閣議後記者会見概要
H16.07.23(金)10:25~10:42 厚生労働省内会見場
広報室
会見の詳細
閣議について
- 大臣:
- 閣議におきましては、小泉内閣総理大臣の韓国訪問につきまして、外務大臣から発言がございました。今日の閣議はこの一件だけでございました。
衆議院議員運営委員会理事会について
- 大臣:
- その後私は議運の衆議院の方の理事会に出させていただきまして、年金法の誤りのあったことにつきまして皆さん方にお詫びを申し上げて、ご理解いただくようお願いしたところでございます。
質疑
- 記者:
- 社会保険庁でまた年金の過払いの問題が明らかになりまして、事務手続き上の単純なミスでチェック機能も働いていないということだったようなんですが、これについてあらためて。
- 大臣:
- 社会保険庁の問題につきましては、様々な角度からこれからもう一度再検討しなければいけないというふうに思っておりますが、その過払いでありましたりあるいは不足でありましたりというふうな問題が再三起こるようなことは本当はあってはならないことでございます。それはいわゆるシステムの問題なのか、それともその人の入力ミスの問題なのか、あるいはその両方が関係をしているのか、それらのことを今回徹底的に一つ解明をしたいというふうに思っております。新長官が今日正式に決まることでございますので、新長官ともその辺をよく相談をさせていただきまして、こうしたことが2回、3回と起こってくることの無いように抜本的な改革に取り組んでいきたいと思っているところでございます。
- 記者:
- この問題は、2月にわかって3月に既に個別にいろいろ通知を送付しているそうなのですが、マスコミにはそういう指摘があるまで、今まで公表してきてこなかった、公表しなかったという対応については、どのようにお考えでしょうか。
- 大臣:
- そうですね、私も今回初めて知ったわけでありまして、私の元にもそれは報告されておりませんでした。もし、2月なり3月にわかっていたことで公表しなかったとすれば、それは大変問題は大きいというふうに思います。もう一度私もその点をよく調査いたします。
- 記者:
- 先ほど議運の件ですけれども、もう少し詳しく大臣からどのようなお言葉を議運の場で言われたのかということと、議運のメンバーからどのような意見があったのかということをご紹介いただけませんでしょうか。
- 大臣:
- 私の方からは、先日成立しました年金の法律の中身につきまして、それがどんな間違いであれ間違いがあるということは許されないことであります。心からお詫びを申し上げる以外ございません。こういう事態が生じました原因はいったいどこにあったのかということについて検討を進めておりますが、もちろん事務的には二重三重のチェックが必要でございましょうし、今までもそうしてきたというふうに思いますけれども、しかしそれでもなおかつそこから漏れる部分があったというのは、それはどういう原因でそれが漏れたのかといったことについてもう少し解明をしなければいけないというふうに思っている次第でございます。十分解明をいたしまして、再びこうしたことがないようにしたいというふうに思います。ということを申し上げました。また、私の立場からいたしますと、役人の皆さん方に法案を決定して、そして渡す時期の問題があるというふうに考えております。もう少し早く内容を決定して、十分な時間を与えることが出来れば防止をされたかもしれないというふうにも思うわけでありまして、内容が最後の最後までいろいろと内容が変わって、そして最終的に手渡すのが遅れたということも一つの原因ではないかというふうに思っておりますので、今後重要法案の決定につきましては、役所の方で十分それに対する対応が出来る時間を与えるということも大事ではないかというふうに思っております。その点につきましては、私の責任でございますので深くお詫びを申し上げて、今後そのようなことのないように努力をしたいと思います、こういう趣旨のことを申し上げさせていただきました。それで、与野党代表いたしましてご意見をお一人ずつ頂戴をいたしましたが、特に野党の方からは、おっしゃった言葉その通りではありませんけれども、立法趣旨は、決して間違ってはいないということを書いておみえになるけれども、その立法趣旨、立法というのは国会が決めること、行政が決めることではない。そこをあたかも行政が決めるかのごとき書き方がしてあるのは間違いではないか、というご指摘がございました。これは民主党の藤村議員からご指摘があったわけでありまして、私は率直にその言葉の通りだというふうに思っております。そうしたことを与党の方からも十分気をつけてほしいというご意見がございました。それから委員長からは、再発防止についてどのように考えているかについてもう一度尋ねたいというお言葉がありまして、私の方からは先ほど申し上げましたような再発についての今後の考え方というものについて、再度申し上げて委員長のご理解を得たいということを申し上げたところでございます。
- 記者:
- 昨日の議運の理事会では、一連の処分が甘いという意見が与党側からも出たというふうに聞いているんですけれども、処分の重さについてはあらためてどのようにお考えでしょうか。
- 大臣:
