閣議後記者会見概要

H16.05.11(火)9:10~9:29 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、内閣総理大臣からコンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律案につきましてご発言がございました。茂木科学技術政策・情報通信技術担当大臣に国会対応はお願いしたいというお話でございます。引き続きまして茂木大臣からコンテンツの創造、保護及び活用の促進についての法律案につきましての発言がございました。以上2点でございます。私の方からは独立行政法人雇用・能力開発機構理事長の任命につきまして発言をさせていただきました。現在、角野敬明氏が代行としてその職務を行っているところでございますが、5月31日付で辞任をいたしまして6月1日付で理事長として、日鐵建材工業株式会社社長、岡田明久氏を任命したいということでご了解をお願いしたところでございます。以上でございます。

質疑

記者:
昨日、民主党の菅代表が年金未払い問題の責任をとって代表を辞任しました。それと自公民の3党の合意文書を巡って民主党内では反対の意見も強かったのですが、党として了承という形がとられましたけれども、この2つの昨日起こった民主党の出来事についてコメントをいただけないでしょうか。
大臣:
菅さんとは現在立場を異にいたしておりますけども、元々同じ政調会長として私は一緒に長い間仕事をした経緯がございまして、友人の一人と言ってもいいというふうに思っております。それだけに、一生懸命新しい党を作るということで情熱を燃やしておみえになった訳でありますので、大変残念だったろうというふうに思っております。未払い期間がそんなに長かったわけではありませんけれども、担当の厚生大臣の時に未払いであったということで責任をとられたのではないかというふうに思っております。また、この3党合意につきましていろいろとご意見があったようでございます。しかし政策的に考えていけば、3党合意というのは今後の年金制度に対して1つの大きな方向性を示したものだというふうに思っております。菅さんが言われていること、昨日もずっと聞いておりまして、大筋において私も正しいと思った次第でございます。
記者:
菅さんが言っていることが大筋正しいというのは、どういったことでしょうか。
大臣:
それは社会保障全体について各政党間で協議をし検討をしていく、それは保険料そして税制を含めて負担と給付の在り方を今後検討していく、その中で一元化の問題も含めて制度の在り方というものについても検討をしていくということをおっしゃっているわけであります。それはその大筋において、私は各党が議論をする場を設けていくということは大変良いことだと思っております。
記者:
年金関連法案ですが、今日の衆議院本会議で通過確実となってますが、1ヶ月余りの国会審議で野党の審議拒否があって、年金の未払い問題が表面化したりしてなかなか実のある議論というふうに進んだかどうかという疑問もあると思うのですが、大臣、この1ヶ月間の審議を振り返ってどう思われますか。
大臣:
そうですね、いろいろなことがありまして、いわゆる年金の本質論というものについてなかなかじっくりと議論をする時間が少なかった。大変残念だというふうに思っております。参議院におきましては、従来から政策論が非常に熱心にやられた場所でございますので、私は参議院におきましては政策論がしっかり議論されるのではないかというふうに思っております。各党のご意見を我々も謙虚にお聞きをしなければいけないというふうに思っているところでございます。
記者:
国会議員の未納問題がまだ全然収まっていないようなのですが、これだけの議員が未納であったということが明らかになったというこの制度の実態について、大臣の率直なご感想をお伺いしたいのですが。
大臣:
そうですね、これは制度が複雑という言い方もありますけれども、しかしそれでは健康保険はどうなのかといえば、同じように健康保険も国保と政管健保、組合健保というふうにして分かれているわけですけども、こちらの方は職業が変わられても職場を変わられても順調に変化をしているわけであります。したがいまして、制度が複雑というよりも手続き上の問題として厚生労働省としても社会保険庁としても考え直さなければならない問題だというふうに思っております。特に政治家の場合には党の役職に就いたりいたします時に、健康保険とそれから年金と同じに扱うという一般の方式、それと同じになっているものですから、そこでミスをしたという人がかなりたくさんいるわけでありますから、そうしたことをやはりもっと徹底していかなければいけないと思っております。国民の皆さん一般におきましても、これだけ加入していただく方が減少してきているという実態があるわけでありますから、その手続き上におきましても簡便化をし、そして皆さんが入っていただける体制を早急に確立をしなければならない。特にその中で社会保険庁の今後のあり方、整理というものが非常に大事だと思っております。私もその改革に取組みたいというふうに思っているところでございます。
記者:
参議院の年金の審理がこれから始まるわけですけれども、この中で予想される一つの論点が、給付水準の50%は一体何を意味しているのかということで、それで受取開始時点で見れば、大臣がおっしゃるように本人の現役時代の平均手取り賃金でも、現役世代の平均手取り賃金でも、どちらも50%確保出来ると思うのですが、違いは現役時代の賃金は同じ、ずっと変わらないわけですけれども、現役世代の賃金は上昇していく。そうすると給付は結局同じペースで上がらないとすれば、所得代替率は下がっていく、50%を割れていくと思うのですけれども、これについて大臣は今後参議院の審議でどうやって説明していかれるご方針でしょうか。
大臣:
それは2023年までの話で、そこから先は物価が上昇すれば物価の上昇分、上がることになりますから、平行して大体上がっていくだろうというふうに思いますが、現在のすでに年金を貰っておみえになる皆さん、それから間もなく貰われるであろう皆さんのところは、これから先の年金と比較をいたしますと、これは少し高くなるというようなことで、その調整を図ると申しますか、そうした意味で少し抑制をさせていただくということになるわけでありまして、将来は2023年を越えれば、これは平行してまた上がっていくことになるかと思います。
