閣議後記者会見概要

H16.05.28(金)9:32~10:00 厚生労働省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、平成16年版環境白書及び平成16年版循環型社会白書につきまして、環境大臣から発言がございました。それから労働力調査、消費者物価指数及び家計調査結果につきまして、総務大臣からご発言がございまして、4月の完全失業率は、季節調整値で2ヶ月連続の4.7%ということとなりました。1年前に比較して就業者数は、6,354万人と48万人増加いたしまして、完全失業者数は335万人、50万人減少したということになっております。それから私の方から有効求人倍率につきまして発表いたしまして、季節調整値で0.77倍であります。前月と同水準でございます。有効求人は前月に比べまして0.8%の減少、有効求職者の方は1.8%の減少というこうことになっております。内容につきましては、かなり改善をしてきているように思います。それからもう1つ私の方から、世界禁煙デーへの協力につきまして発言をいたしました。WHOで定めます世界禁煙デー、これは毎年5月31日、この日1日を喫煙者に対してたばこを吸わないよう促すとともに、人々がたばこのない生活習慣を身に付けられる社会が実現するように、世界中に呼びかけることとしております。本年の標語は「たばこと貧困・その悪循環から逃れよう」ということです。それから平成17年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針について、内閣府特命担当大臣から発言がございまして、併せてこれについて内閣総理大臣からも平成17年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針について発言がございました。科学技術政策を強力に推進するとともに、4分野への重点化など、科学技術関係予算の資源配分にメリハリをつけたいという発言でございました。その後サミット財務大臣会合につきまして、財務大臣から発言がございました。閣議は以上でございます。

閣議後懇談会について

大臣:
閣議後懇談会におきましては、本朝の日本時間午前1時30分、いわゆるイラクにおきます襲撃事件につきまして、外務大臣から現状における概略の説明がございました。日本のフリージャーナリストお二人ということでございます。現在詳しいことはちょっと判っておりませんので、現在調査中ということです。一人亡くなって、一人怪我されたというような話があったというニュースも流れておりますけれども、その辺も含めて確認が出来ていないということだそうでございます。以上でございます。

