閣議後記者会見概要
H16.03.26(金)9:35~9:50 参議院議員食堂
広報室
会見の詳細
閣議について
- 大臣:
- 閣議におきましては、総務大臣から消費者物価指数及び家計調査結果につきましての報告がございました。消費者物価指数の3月の東京都区部の速報値では、前月に比べまして0.4パーセントの上昇がありまして、前年同月と同水準というふうになりまして、これは久しぶりのことだということで。それから全国勤労者世帯の2月の消費支出は31万4千円で、これも前年同月に比べまして実質6.9パーセントの増加で、これも久しぶりのことであると。季節調整値でも前月からの変化をみますと2.5パーセントの増加と、こういう話で。イラクに対する緊急無償資金協力につきまして外務大臣から発表があったと。
閣議後懇談会について
- 大臣:
- それから防衛庁長官から、閣僚懇談会におきまして、テロ対策の特措法に基づきます協力支援活動についての実施期間の延長につきましての発言があったと、以上でございます。
質疑
- 記者:
- 学生障害者年金訴訟の違憲判決を巡って、与党内で今国会中になんらかの法的な措置を講じようという動きが出ておりますけれども、政府としてはどのように対応されるおつもりなのでしょうか。
- 大臣:
- 政府としても考え方を早くまとめたいというふうに思っております。一つは、裁判に対してどのようにするかということ、それからもう一つは、無年金障害者全体に対する考え方をどうするかという、二点あるというふうに思っております。これはいわゆる年金問題として処理をするのか、それともこれは福祉の問題して処理をするのか、ということによって処理の仕方はかなり違ってくるというふうに思っております。ここは与党ともよく相談を申し上げたいというふうに思っておりますが、与党の方で、そういう動きがあるというお話は聞いてはおりますけれども、どういう方向でおやりになるのか、ということについてまでお聞きをいたしておりません。よくお話を聞いて決めたいというふうに思っております。
- 記者:
- 昨日の記者会見で事務次官がお話しされていたのですが、昨日大臣の方から社会保険庁の問題について「きちんとしなさい」と言うようなご指示があったということなのですが、具体的にはどういうことをご指示をされたのでしょうか。
- 大臣:
- 社会保険庁も一生懸命やっていることは認めるわけですが、いろいろの問題が次から次へとマスコミや国会の中でも取り上げられるというような事態を迎えておりますので、やはりもう少し緊張感を持って仕事に当たって欲しいということを言ったわけでありまして、これからも非常に重要な時期を迎えるわけでありますし、また、今後におきましても年金という非常に大事な財源を基にしてことを進めるわけでありますから、全てのことによくチェックをして、やって欲しいと。やはり社会保険庁の長官は長官として具体的な問題にもよくチェックをして、ひとつやってもらわなければ困るということを申し上げたと。
- 記者:
- これは長官に対してもおっしゃられたと。
- 大臣:
- 長官に申し上げた。
- 記者:
- 大臣、無年金障害者の件に戻るのですけれども、裁判の方はどのような対応をされるおつもりですか。
- 大臣:
- これはもう少し時間を頂戴したいというふうに思っております。法務省、あるいはまたその他の省庁ともご相談申し上げなければならないことでありますので、厚生労働省だけでなかなか決定できないこと等ありますから、よく内容も吟味しながら決定したいというふうに思っております。
- 記者:
- 年金法案の審議入りを前に、江角さんの問題、それから無年金障害者の裁判の結果の問題と、二つ年金に関することが出ているのですが、大臣の今の率直なお考えをお伺いしたいのですが。
- 大臣:
- 大事な大きな問題を控えておりますし、早く本格的な議論に入りたい。そして年金の議論というのは人生百年の計でありますから、しっかりとした議論をするということが一番大事だと。したがいまして、早く済ますとか、そういうことではなくて、しっかりした議論をするということが一番大事なことでありますから、そうした意味で、そこの一番大事なところに早く行きたいというふうに率直にそう思っておりますが、なかなかそこに行けずに、入り口に大きな石があるものですから、それをのけて中に入らなければならない、そんな状況ではないかというふうに思っています。ただ、無年金障害者の問題は、前々からの懸案でございますし、私も2年前に私案を発表したところでございますし、また、そのことを与党の方にも申し上げまして、今年の年金改革の中の一項目として、無年金障害者の問題を取り上げていただいております。是非、年金の問題と同時に、無年金障害者問題についても決着をするという一項目を入れて貰っているわけでありまして、先日来も判決が出ます前、2月頃からもいろいろとお話をしていただいているところでございます。
