閣議後記者会見概要
H16.09.03(金)10:27~10:43 省内会見場
広報室
会見の詳細
閣議について
- 大臣:
- 今日の閣議におきましては、官房長官から寛仁親王殿下第一女子彬子女王殿下の英国御留学につきまして、報告がございました。それから平成16年度総合防災訓練結果報告につきまして、井上担当大臣から報告がございました。それからもう一つは川口外務大臣の中央アジア・モンゴル訪問についての報告ありました。閣議はそれだけです。
閣議後懇談会について
- 大臣:
- 閣議後懇談会におきまして、総理大臣から三位一体の改革の推進につきまして、内閣官房長官を中心として、総務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣をはじめ、関係各大臣が互いに協力し、政府一丸となって、11月半ばを目処に全体像の取りまとめに当たってもらいたい、こういう発言がございました。それから官房長官からもそれを受けまして、総理のご指示に従い、第1回目として、9月7日に関係大臣が出席をいたしまして、三位一体の改革に関する大臣会合を開催することとしたいということになっております。その中には厚生労働大臣も入っております。それから台風16号による被害状況につきまして、井上担当大臣から発言がございました。それから北方領土視察につきまして、担当大臣の方から小泉総理が視察をされたということ等の報告がございました。それからもう一つ、沖縄へ出張し、先月13日に発生しました沖縄米軍ヘリ墜落事故の現場視察を行ったという報告がございました。今日の閣議及び閣議後懇談会は以上の通りでございます。
精神保健福祉対策について
- 大臣:
- 昨日皆さんにも出席をいただきましたが、精神障害者の問題でございまして、本格的な取り組みをスタートいたしましたけれども、これはかなり大きな問題だというふうに思っております。各地域、日本国中全体で取り組まなければならない問題であります。7万2千というふうにいっておりますが、あるいはもう少し多いかもしれないし、少ないかもしれない、約7万人というふうに現在言っておりますけれども、そうした患者さんをそれぞれの地域で生活ができるようにするということは、かなりの人材が必要でございますし、その人材の養成をしていかなければならない。そしてその皆さん方のネットワークを作って、その中でやはり障害者の皆さん方が生活できるようにしていかなくてはならないというふうに思います。ご家庭に入れればいいわけでございますが、中にはそれが不可能な方もあろうかと思いますから、そうするとグループホームのような形も考えなければならないと思いますし、多様な取り組みをしていかなければならない問題だと思っております。今まで精神障害者の皆さん方は、病人としてのみ扱ってまいりましたけれども、そうではなくてやはり生活する人として、どのように取り組んでいくかということが大事だと思っております。この患者の皆さん方の人権が損なわれることがないように、地域でどのようにそれぞれ作り上げていくかに知恵を絞らなければならないと思っている次第でございます。昨日少し触れませんでしたことも含めてご報告した次第であります。
質疑
- 記者:
- 三位一体の関係大臣の会合ですけれども、大臣としてはどのようなことをその中で訴えていこうと思っていらっしゃるのでしょうか。
- 大臣:
- 詳しくはまだ考えておりませんけれども、やはり三位一体の問題はどういう考え方で整理をするかという、国がやるべきことと地方がやるべきこと、地方も県がやるべきことと市町村がやるべきこと、そうしたことの整理をしなければならない。どういうふうな基準で考えてやっていくかというところが一番大事なところだと思います。費用がかかるからそれは国がやれとか、あるいは逆の場合といったようなことではやはりいけないので、財政的な問題は抜きにして、国、県、市町村のそれぞれが担当すべき分野というものを明解にしなければならない。その上でその財源をどのようにしていくか、交付金にするのかあるいは税源移譲してやっていくのか等々あろうかと思います。厚生労働省の場合には、そのほか保険料もあるわけですから、その保険料をどうするかといったこともあると思います。したがって医療にしましても介護にしましても、この整理の仕方によりますと、骨格そのものに変更をきたすことも有り得るわけでありまして、この三位一体議論というのは非常に大きな議論になると認識いたしております。まずはどういうふうに分けるかという物差しをどう決めていくか、そこが一番大事なことであって、そこが決まればそれに従って各省がそれに当てはめていくということになるのではないか、そこをまず議論をしましょう、ということを私は申し上げたいと思っております。
