閣議後記者会見概要
H17.02.08(火)09:46~10:04 省内会見場
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私の方からご報告申し上げることは、1点でございます。
- 今朝の閣議後の閣僚懇談会で花粉症のことが話題になりました。官房長官の言葉を借りますと「今や国民的課題である」。そこで政府全体として、この花粉症の問題で悩んでおられる方も数多いことから深刻な問題として取り組んでいこうということになりました。大きく2つあると考えます。
- 1つは長期的な対策であります。この長期的な対策もまた大きく分けると2つかと思います。1つは、杉をどうするか、杉山の管理であります。農林水産省とか環境省も絡むことでありますから、こうしたところで今後の対策に取り組んでいく。それからもう1つは長期的な課題としての予防、治療ということになります。この研究は私ども厚生労働省、文部科学省などが中心になって行っていくことになろうと思います。これが大きく対策を取るべき1つのことでありますが、とにかく今年をどうするのか、当面どうするのかということでございますので、そのことに関し改めてご報告申し上げたいと思います。
- 私どもはまず今年の対策として国民の皆さんに呼びかけをしております。先日もお示しをいたしましたポスターでありますけれども、ここに書いてありますように「花粉離散がいよいよ本格化してきますから、どうぞ予防に注意してください。そして何かちょっとおかしいなと思ったらすぐ医療機関に行ってください。それから保健所でいろいろご相談にのりますから、どうぞお気軽に保健所にもお越し下さい」という国民の皆さん向けのメッセージを改めて申し上げたいと思います。今厚生労働省のホームページで花粉症特集も掲載しておりますので、どうぞこれも見ていただければと思います。それからこのパンフレットでありまして、これを30万部作りました。せっかく30万部作りましたので「ぜひ的確な花粉症の治療のために」と各都道府県にも配っております。どうぞこれもご利用いただければと思います。
- 今申し上げたのが国民の皆様への呼びかけでありますが、同時に医療機関にも適切な治療が確保されるようにお願いをしてございます。国立病院機構相模原病院には、医療機関の皆さんに向けての専門相談窓口も設置してございますし、診療ガイドラインもつくってありますから、ぜひ周知徹底していただきたいと思います。こうした医療機関へのお願いもしてございますから、どうぞぜひ花粉症対策にそれぞれ気をつけていただいて、この時期を乗り切っていただきますように改めて申し上げたいと思います。以上です。
質疑
- 記者:
- 本日介護保険の改正法案が閣議決定されたと思うんですが、されましたか。
- 大臣:
- 今朝の閣議で了承されました。
- 記者:
- 政府として決定そして国会提出されるという段取りの今この時点で最後までいろいろ議論があった附則で、被保険者の拡大について大臣は今後国会答弁等でどういった説明をされていくのか、あるいは何かメッセージを出していかれるのかどうか教えて下さい。
- 大臣:
- 附則に書かせていただくことになりました。それで附則に書いてあることの解釈というような1つの議論にはなるかと思います。ただ今私が言えることは、まさに附則に書いてあるとおりでございまして、今後の皆様方のご議論を注意深く見守らせていただきたいというふうに思います。
- 記者:
- 国会論議を通じてどんな点の議論を深めていきたいというような内容面について何か国会論議に期待することというのはありますでしょうか。
- 大臣:
- 議論の整理を今私の立場でするのはどうかなと思いますけれども、例えて言うと新介護給付といったようなところをどう見るのか・考えるのかといったところに1つのご議論はあるだろうなとは思います。
- 記者:
- 予防給付。
- 大臣:
- はい。
- 記者:
- 今の介護保険の改正法案なんですけれども、速やかな成立を望むとは思うんですがどんなふうに、どういう部分を理解してほしいとか、与野党含め国民にですね、ちょっとメッセージというか一言いただければ。
- 大臣:
- この介護保険を6年前くらいから随分議論を始めて5年前に出来上がりました。
- その時に関わり合った一人でありますから、いろんな思いがあります。