- 今日はそこまではお話は出ませんでしたけれども、しかしそういうご指摘を受けるのであれば、我々がもう少しそこは考え直していかなければいけない。やはり処分の重さということと、それから反省の度合いというものとは並行しているというふうにご指摘をいただくのであるならば、我々ももう少しそこは厳しくしなければいけないのかな、というふうに思っておりますが、今までの役所の方の慣例みたいなものもあるものですから、私自身は1ヵ月というふうにいたしましたけれども、KSDの時は1年間、BSEは3ヵ月でございましたから、私ももう少しと思ったわけでございますけれども、しかし私ももうお終いでございますから、あまり何ヵ月というのもいかがなものかというふうに思って、まずは1ヵ月させていただくということを申し上げたところでございます。もう少し考えたいと。
- 記者:
- 職員の方の追加処分も有り得るということでよろしいのでしょうか。
- 大臣:
- まだ相談致しておりません。おりませんが、そういうご意見もあったことも十分に聞いておりますので、対応したいというふうに思っております。
- 記者:
- 今日、村瀬新長官が正式に決まるということなのですけれども、官房長官の下には有識者会議という形で検討の場が出来、また経済財政諮問会議の方でもいろいろな発言が出て、いろいろ期待が高いことの表れだとは思うのですけれども、いろいろな方がいろいろなことをおっしゃっていると、非常にそうすると船頭多くして船、山に登るという様なことわざがありますけれども、少しなかなか村瀬さんがフリーハンドでやりたいことを、思った通りにやるというような環境になかなかなりにくいのではないかという懸念もあるのですが、大臣はそこら辺をどのように、村瀬さんのために環境を整えていかれるのか、お考えをお聞かせ下さい。
- 大臣:
- この社会保険庁の改革の問題につきましては、内部においてどう改革をするかという問題と、それから今まで存在しました社会保険庁そのもののあり方と申しますか、大きな大枠をどうするのかという問題と、私は両方あるだろうというふうに思っております。村瀬長官にはとにかく現在の社会保険庁の中において、改革すべき点はいったいどこなのか、それをどういうふうにしていくのか。またもし社会保険庁として手放した方がいいというふうに思われる点があるとするならば、それはどこなのか。そうしたことについて私は新しい長官が真剣に考えていただいて、そして自由に発言をしていただける雰囲気を作らなければいけないというふうに思っております。もう一つの外側から見て、今後社会保険庁というものを、これは年金、医療、両方含んでおりますから、両方から見てどうしていけばいいのかという議論は、別途またあるだろうというふうに思いますので、そこはそれぞれまたご議論をいただければいいというふうに思います。しかし今おっしゃいますように、あまりあちらでもこちらでも同じような議論をするというのは、私はいかがなものかという気も致しますので、官房長官の下に検討会を作っていただいたわけでございますから、そこで主体的に外側から見た改革というのはどういうことであれば一番望ましいのか、そこを議論をしていただき結論を出していただくことが、一番望ましいのではないかというふうに思っている次第でございます。就任していただきましたら、じっくりとその辺のところお話を申し上げたいというふうに思っているところでございます。
- 記者:
- 外側から見た改革というのは、例えばどんなことを想定されているのでしょうか、組織のあり方そのもの。
- 大臣:
- 組織のあり方そのものも含んでくるでしょうね。一番大きい問題は徴収事務というのを、これを社会保険庁なるものの役所の中で、今後も継続してやっていけるのかどうかという問題だと思います。ここをどうするのかということ、それは医療保険との関係もございましょうし、あるいは税の問題、地方税との問題等もございましょうし、そうした全体で見て、それを国全体としてどういう方向にもっていくことが今後望ましいのかという、大きな日本の枠組みの中でお考えをいただくことはあり得るだろうというふうに思っております。そうしたご意見は率直に、それはお聞きをするということだろうというふうに思いますし、内部におきましてもいろいろ検討致しまして、長官共々に、そこはよく耳を傾けながら、内部としての意見を固めていくということではないかというふうに思います。
- 記者:
- 徴収といいますと、例えば市町村が住民税を徴収しているのと、国税庁が所得税などを徴収していることがすぐ思い浮かべますけれども、それは徴収部門としての国税庁との統合みたいなことも視野に、もちろん検討対象に入り得るということなのですか。
- 大臣:
- 国税庁もあるかもしれませんし、市町村の徴収の問題もあるだろうと思いますし、他の保険料の徴収の問題もございますから、そうした問題をいったいどうしていくのか、バラバラに徴収するというのはよくありませんから、それを出来るだけ徴収も簡素化をしていくという方向になれば、いったいどうなるかというようなところが一つの大きな論点ではないかと、私は思っております。委員になっていただいた皆さんは、あるいは別な角度からのご議論があるかもしれません。しかし私はそう思っている次第でございます。
- 記者:
- 厚生労働省の中では、社会保険という性格上、やはり税と一緒に徴収するというのはいかがなものかというような意見もあるようなのですが、その辺は大臣としてはそういった考え方にあるけれども、それにとらわれず柔軟に諸外国なんかがやっている歳入庁みたいな考え方もきちんと研究していくべきだというふうなお考えですか。
- 大臣:
- それも検討の中の視野に入ってくると私は思います。そこは別枠にということではないと思います。
(了)