- 記者:
- 年金制度改革の関連法の施行が来月1日に迫っておりますけれども、あと1か月を切ったわけなのですけれども、それに向けた実務的な準備は万全というふうに思っておられるのかどうかということと、あと10月1日に向けてこの間どういうふうに進められたらいいか。加えて言いますとその後の新しい年金制度の審議をどういうふうに見守っていかれるのかというあたりをお話しいただければと思います。
- 大臣:
- 10月からの準備は事務当局がやってくれていると信じております。10月からいずれにしてもスタートさせなければいけないわけでありますから、その準備は進んでいるというふうに思っております。問題はこの後いったいどういう議論をしていくのかということでございますが、ご承知の通り今までは年金のみを考えて、年金の形をどうするかとか、内容をどうするかということだけでありましたけれども、今後は社会保障全体の大きな枠組みの中で年金をどう見るかという議論が今進んでいるわけでありますから、その大きな枠組みの中で見た年金の位置付けというのが間もなく明らかになってくるだろうというふうに思います。例えば、その中に財政的な支援、具体的に言えば消費税かもわからないし、他の税制かもわかりませんけれども、税制上の支援というものも年金に対してはどれくらい出来るのかといったことも明らかになってくるのではないかと思います。そうなってくれば次のステップをどうするかということがかなり具体的に画けるようになってくると私は思っております。その辺のところが漠然とした形の中で次のステップを画くことはなかなか難しい、ということではないかというふうに思っております。
- 記者:
- BSEの対策なのですけれども、いよいよ来週食品安全委員会の方で国内の対策に対する一定の評価というものがまとめられる可能性がありますけれども、それについて現在の省内の対策見直しに関する検討状況と、あと食品安全委員会の方で報告書がまとまった後の省としての対策の見直しに取り組んでいくスケジュールについてお考えをお聞かせ願えますか。
- 大臣:
- BSEの問題につきましては、現在食品安全委員会の方で総体的な、しかも科学的な立場からの取りまとめが行われようとしているわけでありますから、まずはこの結論を待たなければいけないと思っております。したがいまして、将来における議論もその結論を聞いた後どうするかということになるのだというふうに思います。近々その議論の結果が出るわけでありまして、その議論の結果が非常に具体的なものなのか、それとも抽象的な表現に終わるのかということによって、その後の進み方というのは違ってくるというふうに思います。具体的な結論が出される、すなわち、現在全頭検査をしているけれども何か月くらいでいいのではないかといったような結論が出るということになれば、そのことを中心にして将来の議論をし、そして次のことに対して我々はどう考えるかということを煮詰めていかなければならないというふうに思っております。まずはそこのところをちょっと待ちたいというふうに思います。
- 記者:
- 日米協議の方も、今ストップしている状態だと思うのですけれども、大臣の在任中にこの問題について一定の結論が出されるかどうかということについて。
- 大臣:
- ちょっとわからないですね、それは。もうカウントダウンが始まってますから、そうはスムーズに行くかどうかちょっとわかりません。
- 記者:
- 先ほど精神障害者のことについてお話があったのですけれども、これから介護保険の見直しなども含めまして他の障害者の方と併せて見直しの作業が行われると思うのですが、現段階でその関連も含めまして大臣の方でご所見があればお聞かせいただけますか。
- 大臣:
- 今まで障害者と言いました時には、身体障害者と知的障害者どまりでありまして、精神障害者の問題はそこから除外されていたわけですが、これからはもう障害者と言えば精神障害者の皆さん方も全て含めてということになっていくと思いますし、全ての分野でそうしなければならないというふうに考えております。そういうことでありますから、介護保険の中で障害者の問題も同じに取り上げていくということになりますと、これは精神障害者の皆さん方の問題もその中に含めて取り扱っていくということになると思っております。そういうことになってまいりますと、来年の国会には介護保険の改正案を出すと同時に、精神保健福祉法の見直しも行わなければならないということになるというふうに今考えております。
(了)