質疑

記者:
大臣、年金の関係ですけれど、国民年金未納対策法案と無年金障害者の法案、それぞれ議員立法でやろうということで協議を進めてきたと思うのですが、今後の日程を考えると大変厳しい状況だと思うのですが、その見通しとなかなか法案に向けての動きが進んでいないことについての感想、特に無年金障害者に関しては大臣思い入れが深いと思うのですが、それについてコメントを。
大臣:
未納者に対する問題につきましては、これは各党間でお話し合いをいただかなければなりませんから、各党の合意が得られないとなかなか成立は難しいのではないかというふうに思っております。これは議員立法でお願いをするということになっておりますので、各党間でご協議をいただければ幸いだというふうに思っております。それからもう1つの方の無年金障害者についてでございますが、無年金障害者はなんとか今国会で決着をつけさせていただくことが出来ればと私も思っております。しかしここも議員立法でお願いをしなければならないというふうに思っておりまして、各党間でお話し合いをいただなければならないわけでございますが、この問題につきましては、かなりその必要性につきましては意見が集約されているというふうに思っております。あとどれくらいの給付額にするかといった点についての最終の詰めはありますけれども、合意が出来ましたらそんなに時間を要するわけではないというふうに思っておりますし、合意が出来たら直ちに法文化出来るように、まず法文の中身、具体的な問題は抜きにいたしまして、骨格はぜひ早く作っておいて欲しいといっているところでございます。何とか今国会に間に合うようにご提出いただけるようになれば幸いだというふうに思っておりますが、さらにここは各党にもお願いを申し上げたいと思っております。
記者:
大臣の国民年金の未加入の話ですが、当時任意加入の時代でしたけれども、加入しなかった理由等は何だったのか。
大臣:
これはですね、55年に私落選をいたしまして、それで58年の末に復帰したというふうに思ってます。私が落選しました時には、国会議員は加入してはいけないという時代でございました。それでこの3年して帰ってまいりましたら、それは入っても入らなくてもいいということになっていたわけでありますが、私はそのことは全然知りませんでした。私はその浪人中は会社を作りまして、それでそこの厚生年金に入っておりましたから、今から考えますとその厚生年金にずっと継続して入っていても別によかったわけでありますが、国会議員は他の年金には入れないということを聞いていたものでございますから、私はその厚生年金に入るのもやめたんだろうというふうに思います。その会社はもっと後までずっと継続して存在しましたから、入っておれば入れたというふうに思うのですけれども、そこでストップさせたと、それで国民年金にも入らなかったということが続いたということだというふうに思ってます。私はその入っても入らなくてもいいというふうになってるということを知りましたのは、61年の国会の始まる頃ではなかったかというふうに思っておりますが。すなわち61年からこれは入らなければならないように変えようという話が出た時だったというふうに思っております。そのときに今入っても入らなくてもいいようになっているということを聞きまして、いつ変わったんですかといったら、55年か何かに変わったという話をその時にお聞きをしたと。前に申しました通り、入ってはならないのに知らずに2年間入っていたという経緯もあるものですから、48年、49年と入ってはならないのに知らずに入っていたという経緯もあるものですから、その入ってはならない時期が継続していると最初のうちは思っていたということでございます。入っても入らなくてもよくなっているというお話をその後61年の国会の時だったというふうに思いますけれども、聞いたという記憶がございます。それで、そうなった経緯を聞きますと、それは36年に国民年金が全国民等しく年金に入るという、皆年金制が実現いたしましてからちょうど55年で20年経つものですから、それでぼつぼつ国会の中にも国民年金に20年間以上加入をしている人が登場してくる。もう少し掛ければ国民年金の資格が得られるのに、国会に出たが故にその資格を得られないといったような人が生まれるので、その人達の救済をしなければいけないということから、入ってもいいという項目が入ったというふうに聞いております。だいたい経緯はそういうことでございます。
記者:
まだ詳しいことがわからないということですが、またイラクでフリージャーナリストの方が2人襲撃されたということですが、これに対して大臣の特段のご感想というですか、受け止めはございますでしょうか。
大臣:
そうですね、非常にイラク、地域的にではございますけれども、厳しい状況になっておりますから、やはりイラクに行かれる方というのは、それなりの防御対策と申しますか、それぞれがかなり対応をしていただかないといけないのではないかという気がいたします。今回の方も、何かサマーワからバクダッドへ向かう途中であったとお聞きをいたしておりますけれども、何か逃げられたという噂もあるようでございます。襲撃を受けてから車から逃げられたという話もあるようでございますので、そういうふうに逃れられておみえになれば非常いいのだが、というふうに今思っているわけでございますが、詳細のところはまだ外務省の方にも入っていないようでございます。運転手さんがお怪我をされているようなのですけれども、その運転手さんから連絡があったことだけは間違いがないようでございます。ご無事であることを祈りたいというふうに思っている次第でございます。
記者:
有効求人倍率と完全失業率なのですが、数字は前の月と変わりませんが、内容自体はよくなっているのではないかという指摘もございますが、大臣はどういうふうに今回ご覧になっておりますか。
大臣:
有効求人倍率の0.77というのは変わらないわけでありますけれども、全産業の新規求人倍率等、そうしたものを見てみますとかなり改善をされております。全体として良くなってきております。先ほどありましたように、全体として就業者数というのもかなり増えてきているということでありますので、ここはかなり回復してきているなという感じを受けるわけでございますが、ただ一つ若年者のところ、24歳未満のところは依然として10%台がそのままになっております。良くなっていないということでございます。ここを今後どうするかということが一番大事だというふうに思います。高齢者の部分と申しますか、中高年の部分は改善されてきている。55歳以上くらいのところも失業率4%になっておりますから、かなり良くなってきているというふうに思います。そこで若年労働者のところに、どういう対策を今後打つかということが一番大事になってくるわけであります。若年労働者の場合には、それぞれ育ってきた環境も違いますし、そしてお考えもいろいろでありまして、中高年のように何か一つの仕事をしてきたという、そういう経緯がないわけでありますから、今後どういう仕事に就いたらいいかということが絞りきれない人たちがたくさんいる。