閣議後記者会見概要

H16.04.27(火)8:52~9:11 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、経済産業大臣から平成15年度中小企業の動向に関する年次報告がございました。それから外務大臣から平成15年度草の根・人間の安全保障無償資金協力、日本NGO支援無償資金協力及び草の根文化無償協力の実施状況について外務大臣からご報告がございました。それから第2回地球観測サミットの結果につきまして、文部科学大臣から報告がございました。それからIT担当大臣からボアオ・アジア・フォーラム第3回年次総会出席についてのご報告がございました。財務大臣から7カ国財務大臣・中央銀行総裁会議等についての報告がございました。

閣議後懇談会について

大臣:
閣僚懇談会におきまして、公共交通機関等におけるテロ対策の強化についての発言がございました。閣議においては以上でございます。

その他

大臣:
それから昨日経団連及び連合からいただきました総理に対する要請でございますが、大枠におきまして経団連及び連合共に同趣旨の要請内容でございました。主な点だけご紹介を申し上げますと、政府案・民主党案は制度体系の考え方が大きく異なり、両案の調整は可能と思えない。このまま進めば年金体制の破綻が進み、国民の不安や不信がさらに強まると危惧する。したがってこの事態を深刻に受け止め、年金制度の改革実現に向けて全力をあげるよう要請する。そういう前置きがございまして、一番として年金・医療・介護等社会保障制度全体について、税・保険料などの負担と給付の在り方を含めた見直しが必要である。二番目に政府は税制改革を平成19年に実施する方針であるが、それに併せて社会保障全体の見直しを行うべきである。ここで連合の方は年金の保険料は15%上限というふうに我々は考えているという意見が加えられておりました。それから三番目としまして、社会保障制度全体の見直しには、国民に開かれた場で行われる必要があり、我々も積極的に参加する決意である。それから最後に法案の処理にあたっては、上記の要請を踏まえ、附則ないし付帯決議を採択することを要請する。大体両方とも同趣旨でございました。以上でございます。

