閣議後記者会見概要

H16.12.10(金)10:38~11:02 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議ですが、平成17年度以降に係る防衛計画の大綱について内閣官房長官から発言がございました。中期防衛力整備計画についても内閣官房長官から発言がございました。さらに平成17年度以降に係る防衛計画の大綱について防衛庁長官から発言がございました。次に構造改革特区の推進について構造改革特区・地域再生担当大臣から発言がございました。フィリピンにおける集中豪雨被害に対する緊急無償資金協力について外務大臣から発言がございました。それから独立行政法人平和祈念事業特別基金の理事長の人事について総務大臣より発言がございました。

閣僚懇談会について

大臣:
イラク復興支援パンフレットの改訂について外務大臣より発言がございました。

フィブリノゲン製剤の納入機関名の公表について

大臣:
昨日フィブリノゲン製剤の納入先医療機関名を公表いたしましたので、このことについて申し上げておきます。申し上げましたように昨日9日フィブリノゲン製剤の納入先医療機関名を公表いたしました。これを契機に広く国民の皆さんに肝炎検査の受診の呼びかけを強化をしていきたいと考えております。またこのC型肝炎対策につきましては、平成13年に策定いたしましたC型肝炎等緊急総合対策に基づき、検査や治療体制等の整備に努めておりますけれども、今般その一層の充実を図るために専門家による検討の場を設け、平成17年夏頃をメドに取りまとめるべく検討を開始するよう事務方に指示したところでございます。厚生労働省あげてC型肝炎対策の充実に積極的に取り組んでいきたいと考えております。以上です。

