閣議後記者会見概要

H16.02.06(金)9:12~9:29 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、総務大臣から平成16年度の地方団体の歳入歳出総額の見込額について報告がございました。総理大臣から弁護士法の一部を改正する法律案につきましてのお話がございました。それから同じく法務大臣から弁護士法の一部を改正する法律案についての発言がございました。それから法務大臣から引き続きまして犯罪捜査のための通信傍受に関する法律に基づく国会報告について2件の例があったという報告がございました。

閣議後懇談会について

大臣:
それからこれは閣僚懇ですが、タウンミーティング、小泉改革の国民対話につきまして100回記念を2月の28日に行うということが官房長官から発言が出ました。それから地域再生タウンミーティングにつきまして、これは地域再生担当大臣から引き続きお話がございました。今まで一番多いのは竹中大臣の36回、私が二番目で14回と、そんなに行ったかなと、こう思いますが。しばらく回ってこないのではないかと、こう思っております。以上でございます。

質疑

記者:
大臣、年金の改革案、与党の正式な合意文書とそれから法案がまとまりましたけれども、これに対する評価と、それからもう一つ、今後の抜本改革の議論が5年を目途にということに与党の方ではなってますが、それよりももっと早く前倒しをしてやるべきだというふうな意見も出ておりますけれども、その抜本改革の議論については、どういうタイムスケジュールで、どういう方針でやられるおつもりですか。
大臣:
今回出ました案につきましては、もういまさら申し上げるまでもなく、皆さん方よくご存じいただいていることだと思います。抜本改革という話がございますが、今回提案しましたのが一番根幹に関わります抜本改革だと思っております。それに引き続いてどうするかという話だというふうに思います。言ってみれば、25年とか50年先の将来に向けましたレールを今回の案で引いたと。根本改革と私は思っております。このレールの上に乗っかる電車をどんな色形のものにするのかということについては様々なご意見があると思いますし、それはただ年金の中だけの話ではなくて、それにまつわりますと申しますか、その周辺の国の機構そのものを変えていかなければならない話がございますので、全体を変えていくというのはそう簡単なことではないというふうに思います。しかし、決めるのは5年を待たずに決めることが出来得るというふうに思います。しかしそれを現実に移すということになってまいりますと、なかなか5年後からスタート出来るかと言えば、あるいはもっとかかるかも知れない。本格的な改革であればある程20年30年かけて、これは改革をしていかなければならないのだろうというふうに思いますが、どういう路線で、どういう姿形にしていくかということを決めるのはもっと早く決めることは出来るだろうというふうに思います。しかし、その周辺のことをいろいろ検討していかなければならない。以前にも申し上げたと思いますけれども、私は今回のこの年金改革、この次にどうするかを考えなければならないのは、現在の厚生年金は世帯単位になっておりますが、これをこのままでいくのか、それとも個人単位にするのかというところが最大の課題ではないかというふうに思います。もし仮に個人単位でいくということになりますと、現在の3号被保険者の問題がございまして、この保険料を誰がどういう形で支払うのか、ということがあります。また、個人単位になるということは女性の年金に関しまして言えば、女性の賃金が低いというままでこの個人年金がスタートするということになりますと、女性の年金は常に低いということになってしまう。そうしたこともございまして、やはり賃金の男女格差といったものもそこでどうすべきかというような問題が起こってくる。それらのことを含めて考えていくと、その背後にあります日本の経済界、産業界の機構を一体どうしていくのかというような、大きな方向性を考えなければならないということになってくるというふうに思っております。それらのことを含めて議論をしていただく必要があるのではないかというふうに思っておりまして、今後そうしたことも含めてご議論いただければ幸いだというふうに思っております。
記者:
すでに逮捕者も出ている広島の事件で、渦中の人物が昨日自殺したというニュースがありましたが、これについてどうお受け止めになってらっしゃいますか。
大臣:
私も大変残念なことでございますが、聞いたところでございます。それで大変行政的には優秀な人材で、いわゆる幹部として長い間活躍をしてきた人でありますし、そういう地位におりましただけに、やはり責任上の立場からもいろいろ取り調べを受けたというふうに聞いております。しかし、この人に責任があったのかどうかということは、まだ分かった段階ではありませんでした。したがいまして、この人を失ったことは大変残念に思いますが、優秀な人材でもありましただけに本人のご冥福をお祈りを申し上げたいと、そう思っております。
記者:
今後の調査の見通しと申しましょうか、時期的にはいつ頃までとか、あと、本省の方が接待を受けていたのではないかと言われておりますが、そうした本省との関わりについても調査するおつもりがあるのでしょうか。
大臣:
すでに行っております。本格的に各分野にわたりまして調査をいたしておりますし、徹底的な解明を行いたいというふうに思っております。
記者:
