尾辻大臣記者会見概要

H17.01.14(金)15:27~15:45 省内会見場

広報室

会見の詳細

社会保険庁関連の調査結果について

大臣:
ただいま副大臣、事務当局からご報告をしたとおりでございます。改めて様々な問題が明らかになりました。度重なる不祥事等により社会保険事業に対する国民の皆様の信頼を著しく損ねましたことに対して、深く心からお詫びを申し上げます。
医療・年金につきましては、今待ったなしの改革が求められておるところでございます。その待ったなしの改革を進めるためにも、まずこの報告を申し上げなければならないと考えております。年末年始の期間中にも作業を進めるように指示をし、その通りにいたしまして本日皆様方にお示しをさせていただいたところでございます。同時に、本日第一次の処分を発表いたしました。この後今回の調査により判明いたしました事実に基づきまして、国家公務員倫理審査会とも協議をいたしまして、残りの処分を早急に行います。そのためにも報告の中にも述べておりますけれども、職員の処分のための調査等必要に応じて事実解明のための調査を引き続き行います。
私は今回のこの調査をいたしながら強く感じたことがございます。それは過去にもこのような問題は指摘をされております。その度に十分な反省をしていない。言うならばこれまでの反省の仕方の反省をしなければならない。そう感じます。したがいまして今回は本当に徹底して膿を出す。今までも出すべき膿は出すということを言ってまいりましたけれども、まず出すべき膿は徹底して出すということを改めて申し上げたいと存じます。今日私どもが調査いたしました全てを、今私どもが承知しております全てを包み隠さず公表させていただきましたけれども、万が一、万々が一でありますが、今回の調査結果と異なる状況が明らかになりました場合や新たな事実が指摘された場合には、速やかにさらなる調査も行うことをお約束申し上げておきたいと思います。何回も言いますけれども、徹底して全ての膿を出したいと考えておりますから、多くの方々のご指摘をいただければと思うところでございます。
今後のことでございますけれども、今お隣におられます村瀬長官、民間からわざわざ来ていただきました。そして緊急対応プログラムを策定をいたしまして、必死になって改革に着手していただいております。これはこれで着実に進めなければなりません。進めていただきたいと長官に改めて申し上げておるところであります。しかし今回の調査で明らかになりましたことは、社会保険庁にきわめて構造的な問題があるということでございます。この社会保険庁の組織の在り方につきましては、現在内閣官房長官の下に設置されました「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」において議論が進められておるところでございます。本日公表させていただきました調査結果というのは、このご審議にも極めて重い意味を持つと考えております。あらゆる議論を例外としない幅広い議論を進めていただきますように、そしてスピードも上げていただきますように改めて私からもお願いをしたいと考えております。
本日を改めて抜本改革の始まりと位置づけまして、全身全霊を捧げて社会保険庁改革に取り組んでまいります。重ねて国民の皆様の信頼を損なう結果になったことに深くお詫びを申し上げます。