- 記者:
- 来月から第3次の対がん10ヵ年総合戦略が始まるのですが、今回生存率を大きくするというようなことを報告していますけれども、厚生労働省してはどういう取組みをしていこうというふうにお考えでしょうか。
- 大臣:
- 対がん10ヵ年計画は、一つはやはり基礎的な研究を進めていかなければなりません。遺伝子の解析等でかなりまた新しい、いわゆる研究の範囲が広がってきて、新しい分野からの研究が進んできているということは事実でありますので、そうした基礎的な研究をこれからもしっかりやって、さらに進めてもらうということが大事だというふうに思います。それから治療面におきましては、早期発見、早期治療ということが大事でございますから、がんにかかった人たちをどう早く発見をさせるかということだろうと思っております。したがいまして、健康診断のあり方等につきましても見直しを行っていきたいというふうに考えております。
- 記者:
- 江角さんの問題に戻りますけれども、一般国民の間でも、こういうことがあるのだったら自分たちも払いたくないという声が広まっているというふうに聞きますけれども、未納問題がさらに深刻化するという指摘に対してはどのように思ってらっしゃいますでしょうか。
- 大臣:
- 未納者が多いからああいう広告をしたわけでありまして、それはちょっと逆転していると私は思います。ですから皆さん方にしっかりと年金についてお支払いをいただくようにひとつ是非お願いをしたいと。そんな広告をしなくても、もういいように皆さん方にひとつお願いをしたい、そう思っております。
- 記者:
- 保健所長の資格について医師以外にも広げるべきだというような話が出ていたのですが、3月中に厚生労働省の方針をまとめるということなのですがお考えとしては。
- 大臣:
- 今最終段階に来ておりまして、この問題は保健所がこれから何を行っていくかということとセットの話だというふうに思ってます。ですから保健所の機能をどこに重点を置いていくかといったことと併せて検討するように言っているところでございます。
- 記者:
- 広島の労働局の不正経理事件は、大きな石と言わないまでも、相当大きな石のひとつかなと思うのですが、昨日地検が何人か起訴をして山を越したということで、大臣として今回の事件の背景とか反省点というのをどう考えていらっしゃるかということと、今後の本省としての対応、具体的にどういうことをどういう目途でお考えかお聞かせ願いますか。
- 大臣:
- 前回も申し上げたと思うのですが、私の大臣就任はKSD問題からスタートしているわけでありまして、その時にもいわゆる会食でありますとか、そうしたことについては十分な注意をするように、そしてもう会食等はそれぞれが個人で出して、そして割り勘でやって欲しいというようなことを申し上げたわけで、しかしこの広島の問題は、それ以前から続いていた問題であることも事実であります。一番大きいのは10年、11年、この辺が非常に大きな額になっておりまして、大変残念なことであると思っております。自分たちが、時々慰労会をやりたいとか、そういうことがあれば、それは人間ですから、そうしたことをやりたいということを思うこともあるでしょう。それはお互いがポケットマネーでお互いに出してやるということでなければ。それを法的な財源を偽って処理をして、それを回そうなんていうことは公務員としては不届千万な話であります。二度と再びそういうことが起こらないように、これもまた厳重に言い渡したところでございますし、たとえ地方でありましても、それは厚生労働省全体の話でございますから、全体として考えていかなければいけないということを言っているところでございます。とにかく使ったお金、残っているのもありましたけれども、足らない分は全体で返す。早く返すということが第一番、そしてそれを行いまして厳正な処分を行うということがその次、そういうふうに言っております。これはなかなか、亡くなった人もおりますし、額も大きいですから、広島だけでこの額を処理するということもなかなか困難だろうというふうに思いますので、これはもう省をあげて支援をして穴は埋めると。みんなが出して、そしてその罪の償いをするということが大事、そういうふうに念を押したところです。
(了)