質疑

記者:
規制改革の関連で、協議が持ち越しになった混合診療と中医協の改革について大臣のお考えと今後の折衝の展望についてお聞かせ下さい。
大臣:
昨日も村上大臣との折衝をいたしました。それで市場化テストにつきましては合意に達しました。ただ今お話の混合診療と中医協の見直しをどのように検討するかというこの2つの問題については、平行線のまま終わりました。ポイントは混合診療は規制改革・民間開放推進会議などが言われるのは、一定水準以上の診療機関なら無条件に混合診療を解禁すればいいだろうというご主張であります。それに対しまして私ども厚生労働省といたしましては、一定水準以上の医療機関といいましてもそれぞれ専門分野があったり、平たい言葉で言うと病院ごとの得手不得意というようなことがあるので、全ての技術について無条件に解禁というのはやはり問題があるということを言いました。そこでそれぞれの技術を挙げていって、そして技術ごとに一定水準の医療機関を判断をしてやっていただくという考え方を申し上げたところであります。一番基本的なところといいますか一番ポイントの部分はそこのところの考え方の違いがどうしても埋まらない、平行線になるといったようなことでございます。
それから中医協の見直しの議論は、村上大臣などのご主張と言うのは、見直しの場を厚生労働大臣の外に置け、見直しを外で検討するべしというご主張なのであります。私は私の責任において、日本の医療をどうするかというのは厚生労働大臣の責任であり、まさにそこの責任に係る部分でありますので私の責任で見直しの場も厚生労働省の中に置いてやりたいということを主張いたしまして、ここも平行線のまま終わったところであります。今後は村上大臣と私の折衝を重ねてこの問題の解決を図りたい、接点を見つけていきたいというふうに昨日は決めたところでございます。
記者:
所管外で申し訳ありませんけれども、横田めぐみさんのものとされる遺骨が鑑定の結果別人のものであったということが解りまして、北朝鮮への経済制裁をすべきだという声が今高まっているわけですけれども、大臣として経済制裁というのをどういうふうにお考えなんでしょうか。
大臣:
まさに所管外ですから私がここでやるべきあるいはやるべきでないと言うことは控えさせていただきたいと思いますが、今外務省あたりも北朝鮮を巡るいろんな問題について、この問題だけではなくて北朝鮮を巡る広くいろんな問題があり、そうしたことを含めて検討しておるようでありますから、その検討の結果を待ちたいというふうに考えます。
記者:
C型肝炎などの会議ですけれども、もう少し詳しくどのようなものをお考えなのでしょうか。
大臣:
まさに今後専門家会議をつくってということでございまして、専門家会議をどのように構成するかというのは後ほど事務方から説明させたいと思います。今私のところに細かな資料を持ってませんから。
記者:
何を検討する会議なんでしょうか。
大臣:
まずは国民がC型肝炎を受けやすくするような検査体制を充実しなくてはいけない、先ほど申した通りでございます。この肝炎対策というのは、非常に大きな今日の課題だと思っておりますから国民の皆さんに検査を呼びかけたいと思いますし、その皆さんがまさに受けやすくなるように体制を充実しなきゃいけない、そういうことを検討していただく。それから新しい医薬品だとか治療法の研究開発等これを一層推進することも考えなきゃいけませんので、こうしたようなことを検討していただく専門家会議であります。
記者:
別にこれはフィブリノゲンの問題だけでなくて、広く肝炎全体でということでしょうか。
大臣:
そのようにご理解いただければと思います。
記者:
北海道のじん肺訴訟の関係で何点かまとめてお伺いしたのですが、今日札幌高裁が示した和解案を受け入れたということですけれども、まずその受け入れにいたった理由というところと、それから最初の提訴から18年経って和解になったということで時間がかかっているということについてどうお考えてらしゃるかということと、和解案の中にもじん肺の防止について努力するということを大臣が表明するという部分も入っておりますので、そこのところのコメントをいただきたいということと、原告に対してのコメントというこの4点をまとめてお伺いしたのですが。
大臣:
確かに長くかかった裁判でございますけれども、まず一審判決に至るまで結構時間がかかっています。一審判決が11年5月28日、その後控訴審があって今日になった。このたび札幌高裁の判断が「和解案でどうだ」というふうに示された、時間がかかったのはそういう長い一審、二審ときたことによるものだと考えます。それから。
記者:
和解を受け入れた理由ですね。
大臣:
長い裁判でございますし、特に札幌高裁からも和解案が示されましたから、この際裁判を続けるよりも国として、国の主張もありますけれどもまさに原告の皆さんのお気持ちなども考えて、この際和解が国としてもいいのではないかというふうに判断をしたものでございます。
記者:
それから今後のじん肺防止に向けた取組についてどういうふうにお考えなのかということなのですが。
大臣:
これはその後にご質問がございました私の談話、これは和解案の条件の中で出すことになっておりますけれども、そうした中でも申し上げております。今後の対策は万全を期していきたいということでございます。
記者:
原告に対してコメントをいただければと思うのですけれども。
大臣:
私の談話が今手元にないので、談話の中でその気持ちを述べておりますから、正式な談話に基づいて申し上げた方がいいと思います。後ほど私の和解の中で示されている談話についてまた申し上げたいと思います。
記者:
今の関連なのですけれども、和解受け入れの話ですけれども、原告79人のうち9人の除斥期間が適用されるという、原告の主張とは逆の選択をされていますよね。国として、厚生労働大臣として、この9人については除斥期間を適用するという判断に至った理由をお聞かせ下さい。
