閣議後記者会見概要

H16.08.03(火)9:57~10:13 厚生労働省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
閣議におきましては、故鈴木善幸内閣・自由民主党合同葬儀につきまして、内閣総理大臣から発言がございました。それから湖沼の水環境の保全に関する政策評価、湖や沼の話でございますが総務大臣から発言がございまして、引き続きまして湖沼の水環境の保全に関する政策評価の結果について、環境大臣から発言がございました。それから中川経済産業大臣のジュネーブ出張につきまして、中川大臣から発言があり、また同じように亀井農林水産大臣からジュネーブの出張について報告がございました。それからWTO一般理事会の結果につきまして、外務大臣から発言がございました。内閣官房長官から正仁親王常陸宮同妃両殿下のギリシャ国御旅行についてのご報告がございました。

閣議後懇談会について

大臣:
官房長官から再び故鈴木善幸元総理の葬儀の執行について具体的な発言がございました。発言等は以上のとおりでございます。

その他

大臣:
それ以外の問題といたしまして、監修料につきまして厚生労働省職員が選択エージェンシーから出版物等の監修に関して多額の監修料を受け取っていたことを一つのきっかけにいたしまして、補助金が関係して国民の疑惑を招くような監修料については受け取らないことと既にしているところでございます。しかし最近また皆様方の調査等によりまして、過去に保険局国民健康保険課の職員が補助事業に関連しました冊子等の監修につきまして、多額の監修料を受け取っていたことが明らかになったところでございます。こうした経緯に照らしまして、監修料の実態について全省的に調査をすることにいたしました。調査結果に基づき厳正な対処を行うために、厚生労働審議官辻審議官を主査といたしまして、関係部局の課長クラスを構成員といたします調査チームを設けることとしたところでございます。調査チームでは、国庫補助に関連する出版物、システム等の監修料を受け取っていないかどうか、社会通念に照らして監修料が多額のものでないかどうか、監修作業の実態がどのようなものか、職務と厳正に峻別をされているかどうか、等につきまして、現在報道されています事実を優先いたしまして徹底的にすべて調査を行っていく。出来るだけ早く結果をまとめたいとこういうふうに思っているところでございます。
それからもう一つ、これも皆さん方の新聞や報道でもよく取り上げられていることでございますが、がん患者さんに対しますがん治療が地域格差が大きいということでございます。確かにそれぞれの地域におきまして、格差が大きいわけであります。この地域格差をなくすためにどうするか、前回も若干対応を申し上げたところでございますが、もう少し地方自治体の皆さん方のご意見も聞き、あるいはまた医療従事者のご意見も聞き、総合的にここはみていかないといけないというふうに思っておりますので、大臣の下に検討会を作りまして、地域の皆さん方もお入りいただき、あるいは医療関係者にもお入りをいただく。総合的にがん対策、そして地域格差の是正を進めるためにどういうことが大事で、何から手をつけていけば早くそれを解消できるかということの結論を出したいというふうに考えているところでございまして、そうした人選等早速入りたいというふうに思っているところでございます。このことは文部科学省とも関係することでございますので、文科省ともご相談を申し上げていきたいというふうに考えているところでございます。私の方からは以上です。

