事前大臣折衝後記者会見概要
H16.12.18(土)14:39~14:53 厚生労働省記者会見場
広報室
会見の詳細
事前大臣折衝について
- 大臣:
- ただいま財務省におきまして、平成17年度予算編成に当たっての重要事項について財務大臣と協議を行いました。その内容につきましてご説明いたします。
- まず1番目の協議事項は年金等事務費に係る財政上の特例措置の継続についてであります。まず財務大臣から、「国の厳しい財政状況にかんがみ、税と保険料との費用分担を明確にした上で、事務費に保険料財源を充てる特例措置を継続したい」とのご提案がありました。私からは、年金事務費は法律上国庫負担が原則であること、また、年金財政にも余裕があるわけではないことを申し上げましたけれども、その上で、国の厳しい財政状況を踏まえますと財政上の特例措置を継続することもやむを得ないと申し上げたところであります。しかしながら、これにつきましては、保険料負担について国民の皆様の理解をいただくことが極めて重要でありますので、併せて、税と保険料との費用分担として、これまで国庫負担としてきました人件費は引き続き国庫負担とすること、制度運営に直接関わる適用・徴収・給付・システム関係費に限って特例的に保険料負担とすること、その他の職員宿舎や厚生経費などの内部管理事務にかかる経費は国庫負担とすること、を申し上げたところ、財務大臣から了承するとのことでございまして、その整理に従って予算編成を進めたいと考えております。
- また、この機会にということで、財務大臣から、次期通常国会に提出予定をいたしております介護保険制度改革法案について、「国民負担の上昇を抑制し、持続可能な制度を構築する観点から、徹底した給付の効率化と重点化を図ること、特に、施設におけるホテルコスト、食費等の利用者負担について、改正法案の国会成立後の出来るだけ早い時期に実施し、平成17年度予算に反映させること」との御提案がありました。これに対しまして、私から、改正法案においては制度の持続可能性の確保等の観点から、介護予防重視型システムへの転換や施設給付の見直しなど、給付の効率化・重点化に取り組むことといたしておりますこと、そのうち施設入所者の利用者負担の見直しにつきましては、財務大臣の御提案も踏まえまして、来年度下半期から実施することといたしたい、その前提として低所得者に対するきめ細かな対応が不可欠であり特段の配慮が必要である、と申し上げましたところ、財務大臣からはその方向で対応していただきたいとのことでありましたので、私は、通常国会に提出予定の介護保険制度改革法案において、所要の措置を講じたいと考えております。
- 大きく2点目といたしまして、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金の継続支給について協議をいたしました。私から、平成17年は戦後60周年に当たる年でありますので、これまでもずっと節目の年にそういうふうにしてまいりました戦没者等のご遺族に対しまして改めて弔慰の意を表するために、「戦没者等の遺族に対する特別弔慰金について、額面40万円・10年償還の記名国債により継続支給することとしたい」とお願いをいたしました。これに対しまして、財務大臣からは、「今回継続支給を行うことはやむを得ない」とのことでありましたので、これを踏まえ次期通常国会に関連法案を提出したいと考えております。協議の結果は以上でございます。
質疑
- 記者:
- 事務費ですが、具体的な額というのは今後出てくるということなのですか。まだ現実には決まってないんでしょうか。
- 大臣:
- これは今後の細かな詰めでございますけれども、申し上げましたように制度運営に直接関わる適用・徴収・給付・システム経費に限定するということにいたしております。この結果といたしまして、平成16年度予算で特例措置により保険料負担としておりました事務費の額というのは1,263億円でありますけれども、平成17年度は内示前でございますからまだ正確な数字はわからないところでありますけれども、16年度予算での特例措置の数字を置き換えてみると大体1,090億円程度になると思います。それから国庫負担額について申し上げますと、平成16年度予算における1,709億円から増加し平成17年度予算では大体1,880億円程度になると見込まれるところです。
- 記者:
- 財務省からはどういう法体系で協力するというような説明はございましたか。
- 大臣:
- どういう法体系と言いますと。
- 記者:
- 去年の場合は1年限定だった思うのですけれども。
- 大臣:
- 特例措置を今度は恒久的にするのか、というようなお話ですか。これについては具体的なお話はありませんでした。
- 記者:
- 介護保険のホテルコストなどの徴収ですが、来年度下半期中に実施するということですか、それとも下半期から実施ということですか。
- 大臣:
- 下半期からであります。
- 記者:
- 下半期にスタートということですね。
- 大臣:
- そういうことであります。
- 記者:
- 年金事務費についてですけれども、概算要求の段階で国の財政事情が厳しいことはある程度織り込まれていたのではないかと思うのですが、この折衝の最中で国の財政事情の厳しさを理由に国庫負担に戻してもらうものが一部に留まったことについて、もう一度説明がいただけるとうれしいです。
- 大臣:
- ご質問の趣旨は概算要求の時にすでに財政が厳しいことはわかっていただろうと、それはその通りであります。厳しいことはみんなお互いに承知の上でありますが、それでも私どもとしては事務費は全額国庫負担でお願いしたい、また特例措置の法律も一遍切れるわけでありますから、まさに筋通りということで概算要求をいたしました。しかし今日の財務大臣のお話でも、「とにかく厳しいから」と極めて厳しさを強調されると、私どもとしてはやむを得ないと考えたということであります。
- 記者:
- 予算と関係ないのですが、昨夜から鳥インフルエンザの関係で日本で初めて感染の疑いが浮上したのですが、それに関して大臣の所見をいただければと思うのですが。
- 大臣:
- 本年の2月、3月当時、鳥を殺す処分などに従事した農場の従業員、それから京都府の職員等に対する血液検査を実施したものでございます。現在、その最終的な取りまとめを行っていると聞いておりますけれども、発表したのは「具体的には抗体陽性5名という検査結果を更に評価、精査しているところ」でございます。
- この抗体陽性となった5名の方々でございますけれども、これは発表されておりますように、鳥インフルエンザの発症はいたしておりませんし、今後も発症の恐れはない。それから他の方への新たな感染の可能性もないということで、公衆衛生上特に問題はないと考えているところであります。
(了)