お医者さんの処分の問題ですが、先日医道審議会がありまして、今回も34人のお医者さんが処分をされましたけれども、いずれも刑事事件を起こしたお医者さんで、もしくは診療報酬の不正請求。それで民事の方のリピーター医師ですね、刑事事件にならないけれども、ミスを何回も繰り返すリピーター医師については今回も諮問がされなかったし、基準自体がまだ出来ていない。リピーター医師、そのような民事の医師を処分するという方針を出したのは一昨年の12月ですよね。去年の夏ぐらいまでには基準をつくるという話だったと思うのですが、その辺がなかなか事務方、医政局の会見なんかを聞いていても、どうも難しい難しいと言うばかりで、あんまり積極的にやる気があるのかどうかよく分からないというような感じがするのですが、まず基準というものについて、大臣、いつ頃これはつくるべきというお考えなのか。
大臣:
課題であることだけは、私も承知をいたしておりますが、確かに刑事ではなくて民事の場合にどこまでそれをするかということは、非常に難しい話であることだけは間違いがないというふうに思います。難しいですが、しかし基準をつくらないと話は前に進みませんので、基準を早くつくるようにしたい。それは省内だけではなくて、やはり専門家の意見も十分に聞いてやらないといけないというふうに思っております。刑事と民事との関わり、そしてどうした内容のものについてはどうするかといったことについて、やはり早く基準だけはつくらないといけないというふうに思いますから、ここは急がせたいと思っております。
記者:
その基準作りの話し合いというのは、医道審議会の中で行われるのでしょうか。
大臣:
いやそこまで、医道審議会の中そこまではなかなか、お忙しい方ばかりの集まりでございますから出来ませんので、やはり別途やらないといけないと思います。中に何か一つの検討会のようなものを下部組織につくるということはあるかもしれませんけれども、どんな形でやるかも含めて検討したいと。
記者:
事務方の方が、申し立てのあったお医者さんを呼び出そうとしても、無視された場合に、呼び出しに応じていただくことが出来ないという問題があるのですけれども、その点について大臣は。
大臣:
それはそうでしょうね、権限外のことは出来ないと思いますから、それはあり得るというふうに思います。だからこの話はそう単純な話ではないというふうに思います。
記者:
法律の専門家の間では、医師の免許を付与する厚生労働省の監督権というは、医師法に明記されているわけであって、その監督権というものを厚生労働省の場合、過小に捉えていて、医師会との兼ね合いとかも気にしているのかもしれませんが、どうもちゃんとその辺を、監督権というのは調査権も認められているのだという法律家もいるわけで、その辺の踏み出し方が、どうも厚生労働省は非常に消極的であるというような指摘があるのですが。
大臣:
法律家もいろいろですからね。いろいろのご意見があるというふうに思いますけれども、厚生労働省に与えられている権限というのは、それはいろいろあるのでしょうけれども、あまりこれを振り回しすぎると、また別の弊害も出ますから、これはやはり控えめにやっておく方がいいと、私は思っております。しかしやらなければならないことをやらないというとのではいけませんから、それは折り目切り目をつけながら、必要なことは前進をさせるということにしていきたいというふうに。
記者:
年金問題に戻るのですが、今回の改正でも、厚生年金と共済年金の統合問題が見送られる形になったのですが、省庁かなりまたがった制度だと思うのですけれども、厚生労働省として、省をまたいで検討の場というのを設けるお考えはおありでしょうか。
大臣:
年金の問題は、代表格として厚生年金があるわけですが、今までもそうだったのですけれども、厚生年金が改革をされれば、それに併せて共済年金なども改革をしてきたという経緯がございます。今後共済年金が共済年金として、今後もこれが位置づけられていけるのかどうか、過去に国鉄でありますとか、あるいは当時の専売公社でありますとか、そうしたところも個々にやっていたわけでありますけれども、もう行き詰まった、財政的に。だから共済年金もいつまでも出来るのかといえば、行き詰まる時があるといわれているわけでありまして、そうしたことを考えますと、早く厚生年金に一元化をしていくということが望ましいと、私は思っております。ただ現在、いくつかに分かれて存在することも事実でございまして、それらのことをどのように調整をしていくかというのも今後の課題になるというふうに思っております。しかし方向性としては、一元化の方向だというふうに私は思っております。
記者:
省をまたいだ例えば検討チームのようなものをつくるとか、そういうようなことはお考えですか。
大臣:
省をまたいだと申しますか、そうした大枠の方向性を決めていく時には、それぞれの代表の皆さん方もお入りをいただくということは必要だというふうに思いますけれども、これは省でやるということではない。もう少し大きな枠組みの中で決定をしていく話だというふうに思っております。ですから厚生労働省だけでななくて、もう少し内閣全体で取り組んでいただくとか、あるいはまた与党との間で話し合いを進めていくとか、様々な方法はあるというふうに思いますけれども、もう少し大きな枠組みの中でこれは決めていくべきだというふうに思います。もちろん個々のご意見も聞いていかなければいけないというふうに思っておりますけれども。今回のメルマガにも書きましたけれども、やはり背景となります国づくり、これから政府としてどういうことを心がけていかなければならないか。この年金を実現するための、やはりやらなければならないことは何なのか、その辺のところも明確にしていく必要があるというふうに思っております。そうしたことを行いながらやっていく、今回のこの年金改正におきましては、そうした国のこれから行わなければならない責任ということも、より明確になったというふうに思っている次第でございます。

(了)