質疑

記者:
それを受けて総理は協議会の場を設置したいという旨の意向の発言があったのですが、大臣はそのことについてどうお考えますか。
大臣:
年金だけでなく医療・介護も含めまして、社会保障全体につきましての話し合いの場をつくるということは、大変大事なことだと私も思っております。その中で税とそして保険料の割合をどうするかいったことも大きな課題の一つだというふうに思っております。
記者:
これは政府の現在の年金の法案が、抜本的な改革だというこれまでの主張と反しないものなんでしょうか。
大臣:
反しません。年金制度の負担と給付につきましては、これはもう改革を進める以外にないわけでございます。そのことについては私は、昨日の双方の、両方の意見と申しますか、そのことについては認めていただいているというふうに私は理解をいたしております。しかしその上で今後の問題として、年金は年金、医療は医療、特に高齢者医療、介護といった問題があるわけでございますから、全体として保険料をどの程度にするのか、そして税をどの程度にするのか、また税であるならばどういう税を導入をすべきなのかといったことについて、これは総体的に設定する時期を迎えているというのは、私もその通りだというふうに思っております。
記者:
具体的にどういう場を、今、何か想定しているものがあるのでしょうか。
大臣:
これはこれからご相談を申し上げなければならないわけでございますが、現在のところは政府与党社会保障協議会がございますが、これをもう少し拡大をするという形になるのか、それとも新しく議論をする場をつくるのかといったことにつきましては、関係者の皆さん方とよくご相談をしながら決めなければいけないというふうに思っております。
記者:
未納の問題なのですが、閣僚の中に3人未納の方がいらしたということについてのご感想と、閣僚でさえ未納であることに気付かないような今のシステムについてどのように改めるお考えがあるのかということについて聞かせてください。
大臣:
未納につきましては残念でございますけれども、それぞれの事情があって未納であったということのご主旨が先日も発表になったところでございます。現在は加入していただく方には番号制もつけてございますし、そして皆さんに20歳になりますとご通知も申し上げるということになっておりますが、前にはほとんどそういうことがなかったわけで、過去の問題は非常にそうした意味で現在ほど丁寧でなかったということだと思います。私も47年10月に国会議員になったわけですが、47年は国会議員は国民年金に加入出来ないということになっていたのですけれども、誰もそういうことは教えてくれませんし、私は知らずに2、3年払っていた、加入してはいけないのに。それで、委員会かどこかの席でいろいろ話をしている最中に、元社会党の先生方が、君そんなの払っているのおかしいよ、国会議員は払っては駄目なのだよ、と言われまして、だってそんなこと誰も教えてくれないじゃないですか。ですからきちんとしているところは、市役所から、あなたは国会議員になりましたから、国民年金にはいることは出来ませんとちゃんと言ってきているところもある。ですけれども私のところはそんなことは何も言ってくれないものですから、市役所に問い合わせましたら、そんなこと知りませんね、とそういう話で私は駄目なのに払っていたという経緯があったりしまして、そんなことで過去におきましては、それは自分でそれは気付かなければならないことではありますけれども、よく分からないことがあったということでありまして、これからひとつ20歳になりましたら、1人残らず皆さん方にこれから年金にお入りいただくことになりますということを、ちゃんと通知をするということをやっていかなければいけないわけでありまして、もう現在はすでに行われておりますけれども、過去の分についてのそうした部分があったと、こういうことだと思ってます。
記者:
先週の委員会のご答弁で、月曜日には副大臣も含め閣僚の皆さん方の不払いを含めた状況についてご報告をなさるというような趣旨のご答弁をなさったというふうな理解をしているのですが、その点は。
大臣:
副大臣まで約束をしたわけではありません。大臣のところで十分でない人も中には含まれていたというお話でございましたから、それではその十分でない方の分も含めてそれはご報告をするように努力をしますと、こういうことを申し上げたつもりであります。
記者:
それは月曜日ということをおっしゃったかと思うのですけれども、それは間に合ってないということなのか、もう不備なものはなかったということなのか。
大臣:
それは官房長官のところでやっていただいておりますので、取りまとめをしていただいているというふうに思っております。(注1)
記者:
発表があるのですね。
大臣:
あるかどうかは分かりません。これは与野党の協議の中の話でございますから、一応の報告は全部あった。
記者:
官房長官のところに厚生労働省としての報告を上げていると。
大臣:
いやいや厚生労働省としては上げていないわけで、個々のところからお届けをいただいた。(注2)
記者:
念のためにお伺いしたいのですが、日本歯科医師会の臼田会長が大臣の面会にあがっているような時に、金品や背広のお仕立て券などを持っていらしたようなことっていうのは。
大臣:
それはありません。
記者:
明日、委員会で年金法案の採決が想定されますが、まだ審議時間が20時間に足らず、時間としては短いと思うのですが、十分な審議尽くされたとお考えでしょうか。
大臣:
それは審議拒否をされたら短くなります。だから審議拒否をして短いというのは、それは本当に短いのとは話が違うと私は思っております。
記者:
審議自体は十分尽くされたと言われますか。
大臣:
時間はかなりありましたけれども、本格的な議論がないのですよ、まことに残念なことでございますけれども。だから年金の議論というのは厚生労働委員会だけではなくて、もう予算委員会の時からずっと続いているのです。だけれども、それでずっと参りましたけれども、中には本格的な議論も中には2、3ありましたけれども、しかしほとんどは本格的な議論とは違う議論に終始していると、これはまことに残念なことで、将来の年金制度をどうするかということについての本格的な議論が十分に行われているのかと言えば、それは私は行われたとは言えないというふうに思っております。

(注1)この発言については、確認したところ大臣の思いちがいがあり、次のように訂正いたします。
金曜日の私の委員会での発言は、各大臣が自分の過去の年金について発言されたものを集約してお届けするという主旨でありました。この扱いについては、現在国会で検討されていることであり、全ては国会にお任せしたいと思っております。

(注2)上記と同様の理由により、この発言中「個々のところから」以降を取り消します。

(了)