質疑

記者:
今回の調査結果で改めて社会保険庁に対する不信というのは強まると思うんですけれども、それは同時に社会保険庁の解体的出直しをしろと。民営化とかその他のやり方があると思うんですけれども、これについて改めて大臣としてはどのように今後されていくのか。また民営化ということを含めてやらざるを得ないというふうに今お考えなのかどうか、この2点についてお願いします。
大臣:
今各方面にご議論をお願いをしておるところでございますから、私が先走って申し上げることは失礼になろうかと思いますので、具体的に申し上げることはお許しをいただきたいと存じます。しかし只今も「あらゆる議論を例外としない」「幅広い議論を進めていただくようにお願いをした」と申し上げました。こう申し上げたことによります私の覚悟をご理解いただきたいと存じます。
記者:
大臣はかねて膿を出しきるということをおっしゃっていたわけですけれども、今後処分のための調査というのは引き続きやられるということですが、大半は終わったと理解するのですけれども、今回の調査結果について膿は果たして出たのかと、ほとんど膿は出たのかと、その辺について。
大臣:
必死で調査をいたしました。したがいまして、今日時点で私どもが調査できる限界まで調査をしたと考えております。
記者:
それでもまだ何かこれから出てくるという可能性があるというふうに大臣がお感じなっているとすれば、その理由はどんなところにあるのですか。
大臣:
率直に申し上げます。例えばOBとの間にコンサルタント契約を結んでいるということについての調査は、申し上げましたようにやれる範囲ギリギリまで調査をいたしたつもりでありますけれども、そこには正直に申し上げてOBの皆さんでありますから、聞き取れることにそれなりの限界もあった。このことは認めざるを得ないところであります。「例えば」と今申し上げましたけれども、そうした中で万が一ということはないとは言えません。そこで先ほどお願い申し上げましたように、ご指摘もいただきたい。私どもはそうしたご指摘が新たにあれば、何回も言っておりますけれども、今度膿を出しきらなければ、これはまたこうしたことを重ねることにつながりかねないと思いますから、もう徹底して膿を出そうと思っておりますので、何か少しでもというところがあれば調査を重ねていたす。そのことを先ほども申し上げたつもりであります。
記者:
今の膿を出すということの関連なのですが、大臣の思いとしては膿を出すというお気持ちはずっと前から国会等でも発言を重ねてきたということなのですが、同時に昨年の10月の発表のときも膿を出すつもりであったけれども、実際には報告が不十分であったというケースも間々あったということは、つまりそれは大臣の思いと、いわゆる社会保険庁で働く職員一人一人の思いというのが多少ズレがあったと。大臣の方は膿を全部出したいと、だけれども一人一人の職員については「聞かれなかったから言わなかった」とか、そういうようなところがあるわけです。その辺の溝というのは、今回埋まったのか、あるいはまだ埋まっていないのか。その辺のことについてはどういうふうなご感想をお持ちでしょうか。
大臣:
私は今回は埋まったと思っております。少なくとも調査にあたってくれた人たち、この人たちとの溝は、今表現していただいた言葉で表現させていただくならば、溝は完全に埋まったと私は感じております。
記者:
まだ一人一人の職員の中には、まだ危機意識というか、社会保険庁が置かれている位置付けなり、規範なり、そういうものを理解していない人たちもいるかもしれないと。
大臣:
その辺はお答えしづらいところにもなりますが、私はもう今日の時点、そんな職員はいないと思います。
記者:
先ほど反省の仕方を反省しないといけないということで、十分反省するまで出来ていなかったと、これは具体的にどういう理由から十分な反省を行えなかったのか。それを阻害する要因は何だったのかというふうにお考えでしょうか。
大臣:
やはり基本が今回と同じように身内が身内を調査致しますから、どうしてもかばい合いがある。そしてそのかばい合いのままに答えを出して、表現は悪いかもしれませんが、そのうちにほとぼりが冷めてしまう。こういう過去の経緯があったと私は思います。
記者:
今回も身内が身内を調べたという意味では変わらないですよね。
大臣:
はい。ですから身内が身内を調べる、確かにそれしかやりようがないものですから、その方法でやりましたけれども、これまでの身内が身内を調べることの甘さを徹底して排除したいと考えてやって参りました。すでにご報告を申し上げたかと思いますけれども、供述、表現がいいのかどうかわかりませんが、調査に答えた者に対しまして全てその答えに対する署名を一人一人にさせたのです。一人一人に答えに対して署名をさせたということをしたのは恐らく初めてだろうと思います。署名までさせて答えを出させておりますから、万が一これに嘘があれば、これはもう大変なことになります。万が一の場合は私どもそれなりの、そのことに対する厳正な処分をするつもりでもあります。今回、過去の反省の仕方の反省の上に立って、そこまでいたしたつもりでありますということを申し上げています。
記者:
環流の構図という、かぎ括弧でこれ書いている、それは環流、お金を監修料として戻す環流の構図については、批判を一層高め不信感を増大、増幅させるものであると考えると、その構図はなかったというふうな、お金を監修料としてわざと水増しして発注してわざと戻すと、そういうような構図はなかったというふうにお考えですか。
大臣:
調査の中では、水増しをしてということはなかった、あるいは金額を上げてということもなかったというふうには思っております。ただ環流という表現を使えば環流したとも言えますので、そこについては十分反省すべきであるということを述べているところであります。

(了)