また何をしていいかなかなか分からないといった人たちが非常に多いという状況でありますので、いろいろのことに対して、やはりテストケース、様々なことを一遍やってもらって、その中から自分はこうしようということを考えていただくというのも一つの方法でありますから、是非今後も試し雇用のような方法を出来るだけ取り入れて、そしていろいろなところで一度働いていただいて、そこにもうこれならやってみてもいいというふうに思われ、また雇用主の方もこの人なら欲しいというような状況が生まれてくれば幸いだというふうに思っております。デュアルシステムも出発をさせましたけれどもそれだけではなくて、やはり新しい、何かもう少しもう一歩突っ込んだ何か方法がここは必要ではないのかというふうに思っております。そこは今までと同じ様なことをやっていたのではなかなか進みません、そして画一的なことをやっておりましてもなかなかここは進まない。やはり個人個人、一人一人よく状況を聞いて相談にのるという体制が必要でありますので、少しここは人材が必要ではないかというふうに思っております。したがって、中高年のところから、もしも回せるようなゆとりがあれば、若い皆さん方のところに回ってもらう。あるいはまた、若い皆さん方に対応するためには、誰でもいいというわけにもいかないでしょうけれども、そういう若い人に対して適切なアドバイスを出来るような人たちを雇用して、その人達に対応をしていただく。そうしたことが今後もう少し必要になってくるというふうに思っております。
記者:
今日諮問会議がありまして、骨太がそろそろ大詰めですけれども、社会保障の給付目標というような考え方が盛り込まれる方向に現在ありますが、改めてそのことについてのお考えを。
大臣:
社会保障の問題につきましては、総括的にどうこれから考えていくかということ、もちろん経済財政諮問会議でもおやりをいただいておりますが、今回の年金に絡みます三党合意におきましても、是非一つそういう社会保障全体で考える場をつくって欲しいというご意見が各種団体からございました。特に連合と日本経団連からそういうご意見がございまして、出来れば我々も参加する形の中で議論をすればよろしいということでございます。私は経済財政諮問会議の中でいろいろご議論をいただくのもよろしいですけれども、そうした各党代表、それに連合や日本経団連、あるいはその他の代表を加えました、そうした話し合いをする場で、社会保障全体をどのようにもっていくか、とりわけその中で負担と給付をどうするか、負担の方は税と保険料の割合をどのようにしていくかといったようなことのご議論をしていただく必要があるのではないかというふうに思っております。現在年金制度改正、出させていただいておりますし、18.3%まで段階的に上げるようにいたしておりますが、中にはそこに至るまでにもう少し、そこまでいかなくてもいいような方策はないかといったようなご意見もあるわけでございます。これは財源として保険料だけではなくて税制もというお考えもありますし、その他いわゆる女性の労働につきましてM字形カーブをなくしていくような対策、それから60歳代の皆さん方の雇用をさらに進めていくといったようなことを、そうしたことを行えば少なくとも3%くらいの価値はあるのではないかというご意見もあるわけでございますので、そうしたことも含めてご議論をいただくのがよろしいのではないかというふうに思っております。そうするとあちらにもこちらにもいろいろ議論する場が出来て、それをどうまとめていくかということが起こってくるというふうに思います。しかし私は国民から選ばれた各党代表も入り、各種団体も入りましたような場所で議論をするということが、非常に私は大事だというふうに思っております。そこは連合から強いお申し入れがございましたが、私もそこは同感でございまして、これは是非そういうふうにしていただきたいということを、総理や官房長官にも申し上げているところでございます。ですから経済財政諮問会議でも、非常に大枠のと申しますか、社会保障に限らず、財政全般の大枠のご議論はあってしかるべきというふうに思っておりますが、社会保障そのものの中身につきましては、そうした場が是非やはり必要だというふうに私は思っております。
記者:
社会保障費の考え方を、水準というのものを考える時に、何を一番重点的に考えなければいけないというふうにお考えでしょうか。
大臣:
社会保障のことを考えます時に、まず最初に国民負担率のところを先に決めて、ここで全体の財政が厳しいのだから、社会保障にはこれだけしか駄目ですよという、先にキャップをかぶせて、その中で具体的なやって欲しいというご議論があるということを私も承知をいたしております。しかしそれは少し順序が逆ではないかというふうに私は思っております。もう少し、節減をするものはどう節減をしていくか、それは検討しなければなりませんけれども、しかしその中でどうしても必要なものは一体何なのか。そしてそれにはどれだけ財源が要るのかというような、やはり具体的な検討をし、それぞれのご家庭におきましては、出していただきます財布は一つでありますから、それを社会保障全体の中でどれだけ個人として負担をしていただくようにするのか。そして税として、どう負担をするようにするのかといったところを決めていくという、その手順が私は大事だというふうに思っております。ですから社会保障にどれだけかかるかという、その手順を抜きにして、先に財政だけからキャップをかぶせるという決め方には、私は反対でございます。その辺のところが、これから大いに議論になるだろうというふうに思っております。
記者:
未加入の件なのですけれども、任意加入の時代ということですけれども、一般の人々からすると、国会議員の方であられるならば率先して入っていただいてもよかったのではないかという声もあるかと思うのですが、先ほどの大臣のご説明ですと、当時は国会議員の間でも制度自体が周知されてなかったということなのでしょうか。
大臣:
そうですね、誰も教えてはくれませんでした。しかしそれは知らなければいけなかったのかもしれません。とにかく最初は払ってはいけなかったわけで、55年までは払ってはいけない。それで55年からは今まで掛け金を長くしてきたような人は掛けることが出来ますよという、少し窓を開いたということ。それで61年からは、これは年金制度全般の見直しを行いました。これは国民等しく年金に入って、基礎年金部分にはどの年金であろうと全員がここに入るという、そして国民全体の相互で支え合いをしようという制度に変えたわけで、それまでは職域年金と申しますか、それぞれの職域でつくっている。公務員は公務員としての共済年金、会社の人は厚生年金、あるいは国鉄の人は旧国鉄で年金をつくる、専売公社は専売公社で、電電公社は電電公社。そういうふうにバラバラになっていて、そこに関連性がなかったわけでありますけれども、そこを一元化をした考え方にしたというのが61年からのスタートでございます。そういうふうになりましたから、今まで国会議員は入ってはいけない、入っていいという時期がありましたけれども、それ以降はいかなる人でありましても、この制度の中に入りましょうということに変わった、こういう経緯でございます。

(了)