質疑

記者:
監修料の調査チームなんですが、いつごろまでに結論をまとめるというようなメドみたいなものはございますのでしょうか。
大臣:
今のところ、いつまでにというメドが立っているわけではありません。調査の過程でかなり広範にやらなくてはならないということになれば時間がかかるわけでございますが、出来るだけ早く結果を出さないといけないというふうに思っています。結果を急ぐように言っているところでございます。出来ればこの2、3か月の間に結論を出してもらいたいというふうに思っております。
記者:
監修料を受け取っていた人達が係長以下ということで、何か規定があってこれは違反だというようなことが言いにくいところで多額のお金がまわっていたということなんですけれども、それについて大臣は今後内規でいろいろ見直しをするとかそういうお考えございますでしょうか。
大臣:
全体としての全貌を明らかにしてから今後の対策というのは決めたいというふうに思っております。しかし係長以上であろうと以下であろうと、公務員であることには間違いがないわけでありますから、公務員としての規律としてどうかという物差しで今後考えていかなければならないというふうに思っております。
記者:
がん対策の検討会なんですが、いつ頃スタートさせたいというふうにお考えですか。
大臣:
これは人選を急がなくてはいけないですけれども、出来ましたら今月中にでも、今月末くらいなところでは人選を終わってスタート、チームが出来上がる体制にしたいというふうに思っております。
記者:
結論はいつぐらいまでに出したいと。
大臣:
そこはなかなか集まっていただきました皆さん方のご意見も聞いてみないといけないわけでありますけれども、格差が生まれているということは事実でありますし、それはそれなりの理由があって生まれているわけでございます。そこのところをどうするかということを、どう結論づけるかということと関係してくるというふうに思います。やはり地方の病院にとりましては、がんセンターなどによっていろいろの知識を得たいというふうには思うのですけれども、地方の病院の人数が限定されておりますので、なかなか地方を離れて東京なりがんセンターのあります所に研修に長期間出かけるということが不可能である。そういう地域がまたがん対策が遅れているということでございます。その辺につきましてその悪循環をどう断ち切るかということが一番大事ではないかというふうに思っておりますので、よく地方自治体の皆さんもお入りをいただいて、その辺のところをどうしていくかという結論を早くまとめたいというふうに思っております。
記者:
監修料の問題なのですが、調査の範囲は本省及び社会保険庁の方も含むというふうに理解してよろしいですか。
大臣:
はい。そう解釈していただいて結構でございます。
記者:
監修料が多額なものかどうかということを調べるということなのですが、先ほどの係長以上以下というところとも関連するのですけれども、監修料を今回報道されているところでは、一人頭100万、200万円という額が結構あるのですけれども、額についての制限みたいなことを設定することも検討に入るというふうに理解していいのでしょうか。
大臣:
先ほど三つ申しましたように、額を制限するということもあり得るかわかりませんが、どういう時に監修料を受け取っていいかどうかという問題が先にあるのだろうというふうに思います。監修料を受け取っていい場合には、額の多い少ないということは次の時点の話だというふうに思いますが、まず監修料を受け取れるようなケースはどんなときに限定するのかということでございますし、その中の一つとして今ご指摘をいただいたように額をどうするのかといったことも出てくるというふうに思います。
記者:
今までわかっている範囲の実態を受け止めて、どのようなところに問題があるとお考えですか。
大臣:
今、必ずしも全貌が私も掴めているわけではございませんけれども、こういう事態が起こっている、とりわけ補助金と関係して起こっているということは、誠に残念なことであり、一刻も早く是正をしなければならないことだというふうに思っております。本年度に入りましてからは、すでに自重をさせておりますけれども、過去に遡って調査をして明確にしなければいけないというふうに、今思っているところでございます。その内容によりましては、様々な対処の仕方があるというふうに思っております。
記者:
確認ですが、この調査は補助金に絡まない監修料も調査をされるということでよろしいでしょうか。補助金事業と関係ないけれども、監修料を受け取ったというようなことについても。
大臣:
全部です、はい。
記者:
課長クラスでメンバーを構成されているということですが、大体何人くらいのチームというふうに考えておられますか。
大臣:
ちょっとそこまで、人数まではちょっと聞いておりません。
記者:
監修料なのですけれども、返還みたいなことも検討するということですか。
大臣:
それも入ってくると思います。
記者:
厳正な対処というのは、処分もある。
大臣:
実態を調査をした上での話でございます。
記者:
4月から選択エージェンシーの話がずっと出ていたのですが、この件はずっと明るみに出てこなかったということで、この間、調査なりは何でこういう形で進んでこなかったということについては、どういうお考えでしょうか。
大臣:
私も何故分からなかったかということを聞いているのですが、やはり役所の中で調べられることには限界があるのかなという気も致しております。しかし、こういう状態になりました以上、今まで限界があるといったことを乗り越えて、やはり調査をしなければいけないわけでありますから、内外の様々な検討結果も参考にさせていただいて、結論を出さなければいけない。内部の聞き取り調査だけでは、なかなか現実が明らかになりにくいという点もあるのではないかというふうに思っております。
記者:
そうするとどなたか外部の方の目を入れるとか、チェックをしてもらうとか、何らかの内部調査の結果を乗り越えるような方策というのがあるのですか。
大臣:
そこまでは私も今は断言出来ませんけれども、内部を調べなければならないことはもちろんでありますけれども、そうしたことだけではなくて、やはり多くの皆さん方からもご意見を聞かなければいけないというふうに思っております。
記者:
構造的な話として、厚生労働省という役所は、例えば年金事業だけでも合計で40兆円くらいの給付をして、30兆円近い保険料を集めているのですけれども、複雑な制度を経由して、こういった配分が行われている中で、どうしても制度を知りたいという人が多いわけです。そこでこういった監修の問題も出てくると思うのですけれども、業務以外の監修というのがそもそも有り得るのかというような構造的な話としては、大臣としてはどんなことをお考えになっていますか。
大臣:
だからそれはどこまでが職員としての仕事なのかということだろうと思います。全く補助金やその他と関係のない、一般の書物等が出まして、その中に医療のことが書かれていて、それが誤っているかどうかといったことを見て欲しいという話と、それからそうではなくて、もう補助金も出て国の施策としてやっていく、そういうものに対するものと、自ずからそこは違うのだというふうに私は思いますけれども、その辺の整理をしていかないといけないというふうに思っております。
記者:
どれくらい遡って調査をしようと考えていらっしゃるのでしょうか。
大臣:
そこは調査チームでどうするかということを結論を出してもらいたいというふうに思ってます。

(了)