- よく申し上げておりますけれども、そのころまず私たちが思いましたのはお年寄りの皆さんの介護が家族の皆さんにしわ寄せがいっている。特に女性の皆さんにその大半がおんぶされている。この介護地獄とでも言うべきことから何とかしなければいけないと思いました。そこで社会全体で介護をする、社会のために頑張ってきていただいた皆さんをちゃんと社会全体で介護しようということを思いました。そこで介護保険をつくろうということになったわけでありますが、この5年間その介護保険が国民の間にしっかりと定着をした、このことだけは皆さんに認めていただけると思います。そういう意味ではよかったなという思いがございます。ただ5年前介護保険制度をつくります時に、正直に言いますけれども、いろいろ議論はしましたけれどもやってみなければわからないことも多くありました。そこで「とにかくまず始めよう、そして5年間でその間にいろいろなことがあるだろう、やってみてということがあるだろうから、よく検証して5年後にもう1回見直そう」ということを法律にも書いたわけであります。そしてその5年後がきた、今度の見直しであります。そういうこともありましたから、私は大臣になりまして「今度の見直しは定期点検ではないぞ、もう1回抜本的に見直す見直しだぞ」と言ってまいりました。その見直しが、今度私どもの作業としては出来上がったわけであります。そのことに対する思いも本日はあります。
- この5年間見て、まず何を私たちが今回の見直しの中で考えたかと言いますと、申し上げたように介護保険が定着した。それは大変ありがたいことではあるのですが、一方そのことによって介護保険を受ける方も大変多くなった。そしてそのことは費用も大きくなったということであります。そうなりますと今社会保障の一体的な見直しの中でも全体的に見なければいけないことでありますが、介護保険の給付だけが大きくなるということは避けなければなりません。給付の部分を見ますと、1つは要介護度で言って軽い方の方、正確に言うと要支援の皆さんも含みますけれども、そうした軽い方の方々を見ますと人数が増えている。ここが非常に給付総額を大きくしている1つの要素になっております。それからもう1つ、重い方の方々について言うと、お一人お一人にかかる給付費が大きくなっている。この問題がある。この2つが言えます。そこで軽い方の皆さんの人数が大きくなっているという部分を、予防という観点から今度出来るだけ重くなるということもないように、あるいは介護そのものを必要とならないようにということで考えたのが、今回の改革の1つのポイントであります。もう1つは重い方の方々のお一人お一人の費用というところをもう1回見直してみようというので、よく言われるホテルコストといったような話が出てきた。食費については、お宅におられても当然食事はとられるわけでありますから、その食事代はかかっておられる。では施設におられる方もその食事代は払っていただくことの方が公平になるのではないかといったようなことを考えて、今度の改革の中にそのことを入れた。今度の改革の私どもの考え方、考えたことを申し上げるとそういうところになります。
- 記者:
- 大臣としては抜本的な改革が出来たと、この時点では出来ているというふうにお思いですか。
- 大臣:
- 少なくとも第一歩になったと思っております。
- 記者:
- 介護予防なのですけれども、筋トレとかいろいろメニューを実際に利用者はあまりそれを望まないのではないか。すなわち理念はともかくとしてなかなか予防策というのは普及していかないのではないかという疑問の声が野党の方から出ているのですけれども、これについてはどのように説明していかれるのでしょうか。
- 大臣:
- 先日私は、俗に言う筋トレをやっておられるところを見てきました。少なくとも私が見た光景は、高齢者の皆さんが大変楽しそうにやっておられるものでございました。私が見たのはそういうところでありましたし、また議論の中でそういうお話が出てくるだろうと思いますから、出来るだけ更に現場を見せていただきながら、ご議論の中で私なりに意見は申し上げたいと思っております。
- 記者:
- ハンセン病の件なのですけれども、昨日も全療協の方が全生園の医療過誤訴訟について、原告の女性1人の問題ではなく他の入所者にとっても同じような問題なので控訴しないで欲しいという申し入れを医政局になさいましたが、大臣は現段階では国の対応としてどのようにお考えなのかお聞かせいただけますか。
- 大臣:
- これは法務省とも相談しなければいけないことでありまして、今相談をしておりますから、ここで答えを申し上げるというのは少し差し控えさせていただきたいと思います。ただ大変国にとって厳しい裁判所の判断だったというふうには思います。
(了)