大臣:
これは純粋に民法上の解釈の問題でございますので、法務省の解釈に従うということでございまして、民法上の解釈の問題について厚生労働省としてのコメントは差し控えておきたいと思います。
記者:
厚生労働省として他の裁判、例えば薬害とかがあると思うのですけれども、それへの影響というのは今回考えられたのでしょうか。
大臣:
別にこの問題はこの問題でありますから、その他の訴訟と絡めて何か判断したというものではありません。
記者:
この9人については、先ほど大臣はこれだけ時間がかかったのだから、そのためにいっぱい多く原告の皆さんのお気持ちも考えて、国として受け入れていきたいというお話でしたけれども、この9人についても同じ苦しさというか、辛さがあったと思うのですけれども、この9人についてどのように考えられるかというそのお気持ちをお聞かせ下さい。
大臣:
繰り返し申し上げますけれども、まさに除斥期間をどう考えるかというのは民法上の解釈の問題でございますから、この法的な解釈はまさに法的な解釈として更に判断を仰ぎたいということでございます。
記者:
厚生労働省としては今後も法務省の判断に従って、この和解案で原告が納得して欲しいという交渉を続けていくということでしょうか。
大臣:
すいません。今のところは。
記者:
原告の主張というのは、その9人についても除斥期間を適用しないで欲しいという主張だと思うのですけれども、今後の交渉について結局法務省はその9人は適用出来ないという判断な訳ですけれども、それについて厚生労働省としてその9人についてこれは厳しいじん肺の問題な訳だから、そこは適用するようにするというふうに法務省と協議するとか、そういうふうにやっていくのか、それとも法務省の判断に従って国の主張を続けていくというふうにしていくのか、今後の交渉について今大臣はどのように。
大臣:
まず高裁が言っていますのは、和解をするか、しないか。和解に応じなければ判決を出すというふうに言っているところですから、恐らくそう遠くない日に和解を受け入れないということになると、和解をした方々は当然和解でいいわけでありますが、その和解を受け入れないと国側が言った9名の方々については判決が出るだろうと思います。そしてその判決が出てから、また国側の態度を決めるということになろうと思いますので、その時にまたどういう判断をするかということであります。
記者:
フィブリノゲンの件に戻って恐縮なのですけれども、先ほど検査体制の充実ということをおっしゃったのですが、例えばエイズであれば全国の保健所で無料匿名検査を受けられる体制が非常に組まれているわけですけれども、肝炎は今老人保健事業の枠組みの中で主にやってらっしゃって、例えば40歳未満の方は受けられないとか、あるいは40歳以上であっても無料でやっている自治体から、1,000円以上の費用を取っている自治体まで受けられるサービスが非常にバラバラになっているのですが、そういう検査の在り方自体をもう見直すというお考えでよろしいのでしょうか。
大臣:
有料、無料というお話が先にありましたが、率直に言いまして無料にするというのは大変難しいと思います。ただ出来るだけ多くの皆さんに検査を受けていただきたいというところがありますから、そうした出来るだけ多くの皆さんに検査を受けていただくためにはどうしたらいいかというようなことの検討をしていただきたいと思っております。無料にするというのは大変難しいというふうに考えております。
記者:
あと昨日肝炎訴訟の原告の方たちがここで会見なさいまして、情報公開審査会の答申を待たなくても、もっと早く厚生労働省の判断で公表が出来たのではないかというご批判もあったのですが、それに対するコメントをいただけますでしょうか。
大臣:
今日でも不服申し立てが続いておりましてそれをどうするかという議論が続いている中で、厚生労働省としてはもう開示すべき、これ以上混乱することはよろしくないと判断をしたわけでございまして、そうした厚生労働省の判断はご理解いただきたいと思います。
記者:
混合診療の件ですけれども、厚生労働省側の技術ごとに判断してという考え方に対しては、判断に時間がかかるのではないかということと、その判断の基準が明確にならないのではないかという指摘があるのだと思うのですけれども、これについてはどのように理解を求めていくつもりでしょうか。
大臣:
先ほどその点についてだけご説明しましたけれども、それに絡むもう一つのどうしても双方の考え方が埋まらない点が今おっしゃった部分でありまして、事後なのか、事前なのかという議論であります。規制改革会議の皆さんは「事後チェックでいいだろう」と。自由診療をとりあえずやって万が一問題が発生したとしても、それは医療機関の責任であるから事後に、極端な言い方をすれば責任を問えばいいというような、その事後チェックでいいのではないかというご主張であります。それに対してやはり医療というのは事前にチェックをしておかないと非常に危険を伴うと私どもは考えておりますし、また責任を持つべき私どもの立場からするとどうしても事前にまずチェックをして、こういう診療技術であれば保険の中でやって下さいということを言いたいということを言っておりまして、そこの溝がどうしても埋まらないところもあるわけであります。事後でなければ遅くなるというふうにおっしゃるのですが、事前のチェックのスピードを上げることは私どもは最大限努力をしますと言っているのですが、その事前チェックを省略して、とりあえずやってみてチェックは事後でいいだろうということにはどうしても厚生労働省としては賛成できませんということを言っているわけであります。ここがまた大きな争点の一つであります。

(了)