査の方の数字しか出てこなかったわけで、しかも実態調査の方よりもむしろ今回出てきた数字の方が実態を表しているようなデータであるように思えるんです。むしろお願いかもしれませんが、今後そういったデータがどんどん出てくればいいなと思っているので、そこらへん今後の方針で前向きに検討していただければと思います。
大臣:
私はかねてより申し上げておりますようにそうしたものは全部出すべきだと思っておりますから、お尋ねがあれば出しますし、また積極的にも出すべきであると思いますので今後そのようにいたします。
記者:
昨日の集中審議で、大臣の方からも基礎年金については社会保険方式がいいと思うというお話があって、民主党の皆さんとは制度の根本というか、哲学的な部分で相違があってなかなかこの先与野党協議をやるのは難しいのではないかという印象を受けたのですが、今後の見通しについてはどのように、昨日の集中審議を通してお感じになりましたでしょうか。
大臣:
そういうふうに理解されたのかなと今改めてお話を伺いながら思いました。私が昨日の集中審議を通じて努力いたしましたことは、かねて是非年金を国民の皆さんの信頼を得るものにしたい。それが最大のことでありますからどんな努力をしてでもそれがやれるものならその努力をする。これが基本的に考えていることであります。そして審議の途中でも申し上げましたけれども、そのためにいかようにでも謙虚になりますと言いました。そして私の出来る範囲で、昨日の集中審議では謙虚になろうという努力をしたつもりであります。ただそうした中でも「私どもはこう思います」ということは申し上げないと議論が始まらないわけでありますから、お尋ねの場合には出来るだけこれはさらっとお答えした方がいいと思いましたので、私としてはさらっとという努力をしながら「私どもはこう考えているのです。議論はそこから始めないとどうしようもないのではないでしょうか」ということを申し上げたつもりであります。基本的に社会保険方式で我々は考えているし、それがいいと思っておりますけれども、民主党案は税方式ですから、そこのところで基本的に違う。そこから議論をしっかりとやる必要があるのではないでしょうかということは申し上げざるを得ないと思って申し上げたわけでありまして、そういう議論を始めることが必要なのではないでしょうかというつもりで申し上げたつもりではあります。
記者:
年金福祉施設なのですけれども、その全施設を廃止、売却という方針を政府と与党の間で昨年確認したと思うのですが、ここにきて厚生年金病院とかを今のままの形で残そうという声が与党内に出てきているのですが、全部廃止、売却するという方針について、大臣はどのようにお考えなのでしょうか。
大臣:
一遍決めた方針でありますから、私どもはそのつもりで作業を進めております。
淡々とその方向に向けての作業を進めております。万が一、その方向がまた変わるというのであれば、それはその時に対応せざるを得ませんが、今私が申し上げられるのは、すでに決まった方針だとして私どもは事務的に作業を進めておりますということであります。
記者:
昨日の社会保険庁の在り方に関する有識者会議で、座長案が出てきまして概ね了承されているようですけれども、特にこの案の中で3つの機能があって意思決定機能というのはなかなか特徴的かなと思うのですけれども、それを中心に座長案についてどのようにご覧になっているのかをお聞かせ願いますか。
大臣:
私はかねて申し上げているように、「有識者会議で十分にご議論をいただいて結論を出していただきたい。それに対して尊重をします」ということを言っておりますから、あまり中身について今申し上げることは差し控えておきたいと思います。
記者:
尊重するというのは100%受け入れるというふうに考えてよろしいのでしょうか。
大臣:
私がまず申し上げておりますのは、座長が先日示されました「社会保険庁の存続を前提にしない」ということ、そして「まずグランドデザインを描く」というところについては100%尊重しますということを申し上げておりますのでその通りであります。あと今後の議論を見守りながら、基本的に尊重は当然するつもりであります。100%と言うと、その100%の解釈や何かが出てきますから、「尊重をします」ということで表現させていただきたいと思います。
記者:
独立性の高い組織をこれから作っていくということが一つの肝になると思うのですが、その独立性の中で新しい組織が、制度をつくる厚生労働省に対して現場の声など制度改革の提言も行っていくと、かなりストレートな提言を行っていくことを期待されているわけですけれども、そうなると厚生労働省から今までのように社会保険庁に幹部職員が2年交代で行くような人事ローテーションのような、あるいは厚生労働省と新しい組織がそもそも人がどういう形で関与していくのかということが相当課題になってくると思うのですけれども、そこら辺は大臣はどういうふうにお考えになっていますか。
大臣:
今、座長案で示されたものというのには、今まで年金の現場での苦労と言いますか、非常に制度が複雑になっていて現場が苦労しているといったような声が制度を作るところに十分に届いていなかった、それで年金の制度そのものが複雑になってきたという反省がある。これはもう多くの皆さんに指摘もされているところであります。恐らく座長はその辺のことをどう今後新しい組織の中で解決していこうかということをお考えになったのが今言っておられることだというふうに思います。ですからそういうことを考えながら新しい組織が出来ていく。その新しい組織と今度は厚生労働省との関係をどうするかということが新しい組織が出来たら当然考えるべきことになって、あるいは新しい組織を作る時にそのことまでをどうするかということを考えながらの組織になるかもしれません。そこは今後の議論を見ながら私も整理していきたいと思っております。
記者:
今日から中医協の在り方を見直す有識者会議が始まるわけですけれども、改めて中医協の問題点をどういうふうに考えるのかというのと、今日からの議論にどのようなことを期待しているのか、この2点をお願いします。
大臣:
今日初めての会議が開かれます。この議論をお願いすることに至った去年の暮れのいろいろな議論もありますから、そうしたものをまずは率直にご説明を申し上げたいと思います。そして村上大臣との間で整理された項目がありますから、そうしたものをご説明申し上げて、そうした中でのご議論をお願いしたいと思っております。中医協のまさに在り方、今後中医協というのはどういう存在にするのか。私が今こういう表現で言っておりますことは、中医協と診療報酬改定との関わり合い方というようなこと、そういったようなことをまず基本的なところでどう整理するのかということから議論を始めていただければと思っております。

(了)