記者:
2023年まではマクロスライドでお考えになって、2023年以降の賃金との差は。
大臣:
それは賃金との差はありますけれども、物価の上昇につれては上がっていく。ですから賃金に平行して上がっていくかどうかということは分かりませんけれども、物価の上昇分は2023年からは上がっていく。それは初めから申し上げているとおりです。
記者:
それはやはりマクロ経済スライドを使って、今かなり抑制しているということも、きちんとつまり少子高齢化の影響もそこで吸収するのだということで。
大臣:
はい。
記者:
大臣の個人的なお考えで結構なのですけれども、もう2年たってしまったものというのは、逆に払いたいと思ってももう払うことが出来ないわけですよね。そうした場合政治家の責任の取り方というのはどうあるべきだというふうに思われますか。
大臣:
これは政治家だけではなくて、一般の皆さんの中にもうっかりミスというのはあるわけでありまして、払えるものならもう少し遡って払いたいというふうにお考えになっている方もかなりあるというふうに思いますが、これは法律事項になるようでございますので、それは今後に委ねなければならないというふうに思いますけれども、私は出来れば少なくとも5年くらいは何か方法がないのか、その法律事項にしなくても、それは出来るという道があればそれに越したことはないというふうに思っております。その辺のところはよく検討したいというふうに思っております。
記者:
それは今国会中で手立てをされるということで。
大臣:
出来れば今国会中でやりたいと思いますけれども、どうしても法律でやらなければいけないということになれば、これは次の国会に委ねる以外にないというふうに思います。
記者:
年金法案の話に戻ってしまうのですが、先ほども言われてましたが、給付水準を現法案では50%以上を確保というふうに言われているのですけれども、実際の厚生労働省からいたただいた資料を計算してみても、現時点でも40%台になっているものあるのですね。
大臣:
それはモデルケースです。
記者:
はい、でもこういう言い方をすると国民は勘違いをしてしまって、40%以上は確保と言った方が間違いはないのではないかと思ったのですが。
大臣:
いや、それはパーセントとそれから額と両方あるので、額を見て貰わないと。それでモデルケースの場合の、モデルケースというのは奥さんが働いておみえになられない、ご主人だけが働いているという、そういうケースで、そしてその賃金がどれだけ、そして加入期間がどれだけということを決めてモデルケースを決めているわけで、夫婦で50%でありますから、一人割りにしますとこれは25%で一番低いのです。だからこれ以上低いのはないということで、他はもっと高い。女性でお一人働いておみえになるのであれば40%は40%、お二人とも働いておみえになる時にはパーセントは下がりますけれども額は多い。二つです。
記者:
100分の50以上を確保という感じでいわれると、そのパーセンテージで。
大臣:
だからそこはモデルケースで50%。モデルケースというのは今言ったようにご夫婦で50%、一人割りにすれば25%、こういうことです。何度もご説明を申し上げています。
記者:
モデルケースでは50%は2023年までは切っていくわけですね。
大臣:
そこは抑制していく。スタートの時には50%を確保します。
記者:
それ以後は50%を切るわけですね。
大臣:
切るか切らないかは物価の上昇率によります。物価がうんと上がっていけば、高くなるということになれば。
記者:
2023年以降も新規裁定時は50を確保ですか。
大臣:
50は確保だけれども、新裁定時はそうですけれども、それまでに貰った人がいます場合に物価の上昇にそれは影響されるわけで。
記者:
独法の人事については、総理から何かコメントございましたですか。
大臣:
今日はございません。前回に出来るだけここは一般の方に理事長になっていただくように一つ努力して欲しい、こういうお話でございまして、今回の今日発表になりました人事も適任者を探していたわけで、急に少し見つからなかったものですから、臨時代理をいただいて代理でおやりをいただいておりまして、そして6月1日から正式に決めさせていただく、こういうことにしたわけで。
記者:
この機構のトップというのは、今後民間出身でという、今回だけに限らず、次官が就くことはないと、原則的には、と考えていいですか。
大臣:
そこまで先のことまで、私申し上げることは出来ませんけれども、こうしたやはりやり方を取り入れていくという一つの方針になりました以上、こうしたことが今後尊重されるものだというふうに思っております。
記者:
たびたび年金、保険で申し訳ないのですが、専門家の方で保険料水準固定方式と給付水準固定方式は両立しないのではないかといっている方がいて、厚生労働省の出生率の見積もりも若干予想が甘くて、将来的に狂いが生じてくる可能性が大きいのではないかという主張をされている方がいるのですが。
大臣:
少子化の将来について予測出来る方というのは、誰一人いない。
記者:
はい。いないのですけれども、その予測が甘い。
大臣:
甘いかどうかはこれからの政策次第と、私はそう思います。それに政策が当てはまるような政策を持っていくかどうかが今後の問題であって、放っておいてどうなるかという問題ではない。それは政策とセットの話だと私は思っております。
記者:
今後例えばその少子化が進んでいくと、支給年齢を今回の法案では65歳より上に引き上げるということは触れていないのですけれども、引き上がるという可能性もあるのですか。
大臣:
それは今言えませんね。それよりもならないようにどう手を打つかということが大事だというふうに思っております。2025年でしたか、これで65歳まで順次引き上げていくわけですから、それまではこれはそういうふうにやっていかなければいけない。今後高齢者の、この雇用がどう進んでいくか、元気な高齢者がどう増えていくかということにこれは関わってくる話だと思います。

(了)